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報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB) 初回取得時の資料です。過去版との比較ではありません。
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変更後 · 1ページ 令和6年度こども家庭庁委託事業
地域限定保育士試験の質の確保に関する
調査研究業務一式 報告書
(概要版)
【報告書(概要版)作成の背景及び位置づけ】
➢ 本事業では、保育士試験に係る機密性の高い内容を扱うため、本事業で設
置した検討委員会を非公開としたことに加え、委員会資料の取扱いや、委
員会の運営等、徹底した情報管理の下で事業を実施した。
➢ 報告書には、保育士試験に係る情報が含まれており、報告書を公表するこ
とで、保育士試験の適正な遂行に支障をきたすおそれがあることから、報
告書(概要版)を作成することとした。
令和7年(2025 年)3月
有限責任監査法人トーマツ
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変更後 · 2ページ 目 次
第1章 事業概要................................................................................................................... 1
1. 目的 ............................................................................................................................ 1
2. 事業内容 ..................................................................................................................... 1
第2章 地域限定保育士試験の筆記試験問題の質確保のための基準の考え方に関する
調査研究 ................................................................................................................... 3
1. 作問体制(委員の選定方法を含む) ......................................................................... 3
2. 作問方法 ..................................................................................................................... 3
3. 全国で実施する保育士試験との等質性の検証方法 ................................................... 4
4. 全国試験を実施している指定試験機関(全国保育士養成協議会)及び他の
地域限定保育士試験を実施している実施主体と情報共有する内容・時期・方法.... 5
5. 新たに指定試験機関を指定する場合の留意事項 ....................................................... 5
6. まとめ ......................................................................................................................... 6
(1) 規定が必要と考えられる事項 ............................................................................. 6
(2) 全国試験と地域限定保育士試験の中長期的な等質性の確保等について ........... 7
(3) 安定的な試験の実施について ............................................................................. 7
第3章 実技講習の質確保のための基準の考え方に関する調査研究 ................................ 10
1. 講習運営(実施体制) ............................................................................................. 10
2. 実技試験との等質性の確保方策................................................................................11
3. 全国試験を実施している指定試験機関(全国保育士養成協議会)と
情報共有する内容・時期・方法 .............................................................................. 16
4. 実技講習の委託先に関する留意事項 ....................................................................... 16
5. まとめ ....................................................................................................................... 16
(1) 規定が必要と考えられる事項 ........................................................................... 16
(2) 地域限定保育士試験で保育士になった方へのフォローアップについて ......... 17
第4章 地域限定保育士試験の実施に係る標準的な 経費の分析 ...................................... 18
1. 調査結果 ................................................................................................................... 18
(1) 地域限定保育士試験(筆記試験).................................................................... 18
(2) 地域限定保育士試験(保育実技講習会)......................................................... 19
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(3ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 3ページ 第1章 事業概要
1.目的
資格取得し、登録した後3年間は当該国家戦略特別区域(以下「特区」という。)内のみで
保育士として働くことができ、4年目以降は全国で働くことができる「地域限定保育士(正式
名称:国家戦略特別区域限定保育士)」となるための試験制度については、現在、「国家戦略
特別区域法」(平成 25 年法律第 107 号)に基づき、実施されており、規制改革実施計画(令
和 5 年 6 月 16 日)において、「特例措置の全国展開について、今後の児童福祉法(昭和 22
年法律第 164 号)の改正に向けて、令和5年度中に詳細な制度の検討を行う」とされている。
これを踏まえ、地域限定保育士試験の全国展開に係る制度の検討を行うにあたり、更なる質
確保のために取りうる具体的な手法について、試験の妥当性、等質性、問題の識別力、試験
運営の在り方等の観点や、現行の保育士試験の分析・検証を行う必要がある。このため、国
において実施に向けた検討や更に中長期的な課題について検討するための調査研究を行う。
2.事業内容
本事業では、地域限定保育士試験を実施する自治体における、現状の取組内容を把握する
ためのヒアリング調査等を行い、検討委員会委員からの助言を基に、全国展開に向けた、更
なる質の確保のために取りうる手法等について整理を行った。
(1)検討委員会の設置運営
(2)地域限定保育士試験の筆記試験問題の質確保のための基準の
考え方に関する調査研究
(3)実技講習の質確保のための基準の考え方に関する調査研究
(4)地域限定保育士試験の実施に係る標準的な経費の分析
(5)事業報告書の作成
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(4ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 4ページ 図表1-1:事業の全体像
図表1-2:検討委員会委員名簿
委員名簿
( ○ 印 は
座長、五十
音順、敬称
略)
〇井上 眞理子 洗足こども短期大学幼児教育保育科 教授
椛島 香代 文京学院大学人間学部 教授
小泉 裕子 鎌倉女子大学短期大学部初等教育学科 教授
内藤 知美 田園調布学園大学子ども未来学部 教授
槇 英子 淑徳大学総合福祉学部 教育福祉学科 教授
光永 悠彦 名古屋大学大学院教育発達科学研究科 准教授
※ オブザーバー:こども家庭庁成育局成育基盤企画課、
一般社団法人全国保育士養成協議会(以下、「保養協」という。)(2) 地域限定
保育士試験の筆
記試験問題の質
確保のための基準
の考え方に関する
調査研究
(3) 実技講習の
質確保のための基
準の考え方に関す
る調査研究
(4) 地域限定
保育士試験の実
施に係る標準的な
経費の分析(1)
検
討
委
員
会
の
設
置
運
営
(5) 報告書の作成(本事業の成果物)
ヒアリング
中間整理(9月末めど)
主な実施内容
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変更後 · 5ページ 第2章 地域限定保育士試験の筆記試験問題の質確保
のための基準の考え方に関する調査研究
本調査研究の目的は、地域限定保育士試験の全国展開に係る制度の検討を行うにあたり、
更なる質確保のために取りうる具体的な手法について、試験の妥当性、等質性、問題の識別
力、試験運営の在り方等の観点等から検討を行い、自治体が試験の質を確保するために必要
な事項を整理することである。
この目的を果たすため、各種調査結果及び検討委員会での議論等も踏まえながら、以下の
視点から整理する。
(1) 作問体制(委員の選定方法を含む)
(2) 作問方法
(3) 全国で実施する保育士試験との等質性の検証方法
(4) 全国試験を実施している指定試験機関(全国保育士養成協議
会)及び他の地域限定保育士試験を実施している実施主体と
情報共有する内容・時期・方法
(5) 新たに指定試験機関を指定する場合の留意事項
1.作問体制(委員の選定方法を含む)
作問体制について、質確保のために取りうる手法として、検討委員会において以下の事
項が提案された。
① 保育士試験の作問経験者の参画を検討すること。また、複数の試験の委員を兼ねる
場合の情報管理体制についても情報漏洩対策が求められること。
② 試験委員の専門性が、各科目の出題範囲全体をカバーできるよう、試験委員数を検
討する際は委員の専門分野を考慮すること
③ 作問だけではなく、問題の確認作業(誤字脱字、根拠資料との整合性、科目間の重
複等)を行うことを踏まえた作問体制を整備すること
2.作問方法
作問方法について、質確保のために取りうる手法として、検討委員会において以下の事
項が提案された。
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(6ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 6ページ ① 地域限定保育士試験における問題区分の考え方の導入を検討すること
(出題者が受験者に期待する概ねの正答率により問題区分を設け、各科目別に問題
区分ごとの出題割合を一定とする)
② 作問時に最低限参考にする指標(正答率、識別指数、選択率、設問回答率分析図(ト
レースライン)(P8参照))及び指標に着目した作問プロセスを標準化すること
③ 過去問使用のルールを設定すること
(ルールの例)
• 試験の公平性、妥当性を著しく損なうことがないよう、例えば、「3年以内に再出
題を行わない」などといったルールを設けること
• 過去問として使用する際には、問の指標や最新の制度・学術的な側面からの妥当
性を検証する等し、適切な問を使用する
• 過去問の割合を、例えば最大で全体の 20%と提示することや、これまでに出題さ
れた問題のうち、何割程度を過去問として使用するか、という基準を設ける 等
3.全国で実施する保育士試験との等質性の検証方法
全国で実施する保育士試験と地域限定保育士試験との等質性の検証方法について、質
確保のために取りうる手法として、検討委員会において以下の事項が提案された。
① 等質性の検証における役割分担を明確にすること
② (都道府県の役割)全国試験との等質性の検証を行うこと
(全国試験との等質性の検証内容の例)
検証内容の例 検証単位
1 都道府県が正答率や問題内容から過去問の難易度を見積も
り、試験後に当該問題の正答率を過去問出題時点と比較した
上で、難易度について検討する
問題ごと
2 問題区分の枠組みに当てはめ、区分ごとの問題数を確認する
とともに、特に、事前に予想していた正答率と大きく乖離が
あった問題については、指標等を基に、その原因について分析
する
科目ごと
3 2の問題区分の枠組みへの当てはめた分布について、全国試
験の結果との比較を行う(分布が大幅に異なる場合はその原
因について分析する)
科目ごと
4 得点別の受験者割合について、全国試験の結果との比較を行
う(分布が大幅に異なる場合はその原因について分析する)
科目ごと
③ (国の役割)筆記試験全体及び試験科目別の合格率のモニタリングを行い、地域限
定保育士試験と全国試験との間で乖離が生じている場合には、都道府県における等
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変更後 · 7ページ 質性の検証を行うよう依頼すること
4.全国試験を実施している指定試験機関(全国保育士養成協議会)
及び他の地域限定保育士試験を実施している実施主体と情報共有
する内容・時期・方法
全国試験の指定試験機関と地域限定保育士試験の実施主体との間で、質確保のために
情報共有をすることが望まれる内容等について、検討委員会において以下の事項が提案
された。
① 作問に関する内容
• 全国試験を実施する指定試験機関から、地域限定保育士試験を行う自治体へ出題
方法や出題方針などの情報提供
• 作問時に最低限参考にする指標(正答率、識別指数、選択率、設問回答率分析図
(トレースライン)(P8参照))について、保育士試験の指定試験機関(保養協)
及び地域限定保育士試験の指定試験機関それぞれから、実施機関を指定する権限
を有する自治体に対して提供することを義務付けること
• 地域限定保育士試験と全国試験で同様の問題が続けて出題されないよう、(可能
な範囲での)確認を行うこと
② 試験実施事務に関する内容(受験者の一部科目合格についての情報等)
また、その他、情報共有を行うにあたり、質確保のために取りうる手法として、検討委
員会において以下の事項が提案された。
③ 各自治体及び各指定試験機関に共通した情報管理・共有に関する方針を検討するこ
と
• 指定試験機関の間で共有可能な情報
• 自治体間で情報共有することが求められる情報(指定試験機関の間では共有して
はいけないもの)
• 複数の試験の委員を兼ねている試験委員が共有可能な情報、守秘義務の対象とな
る情報
5.新たに指定試験機関を指定する場合の留意事項
新たに指定試験機関を指定する場合の留意事項について、質確保のために取りうる手
法として、検討委員会において以下の事項が提案された。
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(8ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 8ページ ① 利益相反の可能性がある場合(例えば試験対策に係る事業を本業として行っている
法人等)は、指定試験機関として試験を実施することはできない等の制限を設ける
こと
6.まとめ
(1) 規定が必要と考えられる事項
地域限定保育士試験の目的は「保育士不足を解消すること」である。一方で、地域限
定保育士試験に合格した者についても、一定の要件の下、全国試験を受けなおさなくて
も保育士資格を取得することができるため、試験の等質性を確保する取組が求められ
る。その際、全国試験で実施しているような作問体制等の取組について、細かな点まで
保育士試験実施要領で定めてしまうと、地域限定保育士試験を実施できる自治体が限
られ、制度の目的である「保育士不足を解消すること」を果たすことが難しくなる。そ
のため、保育士試験実施要領に定めるべき事項としては、試験の等質性の確保と、自治
体での実現可能性のバランスを考慮する必要がある。
図表2-1:筆記試験の更なる質の確保に向けた取組に関する規定項目案
規定が必要と考えられる項目の案
1 作問体制
① 試験委員への作問経験者の参画
② 試験委員数を検討する際の委員の専門分野の考慮
③ 問題の確認作業を踏まえた作問体制の整備
2 作問方法
① 「問題区分」の導入
② 作問時に参考にする指標及び作問プロセスの標準化
③ 過去問の使用ルールの設定
3 等質性の検証方法
① 等質性の検証における役割分担
② 全国試験との等質性の検証方法
③ 筆記試験全体及び試験科目別の合格率のモニタリング
4 全国試験と地域限定保育士試験の実施主体の情報共有
① 作問に関する内容についての情報共有
② 試験実施事務(作問を除く)に関する内容についての情報共有
③ 各自治体及び各指定試験機関に共通した情報管理・共有に関す
る方針の検討
5 新たに指定試験機関を指定する場合の留意事項
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(9ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 9ページ (2) 全国試験と地域限定保育士試験の中長期的な等質性の確保等について
今後、筆記試験を独自で作成する自治体が増えた場合には、より高度に試験問題の等
質性を確保できる仕組みが必要であり、データの蓄積や、作問を担う多様な団体等の間
での情報共有の仕組みなどの検討が必要になると考えられる。具体的な検討をする際
は、そもそも民間団体(営利団体)を含む多様な試験実施団体間でどこまで情報を共有
できるのか、また、業界内でこの問題について協議できる場が確保できるかなど、解決
すべき課題があることに留意するべきである。その際、各都道府県で上記(1)に記載
した規定等の遵守状況の確認や、各取組における判断基準の統一を図るための連絡協
議会の設置、若しくは等質性の確保において中心的な役割を果たす機関の設置をする
などして、都道府県間で取組の内容が大きく異ならないようにすることが考えられる。
また、保育士試験は関係者が多岐にわたり、検討すべき事項も多くある。そのため、
更なる試験問題の質や公平性を確保する上では、当事者間(関係省庁、地方自治体、保
養協、指定保育士養成施設など)での検討のほか、試験制度の枠組み自体を、第三者機
関を設置し、継続して見直していくことも考えられる。
(3) 安定的な試験の実施について
本事業では、地域限定保育士試験の全国展開に係る制度の検討を行うにあたり、更な
る質確保のために取りうる具体的な手法について検討を行った。一方で、更なる質の確
保のための前提として、安定的に試験を実施することが求められる。現状、全国試験が
年2回、全国試験とは別日程での地域限定保育士試験の筆記試験が年1回と、年間で計
3回の試験が実施されている。現状においても、全国の前期試験の結果が決まる前に神
奈川県の試験に申し込む必要があり、同様に神奈川県の試験結果が決まる前に全国の
後期試験に申し込む必要がある。そのため、試験の不要な申込みや申込み忘れが生じる
こともある。仮に試験の実施日がこれ以上増えた場合、受験者にとって申込み時期等に
益々無理が生じることに加え、指定試験機関における受験申請者情報や科目ごと合否
情報の交換や連携が困難となり、結果的に受験者に迷惑がかかるおそれもある。
本事業では、保育士の人材確保と専門性の担保という、量と質の両面の保障を目指す
ものである。受験者の増加を目指すためには、受験者の利益に配慮し、保育士試験に関
する情報にアクセスしやすい環境を整えることも検討したい。いずれにおいても、受験
者が混乱なく手続き等の情報を入手し、また受験者の情報共有がタイムリーに共有で
きる仕組みを同時に考える必要がある。
このように、地域限定保育士試験の全国展開を検討する上では、本事業で検討してき
た質確保のほか、各指定試験機関が必要な情報共有を行えるよう、厳格なスケジュール
管理を行うことが求められる。今後地域限定保育士試験を行う自治体が増えた場合に
は、複数の試験の受験者を一元的に管理するような仕組みの検討、及びそれを担当する
機関の設置などが考えられる。
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(10ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 10ページ (参考)作問時に最低限参考にする指標について(上記2②及び4①関連)
'① 正答率
解説:各設問について算出されるもので、受検者集団において当該設問に正答した人数の割
合のことをいい、問題ごとの難易度を示す。
異なる受検者集団 A と B が同一の問題を解答した場合、集団 A と B それぞれから得ら
れた正答率は、それぞれの集団の学力を反映した問題ごとの難易度と解釈できる。受
検者集団 A を「過去に出題した際に解答した集団」、B を「これから出題する受検者集
団」と考え、どのテスト実施場面においても受検者の学力分布が同一であると仮定す
れば、正答率が過去出題時点の値に近くなるように作問することによって、難易度の
統一を図れることとなる。
'② 識別指数
解説:各設問について算出されるもので、設問の識別力※を表す指標の1つである。目安と
して、識別指数が 0.25 以上だとその設問は識別力が高く、0.50 を超えると受検者の
資質を測るのに極めて優れた設問だと判断される。逆に識別指数がマイナスになると、
その設問は得点の低い受検者の方が正答が多かったことになり、識別力の点では不適
切な設問といえる。正答率の極めて高い設問や、逆に極めて低い設問は、成績上位者
と下位者とで差が生じないので識別指数は0に近くなり、やはり設問としては検討が
必要になる。計算式は DI=(a-b)/n で表す(a は成績順位上位者(上位 25%)のうちそ
の設問で正答した人数、b は成績順位下位者(下位 25%)のうち正答した人数、n は全
体の 25%の人数)。
'③選択率
解説:多枝選択式問題において、各設問のそれぞれの選択枝について算出されるもので、受
検者集団において当該選択枝を選択した人数の割合のことをいう。通常、無答率も加
えて合計が1(100%)になるように計算する。ある誤答枝の選択率が、正答枝の選択
率(すなわち正答率)を上回る場合は、設問に何らかの問題がある可能性があり、識
別指数も参照し、設問の検証を行うことが求められる。
'④設問回答率分析図(トレースライン)
解説:選択率や識別力※を視覚的に表現する図。得点に基づいて受検者をいくつかの群に分
割し、群ごとに各選択枝(無答含む)の選択率を計算した後、選択枝ごとに各群の選
択率を直線で結ぶ。ラインの高さが正答率を表し、ラインの傾きが識別力を表す。
下の図では、受検者を3群に分けているが、受検者数が多い場合は、4群、5群に群
わけしたトレースラインを描くこともある。
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(11ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 11ページ 通常,正答枝のラインは右上がり,誤答枝のラインは右下がりになる。正答枝のライ
ンが右上がりになっていない場合は、識別力に問題があると判断される。また、誤答
枝のラインが右上がりの場合、テスト得点が高い受検者ほど誤答枝を選びやすいとい
うことになり、設問に何らかの問題があると考えられる。
※ 識別力とは、設問単位で、学力の低い受検者と高い受検者をどの程度適切に区別できるかを表す程度の
大きさをいう。低学力群と高学力群で正答率が変わらない場合は、受検者の学力を識別できないため、
「識別力の低い問題」となる。
図表2-2:設問回答率分析図(トレースライン)のイメージ図
出所:石井研究室. テスト研究:項目分析.を参考に事務局にて作成
【参考文献】
石井研究室:名古屋大学 教育発達科学研究科 心理発達科学専攻. (n.d.). テスト研究:項目分析.
https://www.educa.nagoya-u.ac.jp/~ishii-h/test_bunseki.html
赤根敦・伊藤圭・林篤裕・椎名久美子・大澤公ー・柳井晴夫・田栗正章. (2006). 識別指数による総合試験
問題の項目分析, 大学入試センター研究紀要, 35, 19-470.00
0.20
0.40
0.60
0.80
1.00
成績下位群 成績中位群 成績上位群
A
B
C
D
E
(選択率)
(選択肢)
Cが正答
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(12ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 12ページ 第3章 実技講習の質確保のための基準の考え方に関
する調査研究
本調査研究の目的は、地域限定保育士試験の全国展開に係る制度の検討を行うにあたり、
実技講習を実施している自治体の実施内容を調査し、実技講習を実施する場合に標準とすべ
き内容を整理し、地域限定保育士試験の実技講習を実施する自治体が、実技講習の質を確保
するために必要な事項を整理することである。
この目的を果たすため、各種調査結果及び検討委員会での議論等も踏まえながら、以下の
視点から整理する。
(1)講習運営(実施体制)
(2)実技試験との等質性の確保方策
(3)全国試験を実施している指定試験機関(全国保育士養成協議
会)と情報共有する内容・時期・方法
(4)実技講習の委託先に関する留意事項
1.講習運営(実施体制)
講習運営(実施体制)について、質確保のために取りうる手法として、検討委員会にお
いて以下の通り意見が出た。
① (委託先が見つからないことが想定される場合は、)自治体の実情に合わせた保育
実技講習会の実施方法の検討を行い、実施主体としての一定の質を確保する要件を
課しつつも、多くの主体が参画できる仕組みを構築すること(図表3-1参照)
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(13ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 13ページ 図表3-1:多様な事業者への委託を行う際のパターン例
出所:事務局にて作成
2.実技試験との等質性の確保方策
実技試験との等質性の確保方策について、質確保のために取りうる手法として、検討委
員会において以下の事項が提案された。
① 保育実技講習会に係る要領に保育士試験実施要領別添「保育士試験出題範囲」保育
実習(保育実習実技に係る部分)の「第1 出題の基本方針」、「第3 出題上の留意
事項」に関する記載を追記すること
② 保育実技講習会における到達目標を示し、それを踏まえた修了基準を定めること
(図表3-2~図表3-5参照)
③ 保育実技講習会修了者と実技試験合格者の活躍状況を比較すること
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(14ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 14ページ 図表3-2:保育実技講習会(保育の表現技術)の内容及び到達目標(案)
科目 区分 内容 時間数 到達目標
保育の表
現技術
(音楽表
現)
演習 ① こどもの発達と音楽表現
に関する知識と技術
② 身近な自然やものの音や
音色、人の声や音楽等に
親しむ経験と保育の環境
③ こどもの経験や様々な表
現活動と音楽表現とを結
びつける遊びの展開
6 ① 保育所保育指針等に示された領域
「表現」のねらい及び内容について
理解している。
② 乳幼児期の発達過程を踏まえた上
で、音を介したこどもの表現に適し
た多様な素材・教材、その活用方法
について実践的に理解している。
③ こどもの表現意欲を支える環境を
構成し、展開するための技術につい
て実践的に理解するとともに、具体
的な保育を構想できる。
保育の表
現技術
(造形表
現)
演習 ① こどもの発達と造形表現
に関する知識と技術
② 身近な自然やものの色や
形、感触やイメージ等に
親しむ経験と保育の環境
③ こどもの経験や様々な表
現活動と造形表現とを結
びつける遊びの展開
6 ① 保育所保育指針等に示された領域
「表現」のねらい及び内容について
理解している。
② 乳幼児期の発達過程を踏まえた上
で、こどもの造形表現に適した多様
な素材・教材、その活用方法につい
て実践的に理解している。
③ こどもの表現意欲を支える環境を
構成し、展開するための技術につい
て実践的に理解するとともに、具体
的な保育を構想できる。
保育の表
現技術
(言語表
現)
演習 ① こどもの発達と絵本、紙
芝居、劇(人形劇含む)、
ストーリーテリング等に
関する知識と技術
② こども自らが児童文化財
等に親しむ経験と保育の
環境
③ こどもの経験や様々な表
現活動と児童文化財等と
を結びつける遊びの展開
6 ① 保育所保育指針等に示された領域
「言葉」、「表現」のねらい及び内容
について理解している。
② 乳幼児期の発達過程を踏まえた上
で、こどもの言葉の育ちを支える児
童文化財についての知識や活用方法
について実践的に理解している。
③ こどもの表現意欲を支える環境を
構成し、展開するための技術につい
て実践的に理解するとともに、具体
的な保育を構想できる。
出所:保育実技講習会実施要領の別表を基に事務局にて作成
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(15ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 15ページ 図表3-3:保育実技講習会(保育実践見学実習)における到達目標(案)
【保育実践見学実習(事前指導)】の目標
① 保育実践見学実習の意義・目的を理解する。
② 実習施設における子どもの人権と最善の利益の考慮、プライバシーの保護と守秘義
務等について理解する。
【保育実践見学実習】の目標
① 保育所、児童福祉施設等の役割や機能を具体的に理解する。
② 観察や子どもとの関わりを通して子どもへの理解を深める。
③ 保育士試験(筆記試験)及び保育実技講習会の内容を踏まえ、子どもの保育及び保護
者への支援について総合的に理解する。
④ 保育士の業務内容や職業倫理について具体的に理解する。
【保育実践見学実習(事後指導)】の目標
① 保育実践見学実習の総括と自己評価を行う。
② 保育士試験(筆記試験)及び保育実技講習会の全体を通して、自らの学びを振り返
り、自己の課題を明確化する
出所:指定保育士養成施設科目の目標を基に事務局にて作成
(太字下線の箇所は養成施設科目の目標からの修正箇所を示す)
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(16ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 16ページ 図表3-4:保育実技講習会におけるレポート内容に関する考え方等の案
レポート
に関する
考え方
➢ 到達目標の達成を図り、当該目標に達していることを確認できるような内
容とする
➢ 保育実践見学実習については、「保育実践見学実習受入実施指針2(1)
②実習プログラム」の具体的取組内容が確認できるよう、実習日誌の記録
を基本とし、「時系列」「事例と考察」「実習目標と振り返り」等の記述を
求める内容とする。
➢ 以下に該当する場合は再提出を求める
保育所保育指針の見方を逸脱した内容となっているなど、到達目標
への到達状況が十分でないと考えられる場合
文字数の指定がある設問については、指定の文字数の 60%に満たな
い記述量の場合
設問例 ➢ ≪保育の表現技術に係る到達目標①について≫
本講習会「音楽表現」の科目での学びを通し、保育所保育指針等に示され
た領域「表現」のねらいと内容に関して理解できたことを具体的に○字程
度で記述してください。
➢ ≪保育の表現技術に係る到達目標②について≫
本講習会「音楽表現」の科目での学びを踏まえ、「音を介したこどもの表
現に適した多様な素材・教材、その活用方法」について、0歳児、1-2
歳児、3歳以上の3つの発達段階に分け、○字程度で記述してください。
➢ ≪保育の表現技術に係る到達目標③について※≫
こどもの音に対する意欲や関心を高め、充実した遊びが展開できるよう、
示された書式に沿って、指導計画を作成してください(書式を提示する)。
※ 講習会の中で指導計画を作成するワーク
ショップ等を設けている場合は不要
➢ 本講習会「音楽表現」の科目での学びを通し、今後、こどもと関わる上で
保育士として心がけたいこと、意識したいことを○字程度で記述してくだ
さい。
出所:事務局にて作成
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(17ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 17ページ 図表3-5:保育実技講習会における修了基準(案)
○○県地域限定保育士試験における保育実技講習会は、原則として、受講者が全ての科
目を受講したことをもって、修了したものと認定する。
なお、以下の項目に一つでも当てはまる場合は、原則「未修了」とする。
第1 出欠状況
(1) 各講義に遅刻をした場合。
ただし、公共交通機関等に遅延が生じ、その事実を確認できる場合は、講義開始から
○分後まで、入室を認める。
(2) 講義開始後、一時的な離席、又は早退した場合。
(ただし、受講生から体調不良等の申出があり、やむを得ず離席又は退席の必要があ
る場合には、受講者が希望し、空席がある場合に限り、別日での再受講を認める。)
第2 提出物
(1) 造形表現の演習、音楽表現の演習、言語表現の演習及び保育実践見学実習における
レポートのいずれかが提出されていない(、又は各レポートにおいて指定された要件を
満たしていない)場合。
(2) (受講カード、誓約書その他講習会運営事務局(以下、「事務局」とする。)が指定し
た書類のいずれかが提出されていない場合。)
第3 受講姿勢
(1) 講師及び事務局の指導に従わず、講義の進行を妨害する、講義と関係のない行動を
とる、演習に参加しないなど、受講態度が不適切で、事務局より退席を指示された場
合。
第4 保育実技講習会実施要領に定める目標への到達状況
(1) 提出されたレポート等を踏まえ、各科目の目標に著しく達していないと講師及び事
務局が判断した場合。
※ 黄色ハイライトは自治体により対応が異なると考えられる箇所
出所:事務局にて作成
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(18ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 18ページ 3.全国試験を実施している指定試験機関(全国保育士養成協議会)
と情報共有する内容・時期・方法
全国試験を実施している指定試験機関と情報共有する内容等について、質確保のため
に取りうる手法として、検討委員会において以下の事項が提案された。
① 指定試験機関や自治体間での統一的な情報交換のフォーマット(システムの仕様)
を、全ての指定試験機関で活用することを求め、情報を管理すること
4.実技講習の委託先に関する留意事項
実技講習の委託先に関する留意事項について、質確保のために取りうる手法として、検
討委員会において以下の事項が提案された。
① 指定保育士養成施設との連携を考慮すること
② 委託先の質を確保するための要件(保育所保育指針に則った講習内容を実施できる
等)を設定すること
5.まとめ
(1) 規定が必要と考えられる事項
「第2章6まとめ」にも記載の通り、「保育士不足を解消すること」という地域限定保
育士試験の目的を踏まえ、保育実技講習会においては、実技試験に加え、指定保育士養成
施設のカリキュラムとも等質性を確保しつつ、自治体での実現可能性のバランスを考慮
する必要がある。
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(19ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 19ページ 図表3-6:保育実技講習会の更なる質の確保に向けた取組に関する規定項目案
規定が必要と考えられる項目の案
1 講習運営(実施体制)
① 自治体の実情に合わせた委託先の検討
② 講師、教育内容編成主任、施設設備の要件
2 実技試験との等質性の確保方策
① 保育士試験実施要領別添「保育士試験出題範囲」保育実習(保育実
習実技に係る部分)の「第1 出題の基本方針」、「第3 出題上の留
意事項」に関する記載の追記
② 到達目標及び修了基準の規定
③ 保育実技講習会修了者と実技試験合格者の活躍状況の比較
④ 保育実践見学実習についての規定
(実習先の選定方法や実施に当たっての留意事項等)
3 実技講習の委託先に関する留意事項
① 指定保育士養成施設との連携
② 委託先の質を確保するための要件の設定
4 その他の事項
① 実施形態及び実施時期
② 公表すべき事項
(2) 地域限定保育士試験で保育士になった方へのフォローアップについて
保育士になり、保育現場で働き始めた当初は特に不安を感じやすいため、初任時の
保育士に向けた講習や研修等を行うことも、保育士を支える上で重要であると考えら
れる。
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(20ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 20ページ 第4章 地域限定保育士試験の実施に係る標準的な
経費の分析
本調査の目的は、地域限定保育士試験を実施するに当たっての標準的な経費及び効率的な
実施にあたっての対応策を検討することである。
この目的を果たすため、各種調査結果及び検討委員会での議論等も踏まえながら整理する。
1.調査結果
※ 具体的な金額は受験者数等に応じて異なります。これから検討を始める自治体に対し、どのような
経費が発生するかの目安にしていただくことを想定して公開可能な範囲での結果を示します。
(1) 地域限定保育士試験(筆記試験)
図表4-1:地域限定保育士試験(筆記試験)に係るヒアリング結果概要
大分類 中分類
(費目) 積算方法例 備考
委員
費用
委員報酬 謝金単価×時間
×委員数
試験実施時に固定的に発生する
(金額は受講者数により変動する)
試験問題
作成料
ー
交通費 概算単価×委員数×
会議回数
受験申請の手引き
印刷等
ー
郵送料 ー
会場使用料 会場使用料×会場数
直営事務人件費 ー 試験実施時に固定的に発生する(金
額は委託範囲や受講者数により変
動する)
委託事務諸経費、
人件費
見積もり平均 受付業務、受験票及び結果通知書等
の印刷については、受験者数及び会
場数(確保状況)により変動する
【効率的な実施のための工夫】
➢ 都道府県立施設又は低廉な会場を確保する。
➢ 例年の受験者数の傾向を分析し、実績数と乖離がないよう受験者数を見込む。
報告書【地域限定保育士試験の質の確保に関する調査研究業務一式】(PDF/980KB)(21ページ) 変更前 新しく確認した内容です。
変更後 · 21ページ (2) 地域限定保育士試験(保育実技講習会)
図表4-2:地域限定保育士試験(保育実技講習会)に係るヒアリング結果概要
大分
類
中分類
(費目) 積算方法例 備考
講師
費用
講師謝礼
(講習会) 謝金単価×講習時間総数※
※全科目合計の講習時間数 ×クラス数
(受講予定者数÷1クラスあたり人数)
試験実施時に固定
的に発生する(金
額は受講者数によ
り変動する)カリキュラ
ム作成費 1科目あたり単価※
×科目数(見学実習は、
事前指導・事後指導を含めて1科目と
カウントする場合も考えられる)
※ 単価は作成に従事する講師数、
会議時間、会議数等を基に計算する
例)3名の講師が3時間程度の会議を2回
実施する。謝金単価は上記単価に著作
物作成にかかる単価を加算する。など
交通費 概算単価×講習日数×クラス数
受講者
評価費
評価費単価×受講予定者数
郵送
料
受講
決定通知
郵送料×受講者数
修了証書
発送
会場使用料 会場使用料×会場数
直営事務人件費 ー 試験実施時に固定
的に発生する(金
額は委託範囲や受
講者数により変動
する)
委託事務諸経費、
委託事務人件費
見積もり平均 受付業務、講師謝
礼、人件費、教材
代、会場使用料等
は受講者数により
変動する
【効率的な実施のための工夫】
➢ 受講者からコースの希望を聞く際など、各都道府県で活用可能なシステム(調査に
汎用的に利用可能なもの)等があれば、事務負担の軽減が見込める。