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子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)
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変更後 · 1ページ子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究
報告書
令和3年3月
株式会社 政策基礎研究所
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(3ページ)
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変更後 · 3ページ目次
1. 背景.................................................................................................................................................. 1
子ども家庭福祉の理念 ................................................................................................................. 1
家庭支援の理念 ............................................................................................................................ 2
2. 現状.................................................................................................................................................. 3
子育て世帯を囲む現状 ................................................................................................................. 3
制度の現状 ................................................................................................................................... 4
3. 課題.................................................................................................................................................. 8
課題①:子育て世帯が抱える子ども家庭福祉に関する課題の把握は十分か ............................. 8
課題②:母子保健と子ども家庭福祉の連携は進んでいるか、連携で可能か一体化が必要か . 10
課題③:市区町村をはじめとした各相談機関において、必要な家庭への体系立てた支援を十分
に提供できているか ............................................................................................................................. 11
課題④:どのような保護者への支援、子どもへの支援、親子関係への支援が必要か ............ 14
課題⑤:市区町村の家庭支援、児童家庭支援センター、児童相談所の関係をどう考えるか . 16
課題⑥:親子分離(一時保護、代替養育)後の家庭復帰に向けた支援、家庭復帰後の支援等、
家庭・地域での子どもの育ちを支える社会的養護の体制は十分か .................................................... 18
課題⑦:子ども・若者の自立支援や措置解除後のアフターケアは進んでいるか.................... 20
課題⑧:子どもの最善の利益を保障するために何が必要か(アドボカシー、評価・監査のため
のシステムや機関) ............................................................................................................................. 21
4. 課題を踏まえた先進的取組み ....................................................................................................... 22
課題①に対応している事例について ......................................................................................... 22
課題②に対応している事例について ......................................................................................... 24
課題③に対応している事例について ......................................................................................... 26
課題④に対応している事例について ......................................................................................... 27
課題⑤に対応している事例について ......................................................................................... 30
課題⑥に対応している事例について ......................................................................................... 33
課題⑦に対応している事例について ......................................................................................... 37
課題⑧に対応している事例について ......................................................................................... 38
今後について ............................................................................................................................. 40
5. 考察................................................................................................................................................ 43
専門領域を超えた支援の必要性 ................................................................................................ 43
「家庭支援」を充実させる必要性 ................................................................................................ 43
家庭支援のために取り組む必要がある課題 .............................................................................. 44
6. 今後に向けて ................................................................................................................................. 50
7. 資料................................................................................................................................................ 51
委員会の概要 ............................................................................................................................. 51
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(4ページ)
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変更後 · 4ページ先進的取組み事例についてのヒアリング調査 .......................................................................... 52
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(5ページ)
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変更後 · 5ページ1. 背景
子ども家庭福祉の理念
児童の権利に関する条約
本条約において、子どもの生まれた時の立場(国籍やその有無、嫡出子か否か)を含むあらゆ
る差別を禁じている(第 2 条)。第 3 条第 1 項に「子どもの最善の利益」を尊重する原則があり、
「児童に関するすべての措置をとるに当たっては、公的若しくは私的な社会福祉施設、裁判所、行
政当局又は立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益が主として考
慮される」ものでなければならない。すべての子どもに生存するために必要とされる基本的権利
とともに、第 12 条の意見表明権の確保をはじめとする子ども自身の能動的権利について認めて
いる。
子どもの権利を守る上で、第 5 条に父母等の責任、権利及び義務の尊重、第 18 条に児童の養
育及び発達についての父母の責任と国の援助が定められているほか、第 20 条で家庭環境を奪わ
れた児童等に対する保護及び援助、第 21 条で養子縁組に際しての保護、第 23 条には心身障害を
有する児童に対する特別の養護及び援助等が規定されている。子どもがどのような状態にあった
としても、その権利が保護者や国、社会から正当に守られ、尊重されるよう構成されている。
児童福祉法
子どもに関わる施策の根幹には、先述の児童の権利に関する条約の理念を踏まえ、わが国では
子どもと家庭への支援を形作る総合的立法としての児童福祉法がある。平成 28 年の児童福祉法
改正時には、子どもが権利の主体であること、(児童の)最善の利益の優先、家庭養育優先の原則
が法律上明記され、理念の明確化が図られた。子どもを中心に位置付け、その上で、国民、保護
者、国・地方公共団体(都道府県・市町村)が支える形で、その福祉が保障される旨を明確化し
ている。児童福祉法第 2 条に「児童の保護者は、児童を心身ともに健やかに育成することについ
て第一義的責任を負う。」さらに、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身
ともに健やかに育成する責任を負う。」として児童の育成責任を明記している。加えて同法第 3 条
の 2「国及び地方公共団体は、児童が家庭において心身ともに健やかに養育されるよう、児童の
保護者を支援しなければならない。」という規定が、子ども家庭支援の根拠となっている。
平成 28 年の法改正は先述の理念が明記されただけでなく、地域におけるソーシャルワーク基
盤の整備として、市区町村子ども家庭総合支援拠点の法定化をはじめ、市町村を中心とする子ど
も家庭支援体制を構築するための内容が含まれた。子ども虐待への対応やその予防に関する施策
の充実だけでなく、新たな社会的養育のあり方を考える上で社会的養護の専門性や機能が地域の
子育て家庭に開かれることも重視されるなか、措置解除後の子どもや保護者、要支援の状態にあ
って一時保護等には至らない子どもや保護者を含めた包括的・継続的な家庭支援の展開が必要と
されている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(6ページ)
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変更後 · 6ページ家庭支援の理念
平成 16 年の児童福祉法改正を受け、平成 17 年 4 月から子ども家庭相談に応じることが市町村の
業務として明確に規定された。市町村子ども家庭支援指針(以下ガイドライン)において、「市町村
は、子どもに関する各般の問題につき、家庭その他からの相談に応じ、子どもが有する問題又は子
どもの真のニーズ、子どもの置かれた環境の状況等を的確に捉え、個々の子どもやその家庭に最も
効果的な支援を行い、もって子どもの福祉を図るとともに、その権利を擁護すること」を「子ども家
庭支援」と表現している。ガイドラインにおける子ども家庭支援は、先に述べた児童福祉法の理念
に基づき、「常に子どもの安心・安全の確保を念頭に置くことはもちろんのこと、子どもの最善の利
益を優先して考慮し、行われることが必要である。その実施に当たっては、市町村が中心となって、
子どもの権利を守るための責務を果たしていくことが重要であるため、都道府県(児童相談所など)、
その他の関係機関と緊密な連携を図ることなくしては、十分な支援は期待しえないことに留意し、
都道府県(児童相談所)との関係ではあくまでも対等な協働関係を基本としつつ、その上で、他の
関係機関との連携及び役割分担について具体的項目を明示的に確認し合って支援を継続的に行っ
ていくことが重要である。」としている。
本研究における家庭支援は、児童福祉法の理念に則り、短期的には要支援児童や要保護児童のニ
ーズに対して子ども家庭福祉における地域包括的・継続的支援1を提供する体制を構築することを模
索するが、中長期的には、全ての子どもと家庭が生活圏域で社会資源とともにあり、必要に応じて
自然と支援につながれるようなシステムを段階的に市町村に構築することを射程に収めて検討す
る。
1 先行研究において、子ども家庭福祉における地域包括的・継続的支援とは、「市町村域ないしは市内のいくつかの区域を基盤とし
て、子どもの成長段階や問題によって制度間の切れ目の多い子ども家庭福祉問題に、多機関・多職種連携により包括的で継続的な支援
を行い、問題の解決をめざすシステムづくり並びにそのシステムに基づく支援の体系をいう」と定義されている。出典:柏女霊峰編.
藤井康弘,北川聡子,佐藤まゆみ,永野咲(2020)『子ども家庭福祉における地域包括的・継続的支援の可能性』福村出版,pp.35-36.
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(7ページ)
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変更後 · 7ページ2. 現状
子育て世帯を囲む現状
多くの子育て世帯を取り巻く課題
子育て家庭の親世代は、主に 20 代~50 代であり、経済活動を含む社会の多様な活動の中心的
存在といえる。その多くは家庭生活に関わるサービス等を自発的に活用し子育てを行い、時には
地域の支援活動の担い手として働くこともある。一方で、乳幼児の子育て家庭の半数は、親族や
友人からの助けを得にくい地域で「アウェイ育児」の状態にあり23、自身の子ども以外の子どもに
触れる機会も少なく4、子育てにより孤立したり、子育てへの不安や負担を感じたりしている5。
このような状況が生じる背景としては、子育て家庭の多くが核家族世帯のため家庭内で子育てへ
の手助けを得にくいこと、少子化の進行により近隣で他の子育て家庭と出会いにくいこと、20 代
後半から 30 代後半の子育て期世帯の約 40%は 5 年間の間に転居し6、転居先で人とのつながりを
含め新たな子育ての体制をつくり直す必要があること等があげられる。また子育て期にある家庭
は、子どもの発達に応じてライフステージが数年ごとに変化するが、その過程において仕事、疾
患や障害、経済状況、夫婦関係、親子関係など様々な要素が絡み合う中で、生活と仕事や心身の
バランスを保ちながら子育てをしている。少しの負荷がかかるとただちにそのバランスが崩れ、
夫婦関係や親子関係に葛藤が生じやすくなり、虐待など不適切な養育に至ることは容易に想像さ
れる。虐待まで至らずとも、親子関係や子育てについて悩み、生活や子育てに余裕がなくなるこ
ともある。
いつの時代も一人の子どもを一人前に育てるのは簡単なことではなく、子育ては多くの労力を
要するものであり、保護者がその一義的責任を有するとしても、親類や地域の人々など周囲の助
けを得ながら何とか繋がれてきた尊い営みである。子育て世帯を取り巻く社会状況の変化に応じ
て、全ての家庭が多かれ少なかれ感じる子育ての負担感、戸惑い、苦労をそれぞれの家庭がうま
く乗り越え、その家庭なりに望ましい未来をつくり出す基盤を築くことを支える方策が必要とな
る。
子育て支援、家庭支援、子どもへの支援
1990 年代以降、家庭の子育てを支えるための子育て支援事業が整備されてきた。育児休業制度
は、父親、母親のいずれも取得できるような仕組みが整えられつつあり、保育サービスは、幼保
連携型認定こども園、小規模型保育、企業主導型保育、放課後児童健全育成事業等、提供形態の
2 ゼネラルリサーチ(2019)『「アウェイ育児」に関する意識調査』(general-research.co.jp)
3 NPO 法人子育てひろば全国連絡協議会(2015)平成 27 年度「住友生命~未来を強くする子育てプロジェクト」助成事業『地域子育
て支援拠点事業に関するアンケート調査 地域子育て支援拠点における「つながり」に関する調査研究事業』
4 社会保障・人口問題研究所(2017)2015 年社会保障・人口問題基本調査(結婚と出産に関する全国調査)『現代日本の結婚と出産』
調査研究報告資料 第 35 号 P81.
5 東京大学 Cedep・ベネッセ教育総合研究所(2019)『乳幼児の生活と育ちに関する調査』(乳幼児パネル調査)ベネッセ教育総合研究
所 p11.
6 国立社会保障・人口問題研究所(2018)「年齢別、5 年前居住地が現住地と異なる人の割合」『2016 年社会保障・人口問題基本調査 第
8回人口移動調査 報告書』p11.
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(8ページ)
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変更後 · 8ページ多様化や量的拡充が図られている。また、全ての子育て家庭を対象とした利用者支援事業、地域
子育て支援拠点事業、子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)、一時預
かり事業等の実施か所数も増加している。このような制度の充実により、育児休業制度、認可保
育所(常態的な保育施設)等の利用率は上昇傾向にあり、地域子育て支援拠点事業も第 1 子が 3
歳になるまでの子育て家庭の約 50%が利用している。一方で、ファミリー・サポート・センター
事業、一時預かり事業等の子育て支援事業の利用は、低率にとどまることが報告されている7。
先述のとおり、身近に子育ての手助けが得られない家庭がある中で、一時預かり事業等の利用
率の低さの要因としては、情報の不足、交通の便の悪さ、利用手続きの煩雑さ、ニーズと利用条
件(時間等)の不一致、経済的困窮、サービス利用への抵抗感、親子の心身の疾病や障害等が推
察される。また、子育て支援事業、保育所、幼稚園、学校を利用しつつも支援の目から取りこぼ
されていたり、相談機関に複数回相談しつつも支援に結び付かなかった事例もある。
全ての子育て家庭の子どもの育ちと子育てを支えるためには、子育て家庭のすぐそばに多様な
支援を整備するだけでなく、確実に支援を得られるようあらゆる環境による障壁を取り払うこと、
子育て支援事業が身近にあるだけでなく身近に感じられるようにすること、保護者や子どもにと
っての便益を高めること、家庭の困り感を見逃さず個々のニーズに応じた支援に確実に結び付け
ていくことが求められる。
児童虐待の安全確認と虐待発生後の対応に終始している現状
児童相談所への虐待相談の対応件数は出生数が増加しない中でも年々増加傾向にあり、20 万件
に到達する勢いである。
虐待が起きてからの対応に終始している現状から脱却し、全ての子育て世帯は困難な環境の中
で子育てをしているという前提の下、子育て世帯の子どもと保護者の両方を支援する「家庭支援」
の充実、虐待リスクが高まらない環境を実現していくことが必要である。
制度の現状
子ども家庭福祉の実施体制について
子ども家庭福祉は、大きく都道府県と市町村に分かれてその実施体制が構築されている。虐待
や社会的養護をはじめとする要保護児童への対応は、一時保護や施設入所措置等、保護者の同意
の有無で法的な手続きが変わるものの、介入(型援助)と表現されるように一定の家族分離を可
能とする権限を伴う対応及び援助を必要とするため、児童相談所や入所型児童福祉施設、里親制
度等、都道府県(児童相談所)を中心として実施されている。そこでは、チームアプローチと合
議制という、ひとつの機関に複数の専門職が集って相談・調査・判定・措置を一体的に実施する
方法を採っている。
一方、子育て支援や保育、母子保健や健全育成、子ども家庭相談といった施策は、市町村が実
7 社会保障・人口問題研究所(2017)2015 年社会保障・人口問題基本調査(結婚と出産に関する全国調査)『現代日本の結婚と出産』調
査研究報告資料 第 35 号 pp59-60.
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(9ページ)
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変更後 · 9ページ施する責任を負うものであり、子どもや保護者にとって身近な生活圏域にあって、アクセスしや
すいよう広く子どもと保護者を対象としている。このようなポピュレーションアプローチを主と
する施策における支援は、伴走型・寄り添い型と特徴が表現されるように、強制的権限を持たな
いことで受け入れる間口を広く構え、市町村を中心として実施されている。平成 17 年度以降は
市町村も第一義的な相談窓口となり、地域において在宅の要支援児童や要保護児童を発見した場
合は、要保護児童対策地域協議会(以下、「要対協」と記す)を活用し、地域に点在する関係者や
専門職をつないでネットワーク型アプローチによる援助を展開している。
子育て世帯の把握について
妊産婦や子どもの状況を把握するため、妊婦健康診査や1歳6ヶ月児健診、3歳児健診があり、
加えて、乳児家庭全戸訪問事業により、保健師などが生後4ヶ月までに子どもを出生した世帯の
全戸訪問を行うこととなっている。多くの自治体は訪問事業により、相当程度に支援を要すると
判断された世帯に対して、養育支援訪問事業により、状況の把握と支援に努めている。
ただ、地域の子どもの 9 割以上が保育所・幼稚園等に在籍する 3 歳以上においても、「家庭支援」
の視点で子どもの特性、家庭の生活上の課題を含む養育環境、親子関係などを十分に把握できて
いるとは言い難い。
相談体制について
近年、子ども家庭福祉分野には法定化されている「拠点」が複数登場したことにより「拠点」のも
つ意味合いが混在している。それを整理すると最低でも 5 つに分けられる。①子どもと家庭を支
援する場としての「拠点」(例えば保育所や学童クラブ、保健センター等の施設や機関)、②居場所
提供を主たる機能とする「拠点」(例えば地域子育て支援拠点事業)、③ニーズ把握を通じて子ど
もと家庭への支援をコーディネートし地域の社会資源に個別につなぐ機能的な意味での「拠点」
(例えば利用者支援事業の基本型)、④障害児通所支援の給付・変更の申請に限定した障害児支
援利用計画の作成を行うための「拠点」(例えば障害児相談支援事業)、⑤特定の時期にある子育
て家庭、もしくは子ども家庭福祉支援全般にわたるコーディネート、プランニングやマネジメン
ト、調整のための児童福祉法や母子保健法に定められる法定「拠点」(例えば母子健康包括支援セ
ンター(「子育て世代包括支援センター」ともいう)や市区町村子ども家庭総合支援拠点)がある。
母子健康包括支援センターは、各市区町村において、母子保健に関する相談を一手に担ってお
り、支援が必要な世帯には支援プランの作成が成される。現在、約 2,052 か所(令和 2 年 4 月 1
日時点)8の設置がされている。法制度上は、母子健康包括支援センターは市区町村における子ど
も家庭福祉の拠点である子ども家庭総合支援拠点との連携が謳われているが、子ども家庭総合支
援拠点は、495 か所(令和 2 年 4 月時点)9の設置に止まっている。
8 子育て世代包括支援センター実施箇所一覧(2020 年 4 月 1 日時点)(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000662087.pdf)
9 令和2年度全国児童福祉主管課長・児童相談所長会議資料 市区町村子ども家庭総合支援拠点の設置状況
(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000676853.pdf)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(10ページ)
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変更後 · 10ページ市区町村における相談拠点の他に、各都道府県において、児童家庭支援センターが 147 か所(令
和 2 年 11 月 21 日時点)10設置されている。加えて、虐待対応の専門的な知見の下で対応する機
関として、児童相談所が各都道府県や政令指定都市、一部の中核市などで 220 か所(令和 2 年 10
月 26 日時点)11設置されている。
児童相談所の虐待相談対応件数は、右肩上がりで 193,780 件(令和元年度)12にのぼる。
子どものいる世帯(令和元年度時点で約 1122 万世帯13)において、母子健康包括支援センター、
子ども家庭総合支援拠点を含めた市町村、児童家庭支援センター、児童相談所に相談・来所した
人数で考えると、約 87.5 万人14が相談をしており、何らかの支援を要する状態にあると考えられ
る。しかし、このうち一時保護の件数は令和元年度時点で 52,916 件15(うち、施設入所または里
親委託は 10,672 件16)と限られている。このことから約 82 万人は在宅支援となるため、生活圏
域の中でかなり手厚い支援を要することが推察される。
その一方で、市町村における要対協の登録ケース数を見ると、要保護児童は平成 30 年 4 月 1 日
時点で 154,022 件、要支援児童は 77,387 件17となっており、先述の数値とは乖離がある。生活圏
域である市町村において、相談につながった子ども・家庭の支援が継続的に行われる必要がある
と推察される。
地域子ども・子育て支援事業について
地域子ども・子育て支援事業としては、子育て短期支援事業、地域子育て支援拠点事業、一時
預かり事業、子育て援助活動支援事業、養育支援訪問事業、利用者支援事業、等がある。
地域子育て支援拠点事業は、地域に子育て親子の交流等を促進する子育て支援拠点を設置する
ことで、子育ての不安感等を緩和し、子どもの健やかな育ちを支援することを目的としている。
基本事業として、親子の交流の場の運営、子育て関連情報や講座、プログラムの提供、子育てに
関する相談を行っている。地域子育て支援拠点事業は、3 歳未満児の家庭の約 50%が利用し18、発
達に支援を要する子ども、多胎児の家庭、ひとり親家庭、外国籍の家庭、若年出産の家庭や経済
的に困窮している家庭が利用することもある19。地域子育て支援拠点事業の「親子の交流の場」
10 全国児童家庭支援センターの設置状況(全国児童家庭支援センター協議会,令和 2 年 11 月 21 日現在)
11 全国児童相談所一覧(令和 2 年 10 月 26 日現在)
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/zisouichiran.html)
12 令和元年度福祉行政報告例の概況 結果の概要(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/19/dl/kekka_gaiyo.pdf)
13 2019(令和元)年国民生活基礎調査 1世帯票 第85表 児童のいる世帯数,世帯主の年齢(5歳階級)・世帯構造・児童数別
14 母子健康包括支援センターでの支援プラン作成数 627,796 人(厚生労働省子ども家庭局母子保健課調べ)に、市町村(438,277 件
(令和元年度福祉行政報告例))、児童家庭支援センター(251,709 件(令和元年度全国児童家庭支援センター協議会運営事業実績報告
書))、児童相談所(544,698 件(令和元年度福祉行政報告例))での相談対応件数の合計(1,236,141 件)を年間1人当たり相談件数の
参考値(約 5 件(令和元年度全国児童家庭支援センター協議会運営事業実績報告書における平成 14 年度~31 年度の平均1人当たり相
談回数))で割った数を足した人数。
15 令和元年度福祉行政報告例
16 令和元年度福祉行政報告例
17 要保護児童対策地域協議会の設置運営状況調査結果(市町村(虐待対応担当窓口等)の状況調査(平成 30 年度調査))
(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000680040.pdf)
18 社会保障・人口問題研究所(2017)2015 年社会保障・人口問題基本調査(結婚と出産に関する全国調査)『現代日本の結婚と出産』調
査研究報告資料,第 35 号,P59.
19 橋本真紀(2018)『包括的な子育て支援体制における地域子育て支援拠点事業の可能性』厚生労働省 国立社会保障・人口問題研究
所 「社会保障研究」第 9 号 子ども子育て支援新制度の成果と課題,pp.256-273.
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(11ページ)
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変更後 · 11ページでは、親同士が子育てや家庭生活に関わる経験、情報を分かち合うことで学び合いが生じること
も多く、特別なニーズの有無に関わりなく「子育て」という共通の経験を手掛かりに親同士がつ
ながることもある。相談事業も、職員との日常会話のなかで親が自らのニーズに気づいていく等、
子育て家庭の生活圏域にある敷居の低い相談事業として機能することが期待されている。
利用者支援事業には、「基本型」「特定型」「母子保健型」がある。基本型の機能としては、「利
用者支援」と「地域連携」(地域支援)の二つが示されている。前者は、個々の家庭のニーズに応
じて地域の中にサポート体制をつくっていく取組みであり、後者は、家庭を支える地域のつなが
り(セーフティーネット)をつくっていく取組みである。要保護家庭や要支援家庭を対象とした
連携機能と異なる点は、個別的な支援事例が発見される以前から、子育て家庭の生活圏域で地域
の子育て家庭を取り巻く人々や活動をつなぐ働きにある。その近隣のネットワークは、子育て家
庭のウェルビーイングを目指して形成され、家庭生活や子育てを支援するだけでなく、子どもが
育つ環境として機能していく。利用者支援事業の相談機能は、このような「地域連携」を基盤と
して機能するため、自治体職員からも「具体的な支援・サービスにつなぐことができる」、「多
様な家庭のニーズが把握できる」と評価されている20。
なお、「特定型」は、子育て家庭と保育資源のマッチングを行う形態、「母子保健型」は、子育
て家庭のニーズや状況を把握し、必要な家庭には「支援プラン」を策定して継続的に支援を行う
形態である。
社会的養護について
この他には、児童福祉法による社会的養護としての支援となり、児童相談所を介して里親や児
童養護施設、自立援助ホームなどを利用することとなる。また、虐待・その他事情により児童相
談所に通告や相談のあった要保護児童への対応のうち、一時保護による対応は1割程度であり、
残りが在宅での支援等となっている。この点について、より身近に支援が可能となるよう、児童
相談所から市町村や児童家庭支援センターに指導委託を可能とする枠組みが成されている。
令和2年度より実践されている都道府県社会的養育推進計画においては家庭養育優先原則に
基づく新たな社会的養育体制の構築が目指されている。これまで代替的養育の主軸であった施設
は多機能化を進めることで、地域での子どもの育ちを保障する体制整備における新たな役割を果
たすことが求められている。また、子どもの必要に応じた施設の小規模・地域分散化による地域
生活の継続も必要とされている。
20 NPO 法人全国子育てひろば連絡協議会(2020)『地域子育て支援拠点事業及び利用者支援事業(基本型)における利用者の個別ニーズ
の把握・相談対応状況に関する調査研究』(令和元年度子ども・子育て支援推進調査研究事業)p39.
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(12ページ)
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変更後 · 12ページ3. 課題
現状を踏まえつつ、子育て世帯への家庭支援を行う上で、解決すべき課題と考えられる点につい
て、以下のように整理した。
課題①:子育て世帯が抱える子ども家庭福祉に関する課題の把握は十分か
課題の背景
・乳幼児健康診査の受診率は、「3~5 か月児」で 95.8%、「1 歳 6 か月児」で 96.5%、「3 歳児」で
95.9%(平成 30 年度時点)21である。
・就学前児童の保育所等の利用率は 47.7%(令和 2 年 4 月 1 日時点)22であり、保育所等に所属
しない 3 歳未満の児童については、健診以外の時点において、状態把握が難しい状況となって
いる。
・乳児家庭全戸訪問事業が実施されているが、主体は保健師と母子保健推進員が主で、関係機関
との連携不足や訪問員の研修の不十分さなどが課題として指摘されている23。
・家庭訪問では、乳幼児へのケアの状況や発育・発達を確認する必要性の観点から、保健師が先
頭にたつしかない状況があった。しかしその一方で、支援者間では主たる支援担当者になるこ
との押し付け合いや、保健師が家庭訪問を請け負いすぎることに対して保健部門内部から生じ
る批判等がある24。
・保育所に家庭支援専任の担当者を配置することにより、子どもや保護者の背景への視点が獲得
され、ハイリスク・アプローチや所内全体での支援に取り組めるようになるなどの変化が把握
されている25。
課題の内容
・母子保健による把握機会(妊娠届、健診、訪問指導等)に比べると、子ども家庭福祉の担当部
署による制度に基づく定例的な家庭状況の把握機会は少なく、必要な家庭への子育て支援が十
分に届けられていない。
・保育所等に在籍している子ども家庭についても、家庭支援の視点から家庭の生活上の課題を含
む養育環境、親子関係などを十分に把握できているわけではない。
・0 歳、1 歳、3 歳は、乳児全戸訪問事業や乳幼児健康診査により、健康や発達状態が把握されて
いる。ただし、年間1回程度の確認にとどまり、保育所等に所属しない2歳の多くは、3 歳に
なるまで状態が把握されていない。
21 厚生労働省 平成 30 年度地域保健・健康増進事業報告の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-
hoken/18/dl/H30gaikyo.pdf)
22 厚生労働省 保育所等関連状況取りまとめ(令和2年4月1日)(https://www.mhlw.go.jp/content/11922000/000678692.pdf)
23 元山彩織(2018)『乳児家庭全戸訪問事業における効果と課題』中京学院大学看護学部紀要,第 8 巻第 1 号,pp.47-57.
24 馬場文(2020)『妊娠期から乳幼児期における貧困支援─母子保健行政における保健師・助産師の役割と課題─』国際社会文化研究
所紀要,第 22 号,pp.155-163.
25 鶴田智子(2019)『保育所におけるソーシャルワーク的支援の可能性-問題を抱える家庭を支援する保育士の変容プロセス-』子ど
も社会研究,(25), pp.85-105.
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(13ページ)
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変更後 · 13ページ・乳幼児の生活や家庭状況は、保育所等に所属しない家庭については把握されておらず、保育所
等を利用していても、十分に把握されていなかったり、他の機関と情報が共有されていないこ
ともある。
・学校の児童について、何らかの課題はあったとしても、把握が十分とはいかないケースがあり、
ヤングケアラーのような事案が存在する。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(14ページ)
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変更後 · 14ページ課題②:母子保健と子ども家庭福祉の連携は進んでいるか、連携で可能か一体化が必要か
課題の背景
・乳児家庭全戸訪問事業が実施されているが、主体は保健師と母子保健推進員が主で、関係機関
との連携不足や訪問員の研修の不十分さなどが課題として指摘されている26。
・家庭訪問では、乳幼児へのケアの状況や発育・発達を確認する必要性の観点から、保健師が先
頭にたつしかない状況があった。しかしその一方で、支援者間では主たる支援担当者になるこ
との押し付け合いや、保健師が家庭訪問を請け負いすぎることに対して保健部門内部から生じ
る批判などがある27。
・地域子育て支援拠点事業、利用者支援事業基本型を対象とした個別相談に関する調査において、
自治体職員、地域子育て支援拠点事業職員、利用者支援事業基本型利用者支援専門員、全てで
他の事業や他の機関との連携の困難さがあげられている。要対協の実務者メンバーに入ってい
ない(市町村により異なる)、関係機関(専門機関)に利用者をつないだ後そこからの情報提供
がなく、その親子の状況の把握が困難になる(=一方通行になっている)等。守秘義務や個人
情報の取り扱いの規定による情報共有の困難さも挙げられている28。
・母子健康包括支援センターは、各市区町村において、母子保健に関する相談を一手に担ってお
り、支援が必要な世帯には支援プランの作成が成される。現在、約 2,052 か所(令和 2 年 4 月
1 日時点)29の設置がされている。法制度上は、母子健康包括支援センターは市区町村における
子ども家庭福祉の拠点である子ども家庭総合支援拠点との連携が謳われているが、子ども家庭
総合支援拠点は、495 か所(令和 2 年 4 月時点)30の設置に止まっている。
課題の内容
・子ども家庭福祉の相談機関と母子健康包括支援センターとは連携したとしても別機関として動
くものとされていることが多く、結果的に子ども家庭福祉の観点での世帯の確認や必要な支援
の提供が行き届かない状況がある。
・子育て家庭を支える役割を果たすべき市区町村においては、連携による「見守り」にとどまっ
ている例も多く、支援を要する世帯に関するアセスメント、地域資源の把握・創生、支援計画
の作成、支援への結びつけ、評価に基づく見直しなど、子ども家庭福祉の体系的な支援を行う
コントロールタワーとしての役割、権限を十分に果たすことができていない。
26 元山彩織(2018)『乳児家庭全戸訪問事業における効果と課題』中京学院大学看護学部紀要,第 8 巻第 1 号,pp.47-57.
27 馬場文(2020)『妊娠期から乳幼児期における貧困支援─母子保健行政における保健師・助産師の役割と課題─』国際社会文化研究
所紀要,第 22 号,pp.155-163.
28 NPO 法人全国子育てひろば連絡協議会(2020)『地域子育て支援拠点事業及び利用者支援事業(基本型)における利用者の個別ニー
ズの把握・相談対応状況に関する調査研究』(令和元年度子ども・子育て支援推進調査研究事業).
29 子育て世代包括支援センター実施箇所一覧(2020 年4月1日時点)(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000662087.pdf)
30 令和2年度全国児童福祉主管課長・児童相談所長会議資料 市区町村子ども家庭総合支援拠点の設置状況
(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000535926.pdf)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(15ページ)
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変更後 · 15ページ課題③:市区町村をはじめとした各相談機関において、必要な家庭への体系立てた支援を十分に提
供できているか
課題の背景
・地域子ども・子育て支援事業の各事業の実施か所数としては、利用者支援事業が基本型 805 か
所、特定型 389 か所、母子保健型 1,330 か所(いずれも令和元年度時点)、地域子育て支援拠点
事業が 7,578 か所(令和元年度時点)、一時預かり事業が 6,036 か所(令和元年度時点)、子育
て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)が 931 市町村(令和元年度時点)、
病児保育事業が 2,385 か所(令和元年度時点)、延長保育事業が 29,463 か所(令和元年度時点)、
放課後児童健全育成事業が 26,625 か所(令和 2 年 7 月 1 日現在)31、乳児家庭全戸訪問事業が
1,734 市区町村(平成 30 年度時点)、養育支援訪問事業が 1,476 市区町村(平成 30 年度時点)
32、子育て短期支援事業がショートステイ 797 か所、トワイライトステイ 398 か所(いずれも
平成 29 年度時点)33、となっている。しかしながら、支援の供給量としては、例えば、令和元
年度実績を見ると、一時預かり事業については約 521 万人日、子育て短期支援事業のショート
ステイにあっては約 9 万人日、養育支援訪問事業は約 18 万件、となっている。この水準は、一
時預かり事業について全未就園児に提供することを考えれば 1 年間で約 3 日の利用に止まり、
ショートステイを要支援・要保護児童(保護された件数を除く)に対して提供を行うとすれば
約 0.5 日、養育支援訪問についても約1件という程度である34。事業によっては、市町村の実
施割合が年々増加傾向にあるが、事業によっては市町村の実施割合が半数程度に留まるものが
あることや(ファミリー・サポート・センター事業など)、地域子育て支援拠点の整備数に自治
体間で格差があること35、等の課題も残っている。
・育児休業制度、認可保育所(常態的な保育施設)等の利用率は上昇傾向にあり、地域子育て支
援拠点事業も第 1 子が 3 歳になるまでの子育て家庭の約 50%が利用している。一方で、ファミ
リー・サポート・センター事業、一時預かり事業等の子育て支援事業の利用は、低率に留まる
ことも報告されている36。
・障害者(児)の支援においても、障害児相談支援における事業所を介さないセルフプランの割
合は、全国平均で 28.0%(平成 31 年 3 月時点)と、成人の計画相談(セルフプラン率 16.1%)
に比べて高い傾向にある37。子どもを対象とする支援では、高齢者や障害者(成人)を対象とす
るものと比べてケアマネジメント(プランニング)を行う体制やリソースが不足していること
31 厚生労働省 令和 2 年度全国児童福祉主管課長会議資料(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16979.html)
32 内閣府 令和 2 年版 少子化社会対策白書(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-
2020/r02pdfhonpen/r02honpen.html)
33 内閣府 令和元年度 子ども・子育て支援新制度 地方自治体担当者向け説明会 資料 5-3:子育て短期支援事業の見直しについて
(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/administer/setsumeikai/r020221/pdf/s5-3.pdf)
34 市町村子ども子育て支援事業計画における量の見込み及び確保方策について(内閣府)にある令和元年度の実績、市町村(虐待対応
担当窓口等)の状況調査(平成 30 年度)にある平成 30 年4月1日時点の要保護児童数(約 15.4 万人)及び要支援児童数(約 7.7 万
人)、総務省統計局による人口推計年報(平成 20 年 10 月1日現在)や令和元年の「待機児童数調査」(平成 31 年 4 月 1 日現在)によ
り厚生労働省が試算した未就園児数(約 187 万人)を用いて算出したもの。
35 厚生労働省 地域子育て支援拠点事業の実施状況(https://www.mhlw.go.jp/content/000666541.pdf)
36 社会保障・人口問題研究所(2017)2015 年社会保障・人口問題基本調査(結婚と出産に関する全国調査)『現代日本の結婚と出産』
調査研究報告資料 第 35 号
37 厚生労働省障害福祉課より情報提供
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(16ページ)
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変更後 · 16ページが示唆される。
課題の内容
・各相談拠点・機関における相談の多くは訪問相談や来所相談を促すに留まっている。その背景
には、要支援児童や家庭に対する在宅支援方策のメニューが子育て短期支援事業や一時預かり
事業、養育支援訪問事業等限られていることに加え、これらの事業が子育て支援事業として要
保護性の高いニーズに合わせた活用が難しいこと、そもそもの供給量が自治体においても異な
ること、ショートステイについては保護者の費用負担が難しい場合に利用が敬遠されたり必要
な回数を利用することができないこと、負担軽減策を講じると自治体の持ち出しが増え、支援
する側の選択肢になりづらく、積極的に活用されにくいことなどが考えられる。
・子ども家庭福祉分野の支援の現状は、主に関わっている施設や機関、関係者がキーパーソンと
なっていることが多いと推察される。これは、子ども家庭福祉分野内において、子どもと家庭
のニーズに対して専門領域ごとに対応することを基本としてきたことによる。この方法は、他
の福祉分野が利用者本人の在宅生活を可能とするための包括的なケア(支援)プランを作成す
る方法とは異なっている。加えて、子ども家庭福祉分野は在宅か施設入所(または里親委託、
一時保護等)かによって、権限行使の要否を含めて支援の実施責任をもつ主体が都道府県・市
町村のどちらになるかが決まっているため、そのどちらかが中心となった時点でもう一方の役
割や関わりが薄まりやすくなる傾向がある。特に一時保護解除後、措置解除による家庭復帰後、
児童福祉司指導等となる要支援状態にある子どもと家庭への支援は、都道府県と市町村の連携
や協働が困難になるケースもあると考えられる。こうした実施体制のあり方から生じる支援の
切れ目を防いでいくことが必要とされる。
・2(2)③において、現在市町村にある「拠点」の意味合いを 5 つに整理した。それぞれの拠点
において行われているコーディネートは、例えば利用者支援事業(基本型)で行われるような
子どもや保護者が日常生活の中で直接出会う他者や通う場所とつなぎ、そこで具体的なやりと
りや関係が形成されるためのミクロレベルのコーディネートがある。さらに、市区町村子ども
家庭総合支援拠点で行われるような、子ども家庭支援に必要とされる組織間・専門職間・専門
領域間の連携と協働、地域・社会資源づくりにつながるメゾ・マクロレベルのソーシャルワー
クにおけるコーディネートがある。こうした働きが子どもと家庭への支援の連続性や一貫性、
包括性につながる役割を発揮するためには、コーディネートの両方が把握され、家庭支援が統
合的に行われるよう、ソーシャルワーク機能を充実させることが地域包括的・継続的な家庭支
援にとって必要であると考えられる。
・こうした実施体制や専門領域での対応を特徴として(所与のものとして)きたことは、支援を
要する子ども・家庭のニーズを中心に捉えて領域横断的に、地域包括的・継続的な支援とその
マネジメント体制を取りにくいといった、制度が抱えている構造的な課題を露呈させている。
構造的な課題であるゆえに、担当者レベル、援助レベルの工夫だけではこの課題を解決するこ
とが難しく、現場における実践の工夫を十分に踏まえたうえで実施体制の課題を克服していく
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(17ページ)
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変更後 · 17ページことが今後の大きな課題となる。すべての子どもと家庭に対し、切れ目のない支援や地域包括
的・継続的な家庭支援を実現するためには、先行研究においても指摘されている、「どこに切れ
目が生じているか」という構造的課題に中・長期的に取り組む必要がある。
・家庭支援は、市町村への補助事業として位置づけられているのみであり、十分な支援提供が可
能な資源が整備されていない(事業者の参入も十分に進まない)ことや、自治体間でも整備数
に格差が生じている。
・支援を要する子育て家庭の状況や親子関係をアセスメントし、到達目標や期間を定めた支援計
画に基づいてニーズに応じた様々な資源を組み合せて提供するケースマネジメントの体制や
枠組みが十分でない。
・平成 28 年児童福祉法等改正により、児童相談所が在宅で要保護児童を支援する場合に、より
身近な機関である市町村に指導委託を行う枠組みが整備されたところであるが、市町村に指導
委託された件数は 129 件にとどまっている38。同様に、児童家庭支援センター指導・指導委託
は 214 件、児童委員指導は 2 件にとどまるなど、各種指導・指導委託があまり活用されていな
い。
・なお、児童福祉司指導は 8,007 件であり、市町村や福祉事務所等との連携を図ることとなって
いる。こうした決定がとられるのは、在宅であっても相当程度手厚い支援を必要とする子ども
と家庭であることを意味する。各種指導を通して在宅支援をするためには、地域において活用
しうる社会資源を十分に調整し、児童相談所と市町村が協働して支援計画を立て、ケアマネジ
メントが行われる必要がある。しかし、ショートステイや養育支援訪問事業等の子育て支援メ
ニューは、要支援児童と家庭の支援に活用できる供給量とはなっていない。加えて、こうした
包括的・継続的な支援計画やケアマネジメントする拠点となりうる施設・機関が市区町村には
「ない」とする自治体が全市区町村の 77.4%を占めるという調査結果がある39。
38 令和元年度福祉行政報告例(厚生労働省)より。
39 佐藤まゆみ「地域包括的・継続的支援をめざす市町村の実態」柏女霊峰編(2020)『子ども家庭福祉における地域包括的・継続的支援の
可能性』福村出版,p.103.
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(18ページ)
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変更後 · 18ページ課題④:どのような保護者への支援、子どもへの支援、親子関係への支援が必要か
課題の背景
・訪問して家事等を援助しつつ保護者の悩みを共有して子育てなどに追い込まれている状況を緩
和するような支援は整備されておらず、養育支援訪問事業については相当程度に支援が必要な
世帯にのみ限られて提供されている。養育支援訪問事業の供給量は、令和元年度実績を見ると、
約 18 万件となっている。この水準は、要支援・要保護児童(保護された件数を除く)に対して
提供を行うとすれば約1件という程度である40。
・ひとり親家庭や経済的困難世帯の保護者の精神状態について、1 ヶ月以内の間に「絶望的だと
感じたことがある」「何をするのも面倒だと感じたことがある」「自分は価値のない人間だと感
じたことがある」頻度が高い。併せて、子育ての困りごとを「相談できる相手はいない」と答
えた人が相対的に多い41。
・ヤングケアラーの 4 割以上が、1日平均 5 時間以上、介護や世話を行っており、また、ヤング
ケアラーの 3 割以上が学校にあまり行けていない(休みがち)といった状況にある42。
・ある都道府県において、県内のすべての高校 2 年生 55,772 人を対象に実施された調査では回
答者 48,261 人のうち、4.1%にあたる 1,969 人がヤングケアラーとみなされた43。
・家庭や学校における生活や意識等に関する調査報告書(平成 27 年 2 月 文部科学省委託研究
(高校1年生へのサンプル調査))によると、生徒の「悩みや不安(特に強いこと)」について、
親・家族との関係に悩む児童が計 7.8%44存在する。
・また、家庭問題は子どもに大きな影響を与えるものである。例えば、令和元年中における自殺
の状況(厚生労働省)においては、19 歳以下の自殺者を原因・動機別でみると、学校問題が最
も多い(202 件)ものの、健康問題(138 件)と家庭問題(116 件)がほぼ同規模でその次を占
める。また、家庭問題の内訳は、「親子関係の不和」(42 件)「家族からのしつけ・叱責」(33 件)
「その他家族関係の不和」(17 件)が多くを占めている。特に小中学生は男女ともに家庭問題
(親子関係の不和、家族からのしつけ・叱責等)が多く、中学生以降は学校問題(学業不振、
その他進路に関する悩み等)が多くなる45。
・障害のある子どもの虐待のリスクも高くなっている46。
40 市町村子ども子育て支援事業計画における量の見込み及び確保方策について(内閣府)にある令和元年度の実績、市町村(虐待対応
担当窓口等)の状況調査(平成 30 年度)にある平成 30 年4月1日時点の要保護児童数(約 15.4 万人)及び要支援児童数(約 7.7 万
人)を用いて算出したもの。
41 大分県「令和元年度大分県子どもの生活実態調査報告書(令和 2 年 3 月)」
42 三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング(2019)『ヤングケアラーの実態に関する調査研究』(平成 30 年度子ども・子育て支援推進調査
研究事業)
43 埼玉県『埼玉県ケアラー支援計画のためのヤングケアラー実態調査結果(2021 年 2 月 16 日更新版)』
(https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/187028/04.pdf)
44 家庭や学校における生活や意識等に関する調査報告書(平成 27 年 2 月 文部科学省委託研究(高校 1 年生へのサンプル調査))にお
ける「悩みや不安(特に強いこと)(本人用調査票)」に対する回答中、「親の仲が悪いこと」(1.9%)「あなたと家族の仲が悪いこと」
(1.0%)、「親がなにかと干渉してくること」(2.7%)、「親の期待や要求が高すぎること」(1.6%)「何かにつけ兄弟姉妹と比較される
こと」(0.6%)の合計。
45 厚労省 令和元年版自殺対策白書
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsuhakusyo2019.html)
46 令和元年度障害者総合福祉推進事業 障害児虐待等についての実態把握と虐待予防に関する家庭支援の在り方、障害児通所 事業・
障害児入所施設における事故検証について p89(1)-①子ども側の状況としての「障害」の多さ、より。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(19ページ)
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変更後 · 19ページ・全国の市町村のうちペアレントトレーニングを実施している割合は 2%程度にとどまっている47。
・親子関係の構築のための保護者支援プログラムは、現状では保護や代替養育に至った後に提供
されることが多い。
課題の内容
・国の補助事業(養育支援訪問事業等の地域子ども・子育て支援事業)は提供できる支援内容が
限定的であるため、個別のニーズ(例:保育所送迎、遊び相手など)により柔軟に対応できる
支援が求められている。
・利用手続の不便さ、物理的距離、家庭の経済的事情など、支援へのアクセスが制約されている
場合があり、障壁の少ない支援(アウトリーチ、要保護性に応じた無償提供など)の構築が課
題である。
・精神疾患や障害のある保護者への子育てのしにくさがあるため支援が必要である48。
・一定年齢を超えると、子ども自身が相談し対処方法を身につけることも可能となるが、自ら相
談に来ない子どもにも相談支援を届ける方策(訪問型など)を構築する必要がある。
・親子関係の構築や修復の支援がなければ、子育てを少し休める支援を充実したとしても、再び
不安定な親子関係に悩むことになる。養育状況や親子関係が深刻化する前の早期から親子関係
に関する支援が提供される必要がある。
・乳幼児については親子分離後の面会交流で可能な親子関係のアセスメントに限界もあるため、
分離をせずに親子関係をアセスメントし支援する方策の構築も課題である。
47 みずほ情報総研(2016)『「市町村が実施するペアレント・プログラム」に関する調査』(平成 27 年度障害者支援状況等調査研究事業
報告書)
48 平成 28・29 年度 厚労科研「障害児入所支援の質の向上を検証するための研究」
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(20ページ)
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変更後 · 20ページ課題⑤:市区町村の家庭支援、児童家庭支援センター、児童相談所の関係をどう考えるか
課題の背景
・市町村と児童相談所の連携については、双方の認識の相違や援助方法の不一致、市町村におけ
る常勤職員や専門職の配置不足等の課題が指摘されている。市町村と児童相談所の役割分担に
こだわりすぎる結果、児童や保護者への支援が分断されることへの懸念も示されている49。
・市区町村の相談機関は、人事異動周期の短さなど専門性の高い人材の確保に課題を抱えている
50。
・児童家庭支援センターは全国に 147 か所(令和 2 年 11 月 21 日時点)設置されている51が、セ
ンターの取組みには地域による格差がみられる。また、児童相談所を対象とした調査では「セ
ンターの業務内容を理解していない」という回答が 3 割以上になったという報告もあり52、関
係機関との連携についても課題が残る。
・子ども家庭福祉分野は、市町村が主体となってサービス提供や決定を一元的に実施する高齢者
福祉分野や障害者福祉分野とは異なっている。要保護児童や措置権限・一時保護を要するニー
ズには都道府県が中心となり、子育て支援や保育、健全育成等のニーズには身近な市町村が中
心となるといった、二元的な実施体制となっていることが指摘されている5354。子ども家庭福祉
の実施体制に関する研究は、児童福祉法改正要綱試案5556、子ども家庭相談体制のあり方に関す
る研究57、市町村を中心とした子ども家庭福祉の実施体制再構築の研究58、子ども家庭福祉にお
ける地域包括的・継続的支援のあり方に関する研究5960とその研究結果をさらに分析してどこに
支援の切れ目ができるのか、市町村の体制づくりにおける拠点の機能や課題等が何かを明らか
にした研究61がある。平成 17 年度から市町村が子ども家庭相談の一義的窓口となり、平成 28
年に家庭支援が位置づけられたが、基本的な実施体制は権限を含めてほぼ変わっていない62。
・2005 年度からの 10 年間の市町村の実施体制の評価を行った研究63では、市町村の支援の特徴
は児童相談所のような権限を用いない「寄り添い型」支援であること等が明らかになり、市町
村の支援の特性を活かすための手立てのひとつとして、「ニーズに即したサービス体系構築の
49 国立国会図書館(2018)『児童虐待対応をめぐる現状と課題―近年の児童虐待事件から―』調査と情報―ISSUE BRIEF―,No.1012.
50 子どもの虹情報研修センター(2018)平成 30 年度報告書『市区町村における子ども家庭相談実践事例に関する調査研究(第1報)』
51 全国児童家庭支援センターの設置状況(全国児童家庭支援センター協議会,令和 2 年 11 月 21 日現在)
52 子どもの虹情報研修センター(2016) 平成 28 年度研究報告書『児童家庭支援センターの役割と機能のあり方に関する研究(第 1 報)』
53 柏女霊峰(1997)『児童福祉改革と実施体制』ミネルヴァ書房
54 佐藤まゆみ(2005)「今後の児童福祉行政実施体制の在り方に関する研究‐地方間分権に関わる潮流の概観、考察を通して‐」『淑徳社
会福祉研究』第 12 号淑徳大学社会福祉学会
55 柏女霊峰ほか(1997)『児童福祉法の改正をめぐって―次なる改正に向けての試案―』日本子ども家庭総合研究所
56 柏女霊峰ほか(2006)「子ども家庭福祉制度体系の再構築のあり方に関する研究(3)児童家庭福祉制度再構築のための児童福祉法改正
要綱試案(最終版)」『日本子ども家庭総合研究所紀要第 42 集(平成 17 年度)』日本子ども家庭総合研究所
57 山縣文治ほか(2005)『子ども家庭福祉相談体制のあり方に関する研究(自治体調査)―地域における子どもと家庭に関する相談支援体
制のあり方に関する研究―』大阪市立大学社会福祉学研究室
58 佐藤まゆみ(2007)「子ども家庭福祉行政実施体制のあり方に関する研究~質問紙調査の分析を通して、協議会型援助による市町村役
割強化の可能性を探る~」『子ども家庭福祉学』第 7 号日本子ども家庭福祉学会
59 日本の子どもの未来を考える研究会(2017)「すべての子どもが日本の子どもとして大切に守られるために」平成 28 年度 日本財団助成
事業 報告書 日本財団
60 日本の子どもの未来を考える研究会(2018)「すべての子どもが日本の子どもとして大切に守られるために」平成 29 年度 日本財団助成
事業 報告書 日本財団
61 柏女霊峰編(2020)『子ども家庭福祉における地域包括的・継続的支援の可能性 社会福祉のニーズと実践からの示唆』福村出版
62 柏女霊峰・佐藤まゆみ(2017)「共生社会創出のための子ども家庭福祉サービス供給体制 ―子ども家庭福祉における地域包括的・継続
的支援をめざしてー」『すべての子どもが日本の子どもとして大切に守られるために』日本財団
63 佐藤まゆみ(2017)「市町村における子ども家庭福祉行政実施体制の評価と課題」『和洋女子大学紀要』第 57 巻 和洋女子大学
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(21ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 21ページ必要性」が挙げられている。家庭への支援の必要性64をふまえて、在宅支援方策としての社会
的養護の活用やソーシャルワーク、子どもの最善の利益のための保護者支援等の必要性65が挙
げられている。
課題の内容
・市区町村の子ども家庭福祉の相談機関は、専門性の構築に課題を抱える中、家庭のニーズにあ
わせて幅広い社会資源をマネジメントするなどの支援を十分に行えておらず、関係機関を通じ
て状況を見守る、児童相談所の関与の必要性を判断するといった対応が中心となっている。
・児童家庭支援センターに期待される役割と実際との違いや、最近の変化について把握する必要
がある。
・子ども家庭福祉分野はその領域や措置権限の有無によって都道府県と市町村とに実施体制が分
かれており、その連携や役割分担が課題となってきた。
・子どもの権利や最善の利益をふまえ、出来る限り在宅生活を継続することができるよう、市町
村において子ども家庭相談、母子保健、子育て支援、保育、健全育成、社会的養護、障害児、
ひとり親家庭等の各施策を領域横断的に組み合わせながら、子どもと家庭を包括的・継続的に
支援できる体制を構築する必要がある(市町村における拠点づくりと地域を基盤にした支援計
画に基づくケースマネジメントやソーシャルワークの展開、包括的・継続的な支援)。
・地域で子どもと家族を日常的に支える資源として里親やフォスタリング機関の役割が認知され
ていることは少ない。
・市区町村への指導委託は約 15.4 万人いる要保護児童のうち 129 件にとどまっている66。要保護
性の高い子どもにおける家庭支援の枠組みとして、市区町村や児童家庭支援センターへの指導
委託の活用も課題となる。
64 佐藤まゆみ(2013)「市町村における子ども家庭福祉行政実施体制再構築の課題―先駆的自治インタビュー調査の分析から―」『和洋
女子大学紀要』第 53 巻 和洋女子大学
65 佐藤まゆみ(2020)「市町村中心の子ども家庭福祉における在宅支援の方策の検討―調和的支援に焦点を当てて―」『淑徳大学短期大
学部研究紀要』第 62 号 淑徳大学短期大学部
66 令和元年度福祉行政報告例(厚生労働省)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(22ページ)
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変更後 · 22ページ課題⑥:親子分離(一時保護、代替養育)後の家庭復帰に向けた支援、家庭復帰後の支援等、家庭・
地域での子どもの育ちを支える社会的養護の体制は十分か
課題の背景
・児童養護施設から家庭復帰した事例の 3 分の 1 が問題未解決型である。67家庭復帰した児童虐
待事例の 13.2%が、家庭復帰の翌々年度 11 月時点で一時保護又は施設入所中であった68。
・保護者支援プログラムは、家族支援チーム等の土台となる体制とゴールが明確なプランニング
のもとで、状態にあった適切なプログラムが活用される必要がある69と指摘されている。
・ある児童相談所の調査では、児童養護施設からの家庭復帰の 75%が入所後 3 年以内であり、3
年を超えた子どもの 65%が長期入所後の措置解除となっており、全国調査でも同様の傾向が確
認されている70。
・「自立まで現在の里親家庭で養育」見通しの子どもが約7割、「自立まで現在の児童養護施設で
養育」見通しの子どもが約 6 割となっている71。
課題の内容
・親子関係構築や家庭復帰に向けて、分離保護の初期から家族参加のもとで目標設定や計画的な
交流、家庭支援、見直し等を行う児童相談所のケースマネジメントが十分でなく、分離期間が
長期に及んでいる。
・パーマネンシーゴール(家庭復帰、親族養育など)の定期的な見直しを行う体制(専任チーム
の設置、独立アドボケイトによる意見聴取、司法による審査等)が不足しており、長期の代替
養育を前提とした支援が行われている。
・親子分離後も市区町村の関与を継続するなど家庭支援の連続性を高める仕組みが十分でなく、
代替養育から円滑に「家庭支援」に移行できずに再虐待や再保護となる事例もある。
・家庭復帰後の継続支援が必要な場合も、現状では、児童相談所による6ヶ月間の指導委託等に
より、支援終了後は支援が途絶えることが多い。
・里親養育が養子縁組の代替的役割も担っている現状があり、親子交流や家庭復帰を前提とした
里親委託、そのためのフォスタリング機関による里親支援のあり方が問われている。
・里親支援を充実・強化するためにも、フォスタリング機関の量的な整備とともに支援内容の(質
的な)充実が必要であり、人材育成と安定した財源の確保が喫緊の課題である。
・施設は多機能化(親子分離前の子育て支援、家庭支援、産前・産後母子支援、養子縁組の支援
における連携、親子分離後の家庭養育移行のためのフォスタリング業務、家族再構築支援、家
67 伊藤嘉余子(2016)『児童養護施設におけるアフターケアの課題 : 退所理由に焦点をあてて』社会問題研究,65,pp.17-30.
68 山本恒雄ほか(2013)『児童相談所における保護者支援のあり方に関する実証的研究』日本子ども家庭総合研究所紀要,第 50 集,
pp.35-58.
69 加藤則子ほか(2014)『児童相談所における保護者支援のためのプログラム活用ハンドブック』(平成 24~25 年度厚生労働科学研究
費補助金(政策科学総合研究事業))
70 福井充・中村有希・藤林武史(2017)『福岡市における施設入退所調査に基づく家庭移行支援の取り組み』子どもの虐待とネグレク
ト,第 19 巻第 2 号,pp.222-230.
71 厚生労働省 児童養護施設入所児童等調査の概要(平成 30 年 2 月 1 日現在)
(https://www.mhlw.go.jp/content/11923000/000595122.pdf)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(23ページ)
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変更後 · 23ページ庭復帰後の在宅支援、自立支援等)を進めることで、地域での子どもの育ちを保障する体制整
備において新たな役割を果たすことが求められている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(24ページ)
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変更後 · 24ページ課題⑦:子ども・若者の自立支援や措置解除後のアフターケアは進んでいるか
課題の背景
・社会的養護措置解除後の若者の生活保護受給率は高く、退所者はデプリベーションともいえる
生活困難に陥っている可能性が示唆された72。
・虐待や家族内の機能不全などの小児期逆境体験により、うつ病のリスクが増加し自殺行動との
関連性が強い73と指摘されている。
課題の内容
・子どもや若者自身が児童相談所や市区町村、民間の団体に支援を求めた場合に結びつける支援
やケアについて検討する必要がある。
・不適切な養育環境など逆境体験の中で育った子ども・若者の自立支援やケアを充実する必要が
ある。
・現在は、自立支援が受けられない施設が存在するが、まず、社会的養護の施設等はすべからく
アフターケアも含めた自立支援を必ず提供するものとする必要がある。
・社会的養護の施設等で提供する自立支援とともに、各都道府県において、子どものニーズを把
握して政策に反映していくといった自立支援について検討する体制(協議会等)の整備が必要
である。
・保護や養護に至らなくとも、不適切な養育環境等、逆境体験の中で育ち、保護者の支えが期待
できない子ども・若者もいるため、必要な子ども・若者には自立支援が広く確実に提供される
よう、既存の若者支援の相談機関や団体との協力を含めた検討が必要である。
・サービスを受ける立場となる子どもや家庭を中心に考えると、物理的・経済的にアクセスす
ることが難しいということばかりではない。心理的に他者に相談したり、公的なサービスを
受けること自体を受け入れにくいといった心情があることを十分に踏まえた体制整備をする
必要がある。公的な福祉施策のみに偏って構成された体制では、支援を求める敷居を低くす
ることは難しい。そのため、子どもや家庭がより自然な形で支えを得たり、保護者や家族以
外の人と出会ってつながる機会を増やすためにも、NPO 法人や民生・児童委員、地域住民、ボ
ランティア等との積極的な協働を含めた地域づくりを欠かすことはできない。要支援児童や
要保護児童への支援をマネジメントする際にも、こうした社会資源からの協力を得ながら支
援体制を構築していくことができるようにすることが必要であるが、現状ではこの点は脆弱
であり、資源の有無は都市部と郡部での地域差も大きい。このことが重層的なソーシャル・
サポート・ネットワークの基盤づくりの一つの課題となっている。生活圏域でのつながりを
考慮すると、コミュニティ・ソーシャルワークを行う社会福祉協議会との連携や協働を検討
することも必要と考えられる。
72 永野咲・有村大士(2014)『社会的養護措置解除後の生活実態とデプリベーション一二次分析による仮説生成と一次データからの示
唆一』社会福祉学,第 54 巻第 4 号,pp.28-40.
73 平松洋一・清水栄司(2019)『うつ病に対する小児期逆境体験の影響』精神医学,61 巻 10 号,pp.1159-1165.
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(25ページ)
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変更後 · 25ページ課題⑧:子どもの最善の利益を保障するために何が必要か(アドボカシー、評価・監査のためのシ
ステムや機関)
課題の背景
・社会福祉審議会に児童福祉専門部会を設けている自治体は 76.6%となっているが、独立した児
童福祉審議会を設けている自治体は全体の 17.2%にとどまっている74。
・都道府県社会的養育推進計画策定要領にある「当事者である子どもの権利擁護の取組」がない
自治体は 59.3%、個別の権利救済の仕組みについては、「児童福祉審議会を活用した子どもの権
利擁護の仕組み」がないは 55.6%である75。
・児童相談所の第三者評価を「実施していない」は 91.8%、一時保護所では、「実施していない」
は 62.5%となっている76。
・フォスタリング機関(里親養育包括支援機関)及びその業務に関するガイドラインでは、 民間
フォスタリング機関による業務の実施状況をモニタリングし、評価することが必要とされてい
る77。
課題の内容
・令和元年 6 月に成立した児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する
法律附則において、子どもの権利擁護の在り方について施行後 2 年後までに検討し、必要な措
置を講じるものとされた。すでに厚生労働省の「子どもの権利擁護に関するワーキングチーム」
でも検討が進んでいるが、子どもの意見表明の機会の確保や権利擁護の仕組みを検討し、個別
の権利救済及び政策提言・適切な評価を機能させる仕組みが必要である。
・今後多くの民間の専門性の活用を前提に家庭支援や社会的養育体制の構築を考えるのであれば、
その実践が十分な水準にあるかどうかを確認し、改善のために評価を活用していくことが重要
である。評価においては、子どもの視点をいかに含めて行くかが大事であり、子どもの最善の
利益の保障となるような評価・監査体制(機関)が必要と考えられる。
74 子ども情報研究センター(2018)『「都道府県児童福祉審議会を活用した子どもの権利擁護の仕組み」調査研究報告書』(平成 29 年度
子ども・子育て支援推進調査研究事業)
75 三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング(2020)『アドボケイト制度の構築に関する調査研究報告書』(令和元年度子ども・子育て支援
推進調査研究事業)
76 三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング(2020)『児童相談所の第三者評価に関する調査研究報告書』(令和元年度子ども・子育て支援
推進調査研究事業)
77 厚生労働省 「フォスタリング機関(里親養育包括支援機関)及びその業務に関するガイドライン」について(平成 30 年 7 月 6 日
通知)(https://www.mhlw.go.jp/content/000477823.pdf)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(26ページ)
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変更後 · 26ページ4. 課題を踏まえた先進的取組み
子ども家庭福祉分野の現場において、3.に記載した課題は既に課題として認識されている。こ
のため、様々な先進的好事例が存在している。以下、記載する。
課題①に対応している事例について
妊娠期からの切れ目のない支援について
· 母子保健担当において、すべての妊婦を対象とした保健師による全数面接、産後の全戸訪問
の徹底。パパママ学級や地域のサロンに出向き個別相談を行っている。産後は虫歯予防教室
や離乳食教室等も行い、保護者の孤立を防ぐ。(松戸市)
· 母子健康手帳交付時に、気になる方をチェックし、フォローする取組みを行う。また、妊娠
期においては、全戸訪問を行う。(松戸市)
· 地域子育て支援拠点事業の多機能化において、妊娠期からの切れ目ない支援を提供し、敷居
の低い安心できる場所での支援の実現。(びーのびーの)
· 妊娠期支援における体験の機会、及び拠点における親同士の学びのプログラムやヘルパー派
遣事業等へのスムーズなつなぎを実施。(びーのびーの)
· ヘルシースタートおおいた:妊娠期から乳幼児期等のライフステージごとに母子が受けられ
る医療、福祉、保健サービスを整理し、支援が必要な家庭を関係機関につなげるための全県
的な取組み。(大分県)
· 母子保健手帳交付の際、届け出た方と保健師が面談を行い、リスク把握を行う。(大分県)
· 出産前から支援が必要な妊婦は、特定妊婦として市町村要対協の共同管理台帳に搭載し支援
を行う。また、県医師会が実施しているペリネイタルビジット事業や大分トライアル事業と
協働し、精神的に不安定な妊産婦への支援を実施。(大分県)
· 妊娠届出を母子健康包括支援センターが受け付け、母子健康手帳交付の際に助産師等の専門
職がすべての妊婦と面談し、妊娠期から支援が必要な方を継続的な支援につなげる。情報は
同センター内の区子育て支援課にも共有される。(福岡市)
· 産前・産後母子支援事業により、思いがけない妊娠による悩み相談を電話、メール、無料通
話アプリ等を通じて年中無休で受け付け、敷居の低い相談窓口を実現。各区の母子健康包括
支援センターと連携し、継続的な支援につないでいる。(福岡市、百道寮)
· 乳児院、地域子育て支援センターを基本とし、本来の対象は就学前の子だが、就学後の子の
相談にも心理職員が応じる。一度受けた相談後、つなげられるところがあれば、コンサルテ
ーションとして、広いニーズに対応できる。(二葉乳児院)
· 妊娠期からの相談も受け付け、定期的に通っている方から、行政ではない安心感もあるなか
で、DV の相談や子育て相談等を通して、早期発見・介入等に繋がっている。(二葉乳児院)
· 平成 20 年度より乳児家庭全戸訪問事業を行っているが、外部委託は行わず、市の職員がす
べて対応している。3 か月に 1 回、地域医療対策課、子育て支援課、小児科医等、広域医療
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(27ページ)
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変更後 · 27ページ圏の市町村保健師、基幹病院保健師、児童相談所、児童家庭支援センター等が一同に介し、
訪問の集計報告や困難事例の検討を行う母子保健事業・養育支援訪問事業研究会を実施して
いる。母子健康手帳交付時の段階より気になる妊婦をチェックし、妊娠初期よりフォローす
る等もしている。母子健康包括支援センターを設置し、総合相談窓口として教育委員会や子
育て支援課とも連携し、ワンストップサービスを行っている。(中津市)
見守り支援事業について
・ 児童家庭支援センター一陽の職員が乳幼児健康診査に参画している。加えて、市は 5 か月児
に絵本を配布する「ブックスタート事業」を実施しているが、この絵本を取りに来ない、連
絡が取れない等の家庭に、一陽の職員が直接訪問し、家庭状況の把握を行っている。(一陽)
・ コロナ禍にあって、越前市では、行政保健師や民生児童委員、民間機関である児童家庭支援
センターや社会福祉協議会が運営する児童センターの職員、学習支援拠点の運営に関わるボ
ランティア市民らによって、食(おむすび等)の提供を通した見守り支援活動が市内全域で
一斉展開されている。また越前市では、市内全ての社会福祉法人 19 法人が、ワンチームとな
って地域公益取組みを行う組織を結成しており、そこが学習支援拠点など地域での見守り活
動拠点を側面的に支援している。さらに現在、教員 OB を学習支援コーディネーターに、社会
福祉士を見守り支援コーディネーターとして配置し、市民有志による見守り支援活動のシス
テム化を図っている。年齢や国籍、家族状況等を問わず、地域に点在するあらゆる気がかり
な子どもたちを見守ろうとする事業が発展しつつある。(一陽)
・ 24 時間 365 日対応のフリーダイヤルでの子育て電話相談を実施。有資格者が、子育てに関す
る相談を受付、今後、さらに敷居の低い相談窓口を実現するため、無料通話アプリ等の利用
も可能とする予定。(大分県)
・ 平日夜間と休日の児童虐待通告(主に泣き声通告)や保護者からの一時保護の要請に対して
「子育て見守り訪問員」が家庭訪問し、家庭状況や子どもの安否を把握し、児童相談所への
報告や、緊急保護が必要な場合の子どもの移送を行っている。(福岡市児童相談所)
保育所での支援
・ マイ保育園制度を実施。妊娠期から保育所や認定こども園を選び、マイ保育園として登録を
行う。妊娠期では、育児体験をすることができる。マイ保育園の子育て支援コーディネータ
ーが支援プラン作成を行っている。コーディネーターとの関わりは強くなるので、施設開放
は月 1、2 回と少ないが、顔見あわせていくうちに、育児相談がしやすい関係性ができる。関
係性ができていることで、入所後も不安のハードル下がるのではないか。不安が強い保護者
にはもう一歩先行く支援につなげている。見守り機能や虐待の早期発見・介入を行う。(石川
県・白山市)
・ 在宅育児家庭通園保育モデル事業を実施。0~2 歳児を対象とし、子育ての孤立を防ぐために、
週に 2~3 回程、定期的に保育所等に通園をする。(石川県・白山市)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(28ページ)
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変更後 · 28ページ課題②に対応している事例について
連携による取組みについて
・ 保健福祉センター内に母子健康包括支援センターを配置し、様々な機関と連携し、妊娠期か
らの一体的な支援に取り組む。(松戸市)
・ 同じ課で児童虐待と母子保健二つの取組みを行っている。子ども家庭総合支援拠点と母子健
康包括支援センターが同じ課内にあることにより、連携は進んでいる。(松戸市)
・ 全県的に展開されている「ヘルシースタートおおいた」の取組み、大分県医師会が実施する
「ペリネイタルビジット事業」「大分トライアル事業」を市町村要対協と連携させ、一般的に
は市町村の母子保健担当課だけが担うイメージのある母子保健に、医療(小児科・産婦人科・
精神科)、児童福祉を結びつける仕組みが整っている。(大分県)
・ 市役所内の福祉・教育・医療の三者連携は進んでおり、乳幼児なら母子保健分野と連携で行
うことができる。(日光市)
・ マイ保育園制度においては、母子保健、児童相談所、相談機関との連携が重要である。母子
保健等との連携により、不安感が強いと感じられる方については、マイ保育園登録や相談機
関へつなげることがある。不安の強い母や支援の必要性のある家庭は、自ら支援を求めるこ
とが少ないため。(石川県・白山市)
・ マイ保育園制度においては、登録後、育児相談から要対協につなげるケースや、逆のパター
ンもある。入所調整ができない場合はマイ保育園、その後、在宅支援へとつなげていけるよ
う、切れ目なく支援できるようにしている。(白山市)
・ 平成 18 年度より、少子化対策監室が発足、母子保健の係と子育て支援の係がいる。同じ室内
にいることで、日常的な連携をとることができる。(石川県)
・ 「顔の見える連携」の取組みとして、一次、二次、三次予防を担う支援者が集う勉強会を長
年行っている(スペシャルケア研究会、家族支援研究会、母子保健事業・養育支援訪問事業
研究会、自立支援協議会子ども部会)。特に、スペシャルケア研究会については、平成 8 年
より立ち上げたもので、福祉、保健、医療、教育分野で、社会的養護に携わる支援者達が月
1 回集まり、事例検討等を通して議論しあっている。研究会にはスーパーバイズとして小児
科医師が関わっている事で、関係者が同じ視点や方向性を持って支援を担っていけている。
(中津市)
・ 平成 20 年度より乳児家庭全戸訪問事業を行っているが、外部委託は行わず、市の職員がす
べて対応している。3 か月に 1 回、地域医療対策課、子育て支援課、小児科医等、広域医療
圏の市町村保健師、基幹病院保健師、児童相談所、児童家庭支援センター等が一同に介し、
訪問の集計報告や困難事例の検討を行う母子保健事業・養育支援訪問事業研究会を実施して
いる。母子健康手帳交付時の段階より気になる妊婦をチェックし、妊娠初期よりフォローす
る等もしている。(中津市)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(29ページ)
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変更後 · 29ページ支援への結びつけについて
・ 産前からの取組みをその後のつながりの動機づけとしている。出産後のつながりを保つため
に、役所と相談してチケットを作成し、両親教室参加者が出産後に子育て支援拠点や区内6
つあるつどいの広場に来館したら、企業協賛などで揃えたお土産を渡す取組みを行っている。
(びーのびーの)
・ 産前・産後ヘルパー派遣、ファミリー・サポート等のアウトリーチ型の支援のほかに、利用
者支援事業基本型の専門員が商業施設での出張相談、地域の子育てサロン等へのアウトリー
チ等を行う。(びーのびーの)
・ マイ保育園の子育て支援プランは、保護者に理解していただき作成しているので、目標が見
える点で、良い。プランを作成することで来ていただく頻度、機会が増え、きっかけとなり、
在宅支援サービスにつなげることもできる。子どもを専門的な目でもみるので保護者の安心
につながると思う。(白山市)
・ 母子健康包括支援センターを設け、総合相談窓口として教育委員会や子育て支援課とも連携
し、ワンストップを心がけて支援を行っている。また、子育て支援課に子ども家庭総合支援
拠点を平成 30 年度より設置し、9 名の専門性をもったスタッフで協力し、すべての子ども家
庭の状況把握や相談支援、地域の社会資源へのつなぎ等の在宅支援を行っている。(中津市)
・ 子ども食堂に来たことで、その後の支援にもつながることができるケースもある。繋がって
いることで、可能となる支援があり、子どもの夢や進級・進学が絶たれることがないように
している。(滋賀県社会福祉協議会)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(30ページ)
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変更後 · 30ページ課題③に対応している事例について
多機能型相談拠点
・ 拠点事業の地域機能強化型を引き継ぎ、利用者支援事業について、母子保健型、特定型との
連携で取り組んでいる。(びーのびーの)
・ 産前・産後ヘルパー派遣、ファミリー・サポート等のアウトリーチ型の支援のほかに、利用
者支援事業(基本型)の専門員が商業施設での出張相談、地域の子育てサロン等へのアウト
リーチ等を行い、子育て支援サービス利用につなげる。(びーのびーの)
・ 母子生活支援施設と産前・産後ケア事業の多機能化により、在宅での育児支援を実現。(百道
寮)
・ 相談支援から、障害福祉サービス事業所、保育事業、一時預かりや短期入所等を一施設で担
うことにより、利用する家庭のニーズに合わせた支援を実現。(麦の子会)
保育所での支援
・ 保育園が子ども食堂を行い、就学前の子どものいる家庭ともつながることが可能となった。
地域で開かれた場所で行うことで、関わりをもつことのハードルが下がる。(滋賀県社会福祉
協議会)
・ 県独自に保育コーディネーター(虐待や貧困など配慮が必要な子どもや保護者に対して専門
的な支援を行える保育従事者)を養成している。保育園で配慮の必要な子どもやリスクのあ
りそうな家庭をキャッチし、支援や助言を行ったり他の専門機関につなぐこともある。(大分
県)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(31ページ)
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変更後 · 31ページ課題④に対応している事例について
親子関係の調整・構築について
・ 母子保健に関して、1 歳半健診で、言葉の遅れや発達面、または親子関係の気になる人に対し
て発達の相談室を紹介する。保育士が、子どもとのスキンシップの取り方や関わり方等のア
ドバイスを行う。(中津市)
・ 親子発達支援を実施。年 2~3 回親子での遊びの後に、発達心理士と臨床心理士、保育士によ
る親子関係調整へのアドバイスを行う。(麦の子会)
・ 親子関係再構築支援プロジェクト:福岡市子ども家庭支援センター「はぐはぐ」職員が大阪
市の特定非営利活動法人チャイルド・リソース・センターから「CRC 親子プログラムふぁり」
を学び、乳児院及び児童養護施設や里親に措置されている児童とその保護者のうち希望者に
対して隔週で全 10~13 回程度のプログラムを実施。親子が自身のリソースを見出し、親が子
どもの観察等を通じて欲求等に気づくことを支援するなど、養育力の向上による親子関係構
築や家庭復帰の支援を実施。親子が参加しやすい場所(児童相談所、施設)で行っている。
(福岡市児童相談所)
・ 家族との交流回数や交流相手の変化から、家庭状況や家族関係(保護者と祖父母との関係な
ど)を捉え、アプローチのタイミングや再検討の必要性を判断する参考にするとともに、定
期的な会議によって目標や支援を見直す機会を可能な限り多く設定し、ケースワークを活性
化させている。(福岡市児童相談所)
・ 「親子関係構築訓練室」があり、週末の外泊や年末年始の面会等行っている。児童養護施設
にいる場合、親子関係再構築を目的としている。(養徳園)
保護者に対する支援について
・ 児童の支援が始まるとともに保護者(母親)への支援を開始。ソーシャルワーカーが必要性
を判断し、関係機関との連携を始め、医師、ヘルパー、ショートステイ、心理士が保護者(母
親)と面談を行う。(麦の子会)
・ DV 被害の母親を入口として、父親と面接している。母親対象に年 2 回の勉強会を行い、DV を
受けている自覚を促す取組みも行う。(麦の子会)
・ パパミーティング(DV 加害者の父親)を開催し、男性カウンセラーが担当し、父親が弱さを
はきだす場を提供している。(麦の子会)
・ 「居場所」による母親支援を行う。乳幼児だけを預かり養育が不十分な部分を補う、母子と
もに利用し母親に支援員と一緒に子育てを行うことでスキルをあげる等の支援を受け、母子
を預かりつつ別々に対応することもある。支援と相談を一体的に行う。(日光市)
・ 産後ケア事業を特定妊婦が利用して乳児の世話や愛着形成等の基本的スキルの向上などを支
援するほか、母子生活支援施設での産前・産後母子支援事業の実施により、より長期の親子
入所による支援を実施している。(福岡市、百道寮)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(32ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 32ページ・ 児童家庭支援センターを NPO が受託し、休日・夜間の来所相談、家庭復帰に向けた親子プロ
グラムの実施、アウトリーチ、里親ショートステイの調整などを担っている。(福岡市)
学齢期の子への支援について
・ 子ども家庭総合支援拠点では、心理職等が子どもと話をすることに努めている。(松戸市)
・ 私立・公立小中高の全児童・生徒に相談カードを配し、直接子どもから発信される SOS に対
応できる。(松戸市)
・ 市内の小・中学校へ心理士等を派遣し、子どもへの直接的な支援を行う体制を整備。(一陽)
・ 子どもの居場所づくりを通して、主にネグレクト家庭の子に対する生活支援を行っている。
(養徳園)
・ アウトリーチ型の学習支援事業を通して、日常生活支援やネグレクトの予防を行う。(一陽)
・ アウトリーチを継続して行うなかで、中学生以降に問題が発生した家庭へも、支援員との関
係性が構築されているために、スムーズに受け入れられることもある。(一陽)
・ 若者支援の実績がある NPO に委託し、相談員が子どもを定期訪問して家庭や学校に関する相
談や学習支援を行っており、施設や一時保護から家庭復帰した事例では、親子関係の維持や保
護者への助言による不安の解消にも役立てている。(福岡市、福岡市児童相談所)
・ 市民との共働による啓発や民間フォスタリング機関への委託により大幅に増加した里親家庭
の一部がショートステイの受け皿となり、また、市の事業費拡充により一時保護委託先の施設
が出身学校への送迎を行うなど、住み慣れた地域での生活継続を支えている。(福岡市)
・ 子どもから直接 SOS があった場合、児童福祉司が面接等で把握した状況に応じて、若者支援を
行う NPO や自立援助ホーム、シェルターなどの継続的な支援につないでいる。(福岡市児童相
談所)
・ 「子どもの居場所」において子どもを預かり、親のレスパイトや、家庭でできない部分を補
う役割を果たす。(日光市)
・ 「子どもの居場所」にいる支援員と家庭生活を体験することにより、社会性を身につけたり
自尊心を高めることに繋がり、親だけがすべてではないことなどを学ぶ機会を創出。(日光市)
・ ネグレクト家庭の子を対象とした学童保育事業を実施。放課後の家庭での生活を送り、親戚
の家にいるようなポジションでの支援を行う。(養徳園)
・ 支援員とも安心した関わりができるよう、可能な限り担当を変えずに支援することが重要。
(養徳園)
・ ネグレクト家庭やヤングケアラーとなり、不登校になっている児童がいる。学校と連携した
訪問による登校刺激、市や教育委員会の定期的な訪問、養育支援訪問事業による家事支援や
育児支援を行う。また、児童家庭支援センターによるこども食堂の実施などを行っている。
(中津市)
・ シェルター機能・自立援助機能・アフターケア機能を兼ね備えるシェルターが、弁護士を中
心に運営されている。そうしたシェルターは県内に 1 ヶ所、自立援助ホームは 4 ヵ所あり、
自立援助ホームは、現在、増える傾向にある。(岡山県)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(33ページ)
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変更後 · 33ページ・ 高齢者施設(主に特養)において、県内に 12 か所、「フリースペース」と名付けた子どもの
居場所づくりを行っている。特定の世帯の子を対象とし、放課後から夕食や入浴に対応する。
家族のだんらんのような時間を過ごし、自宅へ帰る。一日 1,2 家庭ほどで、週に 1 度実施し
ている。(滋賀県社会福祉協議会)
・ フリースペースでは、子どもが直接職員に SOS を発信することがある。その場合、施設のソ
ーシャルワーカーがスクールソーシャルワーカーや市の職員と相談し、適切につないでいく
ことになっている。その場で解決することはないが、つないでいくことが重要。(滋賀県社会
福祉協議会)
・ 放課後等デイサービスにおいて、不登校児支援、学校支援、中高生には夜の学習支援、自立
へ向けての支援、グループミーテングを 6 歳から 18 歳まで継続的に行っている。(麦の子会)
訪問での家事・育児支援
・ 商業施設等での相談を実施後、必要な家庭への産前・産後ヘルパー派遣事業及びファミリー・
サポートの利用の推進。(びーのびーの)
・ 産前・産後ヘルパー派遣を利用し、その後ファミリー・サポートを利用とつなげることで、
産前から小学校6年生まで使うことができる。また産前・産後ヘルパーがファミリー・サポ
ートの提供会員でもあれば、同じ人が訪問し継続した安心できる関係のなかでサポートを受
けることが可能である。(びーのびーの)
・ 地域のハンドブックに掲載、保健師による案内等もあり、ホームスタートにつながっている。
(二葉乳児院)
・ 県内 18 市町村のうち、12 市町でホームスタートを実施している。全国で 3 番目に多い 12 団
体が活動。乳児家庭全戸訪問時や拠点型支援でホームスタートにつなぐ。(大分県)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(34ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 34ページ課題⑤に対応している事例について
情報共有について
・ 各機関で同じアセスメントシートを共有し、要支援・要保護児童についての連絡や情報共有
のしやすさに配慮している。(松戸市)
・ 児童家庭支援センターの長が、市の要対協の会長の任に就き、官民連携や情報共有を進めて
いる。(一陽)
・ 区と児童相談所の職員が互いの職場を経験できるような人事異動サイクルや、互いの職場の
体験などにより、異なる役割の理解、子ども家庭福祉に共通する専門性の引継ぎなどが促進
されつつある。(福岡市)
・ 家庭移行支援係の設置に伴い、施設と年 2 回実施する担当者会議で用いる会議シートについ
て、家庭移行の視点から目標を明確化し、具体的な支援を書き込めるシートを作成し、使用
している。具体的には、最上部の目標欄は、家庭復帰、親族養育、養子縁組、里親委託などの
家庭移行目標を選択できる仕様とし、子ども・家族それぞれの現状、課題、支援内容の欄を
設けて順に話し合っている。支援内容の欄は、児童相談所・施設・その他の機関の欄を設け
て支援項目ごとの主体を明確化するとともに、各支援ごとに実施期間の記載欄を設け、達成
期限を意識して支援がすすむよう工夫している。(福岡市児童相談所)
・ 利用者支援事業について、横浜市独自のフォーマットを使用している。保健師が利用してい
る相談等のフォーマットを援用しており、かなり細かな報告事項がある。具体的には、個別
の相談記録、連絡記録、対応記録一覧、相談月報、日報、活動月報等である。(びーのびーの)
・ 学校、保育園、幼稚園等、教育機関には虐待の早期発見のためのチェックリストを配布する
ことで、学校からの通報件数は増えた。(日光市)
・ 市役所、児童相談所、児童家庭支援センターは連携を持っているが、課題は多く、ケースワ
ークができない状況もみられる。また、要対協にも参加し、児童家庭支援センターでの支援
メニューの紹介等も行う。(養徳園)
・ 要対協への通告時は、母子保健との密な連携により、母子保健情報を把握する事ができ、家
庭訪問等の対応をする。月 1 回の実務者会議で、新規ケースをあげ、スーパーバイザーのア
ドバイスのもと、支援方針を決定する。そして、児童相談所、市で受けた新規ケースについ
ては、共同管理台帳に登載して管理し、報告月を格付けして、協議や情報共有、支援方針の
見直しを行っている。(中津市)
・ 顔の見える連携により関係機関での情報共有が行いやすく、同じ視点でケースへの理解がで
き、同じ方向性で支援をすることができる。(中津市)
・ ポピュレーションアプローチにも活用できるアセスメントツール(『「子どもが心配チェック
シート」』)を独自に開発している。親の養育力が子どもの育ちのニーズを満たしているのか
を、親自身・支援者・親子等でチェックできるシートである。「子どもの変化、成長、成果に
気づき、それを認め、言葉にして伝えていますか」等といった、子どもの育ちを中心にして、
ケア(養育)の「質」を見ている点がポイントである。マズローの欲求段階説に沿っており、
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(35ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 35ページ基本的生活を満たしているか、安心・安全をどう満たしているか、愛情をどう満たしている
か、子どもの尊厳をどう育んでいるか、を客観的に見る。子どもの育ちのニーズを満たすた
めに必要なのは、時間でも量でもなく、ケアの質であることを気づいてもらうためのシート
である。支援者間の情報や認識の共有にも有効である。(岡山県)
・ 要保護児童対策は、市町村要対協を中心に取り組んでいる。共同管理台帳をベースに関係機
関で情報共有を行う。台帳には市町村・児童相談所が支援の対象としている子どもすべてを
登載しており、市町村・児童相談所が双方で管理している。(市町村のケースであっても県が
責任を持つというスタンス)登載されているケースは、主に関わる機関がどこかを明確に定
め、具体的な支援計画を立てる。(大分県)
多機関連携による支援の取組みについて
・ 市町村要対協を支援の中心とし、児童福祉担当課、母子保健、教育委員会、警察等も入った
実務者会議を毎月、必ず実施している。実務者には、児童相談所の職員も必ず複数(SV と地
区担当児童福祉司)出席し、ケースの進行管理に市町村とともに責任を持つ。また、個別ケ
ース検討会議も随時、実施している。(大分県)
・ 児童家庭支援センター職員が要対協業務の一翼を担い、市役所内に常駐することで、連携・
情報共有がスムーズに進む。(一陽)
・ 教育と警察の立場から子ども家庭福祉に関わる教委スクールソーシャルワーカーの所管課と
県警少年サポートセンターが児童相談所のある総合相談センター内に設置されており、相談
援助職としての共通言語を通じて、互いの機関の情報共有・連携を円滑にしている。(福岡市
児童相談所)
・ 市の事業として、大学病院が拠点となり、各医療機関が扱った虐待事例の検討・助言などを
行うネットワークを形成することで、市の相談部門と連携した適切な児童虐待対応を図って
いる。(福岡市)
・ 市内に児童相談所も児童家庭支援センターもあるため連携が取りやすい。行政では難しい部
分を、児童家庭支援センターが埋めるという形で連携し、その役割は大きい。市と児童相談
所の連携では、同じケースを同じ視点で見ることが第一だと思っており、適宜相談をしても
らっている。(中津市)
・ 岡山県の児童相談所の児童福祉司や児童心理司等の職員は、戦後の開所以降、ほぼ全員が福
祉専門職であることから、関係機関との連携時には、児童福祉の専門機関として評価されて
いる。現在、市町村支援児童福祉司の配置、県独自の要対協支援事業(モデル市町村に手を
挙げてもらい、協議会の運営を支援するために、弁護士や精神科医、児童相談所職員等から
成るチームを派遣して 1 年間応援し、その成果を市町村へ報告。冊子にまとめて配布してい
る)の実施等により、連携強化や市町村の相談支援力の底上げに取り組んでいる。(岡山県)
・ 高齢者施設が支援の必要な子どもの居場所づくりをすることで、分野は異なっても福祉の専
門職が支援を行うこともでき、他の専門職との連携のモデルとなる。(滋賀県社会福祉協議会)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(36ページ)
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変更後 · 36ページ・ 要対協の構成機関を対象とした研修や会議の数を増やし、顔が見える関係を築ける仕組みを
作って他機関連携を図っている。(松戸市)
・ 児童相談所の職員と当課の職員の交換派遣を行っており、お互いが持つ資源を学ぶ機会も設
けている。(松戸市)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(37ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 37ページ課題⑥に対応している事例について
家庭復帰の支援について
・ いつまで、何を目的に一時保護を行い、その後、どのように相談支援活動を展開していくの
かを、子どもにも親にもしっかりと説明するようにしているため、在宅であれ、施設等を利
用することになるのであれ、親子の関係性の再構築には効果があると思われる。(岡山県)
・ 家庭移行支援係を設置し、施設入所児童の家庭復帰支援(親子交流促進、復帰障壁の特定と家
庭支援の導入)や親族養育への移行支援(親族調査と交流支援)を実施。移行後の支援に関わ
る市区町村等が移行前の親子面接や会議に関わるなどの連続性を確保。(福岡市児童相談所)
・ 施設入所初期からの家族参加会議による措置目標の明確化や親子交流計画の決定、すべての
児童の定期的な再検討会議(児童養護施設は一人あたり年 2 回、最低 30 分)の実施、毎月の
家族交流状況の把握により、目標や支援内容を見直す機会を設け、長期養育を前提としない目
標期限を明確にした移行支援を実施。(福岡市児童相談所)
・ 家庭移行支援係の児童福祉司が直接担当する 120 ケースについて、個々の子どもや家庭の現
状、親族の状況などを把握し、家庭復帰、親族養育、里親委託などの目標を設定して個別支
援を進めている。家庭復帰目標であれば、家族が子どもを養育していくための障壁となって
いる課題を特定し、必要とする支援サービスや親子関係構築のプログラムにつないだり、担
当児童心理司とともに子どもの思いを踏まえて家庭復帰に向けた親子面接を行うなど、個別
の状況に応じた様々な支援を行っている。(福岡市児童相談所)
家庭復帰後の在宅支援について
・ 家庭復帰後、養育能力の低い家庭に対しては、頻繁に家庭訪問等を行い、必要性に応じて在
宅支援サービスや子ども食堂等の利用を促す。この取組みにより、早期家庭復帰が実現する
こともある。(一陽)
・ 施設退所後の児童に対して、児童相談所からの指導委託を受けて、半年間は週に一度のペー
スで訪問し、困っていることがあれば、解決できるよう支援をしていく。(一陽)
・ 訪問相談支援事業:施設や一時保護所から家庭復帰した児童に対して訪問による相談支援を
実施して家庭や学校に関する相談に応じ、安定した親子関係を維持し、再入所予防を図って
いる。訪問支援員が学習支援等を行うことにより、児童の学力の向上や進学による貧困の連
鎖を防止するほか、支援コーディネーターが児童の状況に基づき保護者への助言も行うこと
で、保護者が子育てに希望と安心感を持てるよう支援している。(福岡市児童相談所)
・ 家庭復帰に必要なニーズの把握⇒在宅支援サービスの改善:家庭移行支援係の設置による直
接支援と間接支援は、親子との面接機会や他機関を通じた状況把握の機会を増やし、家庭移
行の障壁となっている子どもや家族のニーズ(どのようなサービスがあれば家庭復帰が可能
かなど)を具体的に把握することにつながった。(福岡市児童相談所)
・ 官民共働での在宅支援の実現。NPO が相談業務にも関わることにより、家庭のニーズを迅速に
とらえ、それに適応した在宅支援の提供を行う。(日光市)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(38ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 38ページ・ 児童相談所、要対協、保健師と必ず連携する。年度途中の保育園入所は難しいが、まず入所
や見守り機関を設け、受入れ施設がかかえこまないようにする。(白山市)
・ 分離保護(施設養育等)から在宅支援へ予算配分を転換する方向性のもと、在宅支援に係る
事業の種類と量を計画的に拡充し、親子の安定した暮らしの継続を支援している。(福岡市)
・ 市のサービスを使いながら支援する必要性のある家庭に対しては、様々なサービスを使い措
置後のフォローを行う。基本的には、措置解除後も支援のメインは児童相談所が行い、市の
支援が必要な部分は対応するなど、役割分担を行っている。(日光市)
・ 措置解除後、児童相談所が担当を外れた後も、継続的なフォローが必要な部分について支援
に入る。(日光市)
・ 措置解除後、1年間のアフターケアを行っている(加算有)。乳児院等に入っていた子の母が、
その後も不安に感じた時等、相談できるようにしている。(二葉乳児院)
・ 保護中や保護解除となっても、子どもが繋がっていることが大事だと捉えている。高齢者施
設での居場所は、措置中であっても、顔をだすこともでき、知っている大人がいる安心感も
ある。(滋賀県社会福祉協議会)
里親について
・ 里親委託に力を入れている。医療機関との連携による特別養子縁組、里親・養子制度の周知
にも取り組む。里親・ファミリーホーム・児童養護施設の養育者が連携した大分県社会的養
育連絡会を設立し、連携を深めている。(大分県)
・ 里親リクルートのため、中央児童相談所に里親リクルート活動員を 1 名配置している。また、
今後は県内 4 市に家庭養護推進員を各 1 名配置し、里親制度の更なる普及啓発と里親リクル
ート活動のための取組みを行う。(大分県)
・ 厚生労働省の発表によると、2019 年度の里親委託率は、都道府県で 9 番目位である。県内に
乳児院は 1 ヶ所しかなく、乳児の場合、基本的には里親に委託している。ケースによっては、
里親と実親が直接コンタクトを取り、子どもが家庭引き取りとなった後も、母子ごと里親が
伴走して支援している場合もある。里親を利用しても、子どもは実親と会えることが、子ど
もの権利を擁護するうえで重要だと考えている。(岡山県)
・ 里親登録をしていないが一定の要件を満たす人や里親登録をしてすぐの人、未委託里親に対
して、一時里親として子どもを委託することで、里親体験をできる県独自の事業がある。(岡
山県)
・ ハローわくわく仕事体験等、要養護の子どもと社会の架け橋づくりの取組みは、はじまりか
ら、里親やファミリーホーム等の社会的養護の資源と結びついていた。児童養護施設、里親、
企業、県社会福祉協議会の 4 者による連携で、取り組んでいる。(滋賀県社会福祉協議会)
施設の多機能化、小規模・地域分散化について
・ 施設養護を続けながら、家庭養護も推進するため、民間フォスタリング機関として地域や乳
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(39ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 39ページ児院の子どものための総合的な里親養育支援を実施している。東京都については平成 20 年
度から、荒川区と江戸川区については令和2年度から、港区については令和 3 年度から里親
養育支援に関わる事業を受託している。また、家庭養育移行に向けてフォスタリング事業を
展開しようとする施設へのコンサルテーションや、国の委託によるフォスタリング機関ソー
シャルワーカー向け研修会へ講師を派遣している。さらに、地域子育て支援センターでは、
妊娠中を含めた親と子どもへの支援を展開している。ショートステイでは、要支援、一時保
護となる前に短期間で受け入れており年間 200 人以上が利用している。広場事業も実施して
おり年間 293 日開館、14,000 人ほどの利用がある。他にもホームスタート等様々な子育て支
援の方策により、地域での支援を行っている。(二葉乳児院)
・ 児童養護施設として小規模・地域分散化を進めるなか、社会的養育体制構築にあたって解決
すべき様々な課題を見出している(別添資料参照)。一方で、児童家庭支援センターとして子
育てに難しさを抱えている親への訪問支援等により親子分離を抑制する結果も得られてい
る。また、子どもの居場所「月の家」では市役所からの依頼で 20 名ほどの子どもを対象に、
学校へ迎えに行き、遊んで勉強を見て夕飯を食べて、家まで送るといった支援をしている。
さらに、これまで社会的養護で関わってきた子どもを親になっても支援することを目的とす
る「ママと赤ちゃんち」では、親になった社会的養護経験者の子育て支援を実施している。
(養徳園)
・ 施設の多機能化は、児童養護施設単体の問題ではなく、法人全体で取り組むべき課題であ
るとの認識のもと同一法人が実施している児童家庭支援センター、児童養護施設、子育て
支援センターが一体となって、生活困窮者自立支援制度(学習生活支援)や母子保健事業
(乳児家庭訪問)など近接施策との接続を強化し、パーマネンシー保障とアウトリーチを
重視した地域家庭支援=虐待予防・家族維持支援を展開している。(一陽)
・ 里親委託の推進に合わせ、児童養護施設の定員削減・小規模化も取り組んできた。15 年前に
比べ、児童養護施設の定員を 150 名程度削減し、その分をすべて里親が吸収した。また、県
の児童養護施設 9 ヶ所のうち、3 ヶ所の児童養護施設が児童家庭支援センターを設置し、施
設機能の多機能化を図っている。いずれのセンターも、ソーシャルワーク機能の充実を図り、
児童相談所からの指導委託(各センター12 ケース以上)を受けているほか、市町村要対協に
も参画し在宅支援に取り組んでいる。また、2 つのセンターでは夜間預かり機能を付設し、シ
ョートステイや里親レスパイトを行っている。(大分県)
・ 地域の児童福祉の拠点となるべく「社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)」をキーワー
ドに相談支援、一時保護、地域支援、ネットワーク構築を中心に事業を実施。令和元年度実
績(延べ日数)としては、ショートステイ 124 日、児童相談所からの一時保護委託 178 日、
里親レスパイトケア 58 日。他にもペアレントトレーニング、児童相談所からの指導委託、
家族再統合プログラムを実施。他にも中津スペシャルケア研究会(月 1 回)や家族支援に関
する合同研修会の事務局も担当し地域支援にかかわっている。(大分県 清浄園 児童家庭
支援センター「和」)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(40ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 40ページ・ 令和2年度より別府市子ども家庭総合支援拠点支所となっている。令和元年度実績(延べ日
数)としては、ショートステイ 487 日、トワイライトステイ 72 日、児童相談所の一時保護
委託 198 日、里親レスパイト 229 日。また、発達障害を持つ親の会、別府子ども福祉塾、児
童館との共催による地域交流事業、母と子のサークルを実施している。(大分県 別府光の
園 光の園子ども家庭支援センター)
里親会やフォスタリング機関との連携について
・ 今年、県内全ての児童養護施設、乳児院、母子生活支援施設、児童家庭支援センター、県里
親会等が一体となって「福井県家庭養護推進ネットワーク」という県内唯一のフォスタリン
グ機関をつくった。(福井県)
・ 地域の里親を集め、おしゃべり会や勉強会を開催。ヘルパーの派遣も行う。(麦の子会)
・ 月に一度、里親会を開催し、様々な背景をもつ里親の支援を行う。(麦の子会)
・ 都内 23 区中、17 区の里親支援を行い、小学校との連携や情報提供、会議参加を行う。(二葉
乳児院)
・ 里親・ファミリーホーム・児童養護施設等が連携して大分県社会的養育連絡会を設立。三者
が連携して研修会を開催したり、児童虐待防止月間のキャンペーン活動などを実施している。
(大分県)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(41ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 41ページ課題⑦に対応している事例について
施設退所後の自立支援・アフターケアについて
・ 社会的養護にあった人が出産した後、子育て支援を行う。実家に子を預けるような気持ちで
利用できるようにしている。(養徳園)
・ シェルター機能・自立援助機能・アフターケア機能を兼ね備えるシェルターが、弁護士を中
心として運営されている。そうしたシェルターは、県内に1ヶ所である。自立援助ホームは
4 ヵ所あり、現在、増える傾向にある。(岡山県)
・ 自立支援のための貸付事業も活用しながら、自立支援を担当する施設職員や里親とも連携し
て卒業後もサポートしている。なにより施設や里親を巣立った後だけでなく、巣立つ前から
自立の土台をつくることを目標としている。(滋賀県社会福祉協議会)
・ 社会的自立により措置解除になった者に対しては、おおいた児童アフターケアセンター(県
が NPO に事業委託)が支援。センターは、措置解除前に本人、施設・里親等養育者も参加し
て解除後の継続支援計画を作成する。その後も必要に応じてアフターケアの相談に対応する。
(大分県)
・ 「施設退所児童自立サポート事業(福井県単独事業)」を実施している。具体的には、入所児
童が施設を退所する際、アパート等での一人暮らしを希望する場合には、法人でアパートを
契約して住環境を整えたうえで、そこに一定期間、生活支援員を派遣したりしている。(一陽)
・ 失業したり、病気になったり、住居を失ったりした施設退所児童に対し、市や社会福祉協議
会との連携のもとで生活困窮者自立支援事業との接続を強化した支援を行っている。(一陽)
・ 家庭移行支援において、年齢が高くなるほど本人の意思表示が明確となり、本人がやりたい
ことを叶える支援や、家庭移行というよりは自立支援に重きを置くことが多い。その場合も、
自立に向けた会議等に家族の参加を促すなどして親子関係を構築し、自立後の家族や親族と
のつながりを作ることを意識している。(福岡市児童相談所)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(42ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 42ページ課題⑧に対応している事例について
アドボケイトについて
・ 業務とは別で職員が 1 名アドボケイトの研修を受け、施設での取組みを行っている。親の声
が強くなりがちな中、子どもの目線・立場に立てるような支援に力を入れている。(中津市)
・ 2018 年から一時保護所を利用している小学 5 年生以上の子どもを対象に弁護士が意見を聴く
活動を展開している。弁護士が子どもの意見を聴き、それを踏まえて一時保護所の環境改善
等につなげている。この活動は、子どもの権利である「意見を聴かれる子どもの権利」を実
現する活動であり、子どもの「参加する権利」の行使を通じて、「子ども中心」のシステムへ
と移行させていくための試金石だと考えている。今後は、一時保護所だけでなく、里親家庭
や児童養護施設等を含む、全ての子どもたちにとって、それが文化となる取組みにしていか
なければならない。子どもの意見から学び、子どもと共に、「子ども中心」のシステムに転換
したいと考えている。(岡山県)
・ 児童相談所の一時保護所には、毎週、独立型アドボケイトが訪問し、子どもの意見表明権を
支援している。(大分県)
子どもの最善の利益保障について
・ 岡山県では、2007 年に大きな死亡事故の経験と、その検証を転機として、改めて「子ども中
心」の理念を標榜し、当事者参画(子どもの参加)を目指したアセスメントフレームに基づ
く、アセスメントツール等の開発や児童相談所職員の体系的な人材育成研修等の活動を展開
している。現在、児童相談所や市町村の児童福祉部門の職員には、岡山県が「子ども中心」
の理念を大切にしていることは浸透しており、子どもの暮らしの安定を目指して、子どもの
育ちのニーズを満たしていくためには、どのように支援していくのか、子ども中心に考える
ようになってきている。(岡山県)
・ 児童相談所の一時保護所平均在所日数は、全国と比べてかなり短い(2018 年度 岡山県実績
10.1 日、全国平均 29.2 日)。これも「子ども中心」の理念に基づくもの。子どもの権利を大
きく制約する一時保護の期間は最小限にしたほうがよく、そのためには、「とりあえず保護」
ではなく、常に保護した後の対応も併せて考えて実践している。(岡山県)
・ 『「子どもが心配チェックシート」』は、非行や虐待等の相談で訪れた子どもと一緒に活用す
ると、「親は、子どもに対して、こんなことをしなきゃいけないものなのか」等と言い、自分
の育ちに気づいてもらったり、DV 加害者による、一種のマインドコントロール状態に陥って
いる被害母子に使ってもらうことで、その支配を解いたりと、様々な使い方ができる。(岡山
県)
・ 子どもの参加を実現することである。相談支援活動を展開するうえでは、親や家族、関係機
関にではなく、常に子どもに焦点を当て続けることが必要である。子どもの最善の利益を優
先して考慮し、子どもの権利の実現を目指すこと。親に養育力があることや環境が整ってい
ることが、子どもの最善の利益を保証していることと同義ではない。それらが、子どもの育
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(43ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 43ページちのニーズを満たしているかという関係性に注目する必要がある。そのためには、子どもの
意見を聴き、子どもの意見から学び、そこを起点として、子どもと共に、「子ども中心」のシ
ステムに転換する必要がある。子どもを家族に埋没させず、権利の主体として、その権利を
実現しなければならないと考えている。(岡山県)
・ 子どもの居場所づくり、子ども食堂等は、身近な生活圏でのサポートであり、あたたかい大
人のまなざしがそこにあり、子どもの幸せや笑顔を育んでいる。それが子どもの最善の利益
になると考えている。(滋賀県社会福祉協議会)
・ 大分県の一時保護所の平均入所期間は 3 週間程度であり、最低限必要な期間の一時保護で対
応している。また、児童相談所で一時保護中の子どもは原則登校できないため、子どもの教
育権保障の観点から、現役の小中学校の教諭(常勤 小・中各 1 名)を県教育委員会から児
童相談所に派遣している。(大分県)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(44ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 44ページ今後について
人材面での課題
・ 要対協の調整機関の職員は専門職でないといけないが、人口規模の小さな市町では、(社会福
祉士等の)保健師以外の専門職がなかなか見つからない。(大分県)
・ 児童福祉司、区子育て支援課職員の業務に付随する事務量(記録、事業の管理運営など)も
多くケースワークの時間を圧迫する傾向がある。事務専任の人材が充実するとよい。(福岡市
児童相談所)
・ 産前・産後母子支援事業は支援内容がハードなのでスタッフ数が必要だが、国の補助金では
人件費が賄えない。(百道寮)
・ ファミリー・サポート事業を、地域子育て支援拠点においてコーディネートをさせてほしい。
一緒に提供会員を開拓したい。現在、ファミリー・サポート提供会員から産前・産後ヘルパ
ーの登録を奨励しているが、これはファミリー・サポート事業のコーディネートを行ってい
たからこそできた。こうした担い手づくりを、NPO や市民団体にも任せてほしい。(びーのび
ーの)
・ 国が地域に根差した在宅支援に方向転換をしているが、地域によっては、資源がない、担い
手がいない等の課題を持っているなかで現状は難しい。在宅支援サービスができる人材派遣
および経済的援助。子ども家庭福祉の相談業務の希望者・経験者が少ないので、担い手を増
やすための教育やその人たちが継続的に働けるフォローがあるとよい。(日光市)
・ 乳幼児期から児童期の福祉的支援の専門性のスキルアップできるシステムがあればいいと思
う。大学にも社会的養護に注力している所は増えているが、里親専門での授業等はない。継
続的な授業科目はない。特化したような学びができるとよい。(二葉乳児院)
・ 子ども家庭福祉の仕事の価値をどれだけ高めていくか、社会にその価値を理解させられるか、
が重要。非常に高度なスキルと、子どもに対する思いが両方求められる仕事。その価値が高
まらないと、里親も増えない。教育も必要である。(養徳園)
・ 取組みを推進している県社会福祉協議会の人材育成も必要。事実を把握し、関係機関との調
整、交渉、ソーシャルワークができる人づくりが課題である。(滋賀県社会福祉協議会)
・ 福祉系の大学には、学生の教育をもっと頑張ってほしい。福祉系の大学では、社会福祉原論
や方法論等をあまり教えていない印象を強く受ける。社会福祉の伝統を踏まえながら原論と
方法論を学びつつ、施設等でボランティア活動等に臨み、自己覚知を重ねなければ、ソーシ
ャルワークの実践知は身につかない。知識と実践の融合が求められる。そのため、児童福祉
司の人材育成には、非常に時間がかかっている。最低でも 10 年以上は児童相談所等の現場の
最前線に立って、児童ソーシャルワークを実践し、それから大学に戻ったような児童福祉の
教育者が大勢出てくることを期待している。(岡山県)
・ 社会福祉士のインセンティブという点では、社会福祉士が業務独占となり、専門職としてき
ちんと支払いがなされることや、ワークライフバランスが保障される職場環境の整備等も必
要である。(岡山県)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(45ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 45ページ費用面での課題
・ ショートステイは、在宅支援に不可欠なサービス。子育て支援サービスには昼のサービスは
色々あるが夜のサービスはほとんどなく、ショートステイは在宅支援の切り札と考えている。
しかしショートステイ制度は受け入れ先の確保が難しい。ショートステイのニーズに応えた
い児童養護施設はあるが、実施するには人の配置が必要。人件費の義務経費化など安定的な
財源等が必要。(大分県)
・ 児童家庭支援センターは、一般的にはソーシャルワーク機能中心の活動を期待されているが、
大分県の 2 か所のセンターでは、夜間預かりもできる機能を付加している。在宅支援、里親
支援等において、大きな力を発揮している。このように、児童家庭支援センターが当該地域
に必要な支援メニュー実施した場合に、上乗せ補助する仕組があるとよい。(大分県)
・ 現在は、入所支援から地域家庭・在宅支援へという方針転換をはかれば、義務的経費から裁
量的経費へと移行し経営が不安定になるというジレンマに直面している。今後、在宅措置制
度ができ、予算化されれば、より体系的・継続的支援を行うことができる。(越前市)
・ 措置費に係る保護者負担金は、保護者が自分の意思で使う子育て支援サービスには適切だと
思うが、3 号措置など要保護児童に特化した事業については市町村等の必要性判断によって
負担金なしで使えることができるとよい。(福岡市児童相談所)
・ 在宅支援はより多くの家庭へより多くのサービスを届けることが重要であり、将来的に在宅
支援メニューも対象家庭も増やしていくことで、代替養育に係っていた総事業費に近づいて
いく可能性はある。その場合でも、代替養育にかけていた費用の予算を在宅支援へ移行する
ことにより、その何倍もの子どもたちに在宅支援サービスを届けることになるため、対費用
効果は大きい。(福岡市)
・ 夜間の緊急電話については、ほとんどボランティアでやっているため、委託等の費用面での
バックアップをしていただきたい。(麦の子会)
・ 障害児支援の体制も子供と家族を支援するメニューは社会的養護だけでやるのではなく、大
きくメニューを広げてやってほしい。地域にある様々なメニューを組み合わせて支援ができ
るとよい。(麦の子会)
・ 在宅支援サービスの拡充のための国の補助金は全額ではないため、自治体負担がある。国の
負担率を増やしてほしい。(日光市)
・ 里親支援事業やショートステイ事業は、人件費が増えるわけではないため、10年同じ職員
がいると赤字になる。経験を積み、専門性のある職員を継続的に雇用するためには、一定の
金額を担保し、経験年数に合わせて事業費が増える仕組みを作らないと、職員は育たない。
(二葉乳児院)
・ 子ども家庭総合支援拠点について、補助金の二分の一を国庫補助により運営しているが、対
象の経費として正規職員の人件費はなく、会計年度任用職員のみ補助の対象となっている。
正規職員の人数が増えても補助金が増えないため、費用面でもう少し後押しがあれば正規職
員を増やすことができる。(松戸市)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(46ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 46ページ・ 人材確保が費用面で難しい。マイ保育園制度や在宅育児通園モデル事業では、補助金額は大
きくないため、各園の努力に頼ってしまっている。(白山市)
・ 国の施策は、都市部中心に設計されており、地方都市にはフィットしにくい部分が多くある。
また、虐待対応等では、都市部の方法論は地域コミュニティによる支援が前提となっていな
いことが多く、地方都市には馴染みにくいことや、要支援児童や要保護児童に対する民間団
体が行う活動への補助メニューは、民間団体が少ない地方都市には活用が難しいこと等を考
慮し、原則は全国一律であっても、支援方法等は地方都市が独自に取り組めるよう、国庫補
助等についても、その地域の子どもと家族の暮しの状況に応じて、柔軟に活用できるものに
していただきたい。(岡山県)
今後にむけて
・ 家庭復帰の前段として、母子生活支援施設を利用する。短期間だけ母子生活支援施設に入り
子どもとの生活を体験してもらい、施設を出た後も色々な支援を受けることを肯定的に捉え
ることができる。(百道寮)
・ 来年度、児童家庭支援センターに委託したアウトリーチ型の要支援児童等見守り強化事業も
始まる予定。(中津市)
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(47ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 47ページ5. 考察
専門領域を超えた支援の必要性
子ども家庭福祉におけるニーズ把握と支援
本研究において言及してきたとおり、どの子育て世帯も課題を抱えやすい状況にあり、そのニ
ーズは複雑で多様であり、支援自体に手厚さの濃淡が生じる。子どもと家庭のニーズに応えるに
は、子育て支援から要保護児童の領域まで、子ども家庭福祉の領域がもつ機能を活用することが
必要である。子どもの福祉分野の領域のみならず、保健、教育、医療、男女共同参画、生活保護
や生活困窮者支援、障害福祉等との連携や接続が必要であり、特定の専門領域だけで支援をコー
ディネートし、完結することは難しいのが実態である。
実施体制における課題
しかしながら、子ども家庭福祉は、子育て支援・母子保健・健全育成等の一般施策と子ども虐
待や社会的養護等要保護児童の施策に大きく分かれ、専門領域ごとに縦割りとなっている。前者
は市町村が、後者は都道府県が中心の実施体制である。障害児福祉は、通所・入所給付費制度の
ため、入所・通所の別によって実施体制が異なるなど、制度的に縦割りになりやすい構造である
とも考えられる。
支援の切れ目をつなぐ包括的・継続的支援
先行研究78では、子ども家庭福祉分野における「4 つの支援の切れ目」があることが示されてい
る。「部門や組織間の切れ目」、「専門分野(専門性)間における切れ目」、「年齢による切れ目」、
「相談種別による切れ目」である。
子ども家庭福祉において、少なくともこうした切れ目をつないでいくような包括的・継続的支
援を可能とする制度や施策が必要とされる。その一方で、地域には要対協や母子保健、自立支援
協議会(障害児部会)、非行、いじめ・不登校等の多様な支援プラットフォームが混在しており、
全体を統合的に把握するようなソーシャルワーク拠点が必要とされている。
「家庭支援」を充実させる必要性
本研究では、全ての子育て家庭が何らかの課題と向き合いながら生活している実態を念頭に置き、
要保護の状態には至らないものの子育て支援よりも濃く手厚い支援を必要とする子育て世帯の存
在に着目した。そこで行われる支援を「家庭支援」と呼んでいる。家庭支援は、児童福祉法の理念に
則り、要支援児童や要保護児童のニーズに対して包括的・継続的支援を提供する体制を構築するこ
とを模索するものを指している。
短期的には、子ども虐待への対応やその予防に関する施策の充実は喫緊の課題であり、要保護児
78 柏女霊峰編.藤井康弘,北川聡子,佐藤まゆみ,永野咲(2020)『子ども家庭福祉における地域包括的・継続的支援の可能性』福村出
版
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(48ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 48ページ童や要支援児童とそれに近い状況にある子どもとその家庭のニーズを満たしていく家庭支援を充
実させる必要がある。それにとどまらず、中長期的には、全ての子どもと家庭が生活圏域で社会資
源とともにあり、必要に応じて自然と支援につながれるようなシステムの中に家庭支援を位置づけ
るなど、段階的に市町村の体制を構築することを射程に収めて検討を進める必要がある。
(1)で述べたように、包括的・継続的支援体制の中で家庭支援を充実させる必要がある。複雑な
ニーズに対応したり、社会的養護の領域が持つ専門性や機能、ノウハウを地域の子育て家庭に届け
たり、母子保健と子育て支援施策が有機的に連携したり、子どものニーズに合わせて必要なサービ
スや各領域の力をコーディネートしたり、他の福祉分野のサービスやインフォーマル・フォーマル
な社会資源を把握し、地域との関係調整などソーシャルワークができることも必要となる。
家庭支援のために取り組む必要がある課題
本研究は、具体的には、子どもと保護者を取り巻く実態を先行研究やデータからとらえ、8 つの
課題に先駆的に取り組んでいる自治体や団体に対してインタビュー調査を実施した。結果の詳細は
4 章を参照いただきたい。
領域や対象年齢ごとのニーズ把握・支援につなげることの限界
こうした状況は、現行の子ども家庭福祉の実施体制や専門領域の分断、保健、教育や医療等近
接分野との分断による影響があると推察されるが、領域ごと、対象年齢ごとにニーズを把握して
支援するという縦割りの構造は、先行研究で指摘される子ども家庭福祉における「支援の切れ目」
を作り、包括的・継続的支援を困難にしている。
そのため、子どもと家庭の複合的なニーズにフレキシブルに対応するためには、領域を横断し、
インフォーマル・フォーマルを問わず必要な社会資源を活用していく必要がある。先行研究では、
あえて年齢に応じて担当部局を区切る方法と 18 歳までを通した支援を展開する方法、成人期以
降を含めたすべてのライフサイクルを見通した支援を展開する方法があった79。
1. 母子保健と子育て支援の連続性―3 歳未満と 3 歳~就学前まで―
予期せぬ妊娠を含む妊娠期からの相談、産前・産後母子支援事業、0~3 歳未満を中心に乳幼児
健康診査、乳児家庭全戸訪問事業や養育支援訪問事業によって把握し、支援につなげている。こ
の時期は特に、母子保健を基盤として母子健康包括支援センターや保健センター等で対応するこ
とが多い。母子保健と子育て支援の連携の工夫として、乳幼児健康診査に来なかった家庭に対し、
全戸把握をし、マイプラン作成や保育園への入所を勧めていく(石川県・白山市)といった取組
みがある。
3 歳~就学前の子どもの場合は保育所、幼保連携型認定こども園、幼稚園、児童発達支援セン
ターなど何らかの所属がある場合には、その所属ごとに子どもの保育や保護者支援、子育て支援
79 柏女霊峰編.藤井康弘,北川聡子,佐藤まゆみ,永野咲(2020)『子ども家庭福祉における地域包括的・継続的支援の可能性』福村出
版,p.129.
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(49ページ)
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変更後 · 49ページが提供されている。
3 歳未満の未就園児に関しては、全員がアクセスする機会があるのは乳幼児健康診査くらいで
ある。子育て支援事業に単発的につながったとしても、サービスの利用が終了したり、何らかの
理由で支援につながらない場合、社会資源との関係をほとんど持たないまま子育てをすることと
なる。継続的に支援が提供できるような状態とはなりにくいと推察される。
このように、就学前は母子保健と子育て支援を中心とするポピュレーションアプローチによっ
て支援をするが、就園・未就園での切れ目、子どもの年齢の切れ目、母子保健・子育て支援等領
域の切れ目ができやすい。子どもの所属の有無によって受けられる支援や機会を逸してしまうこ
とがないよう、ニーズに合わせて活用できるサービスをカスタマイズして利用されることが望ま
しい。石川県では、在宅育児家庭通園保育モデル事業を実施しており、0~2 歳児を対象とし、子
育ての孤立を防ぐために、月に 2~3 回ほど定期的に保育所等に通園できるようになっている。
支援の結び付けの工夫として、産前・産後ヘルパー派遣、ファミリー・サポート等のアウトリ
ーチ型の支援のほか、利用者支援事業基本型の専門員が商業施設での出張相談、地域の子育てサ
ロン等へのアウトリーチ等を行う取組みがある(NPO 法人びーのびーの)。ここでは、産前からの
取組みをつながりの動機とし、地域子育て支援拠点事業や利用者支援事業のもつ専門的機能と普
遍的な支援の中で居場所や仲間との関係を作り保ちながら、家庭支援を必要とする子どもと家庭
を具体的なサービスメニューや関係機関につないでいる。
産前・産後母子支援事業を各区の母子健康包括支援センターとの連携により実施(百道寮)し
たり、医療・保健・福祉・教育の連携による地域の母子保健・育児支援の取組み「ヘルシースター
トおおいた」や、大分県医師会による事業を要対協と連携させ、母子保健に医療(小児科・産婦人
科・精神科)、子ども家庭福祉を結びつける仕組みがある。また、保育園が子ども食堂を行い、就
学前の子のいる家庭とつながることが可能(滋賀県社会福祉協議会)となるといった取組みがあ
る。
加えて、就学前・後のつながりの工夫としては、乳児院、地域子育て支援センターを基本とし、
就学前を基本として就学後の子の相談にも心理職員が応じ、一度相談を受けた後、つなげられる
ところがあればコンサルテーションとして、広いニーズに対応できる(二葉乳児院)といった取
組みがある。
2. 子育て支援と教育との連続性―就学後(小学生)-
就学後の場合は、子育て支援や健全育成など子ども家庭福祉分野よりも教育分野におけるニー
ズ把握が主となっていく。小学生はいわゆる学童クラブとして児童健全育成事業があるが、子育
て支援事業は就学前に集中しているため、普遍的に利用できる社会資源としては児童館くらいし
かない。そのため、現状の制度としてある社会資源では、要保護児童として要対協の支援ケース
として把握されない限り、支援につながることは困難であると推察できる。また、ヤングケアラ
ーとなっている子どもたちの状況を把握することが難しい。学校の教員、スクールソーシャルワ
ーカーやスクールカウンセラーとの連携によってニーズ把握をする必要があり、子ども家庭福祉
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(50ページ)
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変更後 · 50ページ分野と教育分野の接続が強く問われる。
子育て支援や保育から就学後に支援が続いていくよう、ここへのアプローチとして、保育園が
子ども食堂を行い、就学前の子のいる家庭ともつながることが可能となった(滋賀県社会福祉協
議会)取組みがある。また、子ども食堂を地域で開かれた場所で行うことで、関わりをもつこと
のハードルが下がることの示唆も得られた。
3. 教育と地域資源との連続性―就学後(中学生、高校生)―
さらに、中学・高校生の年齢になると学童クラブも対象外となり、都市部では児童館が廃止と
なっている自治体もあり、中高生の居場所や活動の拠点として特化されたところは少ない。加え
て、地域には進学する子どもだけでなく、進学しなかったり、中途退学に至る子どもも存在して
いる。学校に所属しない場合、公的な社会資源にはどこにもつながらず、ヤングケアラーを含め
子ども自身や保護者が何らかの支援を必要としていたとしても、そのニーズが潜在化しやすくな
る可能性がある。子どもへの直接の働きかけとして、スクールソーシャルワーカーやスクールカ
ウンセラー、地域の子ども食堂をはじめ居場所となる社会資源との連携が極めて重要となるが、
この時期の子どもの保護者に対する支援施策もまた、上述のもの以外に活用できる資源が限定的
である。
心身の発達段階によって自分の意思で選ぶことができない時期から、心身が発達し自分の意思
で選ぶことができるようになり始める時期に、子どもの身の回りに高齢者施設など身近に感じら
れる場所において、子ども自身がアクセスできる社会資源としてフリースペース、子ども食堂の
取組みを通じて、家庭への支援のきっかけを作る工夫なども見られた(滋賀県社会福祉協議会)。
包括的な支援プランの作成とケアマネジメントの必要性
子ども家庭福祉の社会資源は地域の中に点在しており、かつ支援拠点としてのプラットフォー
ムが領域別に立ち上げられている。例えば子育て支援や母子保健、保育、障害児、社会的養護な
ど個別の領域ではニーズを把握し、支援が行われていても、子どもや家庭の生活圏域にある他の
社会資源とつながる方策をもっていないため、社会資源を組み合わせた包括的支援や支援がニー
ズに応えているかをマネジメントすること、次の支援につないでいくことをコーディネートする
こと等は十分に行いづらい状況にある。情報提供のみでは、支援につないだことにはならない。
また、実施体制の課題と関連して、児童相談所が中心に対応する場合、市町村が中心に対応する
場合のいずれも、施設入所や里親のもとにいる子どもとその家庭、在宅支援となった子どもとそ
の家庭に関するケアマネジメントが十分に行われているとはいえない。
要対協は要保護児童や要支援児童等を対象とし、地域における家庭支援を行うことが期待され
る。特に領域、分野を横断して支援を進めていく必要があるため、個別のケアマネジメントを丁
寧に行うことが求められる。
岡山県では、子ども中心という考え方のもと、ポピュレーションアプローチが可能となるアセ
スメントシートを作成しており、親の養育力が子どもの育ちのニーズを満たしているかを、親自
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(51ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 51ページ身・支援者・親子でチェックするためのツールとして活用している。ケアの「質」を見ている点
がポイントとされている。当事者も含めてニーズを丁寧に把握する工夫といえる。
子ども家庭福祉分野は、個別の自立支援計画を除けば、ケアプランの作成は障害児福祉や子育
て支援サービスの一部で取り組まれているが、ケアマネジメントにおいてケアプランの作成は重
要である。また、先の取組みにあったアセスメントシート等の活用ができれば、子どもの年齢や
発達に応じた形で支援の必要性について伝え、本人の意向を反映させる手段としても重要となる
だろう。
このことについての取組みとして、石川県のマイ保育園登録制度における子育て支援プランの
作成がある。支援プランを作成することで保育園に来る頻度、機会が増え、きっかけとなり、在
宅支援サービスにつなげることもできる。子どもを専門的な目でもみるので保護者の安心につな
がる(白山市)といった取組みもある。
これは就学前が中心の取組みではあるが、支援プランの作成にあたっては、子どもと保護者の
参加を原則とし、十分に聴くことを通じたニーズの汲み取りによって何が必要であるかを一緒に
考えていくことが必要とされる。
福祉の支援を利用することについては、困難な状態に陥ってから援助関係を作っていくより、
どの人も利用するサービスの中で専門職との関係が出来ている方が自然な形で支援につながっ
ていける可能性が高い。インタビュー調査の結果にもいくつか見られたが、敷居の低い安全、安
心できる居場所のなかで、家庭支援を要する状態にある子どもと家庭のニーズを把握していく必
要がある。
領域を横断する社会資源の活用とソーシャルワークの必要性
ケアプランを作成するとすれば、ニーズに応じた様々な社会資源を活用することとなり、専門
領域や分野、子どもと大人の施策をも横断していく必要が出てくる。領域を横断していくための
工夫として、母子健康包括支援センターの設置場所を保健福祉センターの中にしたり、児童福祉・
母子保健の統合課としたり、統合までしなくても人事交流を行って業務を理解したり、県庁に母
子保健・児童福祉の機構改革、母子保健担当課と医師会が連携したり、福祉・教育・医療の庁内
連携推進、保育所にて支援プランを作成する場合要対協との連携を密にする、支援者同士が研究
会を通じて顔の見える関係をつくるといった取組みがあった。
また、子育て・保健・医療・行政等分野を超えて訪問の集計報告や困難事例の検討を行う母子
保健事業・養育支援訪問事業研究会を行うなど、専門分野間で理解し合えるような工夫(中津市)
が見られた。児童相談所の相談対応によって在宅指導となる子どももおり、多くの支援を必要と
する。そのため、現在は明確に分かれている専門分野や領域の境界線を、連携しやすくなるよう
になじませていくことも大切になる。
市町村においては、市区町村子ども家庭総合支援拠点が実質的なソーシャルワーク機能を果た
すことが求められる。先行研究による市町村対象の質問紙調査では、「地域包括的・継続的支援の
拠点に一番重要な機能」は、「子ども家庭福祉の包括的・継続的ケアマネジメント(スーパービジ
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(52ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 52ページョンを含む)支援の機能」が約 35%を占めた。ここでの「機能」とは、個別のケアワークやそのマ
ネジメントではなく、ソーシャルワークとしての機能を指す。次に市町村が重要な機能と回答し
たのは、「サービスを必要とする保護者や子どもに対するケアマネジメント機能」であった。個別
のケアのマネジメントとそのケアを取り巻く環境調整を含むソーシャルワークがセットで実施
されることが必要とされている80。
既存の資源の量的拡充と質の確保
広く子どもと家庭を取り巻く実態から、そのすべてが親子関係や子育てについて悩み、余裕が
なくなる、課題を抱えやすい状態に至る可能性があることが見えてきた。ポピュレーションアプ
ローチや一般的施策を利用することで、子どもの育ちの環境を整えることができる場合から、要
保護児童のようにハイリスクアプローチによって重点的に援助することが必要な場合まで幅広
い。広く子ども家庭相談において、要支援児童やそこまで至らないが支援を要する状況にある子
どもと家庭が存在していても、具体的な支援方策がポピュレーションかハイリスクかの 2 択の状
態では、具体的な支援を講じる手立てがない。加えて、ハイリスクであっても措置・一時保護ま
たは在宅かの二択となっている。
(措置解除後の)家庭復帰後、養育能力の低い家庭に対しては、頻繁に家庭訪問等を行い、必
要性に応じて在宅支援サービス利用を促す。在宅支援を行うことで、早期支援によるリスクの低
減やウェルビーイングの向上を図ることができる(福岡市)。保護中や保護解除となっても子ど
もが繋がっていることが大事だと捉え、高齢者施設での居場所は、措置中であっても、顔をだす
こともでき、知っている大人がいる安心感(滋賀県社会福祉協議会)を提供するといった貴重な
取組みも行われている。このように、在宅支援が十分に行われることは、子どもが家庭で育つこ
とができる権利の保障につながり、パーマネンシー保障にも寄与する。社会的養護の資源と子育
て支援の接続や連携が必要となる。これについては都道府県社会的養育推進計画が令和2年度よ
り実践されており、子育て支援や家庭支援の推進も含めた展開が期待される。
家庭支援の中では、保護者の負担を軽くすることにより、子どもとの関わりを助けるような資
源の活用が欠かせない。地域子育て支援拠点事業や利用者支援事業において安心していられる場
所を確保し、仲間を見つけて孤立を防いだり、養育支援訪問事業における家事・育児支援の積極
的な活用、分離まで至らないが少し距離が必要な場合に宿泊を伴う支援を受けられるようショー
トステイを積極的に活用する、レスパイトとしてのショートステイや一時預かり事業の活用、フ
ァミリー・サポート・センターの活用など、いずれも既存の資源でありながら十分に活用されて
いない。その背景には、保護者には物理的、経済的、心理的なアクセスの難しさがあり、市町村
には財源や人材の確保、サービスを柔軟に使うことが難しいなどの課題がある。例えばショート
ステイは、レスパイトの要素も併せ持つ普遍的な子育て支援サービスでありながら、親子関係調
整に関わる宿泊を伴う支援もできるという家庭支援の重要な役割を担えると考えられる。市町村
80 柏女霊峰編.藤井康弘,北川聡子,佐藤まゆみ,永野咲(2020)『子ども家庭福祉における地域包括的・継続的支援の可能性』福村出
版
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(53ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 53ページの予算上の問題で利用回数を制限したり、保護者の物理的なアクセスや費用負担が難しく利用を
控えるといったことがないようにすることが肝要である。このように、家庭支援に活用可能な既
存の資源を拡充し、より使いやすくしていく必要がある。上述の社会的養育推進計画において施
設多機能化として家庭支援や子育て支援(大分県、二葉乳児院、一陽、養徳園)、里親ショートス
テイ(福岡市)等により必要な支援が質的量的に拡充されることも期待される。その際、領域の
縦割りを乗り越えていくために、社会的養護の得意とする機能(宿泊や要保護・要支援児童、動
機付けのない保護者への関係づくりや支援方法)を子育て支援と調和しなじませる形での多機能
化とすることが必要と考えられる。
さらに、学齢期に子どもの所属が学校へと変わっていく際、子ども家庭福祉分野と教育分野の
間で支援の切れ目ができやすく両者の接続が強く問われていること、子どもと保護者への支援施
策が既存の社会資源をみてもほとんどないこと、学校に所属しない子どもへの支援が届きにくく
ニーズが潜在化しやすいことを述べてきた。学齢期は子ども自身の活動範囲も広がり、自分の意
思で選択をする力や機会も増すことから、居場所づくりや地域とのつながりを作る支援など子ど
もの成長の過程に合った支援を用意することが不可欠となる。保護者に必要となる支援も、それ
に対応したものであることが必要と推察できる。こうした支援がない部分について取り組んでい
る民間団体の活動からも、示唆を得る必要がある。子ども家庭福祉は、すべての子どもの福祉、
最善の利益を考慮するものである必要がある。
支援に対するアクセシビリティへの対応
子どもと家庭が支援につながる間口を広げるためには、誰もが活用する社会資源とのつながり
の中で展開される敷居の低い相談や居場所をきっかけとして、いつでも支援につながることがで
きるように心理的なアクセシビリティを高めることが必要である。誰もが使う子育て支援事業な
どは、そうした敷居の低さが特徴でもあり、ここで丁寧に関係を作っていくことでアウトリーチ
などアクセスが難しい子どもや保護者にも支援が届きやすくなり、子どもの育つ環境を整えるこ
とにも寄与できると考えられる。同時に、物理的・金銭的なアクセシビリティを高めるためには
制度的・財政的な支援を要するといえる。
以上のように、本研究を通じて家庭支援のための子ども家庭福祉における課題が明らかになった。
今後さらに詳細な分析を進め、子ども家庭福祉の体制整備を含めた家庭支援のあり方について丁寧
に検討することが必要である。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(54ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 54ページ6. 今後に向けて
我が国の子育て世帯は核家族、希薄な地域関係の中での子育てが多くなっており、少しの負荷に
より心身ともに追い込まれてバランスが崩れ、親子関係にきしみが生じ、虐待など不適切な養育に
至ることはどの子育て世帯にも起こり得る。子育て世帯のすぐそばに多様な支援があり、確実に支
援に結びつけられる環境を整備することが必要である。その際子どもと保護者の両方を支援する
「家庭支援」の充実について考えるべきである。現状としては生活圏域の中でかなり手厚い在宅支
援が必要と推察される者が 82 万人存在し、また、虐待・その他の事情により児童相談所に通告や相
談のあった 9 割が在宅での支援等となっている。子どもと保護者を取り巻く課題によって子育てが
追い込まれ、虐待リスクが高まることを防ぎつつ、よりよい子育ち・子育ての環境を実現する必要
がある。
全ての子育て世帯のすぐそばに多様な支援を準備しながら、リスクが高まる際には早期に把
握・相談が可能な体制を整え、子どもと保護者が必要とする支援を確実に提供できるよう支援の
質と量を確保しなければならない。さらに親子分離が必要な場合には、子どもの最善の利益を保
障する家庭養育優先原則に基づいた質の高い社会的養育が必要とされる。その際、十分な家庭支
援によって地域における生活が可能となるように、領域を横断した支援枠組みを用意しなければ
ならない。これらを実現するにあたっては、4 章の先進的取組みからも安定した財政的枠組みと人
材の養成・確保、また自治体間の役割分担、そしてこれらの取組みを子どもの権利保障につなげ
る仕組みや機関の整備が今後解決すべき喫緊の課題として挙げられる。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(55ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 55ページ7. 資料
委員会の概要
構成メンバー
委員(敬称略、五十音順)
早稲田大学人間科学学術院 教授 上鹿渡 和宏 ※座長
大分県こども・家庭支援課 課長 河野 洋子
社会福祉法人麦の子会 むぎのこ児童発達支援センター
センター長 北川 聡子
淑徳大学短期大学部こども学科 准教授 佐藤 まゆみ
関東学院大学社会学部 教授 澁谷 昌史
全国児童家庭支援センター協議会 会長 橋本 達昌
関西学院大学教育学部教育学科 教授 橋本 真紀
松戸市子ども部子ども家庭相談課 課長 長谷川 明美
福岡市こども未来局企画課 福井 充
岡山県保健福祉部子ども家庭課 総括参事 藥師寺 真
オブザーバー
早稲田大学社会的養育研究所 客員研究員 西郷 民紗
事務局
株式会社政策基礎研究所
各回の概要
日時 議事概要
第 1 回 令和 3 年 2 月 2 日(火)
18:00~20:00
・本調査研究の概要について
・取組み事例の候補について
第 2 回 令和 3 年 3 月 3 日(火)
18:00~20:00
・課題とデータや取組み事例との対応について
・取組み事例に関する調査の進捗について
第 3 回 令和 3 年 3 月 23 日(火)
17:00~19:00
・報告書(案)について
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(56ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 56ページ先進的取組み事例についてのヒアリング調査
調査対象
調査対象機関(調査実施順)
事例1 児童家庭支援センター一陽
事例2 福岡市
事例3 母子生活支援施設百道寮
事例4 福岡市児童相談所
事例5 認定 NPO 法人びーのびーの
事例6 むぎのこ児童発達支援センター
事例7 日光市
事例8 二葉乳児院
事例9 松戸市
事例10 養徳園
事例11 滋賀県社会福祉協議会
事例12 石川県・白山市
事例13 大分県
事例14 中津市
事例15 岡山県
調査方法
半構造化面接の手法を用いて、④の項目を中心に調査を行った。
調査期間
2021 年 2 月 26 日~2021 年 3 月 11 日。
調査項目
調査は、主に以下の項目について行った。3.については、各機関での取組みに関連した内容
について聞き取りを行った。
1.機関の概要(業務概要、スタッフ数 等)
2.「子育て世帯への支援」の概要(支援の対象、体制、内容、効果および課題 等)
3.「子育て世帯への支援」の中で、以下のテーマに関連して取り組んでいることや重視し
ていること等
①.全ての子育て家庭や、より多くの家庭に対する支援について
②.子どもへの支援、子どもの年齢による介入の違いや難しさ等について
③.多機関連携や情報共有、スキルアップ等に関する取組みについて
④.何らかの支援や介入が必要な家庭に対する取組みについて
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(57ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 57ページ⑤.社会的養護、社会的養育について
⑥.支援に必要な人材や費用面の課題について
結果
※別添資料に掲載
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(58ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 58ページ先進的取組み事例についてのヒアリング調査結果
事例1
貴自治体名 越前市
貴機関(部署)名 児童家庭支援センター一陽
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内容について 児童養護施設・子育て支援センターも運営しているが、児童家庭支援センターに絞って回答
1-2.スタッフについて(人数、有する資格、等) スタッフ9名
(センター運営管理者1名以外の実務者)
・心理士4名
・社会福祉士2名
・保育士2名
2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について(子育て
世帯全体か/特定の世帯か、対象となる子ど
もの年齢、一年間に支援を行う平均世帯数、
等)
要支援児童とその家庭を対象としている。
施設退所後の子、性被害をうけた子、不登校等の特別な支援が必要な子、ならびにこれらの子の保護者
のケアを行っている。
高学年の児童が多い。
全体で年間 2000 件ほどの相談支援実績がある。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(59ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 59ページ2-2.支援のための体制について(他部署
や他機関との連携体制、等)
児童養護施設のスタッフとの協力、連携関係はとても強い。児童養護施設には、直接子どもたちと日常
生活を送っている職員スタッフが大勢おり、愛着障害や精神疾患等を抱える子の特性や付き合い方を良
く知る彼らの多彩な能力や機能を生かした支援を行うことができる。
相談支援として、24 時間 365 日稼働できるのは、強みである。保護者等から相談があった際、子ども
を施設で緊急・一時的に預かることもできる。
2-3.支援の内容について 通所、訪問によるカウンセリング、生活、学習支援。心理士のニーズが高い。
性被害では兄弟間等もある。加害児童にも被害児童にも別個にカウンセリングを行う。
被害児童には時間が経過してから影響が出てくることもあるため、長期的な支援が必要となり、自ずと
付き合いも長くなる。
施設を退所後の子に対しても、児童相談所から指導委託を受け半年間ほどは、週1回ほど訪問してい
る。
一人暮らしや不安定な母との生活等により、それまでできていたことができなくなる。例えば昼夜逆転
による怠学など。そのようなときには、朝起こしに行ったりもする。支援は様々である。
2-4.支援の効果について 継続的な家庭支援を前提としたうえで、早期の家庭復帰を果たすことができる。
メンタル的な課題のある子、将来発症しそうな子に対しては、長い期間支援を継続することで、早期に
変容を発見することができる。早期の医療機関への接続も可能である。
中高生と、いきなり関係性を作るのは誰もが難しい。小学生の段階である程度関係性を作り、中高生に
なって、不登校や退学等、行動化してきたときに、本格的に支援を開始するのがベター。
施設に長期入所する子どもを減らすため、早期の家庭復帰を目指すことは、一陽の基本方針だが、保護
者の能力や生活基盤が極めて脆弱な家庭にはそれができない。そこで児童家庭支援センターや施設等に
よるアウトリーチ(頻繁な家庭訪問)により、入所時と変わらないほどの生活支援ができれば、早期に
施設を退所し家庭復帰できる子が増える。
2-5.今後の課題について 入所措置に比べ、指導委託制度等の在宅措置制度は財源として不安定である。
予算の関係で、支援のために必要な費用がでないこともある。本来ならばアセスメントに沿った支援を
行う必要があるが、裁量的経費であるがゆえに、予算がないことで支援を打ち切られるリスクも生じて
いる。指導委託の義務的経費化が須要である。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(60ページ)
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変更後 · 60ページ3.2に関する詳細として、さらに、以下の①~⑥に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。
3 - ① . 全 て の 子 育 て 家 庭
や、より多くの家庭に対する
支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えますか?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行っている場合、その取組
の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
【すべての子育て家庭を対象とした取組】
一陽では、乳児検診 1.6 歳や 3 歳健診のお手伝いをしている。地元の保健師は、障害を発見するのは得意だが、虐待ケ
ースはあまり扱ってきていない。一陽は、被虐待児に強く経験知がある。健診しながら、保護者の観察もできる。健
診後のカンファレンスにも参加している。すべての子を対象としている健診事業に協力することで虐待の早期発見に
つながる。
5か月児セミナーを越前市では行っている。健診の一環として。保護者に子育てのノウハウを伝える。絵本を配って
いる。5か月児セミナーに来ない人がいる。その後4カ月間は、図書館や子育て支援センターにくれば、絵本を渡す
というブックスタート事業。4か月たっても来ない保護者は5%程度だが、この5%に虐待リスクが高い。絵本を持
って一陽の職員が家庭訪問に行く。土日、祭日等でも出向き、様子確認を行って家庭の状況等を把握している。絵本
を届けるという名目でハイリスクとされる家庭に自然な形で訪問できる。見張りではなく見守りに繫がるよう心掛け
ている。
近所の方の証言から外国籍親子が住民票を置いたまま本国に帰国したことを確認することもあり、「不在の証明」に
もなるため、行政からありがたがられることもある。
3-②.子どもへの支援、子
どもの年齢による介入の違い
や難しさ等について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している点や、日ごろ感じて
いること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源がありますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(61ページ)
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変更後 · 61ページ【子どもへの直接的な支援について】
役所と民間の違いが大きい。要保護児童対策地域協議会や児童相談所が虐待通告に対応しているが、要保護児童対策
地域協議会は、元々は子どもの見守りネットワーク事業である。本来、地域で子どもを守るために活動しているはず
だが、しかし見守りとは、難しい所作であり、対象者にとっては、見守りではなく見張られていると感じさせ、批判
の対象と感じさせてしまう。一陽では、そうならないための息の長い、ゆるい支援を行っている。民間だからこそで
きる、権限がないからできる支援がある。虐待をしてしまう背景にも寄り添うことが肝要。
【中高生くらいの年齢の子への支援について、工夫している点】
残念ながら大きな問題がでてきてから対応しているケースが多いというのが現状。数少ない事例ではあるが、小学生
の頃から、一陽の職員が関わっており、中高生になってから何らかの問題行動がでるようになった際に、比較的スム
ーズに支援することができるケースがある。アウトリーチが大事である。
引きこもりの中高生に指導委託という形で依頼が入ることがある。そこで大事になるのは、焦らないこと。学校は、
いつ学校に来られるか、家族はいつ部屋から出てくるかを気にするが、一陽の職員は、これらに乗っかってはいけな
いと思っている。すべての家庭支援にいえることは、大人サイドの都合やペースで支援しないことが大切である。
3-③.多機関連携や情報共
有、スキルアップ等に関する
取組について
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあればお聞かせください。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
・貴機関の職員に対して、多機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマネージメントや情報
共有のための)
・上記のような機関に対して、貴機関の専門職の方等を派遣する等の取組がありますか?
【専門職の派遣等の取組について】
越前市要保護児童対策地域協議会の会長に就任した。市役所の相談室に、一陽の職員を派遣し、要保護児童対策地域
協議会調整機関の事務補助業務も行っている。要保護児童対策地域協議会主催研修の企画も行う。課題の共有や解決
策の共有が可能となる。
子ども食堂等にも職員を派遣。市民ボランティアがケースに巻き込まれるリスクが生じるタイミングで、一陽の職員
がアドバイスする。
【勉強会やケース会議等】
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(62ページ)
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変更後 · 62ページ職員には、一人当たり年間 10 万円の研修費を用意し、職員は自ら学びたいところに研修に行く。心理士とかは、学会
の研究会に参加したりもする。
【支援者の人柄やキャラ等によることもあるかと思うが、職員全てが同じような支援を行うことができるような研修等
が行われているか】
施設での支援が自ずと研修につながっている部分もある。研修も、かなり頻繁にしている。研修費が 560 万円程毎年
ある。この仕事は人がすべて。人間性そのものが財産、そのための費用は惜しむべきではないと考えている。人間関
係もとても大事である。研修やソーシャルワークができる(職員が施設の外に頻繁に出られる)のは、施設内の人間
関係がよいことの証拠である。チームワークを作るための投資にもなっている。研修機会の充実を公言することで、
就職試験の際、勉強したいという向上心のある学生が集まってくるという利点もある。
【不登校等による支援が必要な家庭に対して、学校の果たしている役割はどのようなものか】
独断と偏見であるが、学校は学校に来ることを目的としている。役割やミッションが違う。スクールカウンセラー
は、600 名程度の児童がいて、週 10 時間しかいない。週に 10 名ほどしかカウンセリングはできない。そこで、同じ校
区の小学校へ一陽の心理職員を派遣している。学級崩壊しそうなクラスで、その子の隣につく、という形で支援を行
っている。校長先生は、とてもありがたいと言ってくれている。これらの支援を通して地元の小学校とも連携はとれ
ている。子どもとの関わり方へのアドバイス等も行うことができる。職員同士の関係を構築することをまず目的とし
た。施設から通う小学生は、この4月から3名になる。社会的養育ビジョン発出して3年目にして、幼児や小学校低
学年の入所は減り、中高生が多くなっている。中高生のメンタル課題のある子や難しい行動をする子たちへの対応力
が問われている。
【子に接する機会の多いのが学校だが、支援の必要性に気づくことはあるか】
学校に来ている子については、学校の役割は大きい。しかし学校と距離のある子に対しては、学校は無力。そこに福
祉の出番がある。教育と福祉という議論になると議論が平行線となってしまうので、私は「教育と地域」として考え
ましょうという話をする。地域とつながる教育として、そのお手伝いをするという発想が大事。
3-④.何らかの支援や介入
が必要な家庭に対する取組に
ついて
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機関と連携しています
か?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(63ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 63ページ・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがありますか?
・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞かせください。
・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携して行うことが望まし
いと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
【乳幼児訪問について】
土日、夜間のアウトリーチで、早期発見や早期介入が可能となった。子育て世代包括支援センターにケースをつなぐ
こともできる。
【多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援】
生活困窮者自立支援事業のなかの、子どもの学習支援事業を行っている。市からの委託。アウトリーチ支援に繋が
る。名目上は学習支援だが、生活面での支援が必要な子が多い。
【母子保健と児童福祉の連携】
小規模自治体では、専門職が限られている。保育士はいるがソーシャルワークの勉強はしておらず、社会福祉士はほ
とんどいない。保健師の活用を効果的・合理的に行うべく早急に一体化するべき。
【支援対象児童等見守り強化事業】
コロナ禍にあって、越前市では、行政保健師や民生児童委員、民間機関である児童家庭支援センターや社協が運営す
る児童センターの職員、学習支援拠点の運営に関わるボランティア市民らによって、食(おむすび等)の提供を通し
た見守り支援活動が市内全域で一斉展開されている。また越前市では、市内全ての社会福祉法人19法人が、ワンチ
ームとなって地域公益取組を行う組織を結成しており、そこが学習支援拠点など地域での見守り活動拠点を側面的に
支援している。さらに現在、教員OBを学習支援コーディネーターに、社会福祉士を見守り支援コーディネーターと
して配置し、市民有志による見守り支援活動のシステム化を図っている。年齢や国籍、家族状況等を問わず、地域に
点在するあらゆる気がかりな子どもたちを見守ろうとする事業が発展しつつある。
【施設の多機能化による支援メニューの充実について】
施設の多機能化は、児童養護施設単体の問題ではなく、法人全体で取り組むべき課題であるとの認識のもと同一法人
が実施している児童家庭支援センター、児童養護施設、子育て支援センターが一体となって、生活困窮者自立支援制
度(学習生活支援)や母子保健事業(乳児家庭訪問)など近接施策との接続を強化し、パーマネンシー保障とアウト
リーチを重視した地域家庭支援=虐待予防・家族維持支援を展開している。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(64ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 64ページ3-⑤.社会的養護、社会的
養育について
<質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援について、取り組んで
いることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を果たすことが望まし
いと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
【地域の里親会等との連携】
合同研修会を行っている。昨年 11 月、福井県家庭養護推進ネットワークを立ち上げた。里親会、養護施設、乳児院、
児童自立支援施設が一体となって組織を作った。事務局長を一陽が行っている。県から 1500 万円程の予算を組まれて
いる。
【措置解除後の子に対する支援】
施設退所児童自立サポート事業(県単事業)を実施。措置児童に対して、アパート等での一人暮らしを希望する子に
は、法人でアパートを契約し、住まわせることもある。一人暮らしを体験し、徐々に自立していく手伝いをする。
【解除前、解除後】
官民協働体制を常識化するとともに、迅速で濃密な情報共有を可能とするシステムの確立が必要。
要保護児童対策地域協議会は情報共有の場だが、それでも情報共有できないこともままある。いずこにおいても情報
の共有は大きな課題。福祉と教育の間でも、主要な課題となっている。
3-⑥.支援に必要な人材や
費用面の課題について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
【人材面での課題や障壁】
24 時間 365 日開所という施設の最大の強みは、一面、職員にとって負荷の大きいものである。職員のライフイベント
をふまえ、退職しないように働き方を柔軟にする必要がある。組織として、どこまで対応できるかの問題もある。
【費用面】
在宅措置制度ができ、相応の予算がつくようになると、よりしっかりした地域家庭支援を行うことができる。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(65ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 65ページ法改正を好機として新しい児童福祉制度として明確に位置付けてほしい。
入所支援から地域家庭・在宅支援へという方針転換をはかろうとする施設は、その財源が義務的経費から裁量的経費
へと移行するので、経営が不安定になるというジレンマに直面している。喫緊の課題として、このジレンマを解消す
る必要がある。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(66ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 66ページ事例2
貴自治体名 福岡市
貴機関(部署)名 こども未来局企画課
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内容について 子ども・若者と子育て家庭への支援サービスの総合的な企画調整や計画策定を行う
企画調整や計画策定の対象は、ユニバーサルな地域子ども・子育て支援事業や母子保健から、障がい児支援、子
どもの貧困世帯、児童虐待防止対策、社会的養育まで幅広い
子どもを取り巻く課題やニーズ、国の動向を踏まえて施策・事業の優先度や指標を計画に定め、推進している
1-2.スタッフについて(人数、
有する資格、等)
企画課 13 名、うち3名(課長1名、係長1名、係員1名)が上記業務を行う
係員は社会福祉士と精神保健福祉士
要支援・要保護児童の社会的養育を主に担当するこども家庭課には、児童相談所や区子育て支援課を経験した職
員が3名(社会福祉士2名、臨床心理士1名)
直近3~4年の傾向として、実務を経験しニーズを把握している専門職が施策・事業の担当部署へ異動し、新規
事業や支援体制整備の立案・推進に関わっている
2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について(子育
て世帯全体か/特定の世帯か、対象となる
子どもの年齢、一年間に支援を行う平均世
帯数、等)
企画課の業務範囲はすべての子ども・若者と子育て家庭の支援に関わる施策・事業だが、2020 年度から
5か年の計画立案にあたっては、要保護児童(代替養育の措置がとられる一歩手前で、支援がなければ
親子分離になりうる家庭)への在宅支援サービスの充実や支援体制の強化による「予防的支援」に重点
が置かれた。裏を返すと、これまで、その領域の支援・サービスが不十分であったという認識がある。
その支援の対象となる要支援・要保護児童の約6割は未就学児。残り半分のうち大半は小学生。
支援(サービス提供等)の必要性は、必要なケアの量と要保護性の2つに影響されている。
例えば重度の障がいをもつ子どもは、家庭でも保育所等でも必要なケアの量は多く、多くのサービス提
供量が必要となるが、保護者がそれらに積極的に対処し支援を受け入れている場合、要保護性は低い。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(67ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 67ページ保護者のケア力に限界があると要保護性が高くなるが、子どもの年齢が高ければ(被虐待のトラウマケ
ア等を除いて)必要なケアの量は一般的に少なく、訪問を含む定期的な子どもへの相談支援やスクール
ソーシャルワーカー(以下、SSW)を中心とした支援などで対応している。子どもの年齢が低い場合は
必要なケアの量も多いため、養育状況に応じて、相談支援型の訪問支援や、より頻回なヘルパー型の訪
問サービス、ショートステイ等による一時預かりなどで対応している。
【サービス提供量の例】
子どもショートステイ(子育て短期支援事業) :年間約 2,700 人日(延べ)
養育支援訪問事業 :年間約 140 人(実人数)
産後ケア事業 :年間約 520 人(実人数)
2-2.支援のための体制について(他部
署や他機関との連携体制、等)
児童虐待に関する支援や対応については、医療機関、保育所等、民生委員・児童委員、区の子育て支援
課、学校、児童相談所が、合同で研修を行い、相互理解を深めている。子どもと家族への関わり方や連
携方策等の意見交換、事例を用いた情報交換などを定期的に開催。
医療機関を対象とした児童虐待に関する相談窓口を拠点となる大学病院に設置し、産科・婦人科・小児
科の各医療機関が関わった虐待事例への助言、合同研修による検討、ネットワーク会議などを実施。
児童相談所と警察・検察との合同での虐待対応、共同面接の研修も毎年開催。
児童相談所の児童福祉司は9割以上が社会福祉士又は精神保健福祉士の資格を有する専門職(社会福祉
の職場を5年以上経験した者を含む)である。その職員が区の子育て支援課へ異動する、スーパーバイ
ザーに昇任するなどの人事異動により専門性が引き継がれつつある。区と児童相談所は、事例を通じて
日常的に電話や対面での情報交換を行っており、合同の研修や、お互いの部署に1週間ほど職場体験す
るような試みも始まっている。区の職員は児童相談所内の判断の流れや基準を知り、児童相談所職員は
区での様々な社会資源を活かした在宅支援の方法等を体験し考えることができ、互いの専門性向上に役
立っている。
【学校や警察との連携】
要保護児童支援地域協議会(いわゆる要保護児童対策地域協議会)での個別ケースの協議を通じた連携
が主となっている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(68ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 68ページ福岡市の場合、SSW が全ての中学校区に配置されており、学校との連携は主に SSW を通じて行われる。
SSW は毎週、児童相談所に集まり SSW 同士の情報交換を行い、児童相談所が関わるケースについて児童
福祉司との情報交換も行っている。児童相談所と教育委員会の教育相談部門が総合相談センターを組織
して同じ建物に入り、教育相談部門が SSW の取りまとめや不登校の相談等も受け付けており、連携のと
りやすさにつながっている。
児童相談所が入る総合相談センターの建物内に県警の少年サポートセンターも設置されており、一時保
護する際の同行依頼や非行ケースでの連携が行われている。少年サポートセンターにもソーシャルワー
クの専門性をもつ職員が配置されていることが円滑な連携につながっている。学校にも警察にも児童福
祉や社会福祉の共通言語をもつインターフェースとなるソーシャルワーカーがいることが、円滑な連携
に寄与している。
【民間団体との連携】
福岡市は民間団体の活動が盛んであり、個別事例での連携から事業委託による連携まで様々な支援段階
で民間の力が活かされている。休日・夜間の泣き声通告や保護者からの緊急保護の要請に対して「子育
て見守り訪問員」(子育て経験があり一定の研修を受講した者)が家庭訪問し、子どもの安全確認や保
護者への情報提供などを行っている(平成 24 年度開始)。市民との共働による里親制度啓発や民間フォ
スタリング機関への委託によって大幅に増加した里親家庭の一部がショートステイの受け皿となり、地
域での子どもの暮らしを支えている。市内2か所の子ども家庭支援センターは両方 NPO が受託し、休
日・夜間の来所相談、家庭復帰に向けた親子プログラムの実施、アウトリーチ、里親ショートステイの
調整などを担っている。
2-3.支援の内容について 次の3つの考え方を庁内で共有し、要支援・要保護児童への予防的支援に必要なサービス(養育支援訪
問事業、ショートステイなど)と体制(区の相談体制など)の充実に力を注いできている。
1.分離保護から在宅支援への予算配分の転換
分離保護に係る経費(子ども一人あたり乳児院で年間約1千万円、児童養護施設で年間約 500 万円)を可
能な限り在宅支援(養育支援訪問事業は子ども1人あたり年間約 3 万円)の充実へ振り向ける。在宅支援
の充実によって子どもが家族と暮らし続けられること(パーマネンシー)が成長発達に与える良い影響
や、児童相談所による家庭移行支援(家庭復帰や里親移行)によって施設入所児童が3年間(2016~
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(69ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 69ページ2018 年度)で約 100 名減少した財政的効果を庁内で共有し、在宅支援にかける予算の増額も認められ
た。
2.予防が最も必要な層(特定妊婦、要支援・要保護児童)への支援メニューの拡充と無償化
2016 年から産後ケア事業(デイケア・ショートステイ)を開始。利用料減額を進めたところ年々利用者
数が増え、特定妊婦など特に支援を必要とする方は特例認定(区保健福祉センターによる認定)による
無料利用も可能とした。産科医療機関がほとんどだが特定妊婦を積極的に受け入れている施設(※)も
あり、出産後4か月までのうち1週間、助産師等による母親へのケアや相談、乳児の世話や関わり方な
どの助言を受けられる。2021 年度からは生活保護世帯と非課税世帯は無料とする。この事業などで把握
された産後のケアニーズや産前からの相談の必要性から、2020 年度より産前・産後母子支援事業(母子
生活支援施設百道寮)を開始し、親子に対して、より長期の入所支援(無料)も可能となった。
子どもショートステイは、利用ニーズが年々増加したことから、2020 年には予算額を大幅に増やし、受
け入れ定員の確保や NPO(SOS 子どもの村 JAPAN)のショートステイ専用棟での受け入れなどを開始し
た。ひとり親は無料で実施してきたが、来年度からは予算をさらに増やし、非課税世帯も無料とする。
また、一時保護の地域分散化も推進。児童相談所の一時保護定員の縮小と同時に児童養護施設に一時保
護委託定員を設定し、子どもが通い慣れた地元の学校への送迎による地域生活の継続性を保障してい
る。
2020 年からは、もともと無償で使える養育支援訪問事業の予算を約3倍に拡充し、専門的相談支援(保
護者への相談支援)に加え、より頻回(週1~3回)で柔軟に使える家事援助ヘルパーと、子ども・若
者支援実績がある NPO の相談員が子どもを訪問し家庭や学校に関する相談や学習支援を行う事業を開始
した。
これらの事業は、里親や施設などからの家庭復帰にあたっても利用されている。
2021 年度からは、要保護児童に対する無償での食事や消耗品等の現物支給メニューも加わる予定であ
る。
3.支援メニューを活かしたケースマネジメントができる在宅支援の体制と枠組の充実
拡充した支援メニューを活かすことを含め、より身近な場所での相談支援を充実させるため、2021 年よ
り各区子育て支援課に計 14 名の社会福祉専門職を増員配置し各区子ども家庭総合支援拠点を設置する。
現状として、児童相談所に相談・通告があったケースの中に、区役所が在宅支援を行うことで早期支援
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(70ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 70ページによるリスクの低減やウェルビーイングの向上を図ることができるケースが含まれているが、児童相談
所が関係機関調査や安全確認をしてそのまま集結している例も多い。そのような家庭の養育状況や養育
環境が徐々に悪化して最終的に親子分離になるケースもあることから、そのニーズや脆弱性を早期に発
見し、在宅支援につなげるための振り分け基準や仕組み、拠点における支援型対応の構築を研究者と共
働して進めている。
2021 年度には子ども家庭支援センターも 1 か所増設。2024 年までにさらに 1 か所増を目標としている。
【親子分離より在宅支援に係る費用が少ないことを示す資料等があるか】
子ども一人に係る公費負担について代替養育措置費より在宅支援サービス事業費が低いのは予算上明ら
かであり、それを示す世界銀行の試算(下記※)などもあるが、在宅支援はより多くの家庭へ、より多
くのサービスを届けることが求められるため、将来的に在宅支援メニューも対象家庭も増やしていけ
ば、代替養育に係っていた総事業費に近づいていく可能性はある。その場合でも、代替養育にかけてい
た費用によって、その何倍もの子どもたちに在宅支援サービスを届けることになるため、対費用効果は
大きいと考えている。
※World Bank(1998)PROJECT APPRAISAL DOCUMENT ONA PROPOSED LEARNING AND INNOVATION
LOAN (LIL) IN THE AMOUNT OF US$5 MILLION TO ROMANIA FOR A CHILD WELFARE REFORM PROJECT
【在宅支援にするか分離保護するか見極めポイントはあるか】
子どもの安全(セイフティ)が脅かされているかが保護の基準となるが、現在、児童相談所と区役所の
職員で、その基準(該当する情報の種類など)を議論している。必要な在宅支援の量や種類について
は、基本的に、親の意向やニーズというよりも、①子どもの年齢や特性など子どもの要素、②養育力な
どの親の要素、③支援者の存在など環境の要素の3つの側面から「必要性(要保護性)」を判断してい
る。分離保護からの家庭復帰にあたっても、主にこの3つの要素(英国の CAF:下記①参照)をベースと
した『家庭復帰の適否を判断するためのチェックリスト』を用いる。
分離保護すべきなのか見極め(アセスメント)の前提となる情報が不足していることも課題である。例
えば若年で精神疾患や被虐待経験があり、子どもへのネガティブな発言があるなどハイリスクと思われ
る方が出産される場合、退院後に養育支援訪問等によって在宅支援を入れながら、乳児の安全を脅かす
事実が確認された時点で乳児を分離保護するというケースがあるが、その中間が不足している。現状の
在宅支援サービスでは、養育を可能とするための支援が不十分だが、分離保護してしまうと散発な面会
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(71ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 71ページ交流で親子交流や親の学習が進捗せずアセスメントも難しくなる。親子が養育の支援を受けながらとも
に生活できる場があれば、十分な支援を受けた結果として養育可能な(共に暮らせる)親子なのか、そ
れでも分離が必要なのかを、より正確にアセスメントできる。その中間的な施策として、産後ケアを行
う一部の施設や産前・産後母子支援事業を担う施設での親子入所支援が重要な意味をもっており、その
ような目的であれば無償で利用可能な事業スキームとしている。
①厚生労働科学研究費補助金(平成 24~25 年度)児童相談所における保護者支援のためのプログラム活
用ハンドブック
2-4.支援の効果について 産後ケアや産前産後母子支援事業による上記のような親子入所の支援によって、子どもを親から分離せ
ずに在宅支援を継続できる事例が生まれている。今後の乳児院等の多機能化の方向性の参考にもなる貴
重な実績が積まれている。
充実しつつある在宅支援の利用も含む児童相談所の家庭復帰支援によって施設養育に係る扶助費が抑制
され、さらにその抑制費用を在宅支援の充実に振り向けられていることは、家族とともに暮らす子ども
を支えるリソースの充実につながっているという意味で、実践と施策がもたらした効果といえる。
2-5.今後の課題について これらの支援メニューを、必要とする子どもと家庭に適切なタイミングで利用してもらうなど、効果的
な在宅支援を進めるケースマネジメント(アセスメント、プランニング、評価など)の手法の構築と、
そのための枠組みづくりが課題。
子ども家庭総合支援拠点の増員の中に、児童福祉司と兼務する職員を含めることにより、在宅の指導委
託(2号措置)の利用促進が図られる可能性がある。例えば兼務職員が要保護性の判断を中心的に担
い、児童相談所との連絡役となることで、要保護性の高い子どもへの在宅支援にあたって指導委託の枠
組みが有効に活用されることが期待できる。これは、実際にどう作用するのかを検証していく必要があ
る。
これらの体制の充実を基盤とした在宅支援の推進によって、新たなニーズも掘り起こされると考えてお
り、よりニーズに合った柔軟で利用しやすい在宅支援サービスの改善や拡充を継続していくことも課題
である。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(72ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 72ページ3.2に関する詳細として、さらに、以下の点に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。
3 - ① . 全 て の 子 育 て 家 庭
や、より多くの家庭に対する
支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えますか?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行っている場合、その取組
の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
※特にコメントなし
3-②.子どもへの支援、子
どもの年齢による介入の違い
や難しさ等について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している点や、日ごろ感じて
いること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源がありますか?
※特にコメントなし
3-③.多機関連携や情報共
有、スキルアップ等に関する
取組について
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあればお聞かせください。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
・自施設の職員に対して、他機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマネージメントや情報
共有のための)
・上記のような機関に対して、自施設の専門職等を派遣する等の取組がありますか?
※特にコメントなし
3-④.何らかの支援や介入
が必要な家庭に対する取組に
ついて
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機関と連携しています
か?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがありますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(73ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 73ページ・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞かせください。
・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携して行うことが望まし
いと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
【子育て世帯の抱える課題の把握について】
各区の子育て世代包括支援センターが母子健康手帳を交付する際に、助産師等の専門職がすべての妊婦と面談して家
庭の状況を把握し、妊娠期から支援が必要な方について産科医療機関と連携するなど継続的な支援につなげている。
情報は同センター内の区子育て支援課にも共有される。
さらに手前の時期(妊娠届出前)に悩んでいる方の把握や相談の受け皿も必要だと考えており、産前・産後母子支援
事業(百道寮)では広く「思いがけない妊娠」の「困った」を相談できるよう啓発し、電話やメール等での相談を年
中無休で受け付けている。
全般的な話としては、子どもや家族と接する区役所や児童相談所の職員が気づいた家族のニーズを施策担当部署に伝
える仕組みや人事異動の流れを各自治体で作ったほうがよいと考えている。福岡市では、専門職の会議や研修への施
策担当者の参加、専門職と施策担当者で構成するワーキンググループの開催、人事異動などによって相互の意思疎通
を図っている。
【保護者、親子に対する支援に必要な視点は何か】
在宅支援のケースプランニングでは、子ども・子育て支援事業だけでなく、保護者の精神疾患(ヘルパーや訪問看護
等)、子どもの障がい(放課後等デイサービス等)など多分野のサービスや、地域の居場所や住民によるインフォー
マルな関わりも含めた幅広い視点でのプランニングが求められると思う。福岡市の各区子ども家庭総合支援拠点で
も、そのようなプランニングを子どもや家族とともにつくり、評価し、改善していく専門性を、研究者と共働して向
上させていこうと考えている。
3-⑤.社会的養護、社会的
養育について
<質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援について、取り組んで
いることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を果たすことが望まし
いと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(74ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 74ページ・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
※特にコメントなし
3-⑥.支援に必要な人材や
費用面の課題について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
※特にコメントなし
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(75ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 75ページ事例3
貴自治体名 福岡市
貴機関(部署)名 母子生活支援施設 百道寮
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内容について 母子家庭の自立支援、子どもへの支援。
今年度10月から特定妊婦への支援が開始。
1-2.スタッフについて(人数、有する資格、等) 全部で21名(正規13名、非正規8名)。
・ソーシャルワーカー2名(受講中4名)
・精神保健福祉士1名、保育士6名、助産師1名、心理士4名、教員資格2名、調理師1名
2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について(子育て世帯
全体か/特定の世帯か、対象となる子どもの年
齢、一年間に支援を行う平均世帯数、等)
・範囲:特定の世帯、特定妊婦。
・年齢層:0~18歳。未就学児と小学生が同数で20名いかない程度。中高生もいるが全部で5名
程度。
・世帯数:令和2年度の入所世帯の平均は24世帯。現在の在籍数は27世帯。
2-2.支援のための体制について(他部署や他
機関との連携体制、等)
連携先は福岡市の各区子育て支援課。産前・産後母子支援事業に関しては各区子育て世代包括支援
センターとの連携も始まった。児童相談所、保育園、小中高とも連携する。
・福岡市7区で関係者会議を開催(不定期)。
・各区の子育て支援課を訪問し情報提供(年2回)。
・百道寮から他機関へ出向いていくことが多い。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(76ページ)
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変更後 · 76ページ2-3.支援の内容について 母子生活支援施設は自立を前提としていて、就労支援と家計管理のための勉強会に力を入れてい
る。
1. 就労支援:サービス業に特化したプログラムを企業に組んでもらい、オンラインで研修会を行っ
ている。中級くらいまで受講すれば、企業が他企業とのマッチングをしてくれる。
2. 家計管理:外部からFPを招き、専門的な家計管理の勉強会を実施。今年度は小学5年生以上の
子どもがいる家庭は世帯で参加してもらい、退所後の生活のイメージを具体的に持てるようにし
ている。
施設の利用者は生活保護の受給率が高い。そういう家庭は散財するか引きこもる傾向がある。引き
こもる人々には社会参加のために内職を斡旋したり、料理を作る勉強会を開くなどの引きこもりを
防ぐ取り組みを行っている。
2-4.支援の効果について 体感的には、退所のタイミングが来たとき、家計管理の勉強などをしている利用者は早く退所につ
ながっているイメージがある。
家計管理の勉強会は、1回参加した方が2回目以降も自主的に参加したり、相談時間をもっと設け
てほしいという相談があったりする。
退所してからも大変であるということを実感できるからか、資格を取りたいと考える利用者が増え
てきたイメージがある。
【退所後にスムーズに普通の生活に移れるようになっていると感じるか?】
そう思う。通常の支援とは別に勉強会などの支援も行うようになったことで、利用者の退所後が心
配になるようなケースは少なくなった。
2-5.今後の課題について 退所前に利用者と職員で一緒に退所前計画を立てており、いつでも話しに来てよいということも伝
えている。ただ、スタッフだけのアフターケアだけでは限界があり、勤務時間内ではできない。ス
タッフのマンパワーに甘えているところがあり、ここを何とかしなければならない。
来年度からはリスク度の高い退所者を把握し対処できる仕組みを作ろうと計画中。退所者に介護度
のようなランク付けを行い、一番リスク度の高い世帯には毎日の声かけなどをしていくという取り
組みを、スタッフの共通理解のうえで行おうとしている。
リスク度判定自体はすでに利用しており、来年度は退所者の状況把握にも利用していく。リスク度
4・5については学識者(社会保障審議会・西南学院大の安部先生)も交えての対処。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(77ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 77ページ担当間での意識の違いなどがあると緊急的な対応の際に不都合があるため、リスクの部分について
は全員が理解しておき、月1回見直しをかけていく。それにより一次的対応は全員ができるように
しておく。
※リスク判定方法について:具体的な判断項目や判断理由などがリストアップされた個票を用い
る。
地域のまだ施設に入っていない人々への支援の拡充を来年度から行おうと計画中。
3.2に関する詳細として、さらに、以下の①~⑥に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。
3 - ① . 全 て の 子 育 て 家 庭
や、より多くの家庭に対す
る支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えますか?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行っている場合、その取
組の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
・地域の子育て世帯を対象に、フードパントリーや不用品提供など、困った人が来られるような相談ブースを作ること
が大事だと考える。
・当事者だけでなく、そこに至る前の人々にも情報を提供できる機会や仕組みを作るべきだと考える。
3-②.子どもへの支援、子
どもの年齢による介入の違
いや難しさ等について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している点や、日ごろ感じ
ていること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源がありますか?
※特にコメントなし
3-③.多機関連携や情報共
有、スキルアップ等に関す
る取組について
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあればお聞かせくださ
い。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
・貴機関の職員に対して、多機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(78ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 78ページ・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマネージメントや情
報共有のための)
・上記のような機関に対して、貴機関の専門職の方等を派遣する等の取組がありますか?
・子ども食堂など、子どもの居場所支援を行っているところと来年度から連携しようと考えている。全国食支援活動協
力会と連携し、来年度から連携範囲を拡大したり、支援内容を具体的にすることを考えている。
・子どもがもっとも長く居る学校や保育園との連携は不可欠で、連携するためには考え方の共有が必要なのだが、学校
の先生は異動が多く、せっかく母子生活支援施設のことを理解してもらってもその先生が異動してしまう。毎年夏休
みに学校の勉強会に出向き、社会的養護下に置かれている子どものことや、実親の支援を充実していかなければなら
ないことなどを話している。
3-④.何らかの支援や介入
が必要な家庭に対する取組
について
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機関と連携していま
すか?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがありますか?
・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞かせください。
・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携して行うことが望ま
しいと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
・産前産後の利用者が想定しているより多い。(相談は10月の運用開始から現在まで82件。半数が25歳未満で、
妊娠不安の相談が多い。)養育能力が低い人々もいるので、もう少し生活支援などを充実させていかないとまずい。
知的能力が低いが手帳は持っていないという人が実はいて、心理士が知能判定を行い、そういう人が地域に出たとき
に必要なサービスをつけることで虐待予防につながる。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(79ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 79ページ・母子保健との連携がもっとできればよい。産前・産後母子支援事業で各区の健康課・地域保健福祉課・子育て課と連
携しているが、特定妊婦に関してはこちらが出す情報で情報共有ができるイメージだが、母子生活支援施設の利用者
については母子保健の情報があまり入ってこない。
3-⑤.社会的養護、社会的
養育について
<質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援について、取り組ん
でいることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を果たすことが望ま
しいと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
・今年度から児童養護施設と連携して勉強会を立ち上げた。同じ児童福祉施設でもお互いのことをよく理解していな
い。児童養護施設は家庭復帰を一番の目標としているが、そのときに母子生活支援施設を利用するのもありだと思っ
ている。短期間だけ母子生活支援施設に入り子どもだけでなく家庭の支援に変わっていくのを体験してもらい、施設
を出た後も色んな支援を受けていいんだと理解してもらうようなルートがあってもいいと思う。
・実親支援が薄い。子どもの最善の利益を考えれば里親や特別養子縁組より家庭養育に近い形を取るというのは賛成。
だが基本的には実親との生活をどう支援するかが重要だと思う。積極的な母子生活支援施設の利用がなされればいい
と考える。施設側も、利用者を早く自立させるための努力が必要。母子生活支援施設では多機能化も含めた施設機能
の転換を考えている。当法人は母子生活支援施設を2つ運営していて、こちらでは小規模・多機能化に、もう1つの
ほうは大規模・機能強化に向かい、施設間連携を行う。
3-⑥.支援に必要な人材や
費用面の課題について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(80ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 80ページ・産前・産後母子支援事業は支援内容がハードなのでスタッフ数が必要だが国の補助金では人件費が足らない。母子生
活支援施設についてもスタッフ不足。もう少し人材がいればいいと思う。今は職員の年齢が若いのでなんとかなって
いるが、この体制は何年も続くものではなく、工夫しないとまずい。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(81ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 81ページ事例4
貴自治体名 福岡市
貴機関(部署)名 児童相談所 家庭移行支援係
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内容について 福岡市児童相談所が乳児院・児童養護施設に措置した子どもの家庭養育への移行(家庭復帰,親族養
育,養子縁組,里親委託)を推進している。2016 年度に家庭移行支援係を設置し、それまで地区担当の
児童福祉司が担っていたものの手が回っていなかった施設入所児童の家庭移行支援を中心的に担う。
乳児院(2施設)と児童養護施設(3施設)それぞれに担当の児童福祉司を置くことで、施設と児童相
談所の情報交換を潤滑化し、家庭移行や自立などの目標を共有して、互いの強みを活かしながら子ども
や家族への関わりや支援を行っている。入所後早期に原則として家族参加で行う協議をファシリテート
したり、年度の前半と後半の2回、全ての施設措置児童について各 30 分程度の担当者会議を行うなど、
個々の子どもと家族への具体的な支援、その分担や期間の決定、家庭移行の視点からの定期的な措置目
標の見直しを実施し、措置の初期から、漫然とした長期の代替養育を防ぐケースマネジメントの充実を
図っている。
1-2.スタッフについて(人数、有する
資格、等)
児童福祉司4名(うち1名は児童心理司経験者)、社会的養護自立支援員1名、係長1名の計6名。
児童福祉司のうち3名は社会福祉士、1名は臨床心理士の資格所持者。自立支援員は 30 年以上にわたり
児童養護施設職員を経験した者。係長は児童福祉司経験者。
家庭復帰や里親養育への移行過程において、子どもがライフストーリーを整理するための支援を丁寧に
行う必要性が強く認識され、家庭移行支援係の3年目(2018 年度)から心理職を配置した。子どもとと
もに、家族のもとを離れた物語や次の場所へ行くことの意味などについて、子どもの理解を丁寧に把握
しながら、特性に応じた支援や説明などの移行準備、移行後の定着支援を行っている。自立支援員も
2018 年度に配置し、家庭移行に至らないまま措置解除年齢を迎える子どもたちへの支援の充実を図って
いる。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(82ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 82ページ2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について(子育
て世帯全体か/特定の世帯か、対象となる
子どもの年齢、一年間に支援を行う平均世
帯数、等)
・範囲:乳児院及び児童養護施設に入所している児童とその家族。
・年齢層:18 歳未満。乳幼児はほとんど里親委託されているため、学齢期以降の子どもが多い。
・担当数:児童福祉司1人あたり 40 ケース程度、計 120 ケース程度。
・施設措置児童の 6~7 割を直接担当してケースワークを行い、家庭移行の可能性が高い 20~30 名に特に
重点的な支援(保護者面接、親族の調査と交流支援、里親探しなど)を行っている。
2-2.支援のための体制について(他部
署や他機関との連携体制、等)
ケースバイケースだが、子どもが施設にいるインケアの間に使う社会資源(乳児院・児童養護施設、学
校、療育機関、医療機関など)と連携し、子どもの特性にあった関わりなどについて、随時、家族と共
有しながら支援を進めている。特に、各施設のファミリーソーシャルワーカー(FSW、家庭支援専門相
談員)と頻繁に連絡をとり、各ケースの情報や支援内容について細かな調整を行っている。すべての施
設の FSW と家庭移行支援係の児童福祉司か集まって課題やアイデアを出し合う会議も年2回も行ってい
る。
2-3.支援の内容について 【直接支援】
○家庭復帰前後の支援
家庭移行支援係の児童福祉司が直接担当する 120 ケースについて、個々の子どもや家庭の現状、親族の
状況などを把握し、家庭復帰、親族養育、里親委託などの目標を設定して個別支援を進めている。家庭
復帰目標であれば、家族が子どもを養育していくための障壁となっている課題を特定し、必要とする支
援サービスや親子関係再構築のプログラムにつないだり、担当児童心理司とともに子どもの思いを踏ま
えて家庭復帰に向けた親子面接を行うなど、個別の状況に応じた様々な支援を行っている。進級のタイ
ミング(3月)の家庭復帰を目指して、その年度の当初から計画的な支援を行うことも多い。
加えて、「措置児童の家庭移行支援事業」という名称で下記2つの委託事業にも取り組んでいる。
・親子関係再構築支援プロジェクト(委託先:特定非営利活動法人ワーカーズコープ)
福岡市子ども家庭支援センター「はぐはぐ」職員が大阪市の特定非営利活動法人チャイルド・リソー
ス・センターから「CRC 親子プログラムふぁり」を学び、乳児院・児童養護施設や里親に措置されてい
る児童とその保護者のうち希望者に対して隔週で全 10~13 回のプログラムを実施。親子が自身のリソー
スを見出し、親が子どもの観察等を通じて欲求等に気づくことを支援するなど、養育力の向上による親
子関係構築や家庭復帰の支援を実施。親子が参加しやすい場所(児童相談所、施設)で行っている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(83ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 83ページ・訪問相談支援事業(委託先:特定非営利活動法人まちづくりLAB)
施設や一時保護所から家庭復帰した児童に対して訪問による相談支援を実施して家庭や学校に関する相
談に応じ、安定した親子関係を維持し、再入所予防を図っている。訪問支援員が学習支援等を行うこと
により、児童の学力の向上や進学による貧困の連鎖を防止するほか、支援コーディネーターが児童の状
況に基づき保護者への助言も行うことで、保護者が子育てに希望と安心感を持てるよう支援している。
○親族養育や里親養育への移行支援
親族養育や里親委託を目標とする場合は、戸籍など様々な方法での親族調査の徹底、委託可能里親の定
期的な確認、親族や里親との段階的な交流を進めている。
○家庭移行支援プロセスでの留意点
子どもが家庭復帰した後にもスムーズに支援が継続されるよう、家庭復帰や親族養育を目標としている
事例については、インケアで関わる上記機関と家族・親族、家庭復帰後の支援を担う機関(転入先の市
区町村、学校、医療機関など)が可能な限り情報を共有できる場の設定や引継ぎの充実を図っている。
家庭移行支援係が設置されて以降、家庭復帰後に関わる支援者(市区町村)が家庭復帰前の会議等のプ
ロセスに入る機会が増えた。移行後を見据えたきめ細かな支援につながっている。
【進行管理等の間接的支援】
直接支援を担当していない入所児童については、入所当初から実施する家族参加会議と担当者会議の開
催、毎月の家族交流状況の把握と共有などにより、家庭移行の視点からケースワークの進捗を支援して
いる。
2015 年度(家庭移行支援係設置前)までは、施設と児童相談所がピックアップした児童についてのみ、
年2回の調整会議で支援方針を検討する以外は、措置目標や具体的な支援内容を再検討する機会が限ら
れ、各児童福祉司の個別判断に頼っていた。全ての子どもの家族交流状況を一括して把握する仕組みも
なく、家庭復帰を目標としているのに数か月以上も親子交流が行われないまま目標や支援内容の見直し
が行われていない事例が多く存在した。そこで、家族との交流回数や交流相手の変化から、家庭状況や
家族関係(保護者と祖父母との関係など)を捉え、アプローチのタイミングや再検討の必要性を判断す
る参考にするとともに、定期的な会議によって目標や支援を見直す機会を可能な限り多く設定し、ケー
スワークを活性化させている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(84ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 84ページ2-4.支援の効果について 2015 年度には幼児を含め 300 名近くいた児童養護施設措置児童は、現在 200 名以下に減り、幼児は数名
である。乳児院措置児童も 2015 年度の 40 名程度から現在 1020 名以下となり、乳児院から児童養護施
設に措置変更される児童はいなくなった。結果、里親等委託率は大幅に上昇(2015 年度末 33.3%→2019
年度末 52.5%)。児童養護施設退所児童のパーマネンシー移行率(退所児童全員のうち家庭復帰・親族
養育移行・特別養子縁組となった児童の割合)も上昇した(2013~2015 年度 44.5%→2016~2018 年度
52.9%)。
【パーマネンシーの保障】
里親等委託率は代替養育における家庭養育の割合でしかない。家庭復帰等に向けたプロセスとしては里
親委託による安定したアタッチメント形成は重要であるが、移行の目標としては、子どもたちのパーマ
ネンシーの確定が必要だと考えており、家庭移行支援によるパーマネンシー移行率の上昇は一定の成果
といえる。
【パーマネンシーの質的向上】
最終的な成果(アウトカム)としては、出身家庭や親族養育へ移行後の養育の安定性(パーマネンシー
の質)を高めることが重要だと考えられる。それを示す成果としては、2016~2018 年度に家庭移行支援
係の直接支援によって家庭復帰及び親族養育となった児童(N=43)では、2019 年 11 月 1 日時点の再通
告率が 9.3%(2013~2015 年度の全退所児童では 18.1%)、再保護率が 11.6%(同 17.0%)、再措置率
が 2.3%(同 12.8%)であった。施設職員とともに子どもや保護者の面接、親子関係構築支援を頻回に行
ったこと、家庭復帰前から在宅支援機関(区役所や NPO 等)に関わってもらい移行後の支援につないだ
ことなど、家庭移行支援係設置前には手が届いていなかった移行支援プロセスの充実が、移行後の安定
につながったと考えている。
再通告率:家庭復帰及び親族養育となった児童全員のうち、児童相談所に相談・通告のあった児童数
再保護率:家庭復帰及び親族養育となった児童全員のうち、児童相談所による一時保護となった児童数
再措置率:家庭復帰及び親族養育となった児童全員のうち、児童相談所による3号措置となった児童数
【家庭復帰に必要なニーズの把握⇒在宅支援サービスの改善】
家庭移行支援係の設置による直接支援と間接支援は、親子との面接機会や他機関を通じた状況把握の機
会を増やし、家庭移行の障壁となっている子どもや家族のニーズ(どのようなサービスがあれば家庭復
帰が可能かなど)を具体的に把握することにつながった。そのニーズに基づくサービスの拡充につい
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(85ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 85ページて、各区役所の在宅支援事例におけるニーズ量も調査した上で本庁のサービス担当部署と共有したり、
家庭移行支援係を経験した児童福祉司や係長が施策立案の担当部署に異動したことで、施策の拡充につ
ながりつつある。
2-5.今後の課題について 【家庭復帰後に再保護・再措置となるケース】
再保護率等の減少により、移行後のパーマネンシーの質の高まりが一定確認されたものの、いまだに再
保護や再措置となるケースがある。これを防ぐには家庭復帰後の家庭支援の質と量のさらなる充実が大
切だろうと考えている。去年から児童相談所から NPO に業務委託し、子どもに勉強を教えたり話し相手
になったりするなど、子どもへの直接的な訪問型の相談支援事業を始めている(措置児童の家庭移行支
援事業)。
【里親委託児童のパーマネンシー保障】
今は施設児童を中心に支援しているが、里親委託された子どもを家庭に戻すための支援を行う部署がな
いことが課題だといえる。里親委託児童の中には、家族との交流がなかなか進まない事例、家庭復帰に
必要な家庭支援が十分に届いていない事例、家庭復帰見込みがないまま長期の里親養育となっている事
例もあるため、専任の担当を置いて里親委託児童の家庭復帰や親族移行、養子縁組などのパーマネンシ
ー保障に力を注ぐ必要がある。里親委託したい施設措置児童がいるのに里親がなかなか空かないという
状況もあるため、里親委託児童のパーマネンシー保障が進めば、施設措置児童の里親委託等の家庭移行
も進むと思われる。
3.2に関する詳細として、さらに、以下の①~⑥に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。
3-①.全ての子育て家庭や、より多くの
家庭に対する支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えます
か?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行って
いる場合、その取組の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
※特にコメントなし
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(86ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 86ページ3-②.子どもへの支援、子どもの年齢に
よる介入の違いや難しさ等について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している
点や、日ごろ感じていること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源
がありますか?
【子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?】
児童相談所の場合は子どもが直接電話してくることもあり、担当のケースワーカーが直接会話したり、
高年齢の子どもならシェルターや自立援助ホームにつないだりする。若者の支援を行う NPO がシェルタ
ーを持っており、相談支援もやっているのでそちらにつなぐことがある。
【年齢による子どもへの支援の難しさ】
10 代の子どもの支援では、子どもが愛着障害などを抱えていて人を信頼できないケースは多くの労力を
要する。その子どもに対しては言葉や関わり、つなぎ方など一つひとつに配慮した支援が必要となり、
適切な居場所や生活の場、支援者をみつけるのも簡単ではない。若者の支援機関にも継続的につながら
ないこともあり、その場合は状況把握が難しくなることもある。愛着障害の根本には虐待の経験などが
あるため、やはり早期の支援が大切だと実感する。
家庭移行支援においては、年齢が高くなるほど本人の意思表示が明確となり、本人がやりたいことを叶
える支援や、家庭移行というよりは自立支援に重きを置くことが多い。その場合も、自立に向けた会議
等に家族の参加を促すなどして親子関係を構築し、自立後の家族や親族とのつながりを作ることを意識
している。
3-③.多機関連携や情報共有、スキルア
ップ等に関する取組について
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあれば
お聞かせください。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
・貴機関の職員に対して、多機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマ
ネージメントや情報共有のための)
・上記のような機関に対して、貴機関の専門職の方等を派遣する等の取組がありますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(87ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 87ページ【情報共有のためのツールや手法】
家庭移行支援係の設置に伴い、施設と年2回実施する担当者会議で用いる会議シートについて、家庭移
行の視点から目標を明確化し、具体的な支援を書き込めるシートを作成し、使用している。具体的に
は、最上部の目標欄は、家庭復帰、親族養育、養子縁組、里親委託などの家庭移行目標を選択できる仕
様とし、子ども・家族それぞれの現状、課題、支援内容の欄を設けて順に話し合っている。支援内容の
欄は、児童相談所・施設・その他の機関の欄を設けて支援項目ごとの主体を明確化するとともに、各支
援ごとに実施期間の記載欄を設け、達成期限を意識して支援がすすむよう工夫している。
3-④.何らかの支援や介入が必要な家庭
に対する取組について
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機
関と連携していますか?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがあります
か?
・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞か
せください。
・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携し
て行うことが望ましいと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
【虐待の早期発見・介入のための取り組み】
子育て見守り訪問員派遣事業を行っている。平日夜間と休日の児童虐待通告(主に泣き声通告)があっ
た際に、一定の研修を受けた「子育て見守り訪問員」(児童福祉法第 13 条第 3 項各号のいずれかに該当
する者など)が家庭訪問し、家庭の状況や子どもの安否を把握し、児童相談所に報告する。保護者から
の一時保護の要請があり、緊急の保護が必要な場合には、一時保護所や一時保護委託先へ児童を移送す
ることもある。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(88ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 88ページ3-⑤.社会的養護、社会的養育について <質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援に
ついて、取り組んでいることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を
果たすことが望ましいと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
※特にコメントなし
3-⑥.支援に必要な人材や費用面の課題
について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
児童相談所の児童福祉司、区役所子育て支援課職員がそれぞれケースワークを行っているが、付随する
事務作業(記録、事業の管理運営など)も多く、事務仕事が肝心のケースワーク業務の時間を圧迫する
傾向がある。事務作業を集中して行う部署や人材が充実するとよい。
措置費に係る法 56 条の保護者負担金は、保護者が自分の意思で使っている子育て支援サービスには適切
だと思うが、3号措置など要保護児童に特化した事業については市町村等の必要性判断によって負担金
なしで使えることができるとよいのではないか。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(89ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 89ページ事例5
貴自治体名 横浜市港北区
貴機関(部署)名 認定 NPO 法人 びーのびーの
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内
容について
・横浜市港北区にて、次の事業を運営
地域子育て支援拠点事業(3 か所)(以下拠点)、ファミリー・サポート・センター事業(以下ファミリーサポート)、利用
者支援事業基本型(以下基本型)、横浜市認可保育所 ちいさなたね保育園、グループ預かり保育まんまーる、地域福祉交流
スペース COCO しのはら、産前産後ヘルパー派遣事業、子育て支援スペース COCO ひよし の運営
このうち、拠点、ファミリーサポート、基本型を一つの施設内で行っている(多機能型支援実施拠点)点、妊婦からの利用を
受け入れている点が特徴。
1-2.スタッフに
ついて(人数、有す
る資格、等)
常勤職員 6 名、非常勤職員 15 名、ひろばサポーター10 名、その他ボランティア多数
【専門職について】
地域子育て支援拠点事業については、国の資格要件は特になく、子育ての経験を活かし子育て支援に意欲があり、寄り添い型
支援に相応しい人を採用している。ただし、自主事業のグループ預かり事業の担当者には保育士資格は奨励している。
利用者支援については、ソーシャルワーク的な仕事が必要となることから、社会福祉士の資格取得を奨励していることに加え
て、相談及びコーディネート業務の実務経験、国基準の子育て支援員研修の受講を必須としている。現時点で社会福祉士の取
得者は 3~4 人、他、保育士、教員免許など保有している。
2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について(子育
て世帯全体か/特定の世帯か、対象となる
子どもの年齢、一年間に支援を行う平均世
帯数、等)
未就学児とその家族、支援に関わる方、妊婦とその家族
【拠点事業の妊婦の利用】
拠点事業の実施要綱としては就学前の児童とその家族を対象者としているが、切れ目のない支援のため
に妊娠期からの利用も可能となっている。区と連携して土曜日に両親教室を開く等しており、区内5カ
所で年 40 回程度実施。現在は新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、オンラインとの組み合わ
せでも行っている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(90ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 90ページ【利用者支援事業基本型の対象者】
妊娠期から 18 歳までが対象だが、メインのターゲットは乳幼児から小学校低学年まで。乳幼児期の相
談がメインではあるが小学校入学時の個別級か普通級かの相談や、入学後なじめないといった際の相談
もある。同時に地域の支援関係者からの相談も多い。
2-2.支援のための体制について(他部
署や他機関との連携体制、等)
横浜市の特徴でもあるが地域のネットワークづくりには力を入れており、地域に出ていくことが多い。
9 か所ある地域包括支援センター(高齢者支援)の職員・地域交流コーディネーターとは15年以上の
連携がある。保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校との連携や学生ボランティア、シニアボランティ
アとのかかわりも持っている。
このほか、障害者の保護者の悩みを聞くことも多く、新横浜にある障害者スポーツ文化センター横浜ラ
ポール、学校通園支援などをしている機関、法人型地域活動ホーム(以下、地活)、当事者団体とのつ
ながりもある。障害当事者団体とは月に一回、OB・OG である親や地活のスタッフも入り定例会を行っ
ている。
2-3.支援の内容について 横浜市地域子育て支援拠点事業の機能として、①親と子の交流・居場所、②相談、③情報提供、④ネッ
トワーク、⑤人材育成、⑥ファミリー・サポート・センター、⑦利用者支援事業があり、それに準じた
支援を行っている。
具体的には、「港北区地域子育て支援拠点どろっぷ」を、5 年前にできた「どろっぷサテライト」と共
に単館型専用施設で実施。7 事業【「ひろばの交流事業」「相談事業」情報科学専門学校と独自開発し
た子育て専用アプリ(4,500 人ダウンロード)の配信をメインに「情報収集・発信事業」「人材育成事
業」「ネットワーク事業」「ファミリー・サポート・センター事業」(以下「ファミリーサポート事
業」という。平成 22 年社会福祉協議会から移管)「利用者支援事業」】を併せて実施。利用者支援事
業は拠点事業の地域機能強化型を引き継ぎ、平成 28 年1月から実施。母子保健型、特定型との連携が
始まっている。妊娠期支援として両親教室を土曜および夜間オンラインも含め地域包括支援センターと
連携して年間 40 回程度開催。
2-4.支援の効果について 支援を通してボランティアや子育て支援に関わろうとする人材が増えている。現在のファミリー・サポ
ートの提供会員には、かつて自分たちが困ったときに子どもを預かってもらったことをきっかけに会員
となった人が少なくない。自分たちが一方的にサービスを受けるだけでなく提供する側にも立つという
互助的な関係を生み出す効果がある。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(91ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 91ページ2-5.今後の課題について 基本型に常勤 1 人ずつ 2 拠点に配置しているが、常勤が 1 人のままでは多職種間との連携が難しく、現
在はひろばのスタッフがカバーしている状態。また、来館できている人とそうでない人とで二極化して
いる現状があり、来館者以外への働きかけを行いたい。アウトリーチ時に電話対応ができないなどの問
題もある。そのため、非常勤/常勤を問わず、もう 1 人雇用するための費用面の保証が望まれる。
アウトリーチ活動を行っていると記録を取る時間がなく、現在電子で記録をとれないか検討している。
また、拠点は 1 つであっても事業ごとにそれぞれ報告のフォーマットが違うため、作成効率が悪い。
3.2に関する詳細として、さらに、以下の①~⑥に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。
3 - ① . 全 て の 子 育 て 家 庭
や、より多くの家庭に対する
支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えますか?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行っている場合、その取
組の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
【それほど困難ではない方への支援】
産前からの取り組みをその後のつながりの動機づけとして行っている。出産後のつながりを保つために、役所と相談
してチケットを作成し、両親教室参加者が出産後に来館したら企業協賛も含めたお土産を渡すといった工夫も。
コロナ禍の影響で足が遠いたり、正確な情報が行き届かない子育て家庭のために、拠点のスタッフが公園周りをする
なども行っている。また、相談とまではいかなくても、疲れているお母さんのために、「ママのシエスタタイム」
(お昼寝タイム)のような、少しでも疲れをとる時間を設けている。
【横のつながりを作る支援】
拠点デビュー間もない人に、子育ての困りごとや日々を振り返りながら横のつながりを作るグループワークを活用し
たプログラムである「あっぷっぷ」、当事者とともに遊びを深める「ほっぷっぷ」により、スタッフが仕掛けなが
ら、利用者が他の利用者などに主体的に関わる機会を提供している。こうしたプログラムは施設間連携を活かし、拠
点以外の社会資源で展開できるよう共催で取り組めるよう小地域単位で実施、より身近かな施設で受講できる機会と
もなっている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(92ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 92ページ【なかなか拠点に行けない人に対する支援】
産前産後ヘルパー派遣、ファミリーサポート等のアウトリーチ型の支援のほかに、基本型の専門員が商業施設での出
張相談、地域の子育てサロン等へのアウトリーチ等を行っている。また情報発信として拠点専用の子育てアプリを開
発、運営していることから、拠点のみならず区全体のあらゆるリソースの子育ておよび子育て支援情報の発信を定期
的に配信し、1歩外に踏み出すきっかけづくりを行っている。
3-②.子どもへの支援、子
どもの年齢による介入の違い
や難しさ等について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している点や、日ごろ感じ
ていること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源がありますか?
【子どもの年齢への対応】
拠点の利用者は、0歳児、1歳児が多いが、行動範囲や遊びの内容が異なる。そのためゾーニングを工夫している。赤
ちゃんコーナーとして奥まったところに畳の部屋や横になれる部屋を割り振り、園庭のある入り口近くは1~2歳児が
遊べるスペースにするなど。異年齢の子どもの同士のかかわりが大切な一方で、発達的に子どもが気に入ったおもちゃ
などをめぐって衝突が生じやすい年齢でもあり、職員、ボランティアやサポーターがうまく代弁するなど介入し、親が
常に子どもを見ていなければならない状態とならないようにしている。2拠点とも単館型であるため外環境の庭がある
ことの効果も大きい。【介入の工夫】
子どもへの介入の仕方については、成長発達を踏まえながらかかわっていくことが重要と考えている。また、親に
も、子どもの成長に不安になっているときに安心させるような介入も行っている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(93ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 93ページボランティアと利用者とのかかわり方に関する研修は半年、年単位の振り返りを除いて特に行っていない。ボランテ
ィアにはボランティアだからこそのかかわりをしてほしいと考えている。ただし、ひろばの交流をスタッフとボラン
ティアの間の存在として複数登録、活動してくれているサポーターについては必ずかかわり方に関する振り返りをし
ている。
3-③.多機関連携や情報共
有、スキルアップ等に関する
取組について
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあればお聞かせくださ
い。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
・貴機関の職員に対して、多機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマネージメントや情
報共有のための)
・上記のような機関に対して、貴機関の専門職の方等を派遣する等の取組がありますか?
【市との情報共有】
利用者支援事業について、横浜市独自のフォーマットがあり、それに沿って報告している。保健師が利用している相
談等のフォーマットを援用しており、ほかの自治体と比べておそらくかなり細かな報告事項がある。具体的には、個
別の相談記録、連絡記録、対応記録一覧、相談月報、日報、活動月報等である。相談記録の他機関との共有はしてい
ない。区の担当者(事務、保健師等)との定例ミーティング(月 1 回)。
【他機関との情報共有】
ケース会議を行った相手とのケース会議記録は各団体で所持しており、共通するケースを扱う場合も、利用者の情報
は見てメモを取ることしかできない。特に共通した書式はない。
【教育機関とのかかわり】
法人が発行している幼稚園・認定こども園・保育園のガイドづくりを通して20年以上のかかわりがある。区内幼稚
園団体や保育所と共に区民に向けたイベント等を一緒に開催している。中学校とは赤ちゃんとのふれあい体験など
で、一クラスずつ来館して親たちの話を聞いたり子どもとふれあう機会を設けることがある。区と区社協と連携し
て、中高生の夏のボランティア育成、ボランティア活動の推進を10年以上実施している。また、高校の家庭科の授
業に訪問して講話する機会もある。近隣の県立高校では、授業の一環で来所することもある。
このほか小学校では、入学前保護者から普通級かどうかで迷っているという話があった場合には必要に応じて連絡す
ることもある。また、中学生のいる家庭のケースで、娘とのかかわりや、娘の友人関係の悩み相談、不登校、引きこ
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(94ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 94ページもりについての相談などもあり、学校のソーシャルワーカー、児童支援・生徒指導専任教諭に情報共有することもあ
る。
【広報】
基本型へ相談をする人は元利用者の場合もあれば、ネットで検索(「子育て相談」等のワード)してという人、親か
らの情報、拠点職員からの紹介という場合もある。また、どろっぷでの活動は区報に毎月掲載されていたり、特定型
の母子保健コーディネーターが母子手帳交付時に拠点の紹介、押し出しを積極的にしてくれているなど、広報につい
ては行政がかなり紹介に力を入れてやってくれているのが大きい。
3-④.何らかの支援や介入
が必要な家庭に対する取組に
ついて
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機関と連携していま
すか?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがありますか?
・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞かせください。
・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携して行うことが望ま
しいと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
【相談の経路】
基本型の場合、ほとんどが本人からの相談。相談を受けている人がさらに悩んでいる人を紹介するというケースもあ
るが、本人からのほうが多い。また、同じ建物内ということもあり、ファミリーサポート事業や拠点職員からも、込
み入った話であればとつながることもある。保健師や区内支援関係者、機関からの紹介もある。
【気になる家庭への支援】
支援には、来館者についてスタッフが気になる、ということでつながる場合や、家庭に入ったファミリーサポートの
提供会員の気づきから相談につながる場合もある。ただし、実際には本人には特にニーズがなかったことや、単に提
供会員との価値観の違いということもあり、介入は難しいこともある。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(95ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 95ページ本人にしてみれば、専門職にいろいろ言われても生活をしていかなければならない。職員が共感のまなざしとエンパ
ワーメントが一番お母さんにとっては支えになっているのではないかと考えている。専門職の関与は大切だが、指導
よりも生活を支えていくことがまず大切だと思っている。
【虐待が疑われる場合などの介入】
ファミリーサポートでは家庭訪問をするため、親御さんの様子が心配がある時には尋ねるなどしている。あるケース
で、手が出るという話があったときには、「こういう風にしてみようか」と提案するなどすることに加えて、保健師
に共有している。共有する際は出来るだけ本人の了解を得るが原則だが緊急性のあるとき、また取れない時はその旨
も含めて共有し、配慮ある関わりを保障できるよう留意している。
【保健師との連携】
保健師さんとの関係はできているため、小さなことでも話すようにしている。保健師との連絡は密に行っており、1 か
月に 1 回の拠点の定例会に加えて、利用者支援の定例会を数か月に 1 回している。ケースによってはその都度その都
度連絡することもある。連絡の判断は経験則。拠点担当保健師とのやりとりが原則だが、地区担当と直接やりとりし
たり、他、事業ごとの担当保健師とも会議や定例会時に共有することもあり、密接に連携している。
【外国籍の人や貧困家庭への支援で注意していること】
月1回、関係者より日持ちする缶詰などを募り、ひとり親の方に配るなどしている。取りに来られた際に近況含めて
状況を話すこともある。基本は元、拠点利用者であり、慣れ親しんだ元の居場所を安心して来れる家庭が通ってきて
いる。
外国籍の人について、なかなか周りに繋がれる人がいないため、産前産後ヘルパー派遣(法人事業)を利用する人が
いる。ヘルパーには英語ができる人も複数いるため、それで支えている。片言ぐらいの日本語ではなかなかルールを
伝えられないため、基本はメールを使わないところを、翻訳英語を使ってメールで連絡するなど工夫している。
月1回、2拠点交互でのプログラムを開催。母国語で情報交換、話せる場としても貴重がられている。
【面会交流】
コロナ禍という事情もあってか、離婚協議に入る家庭から、面会交流の場として拠点を使わせてほしいという要望が
複数あった。特に大々的に利用を呼び掛けているわけではなく、そうした場としての活用も有りということに気付い
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(96ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 96ページた家庭が同じようにニーズを挙げてくるなど、実際に活用の仕方を見て挙がってきた要望に対応するスタンスだが、
多様な家庭が増えていることも実感している。
【母子保健と児童福祉の連携】
これからはこの連携が最も大切なことだと思っており、両親教室などもそのために横浜市助産師会やフリーの保健師
看護師とも協働で取り組んでいる。ただし、もともと別の法律の下でやってきており、かなり難しい。例えば、(児
童福祉を行っている)自分たちの活動の窓口は保健師だが、産前であれば助産師もかかわる。産後うつの医療的ケア
も入ってくる。医療的ケアが必要な家庭に入ることは難しいが、産後は必ずやそういった家庭には生活支援が必要と
なってくる。その場合は、どういう状況があろうとも生活支援、サポートは提供したいという思いはある。その部分
を積極的かつ盤石に担ってくれようとする意欲ある市民も多くいることを知っているからなおさらである。
一方で、母子へのケアが権利として保障されていないように思うことがある。産後母子ケア事業と産前産後ヘルパー
派遣事業というのがあり、後者は事業者に任せているが、前者は利用条件がきびしくて、活用できる人は限られてい
る。
産後母子ケアには 3 種類あり、アウトリーチ型、デイケア型、ショートステイ型がある。この地区で活用されている
のは助産師によるアウトリーチ型が全出産数の約2割ほど。デイケア型、ショートステイ型は隣の地区に行かないと
使えない。当法人で産前産後ヘルパー派遣事業をやっているのは、こうした中で産前産後ヘルパー派遣も使い、その
後ファミリーサポートをご利用になれば、産前から小学校6年生まで使うことができるからである。また産前産後ヘ
ルパーがファミリーサポートの提供会員でもあれば、同じ人が訪問しサポートを提供できるという思いからでもあ
る。そのため、ファミリーサポートの提供会員には、産前産後のヘルパーへの登録と研修受講を奨励している。法の
狭間で中々進まない状況下であっても、意志ある人で繋いでいけるこうした実践はまさに出産前後のケアとサポート
の連携は切れ目ない支援を掲げる施策目標の具体的な取組みの推進である。
3-⑤.社会的養護、社会的
養育について
<質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援について、取り組ん
でいることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を果たすことが望ま
しいと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(97ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 97ページ・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
【社会的養護等に関連することがら】
里親になるための研修の場として受入れしたことはかつて数回ある程度で、他、偶然利用した子どもが里親の子ども
であったというくらいで特に行っていることはない。児童相談所とはケースによって連携をとることもあるが、里親
との連携はあまりない。ただ現在コーディネートしているファミリーサポート事業の発展型として里親に移行できる
会員の存在、可能性は感じている。
3-⑥.支援に必要な人材や
費用面の課題について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
【人材不足】
基本型については、常勤職員が自由に動けるように、もう 1 人人材が欲しいとは考えている。
【地域の人材の開拓】
他の自治体においても、どろっぷが行っているように、ファミリーサポート事業を、地域子育て支援拠点に担わせて
ほしい。社会福祉協議会が本部として拠点が支所となるのでも構わないが、そうすることで、一緒に提供会員を開拓
したい。現在ファミリーサポートの提供会員から産前産後ヘルパーの登録も奨励しているが、これはファミリーサポ
ート機能があるからこそできたと思っている。こうした担い手づくりを、NPO や市民団体にも任せ、人材発掘のため
の有効な方策として推進してほしいと思う。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(98ページ)
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変更後 · 98ページ事例6
貴自治体名
貴機関(部署)名 むぎのこ児童発達支援センター
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内容について 児童発達支援センターと放課後事業、保育支援業、ホームヘルパー、ショートステイ
里親支援、心理相談、母親たちのメンタルヘルス支援を幅広く行っている。
1-2.スタッフについて(人数、有す
る資格、等)
総勢 500 名
保育士、看護師、医師、公認心理士、社会福祉士、精神保健福祉士、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士
などの資格を持つ人は全体の 3 分の 2
2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について(子育て世帯全
体か/特定の世帯か、対象となる子どもの年齢、一
年間に支援を行う平均世帯数、等)
主な支援対象者は、2 歳くらいの乳幼児から学齢期 18 歳までの支援と、22 歳くらいまでの支援
障害が重い人は 50 代の支援もおこなう(生活介護事業所等において。)一番力を入れているの
は、幼児期と学齢期の児童と家族の支援
特に障害のない児童も支援している。障害の重くない児童も多い。
一年で支援するのは 400~500 世帯、なんらかのサービスを受けている児童は総勢 600 人ほど、
オープンな組織として、自由に来た人たちを支援する。
母親に対しては個人カウンセリングもおこなう。親子発達支援として、心理士と共に親子の様子
を観察して、面接につなげる。
3 回くらい面接すると、母親も実態を教えてくれることが多い、そこからどういった支援をする
か決める。
半年~1 年にわたって面接を続けることもあり場合によっては、児童相談所への相談も促す場合
がある。
保健センターなど、札幌市立病院とも連携している。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(99ページ)
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変更後 · 99ページ2-2.支援のための体制について(他部署や他機
関との連携体制、等)
法人内の連携では、児童の支援が始まると母親の支援も始まる。そのとき、なんらかの支援が必
要かはソーシャルワーカーが入り、どのような支援が必要かを判断し、関係機関との連携を始
め、医師、ヘルパー、ショートステイ、心理士が母親と面談を行う。
区役所などと連携し、社会的に児童と家庭を保護する。場合によっては一時保護の申請も行う。
児童相談所がもっとも身近な連携機関である。
その他に、学校とも連携している。学校に直接支援に行くこともある。法人内の元校長経験者が
窓口になり学校と連携する。教育関係者を仲介していくと、スムーズに連携できる。
主に連携しているのは、むぎのこの近傍の小中学校である。
必要であれば、他の学校にも行くが、校区の学校だけに行くのが基本である。
2-3.支援の内容について 児童に限らず、家庭全体を支援している。
児童だけを見ても、解決しない、家庭を観察し、重層的に支援する必要がある。
家庭や母親支援のためにヘルパーを派遣している。
【里親家庭への支援】
児童に関しては、障害のあるなし関わらずに安全・安心を重視している。
里親を集めたおしゃべり会や、勉強会を開いている。
ヘルパーの派遣も行っている。
暴力があった場合は職員を派遣するなど、難しいところには介入している。
むぎのこを利用していた方がボランティアの支援に参加しており、パートの 3 分の 2 は卒園児の
保護者で、児童支援に関わっている。児童の心情をよく理解しているので、助かっている。
フォーマルな支援と、谷間を埋めるようなインフォーマルな支援(ボランティア)もかなりあ
る。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(100ページ)
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変更後 · 100ページ2-4.支援の効果について 結果よりプロセスを大事にしている。
一つずつ課題を乗り越えていくために、感情的な想いを受け止めることを大切にしている。
効果は、精神科に入院していた児童が高校に行き、就労した、また、生活介護の支援員を行うよ
うになったことなど
他で手に負えない児童が、適応していく際には、ラフな里親の方があっている。
引きこもった児童に対して、支援を行い、資格を取得し、就労を支援できた例もある。
里親家庭を巣立ったあとでも、実家の支援を行っている。
2-5.今後の課題について 心理支援を拡充したい。
現状母親が困ってくる施設ではないが、心理支援をベースとした支援を拡充したい。
低年齢、中高生の妊娠の相談、支援も始めたい。
人材がもっと豊富だとよい、いつも精一杯の人材で運営している。
児童と家族を支援してくれる世話好きで専門性がある職員を育てたいし、入ってほしい。
職員の研修はかなり行っている。
毎週ソーシャルワーカーなど、専門性の高い人を講師として勉強会を開催している。
自閉症など心理臨床に関しても勉強会を開いている。
ペアレントトレーニングも重要で、スキルは毎日トレーニングしないと身につかない。
肯定的なものの見方や、アンガーマネジメントの専門性を向上させるために勉強会を日常的に行
っている。
コンサルテーションのようなケース実践発表して、先生にアドバイスを求めている。
職員は自発的に参加させることが重要である。
症例検討で、背景が分らない児童も、面接を通して、職員が児童の心情を理解できるようにトレ
ーニングを行っている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(101ページ)
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変更後 · 101ページ3.2に関する詳細として、さらに、以下の①~⑥に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。
3-①.全ての子育て家庭や、より
多くの家庭に対する支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えますか?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行っている場合、
その取組の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
フィンランドに行ったときに保健師が、積極的に家庭訪問を行うことに驚いた、ネウボラ。
語り合える環境が必要で、誰でもが通える場所に定期的に相談を受け付ける人が必要。
カウンセリングというワードに、10 年くらい前までは拒否反応があったが、現在はそういうことはない。
母親同士では、問題が生じることもあるので、セラピストが介入して、つながりをつくる、そういった仕組み
が保育園、幼稚園に必要、障害がある子だけではなく、家庭を見る人がいれば、状況はずっとよくなる。
そのままでいいんだよと伝える環境がないので、そういった環境が必要。
一人ひとりが、かけがえのない命であることを伝えるのが難しい。
助けをもとめたい、助けられていいという環境も必要、最近はそういったことを理解しているソフトな母親も
増えている。
心理的なサポートが必要だが、母親から必要にされるのではなく、こちらから積極的に行っていくべき
暖かく、つつみこむ場所がたくさん常時あれば良いと感じている。
3-②.子どもへの支援、子どもの
年齢による介入の違いや難しさ等
について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している点や、日ご
ろ感じていること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源があります
か?
乳幼児期に大切にしている支援は、障害のあるなしに拘わらず、お母さんと子どもの愛着関係を構築すること
である。家庭に困難がある場合は、職員との信頼関係を基本に据えることもあり、里親を活用する場合もあ
る。乳幼児期は養育者への支えが必要な時期だ。支えられ多くのお母さんは子どものことを理解し、自分の心
を見つめつつ、子育てによって「成長できたと思う」と言えるようになる。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(102ページ)
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変更後 · 102ページ学齢期は遊びや学習、活動を通して仲間の中で自分らしさを肯定することがとても大事になってくる。しか
し、発達障害の子どもたちは、集団行動についていけない、友だちがつくれない、勉強がわからない、ルール
がわからない等、また過剰適応による身体症状が引き起こされたり、その結果不登校になるなど自尊心が下が
ってしまうため、学校以外の安心できるコミュニティが必要になる。
むぎのこの放課後等ディサービスでは、肯定的な温かい大人の眼差しや自分のことを理解し合える仲間の中で
自立へと向かえるよう、自己肯定感、自尊心、社会スキル、基礎学力を身につけるような活動を行っている。
放課後等デイサービスにおいて、不登校児支援、学校支援、中高生には夜の学習支援、自立へ向けての支
援、グループミーテングを6歳から18歳まで継続的に行っている。
3-③.多機関連携や情報共有、ス
キルアップ等に関する取組につい
て
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあればお聞かせく
ださい。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
・貴機関の職員に対して、多機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマネージメン
トや情報共有のための)
・上記のような機関に対して、貴機関の専門職の方等を派遣する等の取組がありますか?
様々な児童支援施設があるが、自分の施設を重視してしまうため、連携は難しい。
児童が自立するにあたって、豊かに暮らすことが大切であるが、児童支援施設は施設として運営しなければな
らないので、子供がいないと運営経営できない。赤字のことはやらない施設が多い。
児童のニーズを社会に伝えていくことが、お金のあるなし関わらずに重要だが、見られる児童だけをみて他は
見ない養護施設もある。
むぎのこにショートステイや里親ファミリーホームに常時一時保護の子どもが 5~6 名いることと、里子が 39
名が措置されているため、日常的に児童相談所のケースワーカーと連絡をとり合っている。
親を悪者にしないこと、子どもの処遇など児童相談所と支援の方向性が一致した時は子どもの暮らしが安定す
る。保護者や子どもをリスペクトする機関として連携することの大切さを考えている。
保育園やこども園、幼稚園等へは地域療育等支援事業で訪問して各施設から相談を受けている。
小学校には校区の元校長先生が職員となり放課後等デイサービスの職員と共に学校でむぎのこの卒園児を
支援している。保育園児や学童など虐待があった場合は保育園、学校、児童相談所と連携している。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(103ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 103ページ3-④.何らかの支援や介入が必要
な家庭に対する取組について
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機関と連携し
ていますか?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがありますか?
・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞かせくださ
い。
・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携して行うこと
が望ましいと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
【親子発達支援】
親子発達支援を実施。年2~3回親子での遊びの後に、発達心理士と臨床心理士、保育士による親子関係調整
へのアドバイスを行う。
【DVパパ支援について】
DV被害の母親を入口として、父親と面接している。
まず、母親対象に年 2 回の勉強会を行い、DVを受けていることを自覚させる。
難しい人に対しては離婚を進めることもある。
【母より父と面談することはむずかしくないか?支援に対して拒否的な父に対して何をしているか】
父親はむずかしい。何か理由をつけて面談をする時間をとる
危険な家庭の場合は、弁護士などを通して、逃げる準備を促す。最近はソフトでDVに自覚的な父親も多い。
父親自身が難しい生い立ちの場合もある。男性同士の方が良いので、男性カウンセラーが担当している。男性
同士でしか話せないこともある
ソフトなDVとは、カッとなって怒ることが多く、体罰はあまりないこともある。
そういう人はパパミーティングで相談会をしている。
パパたちの弱さを語りあう。経済的に不安がある場合障害相談室のソーシャルワーカーが、生活保護など、弁
護士など、広範的に支援を行っている。母親が精神疾患などの場合も同じ。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(104ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 104ページ産後ケアのボランティアを行うこともある。
妊婦のケアなど、低年齢で妊娠した児童と相談していくことを始めている。
3-⑤.社会的養護、社会的養育に
ついて
<質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援について、取
り組んでいることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を果たすこと
が望ましいと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
【里親会について】
里親会の相談会などを月 1 回ペースで行っている。里親は国の方針が重要。
国全体の里親の在り方や子育ての在り方が変わってきたので、以前より、里親にバラエティーが増えている。
今までの社会養護は社会のはずれにあったが、少々困ったとき、社会的養護を活用することがよい。
地域の中で普遍的に利用できる、社会的養護になると良い。利用することの罪悪感がない社会的養護になると
良い。自分も頑張るけど、頑張れなくなった時、使えることが大切。
保育園の隣にショートステイを作るなど、社会的養護を使うことが自然であるようなことになることが良い。
3-⑥.支援に必要な人材や費用面
の課題について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
夜間の緊急電話について、ほとんどボランティアでやっているので、費用をつけてくれる行政になってほし
い。
障害児支援の体制も子供と家族を支援するメニューは社会的養護だけでやるのではなく、大きくメニューを広
げてやってほしい。地域でいろんなメニューを連携しながらできるとよい。
障害児支援は予算があまりなく、ボランティアでやっている。
厚労省がやっていても、市町村がやっていな場合もある、トップダウンでやってほしい。
国がやっていても、札幌市がやらないといけない。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(105ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 105ページ事例7
貴自治体名 日光市
貴機関(部署)名 家庭児童相談室(健康福祉部人権男女共同参画課)
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内容について 官民共働での家庭相談室の運営と相談業務の実施(子どもとその家庭に関わるすべての相談を受け付
け)
市内の市民・関係機関からの虐待通報の窓口
1-2.スタッフについて(人数、有する
資格、等)
全8名(うち1名はスーパーバイザーとして NPO より必要時)
正規職員:保健師 1 名 社会福祉士 1 名
相談員(市会計年度任用職員の家庭相談員と NPO の相談員):保育士 3 名、教員免許 2 名
スーパーバイザー:NPO 理事長 1 名
2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について(子育て
世帯全体か/特定の世帯か、対象となる子ど
もの年齢、一年間に支援を行う平均世帯数、
等)
【相談】子育て世代全般が対象。0~18 歳の子どもおよびその家庭に関する相談。特定妊婦も含む。
【在宅支援】直接支援するものについては、市で支援が必要と認められた子どもおよびその家庭が対象。
相談および支援が行われるのは年間 200 世帯程度。
相談のみも含めると総対応件数は、年間 15000 件程度。
2-2.支援のための体制について(他部署
や他機関との連携体制、等)
要保護児童地域対策協議会という地域のネットワーク会議で月 1 回情報共有。
(構成員は、生活保護・障がい関係・子育て関係・母子保健の所管課、児童相談所、精神保健を管轄す
る県の機関、警察、配偶者暴力相談センター)
必要に応じ、関係機関と連携を取って支援に当たっている。
地域の各団体(医療機関等含む)とも必要に応じて連携を取る。
【市役所内との連携とは?】
建設部や総務部、観光部以外の市民の生活に直結するほぼすべての部署と関係する。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(106ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 106ページ2-3.支援の内容について 相談を受けた後、関係窓口につなぐ。支援の足りないところは関係各所と連絡調整。所内で支援に関す
る会議の後、在宅支援が必要と判断されればその方向・手段を決めて支援を入れる。
虐待通告については、事実確認の調査・情報収集を行い、虐待があったかの確認をしたうえで、必要に
応じて児童相談所と連携。直接家庭に行き、虐待指導することもある(まずは子どもを保護したうえで
指導、その後在宅支援などのフォロー)。
調査などは8名のスタッフで手分けし、継続フォローや指導は地区担当が主となって行う。
2-4.支援の効果について 日光市の特徴は官民共働での在宅支援。NPO が相談業務にも関わることにより、相手が求めるニーズを
迅速にとらえ、それに適応した在宅支援を提供できる。
「子どもの居場所」において子どもを預かることで、親のレスパイトや、親ができない部分を補う役割
を果たしている。そこでの生活を通じて子どもが自分での家庭ではできないことを支援員と体験するこ
とにより、社会性を身につけたり自尊心を高めたり、親だけがすべてではないことなどを学ぶことがで
きる。
親も助けが欲しいときにニーズに応じて迅速に対応してもらえ、ここに相談すれば解決につながるとい
う安心感を得られる。
在宅支援を入れることで、虐待リスクも下がっていると考えている。
【支援のメニューのコーディネートは NPO がやっている?】
相談があると所内で必ず会議を開き、家庭に必要な支援内容を詳細まで検討したうえで NPO に委託す
る。
【日光市が官民共同の在宅支援を行うようになったのはどういう経緯?】
平成 16 年当時は市の相談室だけが相談業務を対応しており、児童虐待は児童相談所がメインの窓口だ
った。当時の行政の課長は児童を虐待から救うにはそれだけでは難しく民間団体が設立されれば望まし
いと考えていた。関心のある人々による勉強会の結果、児童虐待を専門にできる人材が見つかり、平成
17 年に NPO 法人「だいじょうぶ」が設立された。設立当初から相談業務を一緒に実施していたわけで
はなく、在宅支援の内容も含めて取り組みとしてベストな体制を協議するうちに現在の体制に。
【NPO 職員が市で働く形になったのも当時から?】
それはまた別。NPO に2名分の相談業務の委託をかけており、NPO が児童虐待に特化した相談員を雇
い、派遣として市に送っている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(107ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 107ページ2-5.今後の課題について 相談員やスタッフの人材確保。ケース数が多いというのと、特に在宅支援としての「子どもの居場所」
において行動特徴を持った子どもに対応できる専門のスタッフの確保が難しい。
委託をかけるための財政確保。
NPO1 か所に委託をしており、他に児童虐待対応に特化した支援を依頼できる資源がない。
【障害福祉サービスの事業所に在宅支援へ入ってもらうなどは?】
基本的には障害福祉サービスを利用できる家庭には利用してもらう。しかし、枠にはまったサービスの
利用に適さない家庭や、親子を分離して「普通の暮らし」を経験させることで、子どもに大人との正し
いかかわり方を経験してもらうことを目的とした場合では、障害福祉サービスの枠では対応しきれな
い。そのため、NPO に専門的に支援してもらっている。
3.2に関する詳細として、さらに、以下の①~⑥に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。
3 - ① . 全 て の 子 育 て 家 庭
や、より多くの家庭に対する
支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えますか?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行っている場合、その取
組の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
※特にコメントなし
3-②.子どもへの支援、子
どもの年齢による介入の違い
や難しさ等について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している点や、日ごろ感じ
ていること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源がありますか?
福祉・教育・医療の三者連携。市役所内部では連携しやすい。乳幼児なら母子保健分野と連携しやすい。
一方、教育分野は各学校で考え方や対応が一律でないところもあり、連携が難しかったり、求められていることが相
談室の役割や支援内容とから外れていたりする。そういう点で、学齢期以上の子どもについては悩ましさを抱えるこ
とがある。介入の依頼があっても、マッチングが難しいこともある。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(108ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 108ページ3-③.多機関連携や情報共
有、スキルアップ等に関する
取組について
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあればお聞かせくださ
い。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
・貴機関の職員に対して、多機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマネージメントや情
報共有のための)
・上記のような機関に対して、貴機関の専門職の方等を派遣する等の取組がありますか?
【情報共有のためのツール】
特にこれといったツールは使っていない。児童相談所との連携では共通のアセスメントツールを使っている。各学
校、保育園、幼稚園等には虐待の早期発見ためのチェックリストを配布している。
【教育機関との連携のためにはなにをしている?】
現場レベルで定期的に会議を開くということはしていない。在宅支援している子どもが所属している園には相談員が
定期的に訪問したり電話連絡したりして情報共有している。小中学校の場合、スクールソーシャルワーカーは日光市
にはいないので、校長や教頭と連絡を取ったり、関係する先生と連携を取ったり、学校教育課の担当の先生を交えて
の連携を取っている。
【先生からの虐待の通報はある?】
虐待の兆候が見られたらその都度連絡するよう周知している。
先生からの通報を含めた報告については平均すると月 20~30 件にはなる。先生がちゃんと見ているし、こちらからも
まめに連絡していて相談しやすい関係ができているからではないか。
3-④.何らかの支援や介入
が必要な家庭に対する取組に
ついて
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機関と連携していま
すか?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがありますか?
・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞かせください。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(109ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 109ページ・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携して行うことが望ま
しいと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
「子どもの居場所」事業では、学校終了後に子どもを迎えに行き、第二の家のように過ごしてもらい、自宅に送って
いくというサービスを行っている。当たり前の生活を当たり前のように経験させてあげるサービスは必要かと思う。
日光市は山間地域が多く、公共交通機関が少ないため、送迎付きのサービスが必要。迎えに行くから子どもを出して
と強く言える。送迎している間に支援員が相談を聞くこともできる。
【「子どもの居場所」にいる子どもの人数や年齢層】
原則として小学校以上。家庭の実情に合わせ、保育園児も利用している。
対象人数 40~50 名程度。延べ利用人数は年間で約1500人。
毎日来るのではなく、家庭の実情に合わせて頻度を決めている。
発達障害・知的障害がある子どもは別途優先して使えるサービスがあるため、それが軌道に乗るまで繋いだり、そう
いうサービスでは対応できない部分に「居場所」の支援をカスタマイズして入れている。
最高齢は 18 歳。小学 1 年生から高校 3 年生が基本。乳幼児は午前中に預かり、その上の子どもは夕方に預かる。
【中高生になると意思がしっかりしてきて、来なくなる子どももいるのでは?】
そのくらいの子どもは自分で色々できるようになり、自分の意思もあるので、「居場所」の支援がなくても大丈夫と
判断されれば「卒業」していく。
【養育能力の低い両親への支援は?】
「居場所」では母親支援がメイン。乳幼児だけを預かり養育が不十分な部分を補ったり、母子ともに利用して母親に
支援員と一緒に子育てを行うことでスキルをあげたり、母子を預かりつつ別々に対応したり。支援と相談を一体にす
ることで、相談内容から他の支援につなげることができる。
就労関係については、就活をしたいが子どもを預ける環境が整わない家庭のために、子どもを預かり自分の時間を取
れるようにしたり、就労支援の窓口に繋げたり、時には一緒に同行することもある。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(110ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 110ページアセスメントをし、総合的に各家庭の実情、ニーズに応じた支援を柔軟に行なうことで、在宅支援から相談支援もス
ムーズに行うことができる。
【利用料】
無償。宿泊付きで預かる子育て短期支援事業(ショートステイ)については課税状況によって多少自己負担が生じ
る。
【言語の問題などでコミュニケーションが難しい家庭への支援は?】
必要に応じ、観光協会の通訳者の協力を求めることも。
話すスピードや表現方法なども調整し、相手が心のうちを喋れるような配慮はしている。
3-⑤.社会的養護、社会的
養育について
<質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援について、取り組ん
でいることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を果たすことが望ま
しいと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
ショートステイでは、NPO のほか児童養護施設・乳児院とも委託契約を結んでいる。さまざまな事情で子どもの宿泊
での預かりが必要な家庭について、基本1週間以内(最大 14 日間)子どもを預かる。
措置解除後の子どもには、市のサービスを使いながら支援してほしいという依頼があれば(あるいは必要だとこちら
が判断すれば)さまざまなサービスを使い措置後のフォローに入る。基本的には、子どもがまるまる移管されるので
はなく、メインは児童相談所が行い、市の支援が必要な部分は対応するなど、役割分担を行っている。児童相談所が
担当を外れた後も、継続的な支援に入る。
3-⑥.支援に必要な人材や
費用面の課題について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
国が地域に根差した在宅支援に方向転換をしているが、自治体が各々の課題を持っているなかで在宅でと言われても
資源が追い付かない。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(111ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 111ページ【国からのどのようなバックアップがあったらいい?】
在宅支援サービスができる人材派遣および経済的援助。
児童福祉の相談業務の希望者・経験者が少ないので、その人たちが継続的に働けるフォローがあるとよい。
財政支援も、国の補助金では全額は出ず自治体の負担が出てくるので、国の負担率をもうちょっと増やしてほしい。
サービス面では、委託できる専門の民間団体が少ない。事業所が育つような支援があるとよい。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(112ページ)
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変更後 · 112ページ事例8
貴自治体名 東京都
貴機関(部署)名 二葉乳児院
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内容について 【乳児院】24 時間 365 日の子どもの預かり。
【地域子育て支援センター】妊娠中含めた母と子の支援。ショートステイ、ホームスタート等様々な子育て支
援の方策により、地域での支援を行う。
【里親支援】地域や乳児院の子のマッチングも含めた、総合的な里親支援。
1-2.スタッフについて(人数、有
する資格、等)
【乳児院】
・100 名超え程度。非常勤はうち 20 名弱。
・看護師、保育士、栄養士、家庭支援専門職員として社会福祉士、心理担当職員。非常勤で、嘱託小児科医
師。理学療法士1名。
【里親支援】
・22 名の職員がいる。多くが社会福祉士。臨床心理士、公認心理師、PSW、保育士等を持っている。
2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について(子育
て世帯全体か/特定の世帯か、対象となる
子どもの年齢、一年間に支援を行う平均世
帯数、等)
対象の範囲等について:
【乳児院】
・児童相談所より社会的養護が必要となると言われた世帯。生後間もなく~就学前 5 歳ほど入所として受
け入れている。要保護世帯だけではなく、母の入院、兄弟の入院等、経済的に一時的な入所もある。家
庭でみることができないケースで、一定期間受けいれている。
【地域子育て支援センター】
・ショートステイでは、出張や冠婚葬祭等の一時的預かり。要支援、一時保護となる以前で、レスパイト
的に1~2週間程度の短期での預かりも行っている。二人目出産の預かりもある。要支援ケースについ
ては、区として必要と判断された場合に利用となる。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(113ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 113ページ・広場事業も行っている。遊び場がない等の利用もある。一時保育では、理由は問わず預かる。休息、美
容院に行きたい等の理由でも利用は可能。
【対象年齢について】
・生後間もなく~二か月過ぎればショートステイ、一時保育は利用可能。妊娠中の母への相談も行う。ホ
ームスタートも行っている。妊娠期からの相談も対応している。心配事等がある場合には、相談にも対
応しているため、心理職や看護師が広場にいて、相談することができる。
・基本的には就学前までだが、通っていた方で、就学後に不安や心配があって、一度受けてから、次にど
うつなげるか、コンサルテーションの関わりも行う。
【一年間に支援を行う平均世帯数】
・広場は、(コロナ禍なので)年間 293 日開館、14,000 人くらいの利用者。一日では、多い時で 20~30
名ほど。イベント等も行っている。
・一時保育は、例年は延べ 1451 人、今年度は少ない。一日 4~5 人ほどの利用。
・ショートステイは、年間 200 人超えを受け入れている。数日~1週間のお泊り。
・新宿のみでなく、近隣地域も受けている。行く場所のない人が来ることもある。ホームスタートも希望
者が多く、年間 20 家庭を超える。保健師がホームスタートを案内することもあり、利用につながること
がある。地域への周知は進んでいると感じる。
【地域の子育て世帯への情報提供はしている?】
・保健師や区の子ども家庭支援センターが案内するようにしている。ハンドブックにも掲載。アクセスで
きるツールはあるといいと思っている。
2-2.支援のための体制について(他部
署や他機関との連携体制、等)
・地域の区 5 か所とショートステイの契約をしている。ショートステイの案内を置き、周知している。定
期的に情報共有もしている。
・里親支援は、23 区中 17 区の里親支援を行っている。各区の子育て支援の関係者との情報共有も多い。
・23 区内児童相談所のうち、6 か所に職員がいて、里親支援を行っている。児童相談所の動きや流れは見
えている。児童相談所担当福祉士司とのやりとりも見えている。各地域の子育て支援の子育てニーズに
こたえられるようにしている。
【他の関係機関は?区以外ではどうか?】
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(114ページ)
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変更後 · 114ページ・医療機関は、乳児院の関係でつながること多い。子育て支援に関わる育児支援を派遣する NPO や子育て
支援の団体とつながりある。里親支援もそうだが、行政だけだと足りないことがある。
・広場については、全国連絡協議会で、横のつながりをもって連携している。
2-3.支援の内容について 【具体的な取組のポイント、重点的な部分は?】
・法人全体が児童福祉に特化している。保育園も隣りにある。妊娠中からその後のすべての支援ができる
法人形態となっている。自立援助ホームもある。
・社会的養護なので、子ども中心に支援するが、子どもをサポートするために、家族も支援している。チ
ルドレンファーストが基本だが、子育ち、親育ちが大事だと考えている。家族含めて、地域を支えられ
るかを大事にしている。
・その時々で、足りない支援を作り出す、という提案をすることが多い。たとえば、待機児童はなくなっ
てきたが、1,2歳の就園前のプレ保育として、週 1,2 回ほど通園して過ごし、その間、母が休息と
いうプログラムを行っている。そこでは、母が休息できそうなアロマテラピー等の企画を、ボランティ
ア含めて行っている。絵本読み聞かせ、障害施設からパンを販売し食べながら子と過ごす、等も。行政
のサービスの足りないところを、小さな規模で補完する役割や、ちょっとした立ち寄り先としての役割
を担っている。
2-4.支援の効果について ・母自身が苦しくないように、子育てが楽しくなる支援をやっている。初期の予防対策としての地域子育
て支援センターがあり、つらくなったら、ショートステイ・一時保育があり、もっと辛くなったら、一
定期間乳児院で預かることもできる、または保育園の利用を進める等様々なステージでの対応ができ
る。
・虐待等が起こってしまった場合でも、保護後の家庭復帰支援。地域に帰す、という一連の流れができて
いる。それも難しいとなったら、里親へつなげる。地域の養子縁組も増えてきているため、養子縁組の
家庭が地域に根付くサポートもしている。
・予防策がその都度のステージで行えるということ。社会的養護となる前の予防策としての機能を持って
いる。色々な機関やサービスにつなげられるネットワークがある。つないでもらえるという安心がある
のではないか。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(115ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 115ページ【より多くの子育てに困難さを抱える家族が、ショートステイや一時預かり等を気軽に使うことができる
ようになるためには、どのようなことが必要か?】
保育園の心理職をしていて感じたこととして、保育士が、その地域の子育て支援サービスを知らないこ
とが多い。ショートステイ等、知らなければ日常的に紹介できない。保育士や子育て支援の職員が、ち
ょっと疲れた時にでも使えるサービスを伝えることで、母たちの安心につながることもある。
保育士ですら、一時保護になったら子どもは帰ってこない、と思っていると、紹介のしようがない。虐
待かもと思っていても、児童相談所に相談したら連れていかれ、自分の責任になるのではないか、等。
実親にとっては、大変なことだと認識してしまう。情報量のなさ。大丈夫だ、と言ってくれる人が増え
ることで、使えるサービスになる。
2-5.今後の課題について 地域子育て支援センターの広場事業では、予算は限られている。社会的養護に比べて、なかなかお金が
つかず、毎年その調整をしなければならない。出産前から継続的に支援していこうとする時に、非常勤
職員が多いという所が課題。
乳児院は、多少持ち出ししつつ、赤字経営しながらも常勤職員を雇っているが、毎年の決められた予算
の中では難しい。安定的に予算を確保できると、予防対策等も含め、継続的な企画運営ができると思わ
れる。
3.2に関する詳細として、さらに、以下の①~⑥に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。
3 - ① . 全 て の 子 育 て 家 庭
や、より多くの家庭に対する
支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えますか?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行っている場合、その取
組の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(116ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 116ページ【全子育て家庭を対象とした支援】
・地域にあることで、誰でも来られるという意味で、予防的な役割ができている。できないことがあれば、どこにつな
ぐか、地域の子育て支援の情報共有しながら、マップを作製。母が行きやすい、ほっとする場所を選んでもらえる状
況を作り出している。
・全ての子育て家庭の支援はやりたいが、難しいところは連携で解決していく。それぞれのニーズに対応できる方策に
ついての情報を持っておくようにしている。
3-②.子どもへの支援、子
どもの年齢による介入の違い
や難しさ等について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している点や、日ごろ感じ
ていること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源がありますか?
【年齢による違いについて】
・乳児院、地域子育て支援センターは、基本的には就学前の子を対象としているが、何かあれば、大きい子でも相談で
きるようにしている。里親支援の担当職員は、自立後の成人した子の相談にも乗る。心理職員が、相談に対応してい
る。乳幼児期と就学後の子は、課題や悩みも違ってくる。ある程度網羅した職員がいるため、対応できる。
・一度受けた相談後、つなげられるところがあれば、コンサルテーションとして、広いニーズに対応できるかと思う。
・里親支援のほうのスタッフは、様々な経験をもつ職員がいるため、色々な専門性をもち、ケースが挙がってきたとき
に、関係職員が相談し情報共有しながら、支援する。
・基本的には乳児院のため、大きい子の支援は、どこかにつなぐという判断の上で、どうつなぐかを考える。
3-③.多機関連携や情報共
有、スキルアップ等に関する
取組について
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあればお聞かせくださ
い。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
・自施設の職員に対して、他機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマネージメントや情
報共有のための)
・上記のような機関に対して、自施設の専門職等を派遣する等の取組がありますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(117ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 117ページ【情報共有、連携のためのツールについて】
・極力、継続的に担当職員が変わらないようにすることで、情報は積み重ねられる。定期的な集まり、連絡協議会等、
お互いの顔を知るということが大事。その人がどんな情報をもっているかを知っておくことが大事と考える。
・可能な限り、勉強会や学習会や研修等の会議には出るようにしている。職員は、年数回は必ず研修に行き、情報収集
を行う。地域性もあるので、全国的な規模の研修会に行き、情報を得て共有することも学びになる。
【学校や保育園、幼稚園とのつながりなどはあるか?】
・保育園は、法人内保育園であれば、ともに地域支援のイベントを行う。
・里親支援では、小学校との連携や情報提供、会議参加もある。
・地域支援では、発達に課題のある子等についてのケースカンファレンスに参加。虐待予防のために利用していた子の
ケースカンファレンスを行うことで、大きい子についても、役割分担や連絡協議を行っていく
・要保護児童の連絡協議会に参加し、情報共有を行うこともある。
【保育所や幼稚園などから、気になる子の情報などがあがってくることは?】
・基本的には、それらの情報は、区の子育て支援のセクションに行くと思われる。ショートステイの中では、保育園
と、気になる子についての情報共有があることもある。
3-④.何らかの支援や介入
が必要な家庭に対する取組に
ついて
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機関と連携していま
すか?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがありますか?
・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞かせください。
・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携して行うことが望ま
しいと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
【子育て世帯の課題把握】
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(118ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 118ページ・定期的に通っている方から、DV の相談や子育て相談等を通して、早期発見・介入等に繋がっている。行政ではない安
心感もあるのではないか。二人目出産等の妊娠期の支援も行っているため、どのような支援があるか等の紹介もでき
る。
・母から直接、子を預けたいという問い合わせもある。不安があるか、地域につなげられるか、についての説明も行
う。子に対する思いがプラスではない、虐待と思われるのではないか、と不安に思っている人を受けとめ、サポート
する。
・地域柄(新宿の歌舞伎町などが含まれる)、様々な悩みや課題を受ける。外国語の話せるスタッフもいる。地域につ
なげられるノウハウをもつ者もいる。
・要保護児童対策地域協議会では特定妊婦等について情報共有をしているが、そこまでではなく、少し見守る必要があ
る方のことは、なかなか情報として上がってこないが、住所や名前がわかっていて案内できる仕組みで、市区町村と
連携できるとよい。子育て支援ハンドブックにも掲載してもらい、アクセスしやすいようにしている。
・転入ケースも多いく、地元ではない家族が多い。転入されたときの情報共有があるとよい。
【施設の多機能化について】
施設養護を続けながら、家庭養護も推進するため、民間フォスタリング機関として地域や乳児院の子どものための総
合的な里親養育支援を実施している。東京都については平成20年度から、荒川区と江戸川区については令和2年度
から、港区については令和3年度から里親養育支援に関わる事業を受託している。また、家庭養育移行に向けてフォ
スタリング事業を展開しようとする施設へのコンサルテーションや、国の委託によるフォスタリング機関ソーシャル
ワーカー向け研修会へ講師を派遣している。さらに、地域子育て支援センターでは、妊娠中を含めた親と子どもへの
支援を展開している。ショートステイでは、要支援、一時保護となる前に短期間で受け入れており年間 200 人以上が
利用している。広場事業も実施しており年間 293 日開館、14,000 人ほどの利用がある。他にもホームスタート等様々
な子育て支援の方策により、地域での支援を行っている。
3-⑤.社会的養護、社会的
養育について
<質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援について、取り組ん
でいることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(119ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 119ページ・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を果たすことが望ま
しいと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
【措置解除後の支援について】
・措置解除後、1 年間のアフターケアの加算もある。それ以降、イベントの案内の送付や手紙がくればやり取りをする。
10 年前に乳児院を出た子の母が、一年に一度は電話してくることもある。不安になったときに、母親が相談できる。
・地域にでた後もサポートが必要な家庭がたくさんある。地域で見守りになっている家族かもしれないが、そこについ
ての情報共有がないため、包括的に情報共有していくべき。都道府県をまたぐと難しいが、心配なケースについては
情報共有ができるとよい。施設を出た後所在不明となることも多いが、つながりをもたせられる支援の仕組みができ
たらいい。
・一定期間里親にお願いしていたとしても、その後帰ってくることもできることを家族に伝えられることが大事。里親
委託すると戻ってこない、等を不安に思っている母は多い。
・予防的な利用もしてもらえるとよい。地域の子育て支援に近い社会的養護の利用についても、今後必要になると思わ
れる。
【里親支援について、里親が抱える悩み等は?】
・実親から離れてきた子が多く、傷つき体験をもつ子が多い。里親養育で困っていることを知らない方も多く、地域子
育て支援センターに行っても孤立しがち。里親ならではの悩みを受け止められる人が少ない。早期介入がなかなかで
きず、難しくなってからの介入になりがち。
・子への真実告知について悩む方も多いため、その気持ちを、専門職等は知っておいてほしい。スタッフがわかってい
る、サポートできる、という状況があれば、やって行けるという人もいる。里親となってから 1、2 年等は、サポート
できるとよい。
・子への真実告知に関して、子が自分のルーツを受け入れていく過程は、現状の地域の子育て支援ではなかなか対応で
きない。誰が教えてくれるのか、どうすればいいのか、不安を抱えている人は多い。誰もが知っているわけではな
い、ということが孤立感を高めることになる。虐待に近い状態や鬱状態になることもある。子との関係もうまくいか
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(120ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 120ページず、結果的に子が発達的な課題を抱えているように見えることもある。愛着障害等もある。理解と普及啓発は大事だ
と思う。
3-⑥.支援に必要な人材や
費用面の課題について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
【人材について】
・社福法人なので、募集すればある程度応募が来て、選べる状況。NPO 等では、非常勤職員しか雇うことができない場
合も多く、継続的な支援が難しくなる。
・社会的養護のソーシャルワークの重要性を伝えていく。子に関する福祉資格を目指す動きもあったが、乳幼児期から
児童期の福祉的支援の専門性のスキルアップできるシステムがあればいいと思う。
・大学にも社会的養護に注力している所は増えているが、里親専門での授業等はない。継続的な授業科目はない。特価
したような学びができるとよい。
・里親支援事業、ショートステイ事業は、人件費が増えるわけではないため、10年職員がいると赤字になる。専門性
のある職員を採用するためには、一定の金額を担保し、経験年数に合わせて事業費が増える仕組みを作らないと、も
ったいないと感じる。
【大学等で講義も行っていますか?】
・里親養育論を担当。また、出前講座として、社会的養育論や里親教育を大学で行っていた。
・学生に関心をもってもらう、という働きかけは必要である。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(121ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 121ページ事例9
貴自治体名 松戸市
貴機関(部署)名 子ども家庭相談課(子ども家庭総合支援拠点、母子保健担当室)
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内容
について
子ども家庭相談課では、主に虐待対応、婦人相談(DV 等)、母子保健を担っており、子ども家庭相談課(本課)に子ども家庭
相談総合支援拠点(以下、「拠点」という)を中規模型(児童人口概ね 2.7~7.2 万)として配置。また、同課の母子保健担当
室内にある市内 3 か所の保健福祉センター内に子育て世代包括支援センター(以下、「親子すこやかセンター」という)を設
置している。
児童虐待への対応としては「予防・早期発見、早期対応」を掲げており、切れ目のない連携支援を目指している。子ども家庭
相談課が家庭児童相談室、要保護児童対策地域協議会(要保護児童対策地域協議会)調整機関、子ども家庭総合支援拠点を兼
ねており、また、母子保健担当室を子ども家庭相談課内に設置していることで、妊娠期から継続的な支援を行なえるよう体制
を整備している。さらに、子どもの成長によって段階的に担当機関が変わるところを、要保護児童対策地域協議会でつないで
いる。また、切れ目のない支援に向けては、要保護児童対策地域協議会の会議の構造の整理、連携が必要な関係機関を増やす
などの工夫、拠点の正規職員全員に調整機関の研修を受講させている。
1-2.スタッフにつ
いて(人数、有する資
格、等)
拠点は中規模型(児童人口 70,666 人 令和 2 年 3 月 31 日現在)で、正規職員 6 人、会計年度任用職員 16 人として社会福祉
士、保育士、教員資格保持者、心理職、事務職の構成の計 22 人の体制となっている。
親子すこやかセンターは、各センターに保健師 1 人、社会福祉士 1 人、助産師 1~2 人を配置している。
2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について(子育て
世帯全体か/特定の世帯か、対象となる子ど
もの年齢、一年間に支援を行う平均世帯数、
等)
拠点は 18 歳未満全てのお子さんを対象としているが、対象は要支援・要保護児童が多い。また、母子
保健担当も対象となる子どもの年齢は児童福祉法にのっとり、妊娠期から 18 歳未満までとしている
が、出産前から支援が必要とされるリスクの高い妊婦や子どもには親子すこやかセンターが担当とな
る。拠点では支援を行う世帯平均という統計は出していない。一年間の相談員の延べ行動件数は令和元
年度で 19,421 件。新規で相談を受理した数は、拠点については令和元年度で 1,371 件、うち児童虐待が
970 件。親子すこやかセンター(子育て世代包括支援センター)は、令和元年度では妊婦 452 人、乳幼
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(122ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 122ページ児世帯が 543 世帯。妊婦についてはお子さんの数が減ってきているためか、年々減少傾向にあるが、乳
幼児世帯は継続支援の家庭が増えているので、支援対象世帯数も年々増えている。
2-2.支援のための体制について(他部署
や他機関との連携体制、等)
【子ども家庭相談総合支援拠点における連携体制】
拠点は、児童相談所、学校・教育委員会、保育所(園)等との連携が多い。同じ市の中でも教育委員会
は行政組織が異なるので、連携は意識して密に取れるようにしている。要保護児童対策地域協議会構成
機関とは、研修や会議の数を増やすなどし、顔が見える関係を築ける仕組みを作っている。また、児童
相談所とはケースを通じて関わっている他、要保護児童対策地域協議会の構成員であり、また、研修会
の講師を依頼することもある。また、当市は平成 31 年度から県の児童相談所の職員と当課の職員の交
換派遣を行っており、お互いが持つ資源やスキルを学ぶ機会となっている。
【庁内他部署における連携体制】
令和 2 年 4 月に松戸市で障害部門、高齢部門、児童虐待部門の各分野を網羅した虐待防止条例を制定し
た。各部署で様々な協同体制をとり取り組みを進め、連携が図れるようにしている。高齢者部門には福
祉まるごと相談という、年齢、分野を超えた相談窓口を設けている。また、公的、民間の相談機関とも
年に数回情報共有のための連絡会を設けている。
【母子保健における連携体制】
母子保健に関しては、ケースを通じての他機関との連携が多い。特定妊婦は妊娠中から支援を開始する
ため、産科医療機関との連携も多い。また、特定妊婦は精神疾患を持っている割合が高いため、精神科
医との連携も図っている。さらに、小児科医から、各種健診や通常の診療の中で気になるケースを把握
した場合に連絡が入ることもある。
親子すこやかセンターでは年に 1 回産科医療機関との懇談会を実施しており、担当者間の顔が見える関
係づくりを行っている。また、松戸市立総合医療センターの産科で実施している周産期メンタルヘルス
カンファレンスに毎月参加している。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(123ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 123ページ2-3.支援の内容について 予防早期発見について、松戸市の特徴として、母子健康手帳交付時における妊婦への保健師による全数
面接を行っている。母子健康手帳の交付は市内 9 か所にある市民健康相談室(支所及び本庁舎内に設
置)に常駐している保健師が直接面接する。また、生後 4 か月までの乳児のいる全ての家庭に保健師ま
たは助産師が訪問している。このほか、特に 1 歳 6 か月児健診と 3 歳児健診では、未受診の方に未受診
理由や状況確認のアンケート及び受診勧奨のお手紙を郵送するとともに、全数訪問をして、状況把握を
するようにしている。
2-4.支援の効果について それぞれの機関にはそれぞれの役割、得意分野があるが、一つの課の中に 3 つの役割を持つ機能がある
ことで、お互いの期間の役割が理解しやすく連携がスムーズである。
指示命令系統が一本であるため、所属長への報告や課内各機関の情報共有を素早く行うことが可能で、
ケースへの対応方法の協議も容易に行うことができ、所属長からの指示も各機関に伝わりやすい。
2-5.今後の課題について 拠点に配置されている職員は、会計年度任用職員が多い。児童虐待件数が増えている状況で正規職員が
少ないことは、様々な判断を要するうえで課題があり、職員と会計年度任用職員の配置割合について、
検討していく必要がある。
また、異動によって組織力が低下することを防ぐため、業務対応マニュアルなどを作り、加えて、研修
に力を入れているが、人材育成についてもさらに取り組んでいく必要がある。
親子すこやかセンターの人員については、要求してもなかなか増員が実現しない。体制強化という点で
は引き続き庁内関係部署に働きかけていく必要がある。
他に、支援する際に支援メニューが少ないのが課題。親子に関するメニューを増やしていかなければな
らない。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(124ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 124ページ3.2に関する詳細として、さらに、以下の①~⑥に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。
3 - ① . 全 て の 子 育 て 家 庭
や、より多くの家庭に対する
支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えますか?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行っている場合、その取
組の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
【拠点における取組】
拠点では、各家庭への支援だけではなく、啓発活動や講演会を行っている。
【母子保健における取組】
母子保健担当室では全妊婦対象の母子健康手帳交付時の面接、初産婦とそのパートナー対象のママパパ学級、出産後
の乳児家庭全戸訪問、他にも、保健師が地域のサロンに出向いてセミナーや個別相談を受けている。また、母子保健
担当室には歯科衛生士と栄養士もいるため、栄養士が離乳食を開始する月齢のお子さん(第 1 子)とその保護者に向
けて、離乳食教室を実施したり、歯科衛生士が「わんぱく歯科クラブ」という名称で保護者同士のグループワークも
含めた虫歯予防教室を行っている。
【要保護児童対策地域協議会における取組】
要保護児童対策地域協議会の取り組みとして、お子さんに対して、私立・公立小中高の全児童・生徒に相談カードを
配っている。各個人に配布するため、配布後にメールや電話相談が入ってくることがある。実際に相談するお子さん
は少ないが、お子さん本人からの SOS を直接受けることは重要だと思っている。近隣の市町村から高校に通うお子さ
んから松戸市に相談があった場合も、いったん受け止めてから居住している市へつないでいる。
【ケース単位の情報共有の取組】
体系立てた支援提供について、拠点も親子すこやかセンターも、必ずケース課内の会議で各家庭の課題、支援方法を
検討し決定している。また、要支援・要保護児童には、要保護児童対策地域協議会でのケース進行管理会議などで、
当課だけでなく構成機関とともに支援状況等の報告、意見交換などもしている。各機関とアセスメントシートを共有
し、要支援・要保護児童についての連絡や情報共有のしやすさに配慮している。リスクが高ければ集中的に訪問する
などリスクに対応した訪問間隔を設定し対応・安全確認等を行っている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(125ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 125ページ3-②.子どもへの支援、子
どもの年齢による介入の違い
や難しさ等について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している点や、日ごろ感じ
ていること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源がありますか?
【学齢期の子どもへの介入の工夫】
拠点では、学齢期のお子さん、生徒と関わる機会は多い。相談カードを配布しているので、お子さん自身が SOS をだ
すこともあり、拠点の職員で対応している。学校以外では児童館、青少年プラザ等がある。民間では、市内に 20 か所
近く子ども食堂があり、居場所になっているお子さんもいる。学齢期以上のお子さんに対しては、本人の意見をくみ
取るために、心理職等が子どもと話をすることに努めている。
【学齢期の子どもへの支援での課題】
学齢期のお子さんへの支援で学校に見守りをお願いするが、保育園等の時と比べて保護者との距離が遠くなるため、
家庭内の様子がよくわからないことがあると学校から聞いている。また、望ましい生活習慣が身につかず不登校にな
ってしまったお子さんが成長に伴い、本人の意思で学校に行かない選択をする場合もあり、学年が進むにつれて対応
が難しくなる。
3-③.多機関連携や情報共
有、スキルアップ等に関する
取組について
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあればお聞かせくださ
い。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
・貴機関の職員に対して、多機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマネージメントや情
報共有のための)
・上記のような機関に対して、貴機関の専門職の方等を派遣する等の取組がありますか?
【教育機関との連携】
機関の性質上、基本的に連絡をもらえないと介入ができない。そのため、他機関からの情報提供が必要だが、連絡す
るタイミングや段階がわからないと難しいため、「こういうことがあるときは連絡を」という指針を整理したものを
学校等に配り説明している。こうした入り口で連絡をもらえるような仕組みは何年かかけて作ってきて浸透してき
た。なお、継続支援にあたっては、見守りなどを役割分担してお願いする場合があるが、当課と現場との連携はうま
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(126ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 126ページくいっていると思う。また、年度当初に民間保育園協議会、幼稚園連合会、校長・教頭会などで所属長が当課のパン
フレットを用い児童虐待の説明や連携のお願いをしている。他に学校との連携で特徴的なのが、支援拠点の相談員に
学校長の経験者を配置していることも挙げられる。市の拠点の業務や立場と学校現場のこと双方がわかる人を配置し
ているのはメリットが大きい。
【親子すこやかセンターと拠点での連携】
親子すこやかセンターと拠点の間では同じリスクアセスメントシート等を使っている。シートは虐待に特化したもの
で、国が作成しているものに沿っている。
【要保護児童対策地域協議会での研修会実施】
要保護児童対策地域協議会の取り組みとして、専門職や医療機関のスキルアップを目的に研修会を行っている。令和
2年度は5回開催した。参加者からは座学だけではなくグループワークを取り入れてほしいという声が多い。顔の見
える関係を重視する観点から、少しの時間でもグループワークの機会を設けている。
3-④.何らかの支援や介入
が必要な家庭に対する取組に
ついて
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機関と連携していま
すか?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがありますか?
・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞かせください。
・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携して行うことが望ま
しいと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
【母子保健における課題把握の取組】
母子保健では予防と早期発見に力を入れている。全数面接をするという点では母子保健分野が最も多くの母子を対象
としており、課題の把握という視点からみても重要。
【多国籍等の方への支援における取組】
多国籍等の方への支援に当たっては様々な知識、情報、手続きが必要となる場合があり、他部署と関わる必要がある
ことが多いため、連携してやっていくことを心がけている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(127ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 127ページ【支援方法】
妊娠届出の際には、個別支援基準の項目を設けており、面接により困っていることを把握できるようにしている。ま
た、相談窓口への相談しやすさも大事だと思っている。現在 9 つの市民健康相談室を設けて、妊婦も含め市民の方ど
なたでも相談できるようにしている。相談窓口では、親子すこやかセンターの支援が必要と思われる方にはその連絡
先を伝えている。
健診未受診の対応として、1 歳 6 か月児健診、3 歳児健診を誕生月毎に行っているが、案内月を含めて 2 か月間受診が
なかったお子さんには未受診理由のアンケート調査と受診の勧めを郵送しており、アンケートの回答の有無にかかわ
らず訪問をしている。住所と生活実態が違う場合もあり、訪問し該当家庭の様子を記録し、2 回の訪問とあるいは電
話にても連絡がつかない場合や集団所属、予防接種履歴がない場合は、居所不明として子ども家庭相談課本課へ報告
をしている。
このほか、支援が必要な方には養育支援訪問や産後ケアなどのサービス導入を勧めている。
【一本化への意見】
当市は、現在、同じ課で児童虐待(拠点)と母子保健、親子すこやかセンターの取り組みを行っているが、平成 25 年
度から児童福祉分野と母子保健分野の業務を同一化で担う体制を整備し、時間を経て連携できる体制がとれるように
なった。一本化が望ましいかどうかは組織の歴史や現在の体制により異なるため、一概にはいえない。一本化が望ま
しいとなっても現実的にできるかどうかは課題があると思われる。
ただ、当課の経験からいえば、課と部が同じであることで連携しやすい。違う部署にある場合、それぞれの守備範囲
を飛び越えて連携支援する上で難しいと面が多々あると想定される。
3-⑤.社会的養護、社会的
養育について
<質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援について、取り組ん
でいることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を果たすことが望ま
しいと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(128ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 128ページ【児童養護施設との連携】
松戸市には児童養護施設が市内にあるため、要保護児童対策地域協議会のメンバーに入ってもらい、啓発活動や講演
会の開催も共催で行っている。また、措置解除後のお子さんについては、児童相談所から依頼があれば、市がかかわ
るケースもある。
【質や量の担保】
児童養護施設への入所は県が判断することであり、足りているかどうかは市としては何ともいえない。しかし、18 歳
到達後の相談先は課題だと考えている。児童福祉法で 18 歳までだから終わりとはいかないため、それぞれ関連する部
署に繋げるところは繋いでいるが、明らかに障害があるという場合などを除き繋ぎ先が少ないと感じている。千葉県
は、県独自の中核地域支援センターを設けており、部門、年齢を問わず支援をしているため、そこに繋ぐこともあ
る。
【県との連携】
県との連携は児童相談所のほかに県警とも行っている。また、要保護児童対策地域協議会のメンバーとなっている保
健所、要保護児童対策地域協議会のメンバーではないが中核地域支援センター「ほっとねっと」なども連携機関であ
る。また、市内にある児童養護施設に児童家庭支援センターが県の委託事業として併設されている。要保護児童対策
地域協議会のメンバーでもあり、連携して対応するケースも多い。
3-⑥.支援に必要な人材や
費用面の課題について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
拠点について、補助金の二分の一を国庫補助により運営しているが、対象の経費として正規職員の人件費はなく、会
計年度任用職員のみ補助の対象となっている。正規職員の人数が増えても補助金が増えるものではないため、費用面
でもう少し後押しがあれば職員を増やすことができる。こうした、正規職員を増やす後ろ盾があればとは思う。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(129ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 129ページ事例10
貴自治体名 栃木県
貴機関(部署)名 養徳園(児童家庭支援センター、子どもの居場所「月の家」、ママと赤ちゃんち)
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内容に
ついて
【児童家庭支援センター】
・子育てに問題を抱えている親の支援
・訪問支援(例:発達課題を抱えている子どもがいて虐待リスクが高い世帯について、親から SOS が入るので、訪問し支
援。事前に「これから行きます」と連絡することもあり、親から連絡が来てタイムリーに支援ができることもある。子ど
もがいる時に支援に行く)
・子どもの預かり
【子どもの居場所「月の家」】
・市役所からの委託
・スーパー学童保育
・市役所から、「この子に居場所を提供して欲しい」という依頼があって利用できる。支援の内容は、学校に迎えに行き、
遊んで勉強を見て夕飯を食べて、家まで送る
・親戚の家のようなポジション
・ネグレクト家庭の子どもが対象
・20 名程度(小学生 3 分の 2 程度、中学生 3 分の 1 程度)
【ママと赤ちゃんち】
・社会的養護にあった子どもが親になった時、うまく子育てができないので、子育て支援を行う
・これまで社会的養護で関わってきた子ども達を親になっても支援するのが目的
・「子どもを置いて遊びに行きたい」というニーズにも対応
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(130ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 130ページ1-2.スタッフについ
て(人数、有する資格、
等)
【児童家庭支援センター】
・6 名(社会福祉士、公認心理師、保育士、児童指導員、…)
【子どもの居場所「月の家」】
・正社員 5 名(保育士、児童指導員、…)。利用する子どもと、ほぼ一対一になるように配置。
・正社員については、ほぼ有資格者を雇用。資格取得の費用も出している。
【ママと赤ちゃんち】
・(完全にボランティアで)3 名(児童養護施設や乳児院の職員)。利用者は 2 名。
【社会福祉法人】
・(学童も含めると)109 名。ほぼ有資格者(教員、社会福祉士、公認心理師、保育士、…)。
2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について(子育
て世帯全体か/特定の世帯か、対象となる
子どもの年齢、一年間に支援を行う平均世
帯数、等)
【対象範囲】
・親から「ちょっと子どもを預かってくれ」と言われても難しい(そういう場合は児童相談所等に行くこ
とに)。市役所を通して、「在宅で支援したいので、レスパイトのために一時預かりを」等の連絡が来
て、預かる。
・「子育てに困難を感じている世帯」を対象にしている
・「支援をするかどうかの判断」は市役所が行う
・具体的な支援については、預かってみないと抱えている課題が分からないこともあるので、こちらでな
いと分からない。「我々から提供できる支援はこれ」と提示する。役所が支援内容まで判断すると、す
そ野が広がり過ぎてしまうこともあるので…
【対象となる子どもの年齢】
・広くは 18 歳まで
・高校生くらいになると、児童相談所にケースとして来た後で、児童家庭支援センターに横滑りしてくる
ことも。
⇒高校生への支援例:主たる養育者の祖母が入院し、完全にネグレクト状態になったので、学校の先生
が心配して役所に相談するが、子どもは家にいたいと言っている。児童相談所のケースになるが、ど
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(131ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 131ページうすればよいか分からないという状態で、引きこもりに。児童家庭支援センターが訪問支援を行い、
朝ごはんをちゃんと食べるように仕向け、学校に登校できるように支援(もともと不登校ではなかっ
たので)。その後、里親につなぐ。
【一年間に支援を行う平均世帯数】
・新規支援:年に 70~80 人程度 前年度からの継続支援も含めると実数で約170名
2-2.支援のための体制について(他部
署や他機関との連携体制、等)
【児童家庭支援センター】
・市役所、児童相談所との連携が中心(自治体の取組を支援する機関なので)
・7 つの市町の要保護児童対策地域協議会に参加し、児童家庭支援センターでできることは何かを伝える
・学校や保育所・幼稚園とは、関わりはあるが、直接やり取りするよりは、間に役所が入る形になる
2-3.支援の内容について ・個々の子どもにあった支援を提供すべき
・子育てに関わることなら何でもする
・学校への送迎、子育てで困難を感じている点へのサジェスチョン、親の悩みを聞く、…親戚の祖父母の
ようなことをやっているイメージ。
・子どもの状況を知らなければ親の支援はできないし、親の状況を知らなければ子どもの支援はできない
・親戚のような存在になるのが理想だが、そこまできめ細かに支援することは難しい。膨大な数の支援の
場が必要になる。宇都宮市(人口 50 万人)でも、子どもの居場所は 2 箇所しかない。
・ボランティア活動も含め、地域のそこかしこに、子どもを見守っている場が必要
2-4.支援の効果について ・親子分離を抑制する(在宅支援を維持していく)効果はある
・子どもに親以外の大人が関わることによる効果もある。親の影響が強すぎると、親の独善的な影響を受
けるので、質の高い大人と関わるべき。子どもにもう一つの家ができることが重要。
・子どもの時に支援を行った相手が、大人になってからボランティアで活動に関わってくれることもあ
る。
2-5.今後の課題について ※特にコメントなし
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(132ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 132ページ3.2に関する詳細として、さらに、以下の①~⑥に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。
3 - ① . 全 て の 子 育 て 家 庭
や、より多くの家庭に対する
支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えますか?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行っている場合、その取
組の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
【より多くの子育て家庭に対する支援について】
・広い対象への支援も必要だが、「本当に必要な人に必要な支援が届かない」という問題がある。本当に支援が必要な
人は、自己肯定感が低く、支援を求めようとしない。そういった人達への支援としては、「知らない人」には支援を
求めにくいので、「ママと赤ちゃんち」等で子どもの時から関わりのあった施設職員が支援を行う、という形が有
効。
・本来は子どもを産む前からの支援が必要だが、実際には産んでからの支援になっているのが問題。
3-②.子どもへの支援、子
どもの年齢による介入の違い
や難しさ等について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している点や、日ごろ感じ
ていること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源がありますか?
【子どもへの支援、子どもの年齢を考慮した対応について】
・子どもの話をちゃんと聞くことが必要(現実では、親の意向にすごく左右されているが…)。
・子どもの年齢が低いほど、愛着の問題が発達に大きな影響を与える。介入後の子どもの育ちを考慮すべき。乳幼児専
門の里親がいたり、母子の支援がしっかりしていたり、等…先の見通しを持ったケースワークが必要になる。
・役所は異動で関連が絶たれてしまうのが問題。関わる大人が変わるのはよくない。変わらずに関わる大人がいること
が重要。
3-③.多機関連携や情報共
有、スキルアップ等に関する
取組について
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあればお聞かせくださ
い。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(133ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 133ページ・貴機関の職員に対して、多機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマネージメントや情
報共有のための)
・上記のような機関に対して、貴機関の専門職の方等を派遣する等の取組がありますか?
【情報共有ツールについて】
・情報共有ツールは有効だが、経験の浅いソーシャルワーカーのためのもの、というイメージ。やはり実際に親や子ど
もに会って判断する経験を積むことで、適切な判断ができるようになる。
【市区町村や児童相談所との連携について】
・市区町村や児童相談所との連携については、問題だらけ。虐待が増えていく中で、(保護の有無、施設入所期間を短
くする、等について)児童相談所が判断しなければならないことがあまりに多すぎる。昔は施設が判断していたこと
についても、今は児童相談所が判断しなければならない。児童相談所の職員数は増えているが、ケースワーカーの質
はどんどん低下しており、それでも権限があって、指導もしなければならないという状況で、ケースが混乱すること
が増えてきた。
3-④.何らかの支援や介入
が必要な家庭に対する取組に
ついて
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機関と連携していま
すか?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがありますか?
・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞かせください。
・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携して行うことが望ま
しいと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
【親子関係への支援について】
・児童養護施設に入所しているという時点で、親子関係再構築は重要。このご時世、面会を制限されている親も多く、
再構築が難しくなってきているが…「親子生活訓練室」もあり、週末の外泊や年末年始の面会、等、親子関係再構築
の支援は普通にやっていること。
【経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援について】
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(134ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 134ページ・外国の方の中には、彼らにとって当たり前の子育てが日本から見ればいいかげんに見えて、それが虐待ととらえられ
てしまうこともある。
・子どもが障害を抱えている場合、親が障害を理解していれば、障害福祉の方につなぐことが可能。
3-⑤.社会的養護、社会的
養育について
<質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援について、取り組ん
でいることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を果たすことが望ま
しいと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
【社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題】
・課題だらけ。社会的養育体制の構築は、子どもの権利に関する条約が採択されたとき、30 年以上前からやっておくべ
きだった。少なくとも条約に批准した時から取り組むべきことだった。
・虐待対応と社会的養育(家庭養育原則)は、一緒にしてはいけない。里親委託が進むにつれて、児童養護施設はこれ
から淘汰されていく。児童養護施設にいる子どもを里親委託にすると言っても、実際には実親がいる。家庭養育自体
は間違っていないが、虐待のために家庭復帰できない子どもはどうすればよいのか。
・今後、児童養護施設は地域分散化が進んでいくことになる。地域小規模児童養護施設は本来、家庭復帰が難しい子ど
もが、限られた大人と濃密な関係を築いていくことに意味がある。そこでしばらく暮らした子どもに、「親が里親委
託に同意したから、里親に委託する」ということになるのはどうなのか。たぶん子どもは「里親に行く」とは言わな
い。子どもの意向を尊重はされるのか。また、本体施設の中でしっかりとケアをするべき子どももいる。
・虐待対応や家庭養育が進むようになったのはよいが、たくさんの矛盾をはらんでいる。
・昔の児童養護施設は空いていれば入所させた、色々な問題を抱えた子どもを受け入れる懐の深さがあった。しかし、
今は小規模化したがゆえに、受け入れる際に年齢が発達特性など吟味し、合わないと受け入れを断ることが多くなっ
た(低年齢の子が中心のグループには中学生は入れない、発達的な課題がある子が複数いると混乱するので入れな
い、等)。難しい課題を抱えた子どもを受け入れてくれる施設にそのような子どもが集中すると、対応しきれなくな
るので、被措置児童等虐待の問題に発展してしまうこともある。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(135ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 135ページ【保護・養護解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県が果たすべき役割について】
・市町村は、復帰後から支援しようとしても、入り口から支援をしているわけではないので難しいと思われる。見守り
をしてほしい。児童養護施設は、退所後もしばらく様子を見るようにしている。
・ずっと関わってきた(施設)側としては、情報共有をして欲しいと思う。
3-⑥.支援に必要な人材や
費用面の課題について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
・社会福祉法人で施設をやっていれば、費用はあると思われるが…
・人材は、物理的に人(数)が足りない。
・今は、普通の人なら採用するようにしている。人材育成は重要だが、それ以前の問題がある(育成に足る人が集まら
ない)。対人援助のスキルが足りない人が増えてきた。また、学力が落ちてきた。
⇒児童福祉の仕事の価値をどれだけ高めていくか、社会にその価値を理解させられるか、が重要。非常に高度なスキ
ルと、子どもに対する思いが両方求められる仕事。その価値が高まらないと、里親も増えない。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(136ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 136ページ事例11
貴自治体名 滋賀県
貴機関(部署)名 滋賀県社会福祉協議会
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内容について 誰もが「おめでとう」と祝福され、「ありがとう」と看取られる共生社会の実現を目指した「子供を真
ん中においた地域づくり」をしている。子供の貧困を放っておかない。平成 26 年 9 月より滋賀の縁創造
実践センター(任意団体)として「遊べる学べる淡海子ども食堂づくり」を始めた。縁センターは活動
期間を 5 年と決めており平成 30 年度で解散。その後、滋賀県社会福祉協議会が縁特別会員の皆さんとと
もに実践を継続している。
1-2.スタッフについて(人数、有する
資格、等)
・主担当は 10 人、横断的にかかわるのはもっと多い(特例貸付なども含めると)
・はぐぐみプロジェクトで 6 人(子供の笑顔はぐくみプロジェクトを推進、寄附活動、スポンサーのマッ
チング、多世代が集まる子供食堂を増やしていく役割、県内 300 カ所目標)
・地域生活グループで4人(社会的養護の元で社会とのの架け橋を担う。制度がない中で、県と民間でス
タート)。
・アフターケア事業ための支援団体はとくにない。自立支援の貸付金、卒業後もサポートしている。施設
や里親のもとを巣立った後だけでなく、巣立つ前だけでもなく、育ちのなかで自立の土台をつくること
が目標。県内中小企業 170 社受け入れ協力をしている。
・県社会福祉協議会の職員について社会福祉士、教員経験者は複数名いるが、事業を担当する際に資格を
要件にはしていない。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(137ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 137ページ2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について(子育
て世帯全体か/特定の世帯か、対象となる
子どもの年齢、一年間に支援を行う平均世
帯数、等)
・子供食堂支援では、ケアの必要な子供を対象にしているところもあれば、地域のすべて子供を対象にし
ているところもある。
・フリースペースの取り組みでは、社会的養護となる可能性がある特定の世帯の子供達(家庭養育が難し
く、家にだんらんのような場所がない、要対協において支援を必要としていると判断された子供達)を
対象にしている。子供の居場所づくりとしての取り組み。
・滋賀の縁創造実践センターのときから、高齢者施設(特養)と一緒につくってきた。現在、県内 12 カ
所。コロナで高齢者施設来場制限あるので現在は 7 カ所。 地域の小中学生が中心。夜の家庭のだんら
んの時間の居場所(放課後~夕食くらいまで、必要に応じて入浴にも対応。施設が送迎)として、1日
1、2家庭くらいで週1回実施。
2-2.支援のための体制について(他部
署や他機関との連携体制、等)
滋賀の縁創造実践センターの取組みについては、とりわけ高齢者施設がその能力や機能を活かした支援
を展開中。
資金を出す、えにしの取り組み、社会福祉法人などに会費を出してもらっている。広い意味での連携あ
り。フリースペース実施、社会福祉法人施設、行政、学校、社会福祉協議会の4者が中心。ボランティ
アもいる。近隣の大学(1校)だがサークルの子がボランティアで定期的に参加している。
賛同してくれる、法人は立ち上げ時から 170 くらい会員に。5 年後に解散しても、えにし特別会員とし
ては 120 くらいの会員はいる。主に社会福祉法人だが個人会員もあり。
【地域の方の担い手、専門職じゃない地域の人材育成やボランティアへの働きかけ、バックアップはどの
ようにしているのか?】
県社会福祉協議会として子ども食堂のボランティア募集はしてない、関心があったりやってみたい人集
まれという感じで開設準備の講座とか勉強会交流会とか、活動者の話や子供たちの現状を私たちやソー
シャルワーカーから話しました。多い時だと年間 7.8 回話をして、たくさんの場面で、話してみた。子
供にまつわる取組と食堂の写真とかみてもらったら、伝わるのでそんなことをしてみました。やってみ
たいという声を大切に、実際に始まるように市町社会福祉協議会を連携で。子供の安心とか安全も個別
の子どもへのかかわり方とかの心配も学びたいというのもあった。ソーシャルワーカーとか保育士とか
食品安全の方とかさまざまな専門職の力をかりて勉強会を行った。
フリースペースの個別に関わるボランティアは地元の市町社会福祉協議会のボランティアセンターが声
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(138ページ)
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変更後 · 138ページかけをして、ボランティア体制、メンバーをみつけてくださった。子どもへの大人の態度など接する注
意点など、勉強会、交流会で。始まってからたくさん課題出てきたので1年に何回か交流会とか意見を
聞く場をつくってきた。スクールソーシャルワーカーの役割は大きかった。
【地域の支援活動の連携、民間が関わると情報の共有難しいとかあるが、どのような形でしているのか】
自治体によって異なる。フリースペースが要保護児童対策地域協議会のメンバーになって、そこしか支
えの場所がない子どもについては、かなり頼られていることもあるようだ。場所自体が、そこがあるこ
と自体が具体的な支援プランを立てられるので、活動が始まって支援広がったというのもある。新しい
フリースペースを立ち上げたり子どもをつないでいくときに、別の市では学校は子供の情報を出してつ
なぎたいと思っていても、福祉がつながらず、どこが責任もってするのか定まらずに結局、施設の職員
とスクールソーシャルワーカーが関係者で直接子供の家庭にアプローチしたという自治体の例もあっ
た。
2-3.支援の内容について はぐくみの活動として、子供食堂を広げるため、継続していくためのサポート、お金や物品を提供して
くれる応援団を増やしていけるようにしている。
【立ち上げの経緯について】
代表がなげかけ、子供に関わる、里親、障害の支援等、子供にとっての包括体制つくれないか。重度の
障害もつ専門職、協力してくれる施設があれば、もっと生活豊かになる。
成人の引き込もり、障害福祉は手をだせない。制度で考えがちの現場からの声があった。自覚者が責任
者。気がついた人が集まり、まず実践していこうとなった。資金は自分達でお金を出し合って、その後
モデル事業として動きだそうということではじまった
【制度のないなかで、派生して新しい取り組みが生まれ、事業の工夫がでてきているか?】
フリースペースはかなりその法人によっているので、そこから地域に開いている施設の催しに子供の親
御さんを招いて、祭りに参加して完全に切り離された家庭が、まわりの人が特別な目でみないので、気
にせずに行ける場がひとつできたと。子どもだけの支援に終わらせない取り組みができてきたと思う。
中学校を卒業したら終わりと言っていても、そのあとも切らずにつながっているので、長い人生の付き
合いになっているケースもある。フリースペースまだ少ないので、この取り組みの大事さを実感してい
るので、広げていくことを勧めたい。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(139ページ)
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変更後 · 139ページはぐくみ応援団はたくさんの支援企業があるので、食品、文房具、物品など気持ちに繋がるような支援
を拠点をつくって、食堂ない日でも、いけば違うサポートあるとか活動広げていこうとは考えている。
フリースペースは、高齢者施設。主に特養です。
【敷居の低さ、相談しやすさ大事になってくる。特別視されないで支援が繋がる、貴重な取り組みだと思
う】
【フリースペースのボランティアは若い方が多いか?】
場所によるが、年配が多いところもある。施設職員が勤務時間終わってからやるところもある。
デイサービスで過ごす方が、ボランティアはないが、イベントなどは一緒に過ごすところもある。楽し
みにしている高齢者もいる。
社会福祉法人の地域貢献事業についてフリースペースなどの取り組みの視察、研修に来られ、その後子
供のことに、取り組まれているところもあったと聞いている。子供食堂づくりも全国的にだんだん広が
ってきて、フリースペースや、子供食堂等、分野を超えた取り組みもあるようだ。
学校、要対協は、個別の支えが必要な方たちに、制度と制度じゃないところをうまくつなげていくこ
と、自治体と行政の関係で連携しながら事業をすすめていくことが大事。
県と県社会福祉協議会の関係がしっかりできているので安心して地元でつながれるのはあったと思う。
制度とまったく関係ないところで個別の子供達がくるには居場所づくりは自由だが、法的には信頼性と
か安心感、守秘義務も含めて大事だと思う。社会福祉法人は役割としてはそういうことに取り組める機
関だと思う。子供の現状や本当の姿を大人は身近なところで知ることは少ないので、それは子供に関わ
る専門職からそこの地域が声を聴くことが大事だと確信しています。
【子供の分野、子供の活動範囲狭いけれど、小学校区で子どもの居場所づくりとか支援活動サポートはす
ごく重要。地域づくりとからめて、制度横断的やっていく、分野を縦割り、難しいところと思う。横でつ
ながってとくに地域で、生活圏でのサポート、どういう着眼点で子どもと家庭をサポートしていくか】
子供のしあわせ、笑顔がある、地域でも家庭でも求めている、最善の利益。そこでだけでしょうか。
【生活している人が当事者意識を持っていくことが土台として必要ですか?】
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(140ページ)
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変更後 · 140ページ地域住民はその話を私たちからするのではなく、自分たちでそうおっしゃる。地域の中で子供はとって
も大事な存在。それを引き出すのが大事。
2-4.支援の効果について 【子ども食堂等】
子供食堂の推進、2年目えにしの活動 小学校 230 くらい、もともとよりは減っている。統廃合、300
めざして、130 子供食堂、広報、啓発、イベント、県も一緒に協力し、広がり方当初、県内でもごはん
の食べられない支援、かわいそうな子がきていると思われていた。どの子も大事、ご飯食べられてない
子もいるし、経済的状況だけじゃなくて、地域でつながることができる
場の作り方、大人の接し方、活動を通して多くの方に意識が広がってきた。貧困、地域の場のつくりか
た、高齢者の、共生社会の営みとして、食堂の大切さ。
ボランティアがたのしくできる、敷居がひくい、大切な活動、地域づくりの楽しさは伝わっている。
【フリースペース】
フリースペースは、主に高齢者施設(特養)で行われている。高齢者施設の専門職が制度でないところ
で専門職の連携の仕方のモデルが広がりつつある。高齢者施設を子供の居場所につなげてくださった。
スクールソーシャルワーカーが学校内だけでなく、子供を取りまく場所として、教育委員会も認めら
れ、活動の幅を豊かにする、大事な役割を果たしてくださった。
人材の育成、ノウハウ継承として、ソーシャルワーカーのスーパーバイザーが研修のテーマにして、事
例を広げていけたのはよかった。
2-5.今後の課題について コロナ禍の影響が子供のいる世帯にあらわれているので、具体的にできることやってくしかない。子ど
も食堂の活動を継続していくことで、今後どんな活動が必要か、活動している方と一緒に考えていく、
つながりの場所を絶やさない、経済的な問題は解決できないけれど、繋がっていくことで孤立は回避で
きる。経済格差のなかで、夢や進級・進学が絶たれたりすることがないよう、特定貸付実施、関係者と
一緒に取り組んでいきたい。
【教育の分野との連携はどうか】
県教育委員会との話し合い、ソーシャルワーカーの働きかけは、とても重要だったと思う。
県社会福祉協議会から、地域社共への協働はしていくけれどお願いするものではない。地元のことは地
元が知っているし。関心がなかなか高まらない、子供のことはそこまでできません、最初のほうはわり
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(141ページ)
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変更後 · 141ページと多かった、やりませんというところもあった。やろうというところと一緒に実践をしていくというス
タンスではじめた。利用者がいるし、はじめたら後にひけないので。覚悟のいる取組だとおもってい
る。
3.2に関する詳細として、さらに、以下の点に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。
3-1.全ての子育て家庭や、より多くの
家庭に対する支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えます
か?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行って
いる場合、その取組の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
※特にコメントなし
3-2.子どもへの支援、子どもの年齢に
よる介入の違いや難しさ等について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している
点や、日ごろ感じていること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源
がありますか?
子ども食堂がはじまった当初は、学校が子ども食堂の情報を伝えてくれると考えていた。子供食堂の人
が実際に学校の校長に話したり、来てもらったりしたが、なにかおきたら責任がとれないといっていた
ところがいくつかあった。いまでは、認知度もあがり、学校で情報提供してくださることはずいぶんで
きてきた。とくに小学生にはハードルが下がった、個別に声をかけるとなぜうちだけとなるけど、地域
みんなで、という取り組みになってきたと思っている。
就学前の子のいる家庭に、助産師、子育て世帯の親もまるごと支援したいという人もいて、利用できる
ようにしている。保育園が子ども食堂に関心持ってくれるところは、保育園が食堂しているところもあ
るので、地域のなかで開かれた場所で、介入してくれると関わりやすくなるのではないかと感じてい
る。
個別の支えが必要な家庭に対しては、食事をするという目的を通すとトラブルなく子どもを来させてく
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(142ページ)
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変更後 · 142ページれる親御さんもいる。民生委員・児童委員が活躍している地域もある。
【子ども食堂やフリースペースで、子どもが SOS を発信してきた際、どのように対応するのか】
事例はある。とくにフリースペースは緊急事態が発生したこともある。施設のソーシャルワーカーが、
キャッチし、必ずキーパーソンの専門職員に連絡し、対応することとなっている。社会福祉協議会のソ
ーシャルワーカーが対応するところもある。子供食堂も同じ。なにか困ったら、地元の社会福祉協議会
に相談してと言っている。その場で解決できることはほぼない。つないでいかなければならないと感じ
ている。食堂も社会福祉協議会の職員がサポート。こまったときには、ソーシャルワーカーに相談して
と伝えている。結果、措置になったケースもある。一時的保護とか家庭の介入に繋がったケースもあ
る。
3-3.多機関連携や情報共有、スキルア
ップ等に関する取組について
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあれば
お聞かせください。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
・自施設の職員に対して、他機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマ
ネージメントや情報共有のための)
・上記のような機関に対して、自施設の専門職等を派遣する等の取組がありますか?
機関としてその取り組みはない。居場所や事業をしているところと周囲の関係機関との連携会議や、ケ
ース会議に出ることがあり、つないでいくというのはある。県全体でいうと、行政ももちろんパートナ
ーですので、県の中での児童相談所、こども青少年局のさまざまな担当と取組を共有し、県の取り組み
になっているものもある。市町では実際に動きをつくるときに繋がって連携することもある。「みんな
一緒に」と言っても響かないので機関同士の連携はいまはない。
【緊急対応必要となったときのマニュアル等で基準示しているか?】
マニュアルはない。フリースペースの交流会では事例をだして、対応の仕方を文書にして蓄積して、共
有している。フリースペースは行政の制度ではなく、保護者との契約で来ている。親の責任で対応はボ
ランティアがしていることを承諾していただいている。あくまで民間の居場所。ただ福祉の専門職がい
るので、発見したことは自治体に伝えるとは言っている。官民連携での運営となっている
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(143ページ)
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変更後 · 143ページ【児童相談所の介入や措置になると、行政との関係がきれてしまい、その後支援が届かないこともある。
孤立しないように民間が場所を作り続けてくれるような、よるべのない状態やまたそこを頼ることはある
か?】
実際にそうなっている。子供にとって繋がっている人がいることと勝手に入ってきても知っている人が
いる場所があることは大切なこと。そのような状況を運営側が理解していることが重要。
措置になっても、学校の帰りに顔を出したり、保護が解除されてから祝ってもらった子もいた。
【継続的な支援の観点で考えると、子供、保護者へのメリットはどこか?】
多くは高齢者施設であること。普通に地域にある場所。子育て世帯の福祉の場所ではない。社会に一番
たくさんある高齢者施設であり、誰もが高齢者になったら行く場所。レッテルを感じることなく、行き
やすい場所というのが魅力である。児童に関わる様々な支援機関は守秘義務、繊細なことを扱うこと自
体が孤立しがち。専門職も含めて。そこを民間の取り組みは、孤立する取組じゃなく、広げている。広
げているからリスクもあるが、グレーゾーンといわれる見守り家庭にとっては貴重な居場所となってい
ると思う。
3-4.何らかの支援や介入が必要な家庭
に対する取組について
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機
関と連携していますか?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがあります
か?
・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞か
せください。
・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携し
て行うことが望ましいと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(144ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 144ページ食堂もフリースペースも活動者が多様である。支援介入が必要な家庭へのまなざしは、実践事例から障
害のあるお子さんや外国籍のお子さんなどもいる。多文化の子ども食堂とか、事例から広げていくとい
うのを大切にしている。
3-5.社会的養護、社会的養育について <質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援に
ついて、取り組んでいることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を
果たすことが望ましいと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
将来的に自分がこういう仕事がしたいとか夢をちゃんと広い選択肢の中で、自分は人生を選べると思え
ること、自分のよさを見つけられる人と出会いをたくさんすることが大事だと思っている。環境的にも
限られた情報しか得られなかったり、大事にはしてくれていても限定された中で生活しがちな子供たち
に対して、企業やボランティアと出会う、そしてちゃんと子供達との関わり方を大事にしてほしいとお
伝えしたうえで、早い段階から子供たちに関わってくれる人を増やす取組を、施設や里親と連携しなが
ら一緒に進めていくというのが、私たちの方向性です。さらにしっかりとやっていきたい。
【社会的養護、養育関わりについてはどうか】
社会資源にアクセスしづらい、地域づくりをしている人とひろくつながることが重要。
里親、ファミリーホームとか社会的養護の資源と結びつきを強くしていこうという取り組みは、えにし
のはじまりのところから大事にしている。施設、里親、企業、県社会福祉協議会、4者でやっている。
個別に横につながる、私たちと一緒にやることを施設側が強く言っている。リーダーがいて、一緒にや
ってきたということ。施設の自立支援委員の会議を県社会福祉協議会でやっている。
社会的養護は県の権限で行っている取組、市町の方はご存じないのではないかと感じることもある。
【市町の方にもご理解いただくにはどういったことが必要?】
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(145ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 145ページ当事者意識とか自分たちの町の課題だと思われないとなかなか情報があっても難しいのかもしれない。
いったん措置された人の課題は市町で、措置解除後の生活支援は地元の行政も社会福祉協議会も関わっ
てくる。そう簡単ではないと思っている。
【県内で関心を寄せている市町はあるか?】
そこまで情報はない。地元の出身地の方、施設のある自治体は意識が違うと思う。
3-6.支援に必要な人材や費用面の課題
について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
推進している県社会福祉協議会にも人材の質が必要。事実をしっかり把握して、関係機関との調整、交
渉、ソーシャルワークができる人材は大事。単に活動を続けましょうと言っているだけでは、動いてい
かない。課題をちゃんとみながら、取組を進めていこうと呼びかけていく人材が必要。費用面はもちろ
ん大事で、行政、企業とクラウドファンディングをしたり、お金を集めている。はぐくみ基金、えにし
基金等、制度でない取り組みをするときのために募ってはいる。行政に制度化を求め、独自の補助金等
の提案もしつつ、基金集めもしている。
そのためにエビデンスをきちんと出すべきだが、ここは弱いところ。アニュアルレポートを出していた
時期もあるが、いまやってないのでやっていかなくてはいけないと思う。
【ケースワークをやりながら、制度化や何らかの補助を提案することは高いスキルが求められる。専門職
の特別なスキルは必要だと感じるか?】
ニーズをキャッチし、共通することがあれば、枠組みつくる。そのときにどう動くか、構築できるか考
えられる力が必要。基本社会福祉協議会職員はそこが仕事だが、できていない部分も多い。共有できる
資料をつくり、エビデンスを共有できるようになる必要がある。
資格というよりはトレーニング、実践で積み上げること。人が変わっても同じ事を求められるので対応
していけないと組織としては役割を果たせない。
【ノウハウ、ケースに対して危機感など、共通できるツールはあるか?】
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(146ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 146ページツールはない。事例の蓄積が大きい。個別のソーシャルワークを県職員がすることは少ない。仕組みつ
くりはするけれど。パターンはあるが、そのときに使えるツールは分析・記録だと思っている。
【資格というよりは、機能、そこで働いている方がどんな役割果たせるかが重要ということか?】
共通のプロセスがあるような話、ソーシャルワークでは一定のプロセスをたどるが、資格がない、福祉
に関わってない人はイメージしにくい、援助のプロセスなどを知ることは重要だが、社会福祉士を集め
るのは市町のレベルでは難しい。
【専門職と一緒にやっていける方として、育成が可能になるのか】
滋賀の福祉人づくり、資格をもっているだけじゃなく、作っていきたい社会の本質、価値観、担当して
いることについての方向性みたいなものを基本的な力として持って行けるような研修、OJTが必要と
思っている。定期的な研修については県が持っている社会福祉研修センターでもキャリアに応じて、い
くつかはプログラムにいれている。受けているのは民間が多いが、それを共有していくというなかでそ
れぞれの機関の役割、機能について OJT で身につけていけると、実践の部分になにをしていくかという
ことがみえてくるのではないか。うちの職員も必要。いまそれができてない。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(147ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 147ページ事例12
貴自治体名 石川県・白山市
貴機関(部署)名 石川県庁 少子化対策監室 保育人材グループ
白山市 子ども子育て課保育係 マイ保育園担当
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内容に
ついて
石川県:少子化対策監室 2課体制で子ども政策課、子育て支援課がある
子育て支援課には4つのグループ 保育人材グループ(マイ保育園、在宅時育児家庭の支援、人材育成のための研修事
業)、保育施設グループ(保育所、こども園施設関係運営費、施設整備など)、家庭福祉グループ(ひとり親、虐待問
題)、母子保健グループ
白山市:健康福祉部こども子育て課(保育係、児童福祉係、こども育成係)
保育係(0-6 歳をカバー、保育所入退所、法人保育園等運営の補助金、給食指導、栄養士・指導保育士の保育所などへの
巡回指導、相談業務、公立保育所の運営、特別保育(一時・病児など))
1-2.スタッフについ
て(人数、有する資格、
等)
石川県:保育人材グループ 5 人、資格はとくになし、事務職
白山市:こども子育て課 23 名 保育係 10 名 事務職 担当課長と能戸は保育士資格、子育て支援コーディネーターの資
格あり
2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について(子育
て世帯全体か/特定の世帯か、対象となる
子どもの年齢、一年間に支援を行う平均世
帯数、等)
石川県:
マイ保育園は、制度の発想の発端は保育所、認定こども園通う子も通っていない子も含めて支援してい
こうという考えのもと始まった。エンゼルプランを5年ごとに作成、すべての子育て家庭を対象として
いる
白山市:就学前の 0-6 歳、約 6700 人前後の子どもがいる。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(148ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 148ページ2-2.支援のための体制について(他部
署や他機関との連携体制、等)
石川県:少子化対策監室は保育所と認定こども園担当、幼稚園は担当はまた別。連携先としては、私立
幼稚園は私学担当部署、公立幼稚園は教育委員会担当となっているため。
白山市:支援のための体制では、児童相談所とつながっている子ども相談室(市の機関)、虐待や養育
の相談を受ける機関だが、そことの連携は強く行っている。
母子保健担当課、白山市独自の発達相談センター(発達の相談を行う機関)、障害担当課、利用者支援
として子育て支援包括支援センターなどと多岐にわたって連携している。
障害、発達、母子保健、虐待 その都度ケース会行っている。
2-3.支援の内容について 石川県:マイ保育園制度は、17 年度から開始。妊娠期から未就園の子の保護者対象。保育所、認定こど
も園から選んで登録、妊娠中だったら、育児体験、育児中なら、一時預かりサービス、相談できるサー
ビス。制度に付随して、子育て支援コーディネーターを 3 日研修で養成。対象となる家庭に対し、支援
プランつくってもらう。当初の想定は介護のケアプランの育児版、子育て版、何曜日にどういうサービ
ス使おうか、継続的にやっていこう、プラン作成行っているのがマイ保育園の子育て支援コーディネー
ター。在宅育児家庭通園保育モデル事業は平成 27 年度から。0-2 歳は保育の必要がなければ通園せず自
宅での子育てであるが、そういう家庭でも子育て支援は必要じゃないかとの考えの元、定期的に通園で
きるしくみをつくった。週2,3回選んだところに定期的に通園、モデル事業の効果検証中。
【メリットは?】
2つの在宅モデルあるが保育の必要性がなく、母と子が一対一の時間が長い。子どもは他の子や親以外
と関わり合う、家族以外の関わりで成長がみられる、親も保育士と関わることでリフレッシュの機会に
なる。
白山市:県の方がお話ししてくれた内容を実行していくのが市の役割。マイ保育園に参加している全園
40 か所で登録できる。母子手帳交付時と出生届提出時、2回、マイ保育園登録を促している。
プランの作成は希望というよりは、園で定期的にみてあげたほうがいいと感じた子に対し、コーディネ
ーターがついて作成している。全員ではない。困っている人や、継続してみていく必要性のある人の
み。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(149ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 149ページ【マイプラン作成の必要性の判断は誰が行うのか?】
マイ保育園登録後、施設開放でのなにげない会話のなかで、不安感がつよいなと感じたときに。主任な
どのコーディネーターが、母子の状態をみながら勧めていく。
【マイ保育園の選ぶ基準は?】
どこでもOKだが、共働き多く、家の近くや将来通うと思われるところを選ぶ家庭が多い。入所までの
制度で、育休あけ1歳からの入所が多いので、同じところに通園となることが多い。マイ保育園のよさ
は、事前に通っておくと、保育士などと知り合いになれること。ころころ変える人はあまりいない。
【0-2 歳で、保育園に入園せずに子育てを継続していく人はいるか?】
白山:幼稚園に通う人もいる、そちらに通う予定の人もいる。幼稚園でもマイ保育園ある。近くのマイ
保育園で過ごして、別のところに行く人も少しはいる。
マイ保育園は登録制なので、保護者からのアプローチがないと支援できない面がある。市としての支援
はマイ保育園だけではない。ほかにファミリーサポート事業、広場事業、児童館も整備している。マイ
保育園の登録率は 6 割くらい。0-2 歳児の在宅児童が登録している。
2-4.支援の効果について 白山:保育園に通っていないお子さんの支援としては有効。遊び場の提供、育児情報共有、施設開放に
いくことで自分の子がどのくらいの育ちなのかを確認できる、同じ保育士に育児相談できるので、不安
の解消につながっている。虐待や障害など特別な支援が必要と思われる家庭の発見にも若干つながりや
すいかも。
2-5.今後の課題について 石川県:待機児童はいないが、保育士の確保問題が大きい。年度途中の入所が難しい。そのなかで、在
宅のお子さんの支援が、人員に余裕がないなかで、事業をどこまで負担してやってもらえるのか。コロ
ナで外部からの出入り、気を使っている中で。園開放などでご苦労、ご負担かけている。
【保育士確保の取り組みは?】
石川県:新卒保育士確保として、就職フェア、説明会をやっている。養成校学生と保育所との出会いの
場の説明会年1回行っている。養成校学生向けの修学資金貸付など新卒対策。保育士・保育所支援セン
ターで再就職マッチング、国の制度だが現場の保育補助者の費用の支援をしている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(150ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 150ページ白山市:マイ保育園の利用は6割程、申請制度なので、出向いて下さる方となっており、すべての方じ
ゃないことは課題かなと感じる。母子保健、児童相談所、相談機関との連携は大事だと思う。保育士確
保は切実な問題。非常勤や派遣を雇うなど苦労はしている。
【来ない人に対してのアプローチは?】
白山市:母子保健等との連携により、不安感が強いと感じられる方については、マイ保育園登録や相談
機関へつなげることがある。虐待が疑われるケースについては、どこに入所できるかという調整になる
ことが多い。児童相談所関係は転入してくる方も多く、市町や県をまたいで連携はしている。定期健診
にこない人の把握はしている。
【全県的にはマイ保育園の登録率は?】
石川県:6-7 割の登録率となっている
【登録の割合をみての課題とは?】
石川県:開始から徐々に伸びてきている。去年、エンゼルプランの改定年だった。県民の意見交換の場
や有識者からは、マイ保育園を知らない人もいるのではないか、という声を聴いた。登録は任意だが、
まだ認知が足りない。今年度からは周知の強化を市町にお願いしている。妊娠届でチラシをはさむだけ
ではなく、全戸訪問、健診でもっと周知していきたい。
【要支援と把握しながら、プランを立てるのはどのくらいあるのか?】
白山市:昨年度で子育て支援プランは全体で 74 件あった。複数回も含む。不安感あり、問題解決プラ
ンの作成は昨年なかった。通常年に1、2件程度。
【登録していない4割について、要保護児童対策地域協議会との関わり、子育て広場とか拠点の事業、フ
ァミリーサポートとか地域の資源と密接に結びつくようになったことについて。】
白山市:マイ保育園を登録している方で、育児相談等から、要保護児童対策地域協議会に繋がったケー
スもあり、逆に要保護児童対策地域協議会で、発信できない保護者が保育所等とつながるアプローチを
するケースもある。本来なら入所調整できれば良いが、地域によっては、空きがなく入所ができないこ
ともあるので、まずはマイ保育園、一歩進めて在宅モデルにつなげるようにしている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(151ページ)
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変更後 · 151ページ保護者支援の資源を知るということについては、2.3人目になると、保護者が把握していることが多
い。1人目の場合は、マイ保育園登録で施設開放等にいくことで、こんな支援もがあると知ることはで
きると思う。育児教室や講演会、栄養士・保健師による相談会を行い、不安の芽を摘む、見つけること
を大切にして繋がっている。
【保育所の職員の意識の変化は?】
白山市:県の子育て支援コーディネーターの制度はまさにひろめていく存在。園にたくさん配置されて
いる。多いところで、5,6 人くらい、園によっては 1、2 人、毎年、5~10 人くらい県の研修を受けて
いる。
【マイ保育園と在宅育児通園モデル事業との使い分けについて】
石川県:家庭の困り感、不安感によって、使い分ける。
マイ保育園は不定期な利用、保育計画つくることもない。一時預かりスペース、園開放にはいる感じ。
在宅育児通園モデル事業はコンスタントに、在園児と変わらずに保育計画をつくり、保育室で一緒に保
育するので、家庭のニーズと保育園の意向もふまえて使い分けていただく。
3.2に関する詳細として、さらに、以下の点に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。
3 - 1 . 全 て の 子 育 て 家 庭
や、より多くの家庭に対す
る支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えますか?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行っている場合、その取
組の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
白山市:全世帯に向けた相談事業については、子育て世代包括支援センターが立ち上がっており、子どもに対する支
援は一括して、請け負っている。
困難がそれほど大きくない家庭は、マイ保育園登録は自分の園を決めておくという目的が多い。困難があるから登録
するものでもない。はじまった頃、自分にも子どもが生まれ、園から誘って頂いて、困難を感じて登録したというよ
りかは子どもが通う園をみておこうかな、という気持ちで気軽に登録していた。マイ保育園でカバーしている部分は
大きいと思う。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(152ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 152ページ石川県:マイ保育園は、すべての子育て家庭を対象としているもの。困難さ、緊急性ではない。制度を知っていただ
く、まだ 100%できていないので、まずそこをカバーする
【だれでも使えるという心理的ハードルを下げているのはいい。利用されている声、効果、手ごたえは?】
白山市:登録していただくことで、コーディネーターとの関わりは強くなるので、施設開放は月1、2回と少ない
が、顔見あわせていくうちに、育児相談がしやすい関係性ができる。関係性ができていることで、入所後も不安のハ
ードル下がるのではないかと思う。不安が強い保護者にはもう一歩先行く支援につなげている。在宅モデルにつなげ
て、保護者が落ち着いた例もきく。
【お子さんの立場でどんなことをきいているか?子供にとってものメリットは?】
白山:家庭保育は密室になりがち、一人目だと育ちがあっているのか不安。施設見学で各年齢のクラスにはいること
もあり、2歳なら2歳のクラスに一緒に入ることで、成長に合わせた遊びや同年齢の子どもとの関わりを体験できる
ので、おうちにはない遊びの楽しさを感じることができる。子どもの目がいきいきと輝く姿を見ると嬉しく思う。
【母子保健との連携で子育て支援包括センターがあって連携してるとのこと。市区町村家庭支援センターも設置が推進
されているが家庭福祉版と子育て支援包括支援センターに一体的に運営されているのか?】
白山市:一体的に運営されている。母子保健との連携はとりやすいのか、同じようなケースを取りまとめてできるの
はあるのかなと思う。担当ではないので、くわしいことはわからない。
【マイ保育園を他で取り組むときのアドバイスなど】
白山市:周知がなかなか大変だったと思う。妊娠して、登録しようという基盤をつくるのがまず課題。受け入れる側
の保育園に理解してもらい、事業として取り組んでいく基盤をつくるのは大変だったのではないか。保育士不足のな
かで、保育士を当てることが難しく、理解して園に実施してもらう、必要なことだと感じてやってもらうのが大変な
のかなと思うが、白山市はもともと公立が多かったこともあり、子育て支援に力入れてくださっていて、理解があ
り、登録園数も多い。周知と実施園の理解が、マイ保育園を始めるにあたってのハードルなのかなと思う。
【利用者支援着業の子育てプランとマイ保育園のプランの違いは?】
白山市:利用者支援事業については詳しくはわからない。関わっていないため。利用者支援事業も広場であったり、
そのへんの重なりあるのであれば、一緒にみておく必要あるかもしれない
【子育て支援コーディネーターのプランをつくることによって、体型的な支援できていると感じるか】
白山市:入所しているお子さんは、計画を立てて支援ができる。マイ保育園の子育て支援プランは、保護者に理解し
ていただき作成しているので、目標が見える点で、良いと思う。マイ保育園は登録しても、毎回施設開放等に来るわ
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(153ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 153ページけではないので、プランを作成することで来ていただく頻度、機会増える。お子さんを専門的な目でもみるので保護
者の安心につながると思う。
3-2.子どもへの支援、子
どもの年齢による介入の違
いや難しさ等について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している点や、日ごろ感じ
ていること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源がありますか?
白山市:乳幼児に関しては、保護者支援に重きがある。年齢による介入の違いは感じる。0-2 歳児は保護者支援が重
要。3-5 歳児は子ども同士の関わりによる困り感増えてくる。年長児に関しては就学を控え、学習面が関わってくる
ため、一歩難しくなっていくのはあるかと感じる。
【子育て支援コーディネーターのプラン一度作成したあと更新されるのか?】
白山市:マイ保育園のプランなので、入所後は終了。保育園で引継ぎはとくにない。
【入園と同時になくなるのはどう思う?】
白山市:入園した後は保育計画の作成を行う。マイ保育園で同じ園のところに通えば、支援プランを参考にすること
はあると思うが、引き継ぐわけではない。他の園に通う場合は支援プランを渡すことはない。要保護児童対策地域協
議会案件などは、入所前にケース会議があるので、プランを引き継ぎの参考資料とすることはあるかもしれない。
【保護者支援はどういう内容が多いのか?】
白山市:0-2 歳の支援はまさに寄り添うのが一番の支援だと考えている。一緒に育てている仲間だよ、と安心感をも
ってもらうことが大事。お母さんの気持ちに寄り添うことを大切にしている。3-5 歳はマイ保育園とは離れて現場の
話になるが、育ちが明確に見える時期。友達とのかかわりの中での困り感、特別な支援の必要性、教育的なサポー
ト、発達の相談等、支援は多岐にわたる。どこにつなげるのかなど幅広い支援が必要になると感じている。
就学に向けては、発達の遅れの面で小学校との連携等の支援をしている。
3-3.多機関連携や情報共
有、スキルアップ等に関す
る取組について
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあればお聞かせくださ
い。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
・自施設の職員に対して、他機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(154ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 154ページ・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマネージメントや情
報共有のための)
・上記のような機関に対して、自施設の専門職等を派遣する等の取組がありますか?
白山市:連携はとくに虐待については不可欠。在宅のお子さんを見守る機関が必要なため。虐待の研修、ケース会議
を行い、保育士と担当課の連携で巡回、ケース会議して情報共有を行っていかなくてはいけない。そのへんはきちん
と体系立ててやっている。
石川県:現状、子育て支援コーディネーター養成研修とは別にフォローアップ研修を年1回やっている。3日間のう
ち1日は母子保健分野の研修、要保護児童対策地域協議会の職員向け研修との併催ということで虐待とか母子保健と
かいろいろな分野の事例検討をする研修もなかにはある。個々のケースというわけではなく、全般的な話として他の
職種と連携の意識付けになるのでは。
フォローアップ研修は自発的、任意参加。具体的な数字ではないが1年に 50 人前後が参加。子育て支援コーディネー
ター養成はいま 1700 人を超える方に修了書証をだしている。
【フォローアップ研修で要保護児童対策地域協議会との併催と言っていたが、子育てコーディネーターが要保護児童対
策地域協議会の会議に出席するのか?】
石川県:個々のケースの話があったときに、その場に参加している例があるのはきいている。
3-4.何らかの支援や介入
が必要な家庭に対する取組
について
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機関と連携していま
すか?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがありますか?
・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞かせください。
・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携して行うことが望ま
しいと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(155ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 155ページ白山市:入所していれば、子どもや保護者の状況の確認が可能なので、課題の把握はしやすい。入所していない場合
の課題はなかなか吸い上げられない。マイ保育園等で家庭からの相談を吸い上げる必要あると思う。保護者からのア
プローチがないと動けないところがあるので、母子保健担当課との連携が不可欠。生まれてから数カ月は母子保健が
担当するため。母子保健で健診以外にも相談事業をやっているので、不安抱えているなと連携して知ることができれ
ば、保護者に寄り添えるのかなと思う。
【どのような状況等があれば一歩踏み込んだ支援ができると思うか?】
白山市:私は実際現場で働いていて、こども子育て課に移動で配置されている。現場を知っている人間が課のなかに
いることで、現場とのつながりが深くなっている。母子保健課に保育士の配置などいろんな人がいることがいいと思
う。現場とつながることは大事だと思う。
石川県:少子化対策監室に母子保健の係と子育て支援の係がいるのはいいと思う。石川県では平成 18 年度から、母子
保健に関する業務を健康推進担当課から移管した。市町では連携難しいと聞いたことある。ひとつの課にあるのも大
切。現場の人がいるのも大事と思う。
【同じ課にいることのよさ、大変さとは?】
石川県:お子さん、保護者への一連のスタートは母子保健なので、お互い共有してわかっているのはいいこと。とく
に難しいことはない。県では直接、住民と関わらないのでわからないこともある。市町で一緒なのはあまり聞いたこ
とがない。包括支援センターを立ち上げたときは連携してやっているところもある。
【マイ保育園と在宅育児家庭通園モデル事業について、評価はどうされているのか?または今後の予定は?】
石川県:マイ保育園ではとくに検証、評価はしていない。市町が実施主体の事業として定着して取り組んでいただい
ている。在宅育児モデルはご利用頂いた保護者のアンケート調査している。県立看護大学の先生と制度はじまったと
きから効果検証、インタビューとかの調査やっている
よかったという声はあるが、不安の解消できたかについては、サービスを使っていない場合との比較を学術的に数字
で示せるところまで至っていない。
【事例集等、取り組みをまとめたものはあるのか?】
白山市:市としてはしていないが、子育て支援センターでは、マイ保育園登録者数とりまとめて、相談内容まとめ
て、報告書を出している。どういう相談があったかを項目あげて、数字にしている。
【子育て支援コーディネーター同士の地域別などで情報交換は定期的に行っているか?】
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(156ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 156ページ石川県:フォローアップ研修以外にはとくにない。
白山市:いまのところやってないが、いま聞いてそういうこともあるのかと思った。
【母子保健と児童福祉の一本化について】
白山:難しい。利用者支援事業は連携しており、強化していく段階ではあるが、一本化は難しいと思う。
石川県:それぞれの自治体の成り立ちがあるので、どちらが最適であるとは言えない。
3-5.社会的養護、社会的
養育について
<質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援について、取り組ん
でいることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を果たすことが望ま
しいと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
【措置解除になったお子さんなどの連携は?】
白山市:児童相談所、要保護児童対策地域協議会の関係で必ず連携する。途中入所は難しいが、まず入所や見守り機
関を設ける。現場に任せず、要保護児童対策地域協議会・課・保健師が連携し、受入れ施設が抱え込まないようにし
ている。
【里親支援は、児童相談所との連携、フォスタリング機関との連携は?】
白山市:里親は地域にいるので、保育施設への入所は日常的にある。里親だからということで、現場では区別はあま
りしていない。普通の家庭と同様に、支援はかわらない。
3-6.支援に必要な人材や
費用面の課題について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(157ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 157ページ石川県:保育士確保以外、とくにない
プラン作成への財政的支援については、県と市町と折半となっているが、金額面を現場でどう思われているかはわか
らない。
白山:人材確保が費用面で難しい。白山市は山麓地帯を抱えており、規模の小さい園は経営が難しい。マイ保、在宅
育児にしても、補助金額は大きいものではないので、各園の努力でやっている部分が大きい。
【マイ保育園の対象 40 園内訳】
白山市:公立6 私立6 認定こども園法人 18、公立幼稚園 1 私立幼稚園 5 小規模保育所 4 子育て広場 1(公
立幼稚園の中に、小規模保育所が入っているため、総計が異なる。)
【在宅育児通園モデルはこども園 18 園で実施している?】
白山市:全園でできていないのが現状。その年によってできる園、できない園ある。このところは 10 園くらいで推
移。最大週 5 日。保育士の確保できるところにやってもらっている。また、対象児童の有無も関係している。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(158ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 158ページ事例13
貴自治体名 大分県
貴機関(部署)名 福祉保健部こども・家庭支援課
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内容について ・行政機関 主な業務は関係法律の施行に関すること、政策立案、予算、人事など
・部内の子育て関係部署は複数にわたる
• こども・家庭支援課:要保護児童、ひとり親家庭等に関すること
• こども未来課:子育て支援サービス等に関すること
• 健康づくり支援課:母子保健に関すること
• 障害福祉課:障がいのある子どもに関すること
1-2.スタッフについて(人数、有
する資格、等)
・すべての職場に、行政事務職員を配置しているが、下記職場は専門職を配置
・こども・家庭支援課:児童福祉司経験者、心理職
・健康づくり支援課:保健師
2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について
(子育て世帯全体か/特定の世帯か、
対象となる子どもの年齢、一年間に支
援を行う平均世帯数、等)
・対象:すべての児童。課ごとに子育て世帯、要保護世帯、要保護要支援世帯などにフォーカスしている
・世帯数:県下の子育て世帯の総数
2-2.支援のための体制について
(他部署や他機関との連携体制、等)
※特にコメントなし
2-3.支援の内容について ※特にコメントなし
2-4.支援の効果について ※特にコメントなし
2-5.今後の課題について ※特にコメントなし
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(159ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 159ページ3.2に関する詳細として、さらに、以下の①~⑥に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。具体的な内容については、<質問例>等も参考
にしていただければと存じます。
※全てご記入いただく必要はございませんが、貴機関での活動と関連する内容については、できるだけご記入いただけますと幸いに存じます。
3 - ① . 全 て の 子 育 て 家 庭
や、より多くの家庭に対す
る支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えますか?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行っている場合、その取
組の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
【大分県の特徴的な取組】
・ヘルシースタートおおいた:妊娠期から乳幼児期等のライフステージごとに母子が受けられる医療、福祉、保健サー
ビスを整理し、支援が必要な家庭を関係機関につなげるための全県的な連携の仕組み。
・ペリネイタルビジット等による妊産婦の精神的支援、いつでも子育てほっとライン、ホームスタート、その他さまざ
まな保育サービスが「全ての子育て家庭や、より多くの家庭に対する支援」として位置づけられる。
3-②.子どもへの支援、子
どもの年齢による介入の違
いや難しさ等について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している点や、日ごろ感じ
ていること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源がありますか?
※特にコメントなし
3-③.多機関連携や情報共
有、スキルアップ等に関す
る取組について
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあればお聞かせくださ
い。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
・貴機関の職員に対して、多機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマネージメントや情
報共有のための)
・上記のような機関に対して、貴機関の専門職の方等を派遣する等の取組がありますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(160ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 160ページ・要保護児童対策においては、市町村要保護児童対策地域協議会を中心に取り組みを行っている:
• 要保護児童対策における他機関との情報共有・連携のために、平成 24 年度から市町村要保護児童対策地域協議会
の活動強化を図った。
• 具体的には、①児童相談所による市町村要保護児童対策地域協議会の支援(実務者会議の毎月開催による進行管
理、実務者会議には、児童相談所の地区担当SVと児童福祉司が必ず参加)
• 共同管理台帳による情報共有。台帳には市町村・児童相談所が支援の対象としている子どもすべて(令和 2 年 8 月
段階で 2,140 名)を搭載しており、市町村・児童相談所が双方で管理している。(市町村のケースであっても県が
責任を持つというスタンス)搭載されているケースは、主に関わる機関がどこかを明確に定め、具体的な支援計
画を立てる。大分県の特徴。
【市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について】
・連携の基本になっているのは共同管理台帳。関係者で確実に情報共有をし、支援計画を具体的に決めている。
【多機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等】
・市町村要保護児童対策地域協議会は3層構造
1. 代表者会議(自治体の会長・市長などトップの人たちが方向性を確認)
2. 実務者会議(毎月開催、全ケースの状況を確認し、支援の主担当を決める)
3. 個別ケース会議(ケースの状況に応じて、適宜開催)
勉強会・研修会についても、市町村が要保護児童対策地域協議会のメンバー対象に実施するほか、児童相談所は①市
町村保健師対象 ②教職員対象 ③警察との合同研修などを行っている。
【保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携】
・市町村要保護児童対策地域協議会を中心に連携。実務者会議には教育委員会が必ず出席し、適宜開催される個別ケー
ス会議は保育所や学校等が個別に入る。
【貴機関の専門職の方等を派遣する等の取組】
・実務者会議には必ず児童相談所の職員が最低2人(担当地区のスーパーバイザーと地区担当のケースワーカー)参加
し、ケースの見立てや動きについて児童相談所の専門的な見地からアドバイスをする。要保護児童対策地域協議会に
は警察なども参加している。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(161ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 161ページ3-④.何らかの支援や介入
が必要な家庭に対する取組
について
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機関と連携していま
すか?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがありますか?
・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞かせください。
・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携して行うことが望ま
しいと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
【子育て世帯の抱える課題の把握】
・一番初めに課題を発見するのは妊娠の届出のとき。保健師が母子手帳交付に併せて妊婦から聞き取りを行う。ポピュ
レーションアプローチとして、全員に母子保健サービスについて説明するが、出産前から支援が必要な妊婦は、特定
妊婦として市町村要保護児童地域対策協議会の共同管理台帳に搭載し支援を行う。こうした妊婦については、産婦人
科医師からも市町村保健師に直接連絡がある。(ペリネイタルビジット(大分トライアル事業)。県産婦人科医会で
は、特定妊婦の発見と支援を徹底している。
・子どもが生まれた後は、産後ケア事業の利用等で支援を求めてくる人をまずキャッチ。併せて「こんにちは赤ちゃん
訪問」(生後 4 か月くらいまでに赤ちゃんのいるすべての家庭を保健師等が訪問)で把握。
・就園後については、県独自で養成を行っている保育コーディネーター(虐待や貧困など配慮が必要な子どもや保護者
に対して専門的な支援を行える保育従事者)が、保育園で配慮の必要な子どもやリスクのありそうな家庭をキャッチ
し、支援や助言を行ったり他の専門機関につなぐこともある。
・子育て世帯の抱える課題を、訪問、乳幼児検診、保育所等の所属の取り組みなど、様々な段階で細かくキャッチし、
必要な支援につないでいくことが必要。大分県の取組は、まだ不十分な点もあるが、悪くはないと思う。
・24 時間 365 日対応のフリーダイヤルでの子育て電話相談を実施している。有資格者が、子育てに関する相談を受ける
【乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援】
・市町村の保健師が中心に支援。児童福祉担当との連携が必要なケースは、市町村要保護児童対策地域協議会の共同管
理台帳に搭載。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(162ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 162ページ・市町村要保護児童対策地域協議会がベースとなって情報を集約し、構成機関が守秘義務の下で情報交換をし、必要な
支援を役割分担により行っているというイメージ。
【保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援】
・虐待までは至らないまでも子育てに悩んでいる家庭は多い。ここに対しては、ポピュレーションアプローチとして、
相談者が心理的に負担を伴わずに相談できる機関が支援を行うのがよい。家庭環境や子どもの発達課題がある場合な
どフォーカスされてきたり、虐待の発生など状況がより深刻になった場合は、専門機関で支援するのがよい。
【産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等】
・産前産後母子支援事業は平成 30 年から実施している。ハイリスクの母子に産前から入所してもらい、無事出産につな
げてその後の支援を行う。入所期間中の具体的な支援、退所後の支援等については別に送付する資料にて。母子入所
に至るのは年間 10 件未満だが、ケースの抱える課題は大きい。単なる制度の利用だけでは解決しないソーシャルワー
クが必要なケースを産前産後母子支援事業で対応している。
【母子保健と児童福祉の連携】
・ヘルシースタートおおいた、ペリネイタルビジット、大分トライアル等を参照。特徴的な点は、一般的には市町村保
健師だけが担うイメージのある母子保健分野に小児科・産婦人科・精神科の積極的な協力的が得られる仕組みが整っ
ている点と、児童福祉担当課との連携も行っている点。
・情報共有や支援の面からも、母子保健と児童福祉は緊密な連携、若しくは一体的に実施した方が効果的と思われる。
【支援拠点としての多機能化】
・令和2年度より別府市子ども家庭総合支援拠点支所となっている。令和元年度実績(延べ日数)としては、ショート
スティ 487 日、トワイライトスティ 72 日、児相児童相談所の一時保護委託 198 日、里親レスパイト 229 日。また、
発達障害を持つ親の会、別府子ども福祉塾、児童館との共催による地域交流事業、母と子のサークルを実施してい
る。(大分県 別府光の園 光の園子ども家庭支援センター)
3-⑤.社会的養護、社会的
養育について
<質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援について、取り組ん
でいることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(163ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 163ページ・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を果たすことが望ま
しいと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
・全国に先駆けて里親委託に取り組んできた。里親委託率は令和元年度末で都道府県別では全国第 6 位。養育里親のみ
ならず、医療機関との連携による特別養子縁組、里親・養子制度の周知にも取り組んでいる。
・里親委託の推進に合わせ、児童養護施設の定員削減・小規模化も推進。15 年前に比べ、児童養護施設の定員を 150 名
程度削減し、その枠はすべて里親が吸収。児童養護施設 9 ヶ所のうち、8 ヶ所は地域分散化ととも本体施設のグルー
プケアを進めている。いずれも定員は 30~40 名程度と小規模。なお、大舎制施設は 1 箇所だが、定員は 35 人。令和
3 年度中に改築予定。
地域の児童福祉の拠点となるべく「社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)」をキーワードに相談支援、一時保
護、地域支援、ネットワーク構築を中心に事業を実施。令和元年度実績(延べ日数)としては、ショートステイ 124
日、児童相談所からの一時保護委託 178 日、里親レスパイトケア 58 日。他にもペアレントトレーニング、児童相談所
からの指導委託、家族再統合プログラムを実施。他にも中津スペシャルケア研究会(月 1 回)や家族支援に関する合
同研修会の事務局も担当し地域支援にかかわっている。(大分県 清浄園 児童家庭支援センター「和」)
里親リクルートのため、中央児童相談所に里親リクルート活動員を 1 名配置している。また、今後は県内 4 市に家庭
養護推進員を各 1 名配置し、里親制度の更なる普及啓発と里親リクルート活動のための取組を行う。
【地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組】
・平成 29 年に大分県里親会・大分県児童養護施設協議会・大分県ファミリーホーム協議会等を会員とし、「大分県社会
的養育連絡会」を設立。会員相互の連携の強化と効果的な活動の推進を図っている。具体的には、合同研修会の開
催、児童虐待防止月間のキャンペーン活動実施など。児童相談所とも連携。
・県の児童養護施設 9 ヶ所のうち、3 ヶ所の児童養護施設が児童家庭支援センターを設置し、施設機能の多機能化を図
っている。いずれのセンターも、ソーシャルワーク機能の充実を図り、児童相談所からの指導委託(各センター12 ケ
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(164ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 164ページース以上)を受けているほか、市町村要保護児童対策地域協議会にも参画し在宅支援に取り組んでいる。また、2 つ
のセンターでは夜間預かり機能を付設し、ショートステイや里親レスパイトを行っている。
【一時保護施設や養護施設は、十分な質や量が担保されていると思うか】
・著しく不足しているという状況ではない。しかし、児童相談所といった閉鎖的な場所での一時保護は、今後なるべく
少なくしていかなければならず、児童養護施設における一時保護専用施設の整備拡充も必要と考える。(R2 年度末
現在は、一時保護専用施設は 1 ヶ所のみ)
・大分県の一時保護所の平均入所期間は 3 週間程度であり、最低限必要な期間の一時保護で対応している。また、児童
相談所で一時保護中の子どもは原則登校できないため、子どもの教育権保障の観点から、現役の小中学校の教諭(常
勤 小・中各 1 名)を県教育委員会から児童相談所に派遣している。子どもが利用する専用グラウンドも整備してお
り、日常生活において不要な規則がないかなどの見直しも行った。また、児童相談所一時保護所に、毎週、独立アド
ボケイトが訪問し、子どもの意見表明権を支援している。一時保護の質は、かなり良いと思われる。
【親子分離後の家庭支援】
・親子分離後の家庭支援は課題。すべてのケースについて、家族支援プログラム等の実施ができる状況にはない。大分
県では 3 ヶ所ある児童家庭支援センターに対して年間 35 件ほどの指導委託を行っている。特に、大分県中津市にある
「和(やわらぎ)」という児童家庭支援センターは、家族支援に早くから取り組んでおり実績を上げている。こうし
た民間団体の活動に、大いに期待している。
【措置解除後の子に対する何らかの支援】
・【家庭復帰ケース】
児童相談所は措置解除後、最低6か月は毎月の定期訪問や児童相談所への通所により、安全な生活が送れている
か、不適切養育の再発等がないか、親子関係の状況などを確認している。問題なければ、6 ヶ月経過後は、地域の
支援や見守りに委ねている。スムーズな地域移行が必要だが、地域の養育にかかる社会資源不足も感じる。
・【社会的自立による措置解除】
おおいた児童アフターケアセンターを設置している。措置解除前に解除後の継続支援計画を作成。必要に応じて、
子どもが生活していた施設や里親と協力して支援を行う。退所児童はもとより、必要に応じて里親等からもアフタ
ーケアの相談に乗る。
・退所児童同士の交流機会など、ピアカウンセリングの場を設けることが今後の課題。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(165ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 165ページ【社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題】
・子どもの権利擁護について
社会的養護の質の向上に必要不可欠だが、継続した取り組みが必要。令和 2 年度に「子どもの権利擁護に係る実証モ
デル事業」を開始した。一番難しいと感じているのが、独立型アドボケイトの仕組みを里親やファミリーホームに根
付かせることではないかと感じる。。里親やファミリーホームは「家庭」という個別性の強いところで行われる公的
養育であり、そこにいきなり「独立型アドボケイト」という仕組みをパッケージを持ち込むと、どうしても養育者に
拒否反応が起きてしまう。子どもにとって大事なことで、きちんとやっていく必要があるのだが、個別性の強い家庭
での養育の営みにジョイントさせていくのには色々な工夫がいると感じている。
・新たな社会的養育体制の構築では、母子保健や保育などすべての子育て世帯が享受可能なサービスと、ひとり親や要
保護児童世帯に対する支援とは大きく離れている。中間というかその間のサービスがない。(一時保護した後、家庭
復帰した場合の地域サービスの不足は、この点からも伺える)
3-⑥.支援に必要な人材や
費用面の課題について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
【人材についての課題】
・大都市など労働人口が豊富で比較的若者の多い地域はともかく、大分県のような地方の過疎県では、人材不足が深
刻。県内でも小さな市町は専門職の確保が難しい。たとえば要保護児童対策地域協議会調整機関の職員は専門職とさ
れているが、町村で確保できる専門職は保健師に限られる。高齢者や母子保健領域で活動している専門職を児童領域
に配置するなどかなり苦労した。また、配置されても、児童のソーシャルワークに専念できるわけではなく、多くの
市町村で児童関係事務も抱えており、多忙を極めている。市町村の児童福祉分野の人材確保支援をどうすべきかにつ
いて、真剣に考える必要がある。
【費用についての課題】
・ショートステイは在宅支援に必要なサービス。子育て支援サービスに日中のサービスメニューは様々あるが夜のサー
ビスはほとんどない。ショートステイくらいだが、これも受け入れ先の確保が難しい。施設の多機能化・機能転換に
向けて、ショートステイを積極的に受け入れたいという児童養護施設はあるものの、体制整備(人員配置)が課題。
既存制度の柔軟な活用(一時保護専用施設の活用)や人員配置に伴う人件費の手当てなど対応が必要。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(166ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 166ページ・児童家庭支援センターは一般的にはソーシャルワーク機能だけを期待されているが、大分県の 2 か所のセンターで
は、夜間預かりもできる機能を付加している。在宅支援、里親支援等において、大きな力を発揮している。このよう
に、児童家庭支援センターが当該地域に必要な支援メニュー実施した場合に補助する仕組みがあるとよい。いうなれ
ば、児童家庭支援センターというアウトリーチ等を担う出城のようなもの。在宅支援にとって、非常に有効だと考え
る。国の制度の見直しをお願いしたい。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(167ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 167ページ事例14
貴自治体名 大分県中津市
貴機関(部署)名 子育て支援課/地域医療対策課
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内容
について
妊婦・母子支援としては、地域医療対策課では出生前後小児保健指導として電話相談や訪問、乳幼児健診こんにちは赤ちゃん
訪問(乳児家庭全戸訪問)、産科・小児科・精神科と母子支援連絡票を使用しての連携、母子保健連絡会、母子保健事業・養
育支援訪問事業研究会の開催を、子育て支援課では子ども家庭総合支拠点業務、要保護児童対策地域協議会(要保護児童対策
地域協議会)調整機関、家庭児童相談、母子父子自立支援・DV 相談、利用者支援事業、子育て支援事業(養育支援訪問、シ
ョートステイ、地域子育て支援拠点等)を行っている。
就学後の児童については、教育委員会や学校と連携し、子ども家庭総合支援拠点や要保護児童対策地域協議会等で対応し、支
援をしている。
1-2.スタッフにつ
いて(人数、有する資
格、等)
中津市子ども家庭総合支援拠点のスタッフは 9 名、うち正規職員 4 名、会計年度任用職員 5 名。
保健師が 2 名配属されているのが特徴(平成 31 年度~)。子ども家庭支援員が 3 名(元保育士や福祉職場経験のある元市職
員)。このほか、家庭児童相談員 1 名(元教諭)、利用者支援員 1 名、母子父子自立支援員 1 名、事務職 1 名の体制。
地域医療対策課は、子育て世代包括支援センター・母子保健担当に保健師が 9 名。
2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について(子育て
世帯全体か/特定の世帯か、対象となる子ど
もの年齢、一年間に支援を行う平均世帯数、
等)
令和元年度の子ども家庭総合支援拠点で対応したケースが 237 件で、内訳として情報照会 128 件、相談
助言 59 件、関係機関へのつなぎ・調整 50 件。(要保護児童対策地域協議会受理へつながったケース
114 件は除く)
令和元年度の要保護児童対策地域協議会が受理したケースが 388 件で、養護(虐待)が 202 件。平成 29
年度からの面前 DV や泣き声通告が市町村送致されるようになったため、心理的虐待(135 件)の割合
が増えている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(168ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 168ページ2-2.支援のための体制について(他部署
や他機関との連携体制、等)
関係機関との顔の見える連携づくりができている事が特徴。
社会資源として、医療機関では中津市民病院のほか、市内に小児科が 5 か所あり、中でも井上小児科の
井上登生医師は市における児童虐待防止支援のスーパーバイザーである。また、母子保健に関して、産
科・精神科の地域医療と連絡票や連絡会を通しての連携がシステム化している。医療型児童発達支援セ
ンターつくし園や、精神科も市内 3 か所ある。保育所や幼稚園等とは 5 歳児発達相談会などで定期的に
訪問している。地域子育て支援センター(拠点)も市内に 8 か所あり、連携が取れやすい。他にも、障
がい者等基幹型支援センター、相談支援事業所、児童発達支援事業所とも個別ケース検討会議や同伴訪
問等で連携している。県内に 2 か所ある児童相談所の中央以外のもう 1 か所は中津市にあり、連携も取
りやすい。児童養護施設は県内 9 か所あり、中津市内にその内 2 か所ある。さらに、児童家庭センター
和(やわらぎ)が地域にうまく入ってもらって支援を行なうことができている。
「顔の見える連携」の取り組みとして、一次、二次、三次予防を担う支援者が集う勉強会を長年行って
いる(スペシャルケア研究会、家族支援研究会、母子保健事業・養育支援訪問事業研究会、自立支援協
議会子ども部会)。特に、スペシャルケア研究会については、平成 8 年より立ち上げたもので、福祉、
保健、医療、教育分野で、社会的養護に携わる支援者達が月 1 回集まり、事例検討等を通して議論しあ
っている。研究会にはスーパーバイズとして井上医師が関わっている事で、関係者が同じ視点や方向性
を持って支援を担っていけている。
人事交流・他課との連携としては、母子保健の子育て世代包括支援センター担当保健師が、子育て支援
課との連携の要となっている。その保健師と子育て支援課保健師の人事交流が行われている。お互いの
業務や性格まで熟知しているため、支援の役割分担も配慮した上で行えている。
市民病院小児科に保健師が配属されているが、特徴として、看護部ではなく小児科付である事で独立し
て動ける体制がある。密な連携が図れている。
教育委員会とも階は違うが、常に連携した体制が図れている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(169ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 169ページ2-3.支援の内容について 母子保健の取り組みとして、平成 20 年度より乳児家庭全戸訪問事業を行っているが、外部委託は行わ
ず、市の職員がすべて対応している。3 か月に 1 回、地域医療対策課、子育て支援課、小児科医等、広
域医療圏の市町村保健師、基幹病院保健師、児童相談所、児童家庭支援センター等が一同に介し、訪問
の集計報告や困難事例の検討を行う母子保健事業・養育支援訪問事業研究会を実施している。母子健康
手帳交付時の段階より気になる妊婦をチェックし、妊娠初期よりフォローする等もしている。
中津市子育て世代包括支援センターを設け、総合相談窓口として教育委員会や子育て支援課とも連携し
てワンストップを心がけて支援を行っている。
子育て支援課に子ども家庭総合支援拠点を平成 30 年度より設置しており、9 名の専門性をもったスタッ
フで協力し、すべての子ども家庭の状況把握や相談支援、地域の社会資源へのつなぎ等の在宅支援を行
っている。
要保護児童対策地域協議会通告時は、母子保健との密な連携により、すばやく、赤ちゃん訪問や乳幼児
健診の母子保健情報を把握する事ができ、家庭訪問等の対応ができている。月 1 回の実務者会議で、新
規ケースをあげ、東九州短期大学松田順子教授や井上小児科院長井上登生医師によるスーパーバイズを
受け、支援方針を決定している。そして、児童相談所、市で受けた新規ケースについては、共同管理台
帳に登載して管理し、報告月を格付けして、協議や情報共有、支援方針の見直しを行っている。
2-4.支援の効果について 顔の見える連携により関係機関での情報共有が行いやすく、同じ視点でケースへの理解ができ、同じ方
向性で支援をすることができる。
2-5.今後の課題について 要支援段階に応じた支援について、中津市では要支援 2 と 3 でほぼ 9 割だが、今後、要支援 2 への予防
的な支援の体制強化が必要となる。
今後も、地域全体での見守り体制の強化を図る必要あり。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(170ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 170ページ3.2に関する詳細として、さらに、以下の①~⑥に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。
3 - ① . 全 て の 子 育 て 家 庭
や、より多くの家庭に対する
支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えますか?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行っている場合、その取
組の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
※特にコメントなし
3-②.子どもへの支援、子
どもの年齢による介入の違い
や難しさ等について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している点や、日ごろ感じ
ていること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源がありますか?
【子どもの年齢に応じた支援の工夫について】
就学前について、妊娠期から赤ちゃん訪問、5 歳までの相談会等で関わっている。就学後は教育委員会や SSW と連携
しているが、学校で難しいケースは子育て支援課に連絡があり、会議を通して支援方法を検討している。中津市では
子育て支援拠点を増やしており、現在 8 か所あるが、それぞれ特徴がある。お母さんたちが行く先を選べるようにし
ている。
母子保健に関して、母子手帳交付時からの関わりを大切にすることでお母さんとの関係を育めているとは思う。健診
未受診者でも、赤ちゃん訪問をしているので「お母さん久しぶりね」というような関わりが行える。
【学齢期の子どもへの支援の難しさについて】
未就学段階では特に問題のあるケースと思われなかった子どもが、思春期頃になって、勉強などで発達をベースとし
た困りごとが現れる場合があり、例えば学校では大人しいが家では暴れる、というケースが挙がってくる。就学前後
を繋ぐことに気を付けていきたいと考えている。支援拠点は、子ども全体を対象としている。そこで関わった人が入
学して、「あの時の人たちだ」というように顔が浮かぶ関係が取れるようにしていきたい。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(171ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 171ページ3-③.多機関連携や情報共
有、スキルアップ等に関する
取組について
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあればお聞かせくださ
い。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
・貴機関の職員に対して、多機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマネージメントや情
報共有のための)
・上記のような機関に対して、貴機関の専門職の方等を派遣する等の取組がありますか?
【情報共有ツールについて】
情報共有について、共同管理台帳を用いることでケースの管理がしやすくなっている。
【市区町村と児童家庭支援センター、児童相談所との連携について】
中津市は市内に児童相談所も児童家庭支援センターもあるため連携が取りやすい。行政でできる限界のところを、児
童家庭支援センターが埋めるという思いでやってもらっており、役割は大きい。市と児童相談所の連携では、同じケ
ースを同じ視点で見ていけるというのが第一だと思っており、適宜相談をしてもらっている。
3-④.何らかの支援や介入
が必要な家庭に対する取組に
ついて
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機関と連携していま
すか?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがありますか?
・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞かせください。
・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携して行うことが望ま
しいと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
【乳幼児健診未受診家庭への支援について】
乳幼児健診を受けていない家庭には保健師が訪問して発達状況を把握している。現在、健診の受診率が約 96%となっ
ており、未受診者把握は保育園や小児科の先生を通じて行っている。
【親子関係への支援について】
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(172ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 172ページ母子保健に関して、1 歳半健診で、言葉の遅れや発達など親子関係の気になる人に対して森の家(井上小児科医院併設
中津発達行動相談室)を紹介している。森の家では、SSP(ストレンジ・シチュエーション法)を実施している。
子どもの反応と母親の行動を見て井上医師が判定し、その動画を収めたビデオを母親と一緒にお子さんの様子を見な
がら、自分の行っていることを再確認している。発達行動相談室の保育士が、子どもの興味に合わせた声のかけ方や
スキンシップの仕方などを習得できるように促している。
【不登校児への子どもへの支援について】
子どもへの直接の支援として、担任は業務上時間的に難しいので校長や学年部が協力して支援を行なったり、SSW
やSCによるアウトリーチもあるが、難しいところは教育委員会や子育て支援課が役割分担をしている。
課題として、学校側と連携したアウトリーチ型支援員の配置増加が望まれる。また、ヤングケアラーについては、フ
ァミリーサポートなどもあるがお金がかかり貧困世帯では難しく、無料で利用できるものができないかと思ってい
る。
【虐待予防について】
虐待の予防として見守り体制が重要だと考えており、中津市でもキャッチから啓発までを行っていきたい。
【外国籍の方への支援について】
中津市では、ダイハツ本社が中津に移転した関係もあり、外国籍の方が増えている。母子保健では赤ちゃん訪問によ
り把握し手厚くサービスを行なえるようにしている。また、子育て支援では、孤立化しないように年1回多文化サロ
ン等も計画している。このほか、ボランティアで構成する日本語交流グループを紹介している。
【訪問による家事・育児支援について】
不登校の背景にはネグレクトがあると考えている。現在関わっている事例では、ゲームやスマホによる夜型の生活習
慣で起こす人がおらず昼間で寝てしまうというケース、精神疾患の母と父が離婚、父子家庭になるが交替勤務で子ど
もが一人で生活しているケース、多子世帯で経済的問題や年長子がヤングケアラーとなる問題を抱えているケースな
ど。
これに対して、学校と連携した訪問による登校刺激、市や教育委員会も入っての定期的な訪問、養育支援訪問事業に
よる家事支援や育児支援、児童家庭支援センターによるこども食堂の実施などを行っている。また、来年度、児童家
庭支援センターに委託したアウトリーチ型の要支援児童等見守り強化事業も始まる予定。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(173ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 173ページ3-⑤.社会的養護、社会的
養育について
<質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援について、取り組ん
でいることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を果たすことが望ま
しいと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
【里親について】
里親制度の更なる普及啓発と里親リクルート活動のための取組として、大分県が市町村にコーディネーターを配置す
る。中津市においても 1 人配置し、普及啓発活動等を行い、登録率向上を目指している。
【保護や養護の解除後の支援について】
一時保護や施設への引き取りに当たっては、支援関係者が一同に集まって行う家族応援会議や、かるがもステイ(親
子関係再構築プログラム)など、関係機関が集まり顔の見える関係で一つのケースを共有している。
【アドボケイトについて】
業務とは別で職員が 1 名アドボケイトの研修を受け、施設での取り組みを行っている。親の声が強くなりがちな中、
子どもの目線・立場に立てるような支援に力を入れている。
3-⑥.支援に必要な人材や
費用面の課題について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
【費用面の課題について】
要保護家庭では、どうしても事業の利用に係るお金の負担が難しいため、無料で利用できるサービスの拡充が望まし
い。また、要支援の予防という点から予算や支援を増やす必要性を感じている。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(174ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 174ページ事例15
貴自治体名 岡山県
貴機関(部署)名 子ども家庭課 児童福祉班
1.貴機関の概要についてお聞きします。
1-1.主な業務内容について 内容:県の要保護児童、児童虐待、社会的養護(社会的養育)等の制度や施策等に関する業務
1-2.スタッフについて(人
数、有する資格、等)
人数:児童福祉班は、計8名
資格:藥師寺様は福祉専門職(公認心理師資格を有する)で、1996 年から児童相談所に児童福祉司として勤務し、
2年前までは児童相談所の相談課長(児童福祉司スーパーバイザー)をしていた。
他には、福祉専門職(児童福祉司)がもう1名配属されており、他はすべて事務職である。
2.貴機関での「子育て世帯への支援」の実施状況についてお聞きします。
2-1.支援の主な対象者について(子育
て世帯全体か/特定の世帯か、対象となる
子どもの年齢、一年間に支援を行う平均世
帯数、等)
対象者:要保護児童、社会的養護下の子ども(児童養護施設等や里親を利用している子ども)、里親、
児童養護施設等の職員、児童相談所の職員、市町村の児童福祉部門の担当者等
年齢:原則として 18 歳まで(場合によっては 20 歳まで)。
世帯数:具体的な世帯数は不明
2-2.支援のための体制について(他部
署や他機関との連携体制、等)
他部署:庁内や市町村の保健、教育、障害福祉、DV施策担当、青少年施策担当の部門及び県警察、県
議会等
他機関:児童虐待対策に関連して、他部署や他機関との連携体制はかなりある。
【定期的な情報共有の場はある?】
県議会の本会議と定例の委員会、庁内での各種連携会議、県や市町村の対策会議、里親や児童養護施設
等との会議、市町村や児童相談所との会議等が定期的に開催され、情報共有を行っている。
2-3.支援の内容について 県庁では、直接的な県民サービスは行っておらず、県民と直接会うのは普及啓発のイベント等である。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(175ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 175ページ市町村や児童相談所、里親、児童養護施設等に対しては、予算、補助金、研修等を通じて、支援を行っ
ている。基本的には、児童ソーシャルワークのメゾからマクロ視点に基づく施策を通じた支援が中心と
なっている。
2-4.支援の効果について 別紙「岡山県における人材育成等について」より:岡山県では、2007 年に発生した大きな死亡事故の経
験と、その検証を転機として、改めて「子ども中心」の理念を標榜し、当事者参画(子どもの参加)を
目指したアセスメントフレームに基づく、アセスメントツール等の開発や児童相談所職員の体系的な人
材育成研修等の活動を展開している。現在、児童相談所や市町村の児童福祉部門の職員には、岡山県が
「子ども中心」の理念を大切にしていることは浸透しており、子どもの暮らしの安定を目指して、子ど
もの育ちのニーズを満たしていくためには、どのように支援していくのか、子ども中心に考えるように
なってきている。
【「子ども中心」の支援の効果は?】
効果は多くあるが、近年の効果としては、2018 年から開始した一時保護所を利用している小学 5 年生以
上の子どもの意見を弁護士が聴く活動が挙げられる。弁護士が子どもの意見を聴き、それを踏まえて一
時保護所の環境改善等につながっている。
【一時保護所の環境改善などにもつながっている?】
別紙「一時保護中の子どもからの意見聴取について」:岡山県の児童相談所の一時保護所平均在所日数
は、全国と比べてかなり短い(2018 年度 岡山県実績 10.1 日、全国平均 29.2 日)。これも「子ども中
心」の理念に基づくもの。子どもの権利を大きく制約する一時保護の期間は最小限にしたほうがよく、
そのためには、「とりあえず保護」ではなく、常に保護した後の対応も併せて考えている。
2007 年に死亡事故が起きた当時は、「とりあえず保護」の姿勢であったが、そうした対応は中長期的に
見て、子どもの最善の利益の確保に繋がらない結果が多いことから、現在は子どもの安全を第一に考え
たうえで、親にも子どもにもしっかりと説明することを原則とした一時保護を徹底している。
弁護士が聴き取った子どもの意見を踏まえて、一時保護所では、茶髪やピアスも許可したり、教室では
なく個室での学習を許可したりしている。他にも、歯磨きの回数を減らすことやシャンプーの種類を増
やすこと等、一時保護所の環境改善等につながっている。
【再統合への効果は?】
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(176ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 176ページいつまで、何を目的に一時保護を行い、その後、どのように相談支援活動を展開していくのかを、子ど
もにも親にもしっかりと説明するようにしているため、在宅であれ、施設等を利用することになるので
あれ、親子の関係性の再構築には効果があると思われる。
2-5.今後の課題について 弁護士による意見聴取の活動は、子どもの権利である「意見を聴かれる子どもの権利」を実現する活動
であり、子どもの「参加する権利」の行使を通じて、「子ども中心」のシステムへと移行させていくた
めの試金石だと考えている。
今後は、一時保護所だけでなく、里親家庭や児童養護施設等を含む、全ての子どもたちにとって、それ
が文化となる取組にしていかなければならない。岡山県は、子どもの意見から学び、子どもと共に、
「子ども中心」のシステムに転換したいと考えている。
3.2に関する詳細として、さらに、以下の①~⑥に関連してお話いただけることがあれば、お願いします。
3 - ① . 全 て の 子 育 て 家 庭
や、より多くの家庭に対する
支援について
<質問例>
・地域の全子育て家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?現在、ない場合、今後、必要だと考えますか?
・保護者の子育てに対する困難さがそれほど大きくない家庭を対象として行っている支援や取組等がありますか?行っている場合、その取組
の効果はどのように感じていますか?
・各相談機関等において、必要とする家庭への体系立てた支援提供ができていますか?
『「子どもが心配」チェックシート』:ポピュレーションアプローチにも活用できるアセスメントツールを独自に開発
している。親の養育力が子どもの育ちのニーズを満たしているのかを、親自身・支援者・親子等でチェックできるシ
ートである。「子どもの変化、成長、成果に気づき、それを認め、言葉にして伝えていますか」等といった、子ども
の育ちを中心にして、ケア(養育)の「質」を見ている点がポイントである。マズローの欲求段階説に沿っており、
基本的生活を満たしているか、安心・安全をどう満たしているか、愛情をどう満たしているか、子どもの尊厳をどう
育んでいるか、を客観的に見る。子どもの育ちのニーズを満たすために必要なのは、時間でも量でもなく、ケアの質
であることを気づいてもらうためのシートである。支援者間の情報や認識の共有にも有効である。
【子どもが、自分がどのように尊重される存在なのかを気づくためのきっかけにもなる?】
お見込みのとおりである。非行や虐待等の相談で訪れた子どもと一緒に活用すると、「親は、子どもに対して、こん
なことをしなきゃいけないものなのか」等と言い、自分の育ちに気づいてもらったり、DV加害者による、一種のマ
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(177ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 177ページインドコントロール状態に陥っている被害母子にチェックシートを使ってもらうことで、その支配を解いたりと、
様々な使い方もできる。
【課題】
児童ソーシャルワーカー等の実践が、科学的でない点が課題だと考えている。特に要保護児童や社会的養護等の領域
はその傾向が強く、相談支援活動に可視化されたアセスメントや指標を用いることを嫌う傾向や苦手な傾向がうかが
われる。可視化されたアセスメントや客観的な指標を用いて、相談者との合意の下に一緒に支援計画を策定するとい
う方法は、高齢者や障害者の福祉領域では導入されているが、児童福祉の領域では、そうした科学的なアプローチへ
と移行できておらず、定められた手続きをこなすことや説明が難しいこと等を理由に、依然として個人の経験等に基
づく力量等によるアプローチに頼っている状況だと感じている。
【チェックシートをアプリにするなどといった取組によって、親が子どもとの関わり方を変えるきっかけになれば、ポ
ピュレーションアプローチとして意味のあるものになるかと思う。】
お見込みのとおりである。チェックシートは、当初、アプリにする予定であったが、当時は賛同が得られなかった。
実際に、親が気づきを得ることで、子どもの育ちのニーズを満たす上で、様々な効果が見られている。
【アセスメントツールの使用には、使う側のスキルや経験などが影響する。どのように人の育成を行っている?】
別紙「岡山県における人材育成等について」:岡山県では、県独自の人材育成基本方針を策定し、2011 年から児童相
談所職員の体系的な人材育成研修を行っている(「岡山県の児童ソーシャルワーカーのあるべき姿」より)。この研
修の内容は、毎年度報告書にまとめて、全国の児童相談所へ送付している。この研修の中で、事例を通じたアセスメ
ントツールの活用の実際や面接スキルのトレーニング等を行っている。児童相談所の職員や市町村の児童福祉部門の
職員は、こうした研修等の機会を通じて、大半がこのトレーニング等を受けている。
3-②.子どもへの支援、子
どもの年齢による介入の違い
や難しさ等について
<質問例>
・乳幼児期や学齢期等、子どもの年齢による、家庭との関わり方の違いや家庭支援のための介入方法等で、工夫している点や、日ごろ感じて
いること等があれば、お聞かせください。
・学齢期以上の子ども支援を考える際、最も困難さを感じる点について、お聞かせください。
・子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいますか?また、地域の居場所やシェルター等の資源がありますか?
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(178ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 178ページ説明するにしても意見を聴き取るにしても、年齢が幼い子どもや障害のある子どもへの伝え方は難しい。その子ども
の発達や特性などに合わせて、対応しなければならないため、子どもの発達や伝え方を職員がきちんと理解すること
が必要である。そのため、研修等では、必ず子どもの権利、発達等の講義を設定し、教えるようにしている。岡山県
の児童心理司は、教育学部系の心理分野の出身者が多く、子どもの発達等を理解している職員も多いが、児童福祉司
は、大学で高齢者や障害者の福祉をメインに学んでいる職員も多く、子どもの福祉のことをそれ程学んでいない場合
が多い。また、大学の社会福祉領域の教育で、社会福祉原論や児童福祉分野の知識をしっかりと学ぶ機会をシラバス
に設定することや、実践的な方法論等も学んでから現場に出ることが望まれる。最近の福祉系学部の大学出身者は、
そうした傾向が強く見られ、人材育成にかなりの時間を要する。
【実習で子どもの施設に行かせてもらえないというのも原因か?】
岡山県の場合、児童養護施設等は実習生を受け入れているが、それが就職に結びつかないという悩みがあると聞く。
岡山県の児童相談所では、実習の希望者が多かったが、これまで受け入れていなかった。ここ数年は、児童福祉司の
採用に応募者する人が少なく、それを増やす目的から、実習生を積極に受け入れるようにしており、そこから就職に
結びつくようにもなってきている。
【子どもが直接支援を求めた場合、対応できるケースワーカー等がいる?】
シェルター機能・自立援助機能・アフターケア機能を兼ね備えるシェルターが、弁護士を中心に運営されている。そ
うしたシェルターは県内に1ヶ所、自立援助ホームは4ヵ所あり、自立援助ホームは、現在、増える傾向にある。
3-③.多機関連携や情報共
有、スキルアップ等に関する
取組について
<質問例>
・多機関連携のための情報共有ツールについて、有効と感じているもの、あまり有効ではないと感じているものがあればお聞かせください。
・市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携について、どのように考えますか?
・貴機関の職員に対して、多機関連携する際の研修や、内部での勉強会、ケース会議等を行っていますか?
・保育園やこども園、幼稚園等、小学校等との連携がありますか?(子どもが日常的に通所する場所での、虐待リスクマネージメントや情報
共有のための)
・上記のような機関に対して、貴機関の専門職の方等を派遣する等の取組がありますか?
【市区町村の家庭支援担当課、児童家庭支援センター、児童相談所との連携】
岡山県の児童相談所の児童福祉司や児童心理司等の職員は、戦後の開所以降、ほぼ全員が福祉専門職であることか
ら、関係機関との連携時には、児童福祉の専門機関として評価されている。現在、市町村支援児童福祉司の配置、県
独自の要保護児童対策地域協議会支援事業(モデル市町村に手を挙げてもらい、協議会の運営を支援するために、弁
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(179ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 179ページ護士や精神科医、児童相談所職員等から成るチームを派遣して 1 年間応援する)の実施等により、連携強化や市町村の
相談支援力の底上げに取り組んでいる。
【モデル市町村として 1 年間で手を挙げるのはどのくらい?】
県内の各児童相談所の管内から 1 自治体と決めているため、合計 3 カ所の自治体が手を挙げている。
3-④.何らかの支援や介入
が必要な家庭に対する取組に
ついて
<質問例>
・子育て世帯の抱える課題の把握は、どのように行うことが望ましいと思いますか?
・乳幼児訪問や健診等を受けていない、または気になる家庭に対する支援を行っていますか?行っている場合、外部の機関と連携しています
か?
・保護者に対する支援、親子関係への支援、子どもへの支援、それぞれにどのような支援が必要だと考えますか?
・虐待の早期発見や介入のために取り組んでいることがありますか?
・何らかの問題を抱えている家庭に対する支援についての取組があれば、お聞かせください。
・経済的な問題や障害、外国籍等、多分野に渡る課題を抱える家庭に対する支援として、取り組んでいることがありますか?
・産前産後事業等による母子入所を行っている場合、入所期間中の具体的な支援、また退所後の支援等について、お聞かせください。
・母子保健と児童福祉の連携について、貴団体ではどのような取組がありますか?また、母子保健と児童福祉は、連携して行うことが望まし
いと思いますか?一本化することが望ましいと思いますか?
【母子保健と児童福祉の連携について】
岡山県は、福祉と保健の連携強化を目指して、児童相談所と県保健所を中心に、2003 年度から「岡山県子ども虐待防
止専門本部」を立ち上げ、連携を強化している。一方、市町村では、児童児童虐待のケース対応を巡って、児童福祉
部門と母子保健部門で押し付け合う場面がよく見られており、かなり難しい状態にあると認識している。
【どうやったら押し付け合いを防止して効果的に連携できる?】
2000 年に児童虐待の防止等に関する法律が施行されて以降、こうした状況は、年々厳しくなっていると認識してい
る。こうした実態を踏まえ、児童虐待対応に限れば、児童福祉と母子保健の連携は困難な実態があるとの前提に立
ち、改めて連携のあり方を検討すべきではないか。
また、市町村の児童福祉部門も母子保健部門も、子育て世帯の生活パターンに合わせて、土日や夜間にサービスを提
供する形に変えるべきではないか。両親ともが就労している子育て世帯が、健診のフォローや家庭訪問等のサービス
を受けるためには、土日や平日の夜間の方が都合は良いし、母子関係や家族の生活実態がよくわかるはずである。児
童福祉も母子保健も、子育て世帯が利用しやすいサービスとなるように見直す時期が来ているのではないか。
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(180ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 180ページ3-⑤.社会的養護、社会的
養育について
<質問例>
・地域の里親会やファミリーホーム、児童養護施設等と連携した取組はありますか?
・一時保護施設や養護施設は、貴地域において、十分な質や量が担保されていると思いますか?親子分離後の家庭支援について、取り組んで
いることがありますか?(母のみでなく、父や兄弟・姉妹も含めて)
・措置解除後の子に対して、何らかの支援を行っていますか?
・社会的養護の質の向上や新たな社会的養育体制構築に向けた課題について、感じていることがありますか?
・保護や養護の解除前や解除後、家庭支援や自立支援のための相談機関として、市区町村や都道府県がどのような役割を果たすことが望まし
いと考えますか?また、どのような行政からの支援があれば、可能となると考えますか?
・子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要だと思いますか?
岡山市内の児童養護施設等の多くは、比較的満員に近い状態にある。県が所管している岡山市外の児童養護施設等
は、祖父母や親戚、地域の支援者等のインフォーマルな資源が多い地域にあり、在宅で子どもが支援を受けやすいこ
とから、比較的定員に余裕がある。こうした状況を見ても、児童虐待は、ある意味、親族や地域との関係が希薄で、
それを補う資源が乏しい都市部に多く発生する現象だと実感している。
また、児童養護施設等は、時代の流れについていけているのかという課題もある。高齢者や障害者の関係の施設と比
べると、児童養護施設等は、子どもへのケアの方法や質を子どもの意見や時代の流れに合わせて見直す等の自助努力
が弱いように感じる。もちろん、すべての施設がそうした状況ではなく、自助努力をしている施設と旧態依然とした
ままの施設と二分されてきている印象を受けている。施設長にも定年の制度が必要ではないか。
【里親委託率は?】
厚生労働省の発表によると、2019 年度の里親委託率は、都道府県で 9 番目位である。県内に乳児院は 1 ヶ所しかな
く、乳児の場合、基本的には、まず里親委託を検討している。ケースによっては、里親と実親が直接コンタクトを取
り、子どもが家庭引き取りとなった後も、母子ごと里親が伴走して支援している場合もある。里親を利用しても、子
どもは実親と会えることが、子どもの権利を擁護する上で重要だと考えている。また、里親登録をしていないが一定
の要件を満たす人や里親登録をしてすぐの人、未委託里親に対して、一時里親として子どもを委託することで、里親
体験をできる県独自の事業がある。
【子どもの最善の利益を保証するためには、今後、何が必要か?】
子どもの参加を実現することである。相談支援活動を展開する上では、親や家族、関係機関にではなく、常に子ども
に焦点を当て続けることが必要である。子どもの最善の利益を優先して考慮し、子どもの権利の実現を目指すこと。
親に養育力があることや環境が整っていることが、子どもの最善の利益を保証していることと同義ではない。それら
子育て世代にかかる家庭への支援に関する調査研究報告書(令和2年度調査研究)(PDF/2,054KB)(181ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 181ページが、子どもの育ちのニーズを満たしているかという関係性に注目する必要がある。そのためには、子どもの意見を聴
き、子どもの意見から学び、そこを起点として、子どもと共に、「子ども中心」のシステムに転換する必要がある。
子どもを家族に埋没させず、権利の主体として、その権利を実現しなければならないと考えている。
3-⑥.支援に必要な人材や
費用面の課題について
<質問例>
・貴機関において、支援にあたり、人材について課題や障壁となっていることがありますか?
・貴機関において、支援にあたり、費用面で障壁となっていることがありますか?
【人材】
福祉系の大学には、学生の教育もっと頑張ってほしい。福祉系の大学では、社会福祉原論や方法論等をあまり教えて
いない印象を強く受ける。社会福祉の伝統を踏まえながら、原論と方法論を学びつつ、施設等でボランティア活動等
に臨み、自己覚知を重ねなければ、ソーシャルワークの実践知は身につかない。知識と実践の融合が求められる。そ
のため、児童福祉司の人材育成には、非常に時間がかかっている。最低でも 10 年以上は、児童相談所等の実践現場の
最前線に立って、児童ソーシャルワークを実践し、それから大学に戻ったような児童福祉の教育者が大勢出てくるこ
とを期待している。また、社会福祉士のインセンティブという点では、社会福祉士が業務独占となり、専門職として
きちんと支払いがなされることや、ワークライフバランスが保障される職場環境の整備も必要である。
【費用】
国の施策は、都市部中心に設計されており、地方都市にはフィットしにくい部分が多くある。また、虐待対応等で
は、都市部の方法論は地域コミュニティによる支援が前提となっていないことが多く、地方都市には馴染みにくいこ
と、要支援児童や要保護児童に対する民間団体が行う活動への補助メニューは、民間団体が少ない地方都市には活用
が難しいこと等を考慮し、原則は全国一律であっても、支援方法等は地方都市が独自に取り組めるよう、国庫補助等
についても、その地域の子どもと家族の暮しの状況に応じて、柔軟に活用できるものにしていただきたい。