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その2(PDF/3.6MB)
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変更後 · 1ページ7 施設運営
(1)運営理念、基本方針の確立と周知
①法人や施設の運営理念を明文化し、法人と施設の使命や役割を反映させる。
・理念には母親と子どもの権利擁護の視点を盛り込み、施設の使命や方向、考え方を反
映させる。
キーワード
・法人、施設の社会的存在 ・運営理念の明文化
解 説
社会福祉法では、利用者個人の尊重や地域福祉の推進、さらには社会的養護の質の向
上に向けた取組等、これからの社会福祉の方向性が規定されています。
そこで、社会的養護の内容や特性を踏まえた施設の運営理念を具体的に示す必要があ
ります。
理念とは、施設の社会的存在理由や信条を明らかにしたものであり、職員の行動規範
となるものです。また、施設経営や様々な事業を進める上での基本となります。そのた
め、理念は「経営者の頭の中にある」といったことではなく、職員や母親と子どもへの
周知を前提として明文化されていることが必要となります。
運営理念は、次項の「基本方針」とあわせてその基礎となるものです。施設の運営理
念や基本方針を達成するために、施設における具体的な取組が適切であるのか、といっ
た視点が必要となります。
また、運営理念には子どもにとって最も良いこと(最善の利益)を追求し、または
保障するという内容の記載が必須でしょう。
【コラム】 ○○法人の運営理念(例示)
ある法人では、わかりやすい言葉を使い、明示しています。
運営基本理念
「いつも希望を、
もっと笑顔を、
ずっと安心を実現したい!!」
②法人や施設の運営理念に基づき、適切な内容の基本方針を明文化する。
その2(PDF/3.6MB)(2ページ)
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変更後 · 2ページ・基本方針は、「母子生活支援施設運営指針」を踏まえ、理念との整合性があり、母親
と子ども権利擁護の視点を盛り込み、職員の行動規範となる具体的な内容とする。
キーワード
・事業計画の基本 ・法人、施設の基本方針
解 説
基本方針は、施設の運営理念に基づいて当該施設の母親と子どもに対する姿勢や地域
とのかかわり方、あるいは施設が有する機能等を具体的に示す重要なものであり、年度
ごとに作成する事業計画等の基本ともなります。
基本方針が明確にされていることによって、職員は自らの業務に対する意識付けや、
母親と子どもへの接し方、社会的養護への具体的な取組を行うことができるようになり
ます。また、対外的にも、実施する社会的養護に対する基本的な考え方や姿勢を示すも
のとなり、当該施設に対する安心感や信頼を与えることにもつながります。
職員や、母親と子どもへの周知を前提としていることも、施設の運営理念と同様です。
施設によっては「基本方針」を年度ごとに作成する事業計画の「重点事項」としてい
る場合もあるようですが、運営指針では「重点事項」の前提となる、より基本的な考え
方や姿勢を明示したものとして「基本方針」を位置付けています。
運営理念と基本方針の位置付けは、運営理念が上位です。その下に基本方針があり、
さらに年次ごとの事業計画が位置付けられます
【コラム】 ○○法人の基本方針(例示)
①児童から高齢者までの多様な事業や福祉サービスの提供を通じて、地域社会に貢献し
ます。
②利用者の意向を尊重し個人の尊厳を保持しながら、心身ともに健やかに育成、支援し
ます。
③職員間の連携を図ると共に専門職としての資質を高め、福祉サービスの質の向上に努
めます。
④常に創意工夫して事業経営の安定および強化を図り、法人の健全性、継続性を確保し
ます。
その2(PDF/3.6MB)(3ページ)
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変更後 · 3ページ③運営理念や基本方針を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。
キーワード
・運営理念、基本方針の職員への周知
解 説
運営理念や基本方針は、社会的養護に対する考え方や姿勢を示し、職員の行動規範と
なるものですから、職員には十分な周知と理解を促すことが重要となります。
運営理念や基本方針を文書にして職員に配布することは施設の基本的な取組と位置
付け、より理解を促進するための取組を行うことが望まれます。
評価方法は、訪問調査において組織として職員への周知に向けてどのような取組を行
っているかを聴取した上で、職員への聴取・確認を行うことによってその周知の状況を
あわせて把握することになります。
ここで言う「職員」とは、常勤・非常勤、あるいは職種を問わず、組織に雇用される
全ての職員を指しています。
職員採用時の新人研修等で、職員への周知を図る取り組みを行うのが良いでしょう。
また、職員や施設への来訪者、母親と子どもが見やすいように、運営理念や基本方針
を常に適切な場所に掲示することも必要な取り組みになるといえます。
その2(PDF/3.6MB)(4ページ)
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変更後 · 4ページ④運営理念や基本方針を母親と子どもに配布するとともに、十分な理解を促すための取
組を行う。
キーワード
・運営理念、基本方針の母子への周知
解 説
運営理念や基本方針は、社会的養護に対する考え方や姿勢を示すものですから、職員
に限らず、母親や子どもにも広く周知することが必要となります。また、母親と子ども
に対して運営理念や基本方針を周知することによって、実施する支援に対する安心感や
信頼を高めることにもつながるため、十分な取組が求められることとなります。
母親と子どもに対する周知では、作成された印刷物等の内容がわかりやすく、周知の
方法にも配慮が必要です。また、母親と子どもに対しては職員に対する方法とは違った
工夫も求められます。
具体的には、施設入所時の一連の説明の中に位置付けるとともに、施設内に掲示する
必要があります。
また、特別な配慮が必要な母親と子どもに対しては、なお一層の工夫が求められます。
その2(PDF/3.6MB)(5ページ)
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変更後 · 5ページ(2)中・長期的なビジョンと計画の策定
①施設の経営理念や基本方針の実現に向けた施設の中・長期計画を策定する。
・理念や基本方針の実現に向けた目標(ビジョン)を明確にし、支援の内容や組織体制
等の現状分析を行う。
・入所者支援を充実させ、地域の特性に応じた母子生活支援施設の役割・機能を明確に
する。
・専門的支援や地域支援の拠点機能を強化し、地域のひとり親家庭支援を行う体制を充
実させる。
キーワード
・施設の「中・長期計画」 ・経営理念(方針)
解 説
「中・長期計画」とは、組織の理念や基本方針の実現に向けた具体的な取組を示すも
のです。(概ね「中・長期」とは3~10 年を指すものとします。)
社会的養護の更なる充実、課題の解決等のほか、地域ニーズに基づいた新たな社会的
養護の支援の実施といったことも含めた将来像や目標(ビジョン)を明確にし、その将
来像や目標(ビジョン)を実現するために、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育
成等に関する具体的な計画を示す必要があります。
以下の順序で組織の現状が整理され、中・長期計画が策定されることが期待されます。
・運営理念や基本方針の実現に向けた将来像や目標(ビジョン)を明確にする。
・明確にした将来像や目標(ビジョン)に対して、実施する社会的養護の内容、組織体
制や設備の整備、職員体制、人材育成等の現状分析を行い、課題や課題点を明らかに
する。
・明らかになった課題や課題点を解決し、将来像や目標(ビジョン)を達成するための
具体的な中・長期計画を策定する。
・計画の実行と評価・見直しを行う。
中・長期計画は、いったん定めれば見直しはすぐに行うものではありません。重要
な点は、絵空事ではなく実現可能な計画としなければならない点でしょう。
その2(PDF/3.6MB)(6ページ)
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変更後 · 6ページその為には、施設内外の環境(制度や施策の変更)にも目をむけ、計画に取り入れ
ていくことが必要です。
【コラム】 ○○法人の経営方針(例示)
1、法人職員の意見集約を行い、職員が主体的に関与できる意思決定、合意形成のシス
テムの構築と、透明性の高いガバナンスを目指す。
2、将来に希望の持てる明確なキャリアパス制度を構築すると共に、法人の人材像を明
確にした人材育成を行う。
3、第三者の意見を導入して適切な経営の分析を行い、計画的な修繕と新規事業の立ち
上げを通じて、継続的で安定的な法人運営を目指す。
4、法人職員の交流や事業所間の連携を通じて、情報の共有化と相互理解を深め、リス
ク管理と安全対策や災害対策のシステムを構築する。
5、社会貢献の理念に基づき、地域連携や広域連携を通じて相互支援システムを構築す
るとともに、法人事業の広報を行う。
その2(PDF/3.6MB)(7ページ)
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変更後 · 7ページ②各年度の事業計画を、中・長期計画の内容を反映して策定する。
キーワード
・実行可能な事業計画 ・事業計画の数値化
解 説
ポイントは、①中・長期計画の内容が、各年度の事業計画に反映されていること、②
単年度における事業内容が具体的に示され、さらに実行可能な計画であること、の二点
です。
単年度の事業計画は、年度の終了時に実施状況についての評価を行う必要があります。
上記のポイントの二点目は、実施状況の評価が可能となるような計画であることが求め
られています。あわせて数値化等できる限り定量的な分析が可能であることが求められ
ます。
事業計画は、行事計画とは違います。支援メニューや職員の育成計画、地域支援や
他機関連携などが中・長期計画の内容と連動、反映されている必要があります。
【コラム】 事業計画の項目を紹介
平成△△年度事業計画
母子生活支援施設 ○○園
1.本体施設20世帯、分園型母子生活支援施設(サテライト)5世帯、緊急一時保護2世
帯、DV被害者等自立支援事業(ステップハウス)7世帯の母子及び単身女性に対し、「ひ
とり一人を大切に」をモットーに、ひとり一人の利用者に必要な支援を行う。
2.利用母子はDV被害、児童虐待、経済的な困窮、障害、外国籍等様々な課題を抱えて
おり、それは重複していることも多い。それぞれの利用者の課題解決へ向けての支援と
家族での生活を守るための支援を行う。
3.児童福祉施設として子どもに対し、乳幼児期、学童期、思春期(中高校生)、それぞれ
の発達段階に応じた発達と学びの保障、子ども達の進路を保障するための支援を行う。
4.災害、感染症、DV加害者対応等のリスクに対し、マニュアルの徹底を図り、利用者
の安全を守る。
5.利用者支援の向上を図るため、第三者評価を受診する。
その2(PDF/3.6MB)(8ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 8ページ③事業計画を、職員等の参画のもとで策定するとともに、実施状況の把握や評価・見直
しを組織的に行う。
・事業計画の実施状況については、母親や子どもの意見を聞いて、評価を行う。
キーワード
・事業計画策定の職員の参画 ・次年度事業計画への反映
解 説
まず指摘しておかなければならないのは、黒ポチ(「・事業計画の実施状況について
は、母親や子どもの意見を聞いて、評価を行う」)の説明です。事業計画の評価につい
ては、母親や子どもの意見を聞くことは大切ですが、この項目の説明としては、まず職
員の参画のもとでの策定や評価が重要と述べなければなりません。
そのうえで、事業計画の策定に当たり、関係職員の参画や意見の集約・反映の仕組み
が組織として定められており、また、内容に応じて母親と子どもの意見を集約して各計
画に反映していくことも求められます。母親と子どもの意見を取り込めるような手順が
組織として定められ、実施されているかという点も重要です。
計画策定過程の記録、計画の評価・見直しの記録、評価結果が次年度の計画に反映さ
れているか等に留意しましょう。
その2(PDF/3.6MB)(9ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 9ページ④事業計画を職員に配布するとともに、十分な理解を促すための取組を行う。
・事業計画はすべての職員に配布し、会議や研修において説明する。
キーワード
・事業計画の周知と工夫
解 説
事業計画を職員がよく理解することは、計画達成のために欠かすことができない要件
です。職員に対する周知では、計画を文書にして配布することは基本的な取組と位置付
け、より理解を促進するために、どのような取組の工夫を行うかが重要です。
【コラム】 理解を促すための取り組みの例
・各計画を会議や研修において説明する。
・各計画をメールで配信したり、見やすい場所に掲示するなどの工夫を行う。
・各計画をわかりやすく説明した資料を作成する等によって、より理解しやすいよう
な工夫を行っている。
・各計画の進捗状況を確認し、職員間で確認を行う。
その2(PDF/3.6MB)(10ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 10ページ⑤事業計画を母親と子どもに配布するとともに、十分な理解を促すための取り組みを行
う。
・事業計画は、わかりやすく説明した資料を作成し、母親や子どもへの周知の方法に工
夫や配慮をする。
キーワード
・簡潔な事業計画 ・事業計画の周知と工夫
解 説
母親と子どもに対する周知では、作成された印刷物等がわかりやすいかどうか、その
内容や方法への配慮についても工夫が必要です。必ずしも計画そのものを配布する必要
はなく、簡潔にまとめたものでも構いません。意図が理解されることが大切です。
特別な配慮が必要な母親と子どもに対しては、ていねいに説明することも求められま
す。
母親自治会や子ども会などの定期的な会合の場で説明するだけでなく、個別性を重
んじて個々に説明する配慮も必要です。
その2(PDF/3.6MB)(11ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 11ページ【コラム】 利用者向けの事業計画の例示
××年度の取り組み(事業計画)
<保育士>
1.仲間作りをすすめます。
縦割り保育の中で異年齢の友達との交流を深め、相手の気持ちを大切にしたり、協力
したり、助け合っていくことで、いたわりや思いやりの気持ち、一緒に遊ぶことの楽しさ
を育てていきます。また、思っていることは言葉にして表さないと相手には伝わらない。
泣く、叩くなどの行為では決して伝わらないことを繰り返し伝えていき、言葉でのコミュ
ニケーションを促していきます。仲間はずれ、乱暴な言葉、態度についても嫌な思いがす
ることを伝えていきます。
一人ひとりが遊び込むという経験を積み重ねていき、そして次第に周りに目が行くよ
うになり仲間意識を育てていきます。さらに、子ども達が自分で好きな遊びを見つけ、じ
っくりと遊び込めるような、遊びが広がるような環境作りに努めます。
絵本の読み聞かせを通して大人から子どもへ安心感、ぬくもりを伝えていきます。同時
に絵本への興味・関心をより育てていきます。
子ども達のより豊かな感受性を育てるためにも、DVD を見ない保育をすすめていきま
す。
2.健康な体作りをすすめます。
毎日の長い距離の降園は、心と体の健康作り、仲間作りにもなるので続けていきます。
戸外遊びも積極的に取り入れていきます。また、うがい・手洗い・消毒などを励行し、
基本的生活習慣を身に付け、清潔に・気持ちよく・健康に生活できるよう促していきます。
3.生活の中で豊かな経験ができるよう取り組んでいきます。
“わくわく”などの取り組みを充実させ、自然と親しんだり友達と関わる中で、豊かな
感受性を養っていきます。また、園外での活動を通して公共のマナー・交通ルールなどを
身に付けていきます。野菜等を栽培する中で植物の成長を観察したり、収穫の喜びを味わ
います。いろいろな行事を経験することで視野を広げ、「楽しさ」「自信」「友達との関わ
り」等育てていきます。子ども達の意見も取り入れながら、楽しい行事を企画していきま
す。
4.生活のルールを意識づけていきます。
・あいさつをしましょう。
あいさつは人間関係の基本です。よりよい人間関係を築くためにあいさつをすること
や、日常生活での会話が広がるよう支援します。
・物を大切にし、後片付けをしましょう。
遊びの中で、物を大切に扱うよう声をかけ、必要な時には扱い方も知らせていきます。
(一部を抜粋しています。)
その2(PDF/3.6MB)(12ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 12ページ(3)施設長の責任とリーダーシップ
①施設長は、自らの役割と責任を職員に対して明らかにし、専門性に裏打ちされた信念
と組織内での信頼をもとにリーダーシップを発揮する。
・施設長は社会的養護の使命を自覚し、自らの役割と責任について文書化するとともに、
会議や研修において表明する。
・施設長は、職員の模範となるよう自己研鑽に励み、専門性の向上に努める。
キーワード
・施設長のリーダーシップ ・チームアプローチ
解 説
施設長は、組織全体をリードする立場として、職員に対して自らの役割と責任を明ら
かにすることは、職員からの信頼を得るために欠かすことができないものです。質の高
い支援の実施や効率的な運営は、施設長だけの力で実現できるものではなく、組織内で
の信頼のもとにチームアプローチのリーダーシップを発揮することが施設長の要件と
言えます。
具体的な取組については、施設長が社会的養護の使命を自覚し、文書化するとともに
会議や研修において表明するなど、組織内に十分に伝わり理解を得ることができる方法
等が考えられます。
また、自ら率先して自己研鑚やOJT・offJTに取り組み、職員にその姿勢を
見せると共に、それらの成果を業務に反映させることが求められます。
【コラム】 OJTとoffJT
OJTとは、職場内において、管理監督者の責任のもとで行われる教育訓練全般をさし
ます。職場内教育といわれ、部下指導、部下育成と同義で用いられることもあります。そ
の内容も職場内での勉強会、個人学習の指示やアドバイス、目標や評価の面談、キャリア
開発の指導など、職場内で行われる多様な教育や指導がOJTの範疇と捉えられています。
offJTとは、職場外教育といわれ具体的には、社外での研修などによる、技術や業
務遂行能力に関するトレーニングのことを指します。offJTでは実務経験を積む職場
から離れ、外部の講師などからのトレーニングを受けます。
その2(PDF/3.6MB)(13ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 13ページ②施設長自ら、遵守すべき法令等を正しく理解するための取組を行い、組織全体をリー
ドする。
・施設長は、法令遵守の観点での施設運営に関する研修や勉強会等に参加する。
・施設長は、職員に対して遵守すべき法令等を周知し、また遵守するための具体的な取
り組みを行う。
キーワード
・法令遵守 ・倫理
解 説
施設が社会的役割を果たしていくためには、基本的な関連法令や施設としての倫理を
踏まえて事業を進める必要があります。施設長自らがそれらの法令等(憲法、法律、政
令、府・省令、告示、通達、局長通知、課長通知)や倫理を正しく理解し、組織全体を
リードしていく責務を負っています。
組織として遵守しなければならない基本的な関連法令について、リスト化する等の方
法で正しく認識されているかどうか、また最新の内容が把握されているかどうか等が評
価のポイントとなります。
遵守の対象となる法令としては、福祉分野に限らず、雇用・労働や防災、環境への配
慮に関するものについても含まれることが望まれます。
【コラム】 法令遵守責任者の選定
介護保険法、障害者総合支援法で規定されている法例遵守のための「法令遵守責任(管
理)者」の選定を取り入れることが望ましいです。また法令遵守の規程を作成することも、
必要となります。
関係する法規を遵守すると共に、不適切な事業運営を防止する仕組みとして、大変重
要なことと思われます。
その2(PDF/3.6MB)(14ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 14ページ③施設長は、支援の質の向上に意欲を持ち、組織としての取組に十分な指導力を発揮す
る。
・施設長は、支援の質の現状について定期的、継続的に評価・分析を行う。
・施設長は、支援の質の向上について、職員の意見を取り入れるとともに、施設内に具
体的な体制を構築し、自らもその活動に積極的に参画する。
キーワード
・支援の質の向上
解 説
社会福祉法第 78 条には、施設は「良質かつ適切な福祉サービスを提供するよう努め
なければならない」と規定されています。施設ではその質を向上させることが重要な課
題です。
施設長は、理念や基本方針に照らし合わせた支援の質に関する課題を把握し、その課
題の改善に向けた取組を組織全体に明らかにして指導力を発揮することが重要です。
施設長がこの課題を正しく理解した上で、組織に対してどのように指導力を発揮して
いるかを具体的な取組として行う必要があります。
支援の質の向上は、具体的には「各論の1支援」の各項目にある通りですが、ここ
ではそれらに対して施設長がどう関わっているか、どのように指導力を発揮しているか
が問われることとなります。
その2(PDF/3.6MB)(15ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 15ページ④施設長は、経営や業務の効率化と改善に向けた取組に十分な指導力を発揮する。
・施設長は、施設の理念や基本方針の実現に向けて、人員配置、職員の働きやすい環境
整備等を行う。
・施設長は、経営や業務の効率化や改善のために施設内に具体的な体制を構築し、自ら
もその活動に積極的に参画する。
キーワード
・施設経営の効率化 ・コストバランス
解 説
施設長は、施設運営の基本である経営や業務の効率化と改善という基本的な課題を常
に視野に入れて組織を運営していくことが求められます。
経営状況やコストバランスの分析に基づいて、経営や業務の効率化を行うとともに、
その効果をさらなる改善に向けていくといった継続的な取組が、安定的かつ良質な支援
の実施には不可欠となります。
施設長には、理念や基本方針の実現に向けて、人事、労務、財務等、それぞれの視点
から常に検証を行い、経営や業務の効率化と改善に向けた具体的な取組を進める姿勢が
必要となります。
施設長がこれらの取組を自ら実施するとともに、組織内に同様の意識を形成し、職員
全体で効率的な事業運営を目指すための指導力を発揮することを期待しています。
公立・私立を問わず、施設長に与えられた権限の範囲でどのような取り組みをしてい
るかが焦点となるでしょう。
その2(PDF/3.6MB)(16ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 16ページ(4)経営状況の把握
①施設運営を取りまく環境を的確に把握するための取組を行う。
・施設運営を長期的視野に立って進めていくために、社会や社会福祉全体の動向、施設
が位置する地域での福祉ニーズの動向、母親と子どもの状況の変化、ニーズ等を把握
する。
キーワード
・福祉全体の動向 ・長期的視野 ・施設運営
解 説
施設運営の基本として、組織として施設を取り巻く動向を的確に把握するための取組
を行う必要があります。
社会的養護の動向、施設が位置する地域での福祉に対する需要の動向、母子世帯の数
や状況の変化、支援のニーズ、潜在的な保護を要する母親と子どもに関するデータ等は、
施設運営を長期的視野に立って進めていくためには欠かすことのできない情報です。
これらの情報を収集するためにも、全国母子生活支援施設協議会等の組織に加盟する
ことが重要です。
把握された情報やデータが、中・長期計画や各年度の事業計画に反映される必要があ
ります。なぜなら情報把握の目的は、環境の変化に適切に対応した施設運営の維持にあ
り、各計画に情報やデータが反映されなければ、その目的は達成されないからです。
また、収集したデータのファイリングや分析の文書化の他に、要保護児童地域対策
協議会等に参画することも、地域に根差した施設として重要なことでしょう。
その2(PDF/3.6MB)(17ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 17ページ②運営状況を分析して課題を発見するとともに、改善に向けた取組を行う。
・運営状況や改善すべき課題について、職員に周知し、職員の意見を聞いたり、職員同
士の検討の場を設定する等、施設全体での取組を行う。
キーワード
・運営状況の分析 ・施設全体での運営改善の取り組み
解 説
施設長は、運営状況を具体的に把握・分析する取組を行う必要があります。具体的に
は、運営状況の把握・分析のための方法が組織として確立された上で、その取組が行わ
れているかどうかという点です。
運営上の課題を解決していくためには、職員の意見を聞いたり、職員同士の検討の場
を設定したりする等、組織的な取組が必要であるという観点が重要です。
担当者の選任や職員会議・職種会議等で、運営についての議論をきちんと記録して
おくことが肝要です。
この項目は、運営状況の確認・改善の議論をしているのだという意識をもたないと、
流されがちなテーマです。言い換えれば、施設の中では多くの運営に関する議論が交わ
されているのだと言えます。
【コラム】 職員の意見や相談の受付
職員の意見や相談について、まず施設長が対応するのが組織上当然のことですが、
意見や相談の内容によっては,さらに上位の者や施設とは別の組織が受け付ける仕組み
も必要です。例えばセクシャルハラスメントや、パワーハラスメントの被害相談、公益
通報への対応などが考えられます。
その2(PDF/3.6MB)(18ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 18ページ③外部監査(外部の専門家による監査)を実施し、その結果に基づいた運営改善を実施
する。
・事業規模に応じ、2年あるいは5年に1回程度、外部監査を受けることが望ましい。
キーワード
・外部の専門家 ・外部監査の努力義務
解 説
社会福祉法人審査基準では、外部監査の頻度について5年に1回程度の外部監査を行
うなど法人運営の透明性の確保のために取組を行うことが望ましいとしています。
外部監査とは財務管理、事業の経営管理、組織運営・事業等に関する外部の専門家の
指導・助言を指します。なお、財務管理、経営管理等は「公認会計士等、税理士その他
の会計に関する専門家」によることが求められます。また組織運営・事業に関しては、
児童福祉に詳しい学識者等が考えられます。
一方、母子生活支援施設の場合、比較的規模が小さく行政監査の他に監査を受ける
機会は少ないと思われます。
施設を経営する法人が外部監査を受ければ、この項目に該当します。またISO等
の国際認証も外部監査になると思われます。
いずれにしても努力義務として受け止める必要があるでしょう。
その2(PDF/3.6MB)(19ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 19ページ(5)人事管理の体制整備
①施設が目標とする支援の質を確保するため、必要な人材や人員体制に関する具体的な
プランを確立させ、それに基づいた人事管理を実施する。
・各種加算職員の配置に積極的に取り組み、人員配置の充実に努める。
・職員が、各職種の専門性や役割を理解し合い、互いに連携して組織として支援に取り
組む体制を確立する。
・基幹的職員、心理療法担当職員等の機能を活かす。
キーワード
・加算職員の配置 ・人員体制の具体的プラン
解 説
基本方針や各計画を実現するために必要な人材や人員体制について、組織として具体
的なプランを持っているかどうかが重要です。
プランは、単に「質の高い人材の確保」という抽象的な表現にとどまるものではなく、
組織の基本方針や各計画に沿って、組織を適切に機能させるために必要な人数や、体制、
社会福祉士等の有資格職員や心理職等の専門職の配置といったことも含めて立案され
る必要があります。
人事管理は法人等で一括して行うところも多いでしょうが、その場合は施設として
の計画や要望を、法人に的確に伝える必要があります。そのためにも支援の質を確保す
るための、必要な人材や人員体制の具体的なプランを作成しなければなりません。
その2(PDF/3.6MB)(20ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 20ページ②客観的な基準に基づき、定期的な人事考課を行う。
キーワード
・人材育成 ・人事考課
解 説
人事考課の持つ意味は、組織の事情によって多少の違いはあるものの、基本的には、
職員の職務遂行に当たっての能力と行動及びその成果を、評価者が組織として定めた一
定の基準と方法に従って評価してその結果を記録し活用することと言えます。
人事考課の目的と役割は、人材の能力開発、育成に活用されること、公正な職員処遇
を実現すること、個々の意欲を喚起し、組織活性化に役立つことです。決して、賃金や
処遇に格差をつけることを目的にしたものではありません。確かに人の評価にかかわる
課題だけに慎重な対応が必要ですが、本来の目的を正しく認識し、適性に運用していく
ことは、健全な組織では当然のことと言えます。
人事考課と人材育成を関連付けるとき、組織固有の評価すべき能力の具体的設定が重
要であり、考課に当たっては、絶対評価の基準の明確化が求められます。そして何より、
人を評価する評価者としての正しい評価眼を養うことが大切になります。人事考課の実
施が、職員一人一人の資質や能力を活かした将来像を見据えながら、自己評価と関連づ
けて行われることが望まれます。
なお、施設の規模や職員体制を十分に勘案する必要があると言えます。そのうえで客
観的な基準として、施設長等が職員の期待している仕事の内容を面接時に明確に示す必
要があるでしょう。
評価基準を明確化した上で、対話重視の人事考課が良いと思われます。職員のモチベ
ーションの維持・向上に役立つ人事考課でなければならないでしょう。
その2(PDF/3.6MB)(21ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 21ページ③職員の就業状況や意向を定期的に把握し、必要があれば改善に取り組む仕組みを構築
する。
・勤務時間、勤務状況を把握し、職員が常に仕事に対して意欲的にのぞめる環境を整え
る。
・困難ケースの抱え込みの防止や休息の確保などに取り組む。
キーワード
・有給休暇 ・事業主行動計画
解 説
支援の内容を充実させるためには、組織として、職員が常に仕事に対して意欲的にの
ぞめるような環境を整えることが求められます。職員の就業状況や意向・意見を把握、
その結果を分析・検討し、改善に向けた取組を人材や人員体制に関する具体的なプラン
に反映した上で進めていくといった仕組みが必要となります。
職員の状態を把握する取組としては、有給休暇の消化率や時間外労働の定期的なチェ
ック、疾病状況のチェックなど客観情報の把握のほか、次世代育成支援対策推進法に基
づく事業主行動計画の策定や、育児・介護休業法への適切な対応、定期的な個別面接や
聴取等が仕組みとして、確立していることが望まれます。
また、把握された意向・意見について分析・検討する仕組みや、サポートする必要が
あると認められる職員に対しての対応等、把握した職員の状況に対して組織的に取り組
む必要があります。
外部専門家による職員へのコンサルテーションも、取り組みの1つと言えます。
【コラム】 事業主行動計画の策定の努力義務化
改正された次世代育成支援対策推進法では、平成 23 年 4 月 1 日より、100 人以下の従業
員のいる事業所も、事業主行動計画の策定が努力義務となりました。法人全体で 101 人以
上いる場合は、たとえ母子生活支援施設の職員が 10 人だとしても、策定は義務となります。
作成した行動計画は公表し、職員に対しては周知をしなければなりません。
その2(PDF/3.6MB)(22ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 22ページ④職員処遇の充実を図るため、福利厚生や健康を維持するための取組を積極的に行う。
・職員の心身の健康に留意し、定期的に健康診断を行う。
・臨床心理士や精神科医などに職員が相談できる窓口を施設内外に確保するなど、職員
のメンタルヘルスに留意する。
キーワード
・職員処遇 ・職員のメンタルヘルス
解 説
職員処遇の充実を図るという観点からの取組みが重要です。具体的には、「社会福祉
事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針」(平成19年厚生労
働省告示第289号)第3に規定される人材確保の方策のうち、1.労働環境の整備の
推進等にある「⑤健康管理対策等」及び「⑦福利厚生」に示されているものに対する取
組等が挙げられます。
職員の健康維持の取組としては、例えば、より充実した健康診断を実施する、全職員
に予防接種を励行する、健康上の相談窓口を設置する、悩み相談の窓口を設置するなど
が挙げられます。
さらに労働安全衛生法に基づく、職員の健康管理(雇用時含む)も重要です。
相談窓口については、単に「困ったことがあれば施設長に相談する」といった運営で
はなく、相談しやすい工夫を行っているか、相談を受け付けた後に解決を図る体制が整
備されているかなど、組織的に取り組む必要があります。パワーハラスメント、セクシ
ャルハラスメントの防止の取り組み等も必須と言えます。男女雇用機会均等法に基づき、
ハラスメント防止に関する規程やハラスメント防止委員会の設置、ハラスメント相談窓
口担当者の任命などが必要です。
また、福利厚生の取組としては、職員の余暇活動や日常生活に対する支援を行うなど、
福利厚生事業の推進を図ったり、福利厚生団体に加入するという方法もあります。
その2(PDF/3.6MB)(23ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 23ページ(6)実習生の受入れ
①実習生の受入れと育成について、基本的な姿勢を明確にした体制を整備し、効果的な
プログラムを用意する等積極的に取り組む。
・受入れの担当者やマニュアルを整えるとともに、受入れの意義や方針を全職員が理解
する。
・学校等と連携しながら、実習内容全般を学べるプログラムを準備する。
キーワード
・実習受け入れの社会的責務 ・実習指導 ・実習プログラム
解 説
ここで言う実習とは社会福祉専門職を育成するための実習を指しています。
福祉の人材を育成することは、施設の社会的責務の一つです。地域の特性や施設種別、
規模等、状況によって異なりますが、組織としての姿勢が明確にされているとともに、
その体制が整備されている必要があります。
また組織として実習生受入れの意義や方針が明確にされ、全職員に理解されている必
要があります。受入れ体制を整備し、様々な工夫のもとで効果的な実習指導を行わなけ
ればなりません。
受入れ体制の整備については、担当者の設置と、受入れに関するマニュアルの作成が
求められます。マニュアルには、受入れについての連絡窓口、母親と子どもへの事前説
明、職員への受入れの意義・方針・日程等の事前説明、実習生に対するオリエンテーシ
ョンの実施方法等の項目が記載されている必要があります。
実習生は、受入れの時期や期間、受入れ人数などが一定ではありません。したがって、
より丁寧な利用者への配慮が求められます。さらに母親と子どもにとっても有益な体験
となるよう、母親と子どもの意向を尊重した実習生の受入れについて、組織として具体
的にどのような取組を行うかの検討も重要です。
また実習指導を行うということは、実習生に現場で展開している専門性(価値・知識・
技術)を指導し、一定レベルの実践力の獲得を目指さなければいけないということにな
ります。言い換えると、現場は実習生にきちんとした実習指導を行う義務を負い、実習
生はそのような実習指導を受ける権利を有することになります。
その2(PDF/3.6MB)(24ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 24ページ以上のような意味から、また実習生の権利擁護(ハラスメントの防止)の観点から
も実習指導契約書を交わすことが望ましいと言えます。そのためにも実習生だけでなく
養成校(指導教員)とも協議の場をもうけ意見交換をする必要があります。
保育士や社会福祉士等の養成校協議会の意見交換会等に積極的に参加するなど、最
新の専門職養成教育の情報の取得に努めることも肝要です。
その2(PDF/3.6MB)(25ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 25ページ【コラム】 社会福祉士実習(相談援助実習)プログラムの例
その2(PDF/3.6MB)(26ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 26ページ(7)標準的な実施方法の確立
①支援についての標準的な実施方法を文書化し、職員が共通の認識を持って支援を行う。
・標準的な実施方法を職員に周知し、共通の認識を持って一定の水準の支援を行う。
・マニュアルは、母親や子どもの状態に応じて職員が個別に柔軟に対応できるものにす
る。
キーワード
・支援実施方法の文書化 ・支援の個別化
解 説
支援においては、個々の母親と子どもの状況に応じた支援を行う必要があります。し
かし、安全性を含めて一定の水準以上の支援の提供を担保するためには、施設として実
施しなければならない事項をまとめ、標準的な実施方法を定めることが必要です。(例
えば、「入所初期の支援」「日常生活の支援」「就労支援」などの支援の内容ごとに定め
ることを想定しています。)
標準的な実施方法を定め、一定の支援の水準を保った上で、それぞれの母親と子ども
の状態に応じて個別化を行うことが必要であり、これは事故防止の観点からも有効です。
このような観点から、標準的な実施方法が文書化されている必要があります。これは、
すべての母親と子どもに対する画一的な支援の実施を目的としたマニュアル化を求め
るものではありません。
標準的な実施方法には、基本的な技術に関するものだけでなく、支援を実施する時の
留意点や母親と子どものプライバシーへの配慮、設備等事業所の状況に応じた業務手順
等も含まれ、実施する支援全般にわたって文書化されていることが求められます。
標準的な実施方法を記した文書は、いつでも閲覧でき、職員が日常的に活用している
状態が求められます。
支援の標準的な実施方法であることから、例えば各種の保育(待機児、病後児、補
完、レスパイト、リフレッシュ等)の説明書やマニュアルなどが該当します。
その2(PDF/3.6MB)(27ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 27ページ②標準的な実施方法について、定期的に検証し、必要な見直しを組織的に実施できるよ
う仕組みを定め、検証・見直しを行う。
・ 標準的な実施方法の見直しは、職員や母親、子どもからの意見や提案、生活の状況
等に基づいて支援の質の向上という観点から行う。
・見直しの時期は、少なくとも1年に1回は検証し、必要な見直しを行う。
キーワード
・PDCAサイクル ・マニュアルの改訂記録
解 説
標準的な実施方法について、定期的に現状を検証し、必要な見直しを組織的に行うた
めの仕組みが定めることと、仕組みに従って見直しを実施していかなければなりません。
標準的な実施方法を定期的に見直すことは、支援の質に関する職員の共通意識を育て
るとともに、PDCAのサイクルによって、質に関する検討が施設として継続的に行わ
れているという意味をあわせ持っています。
標準的な実施方法の見直しは、職員や母親と子どもからの意見や提案、母親と子ども
の状況に基づいて支援の質の向上という観点から行われなければなりません。
定期的な検証や見直しについて、マニュアルの改訂記録や検討会議の記録等、書面を
残すことが重要です。
【コラム】 PDCAサイクルとは
PDCAサイクルとは、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に
進める手法の一つ。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の4段階
を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。
運営指針に置き換えると、各項目を反映・実現させるための手立てを考える企画力、企
画したものを確実に実践する実行力、実行したものを評価し軌道修正するチェック力が必
要となります。さらにこれらをサイクル(循環)として、繰り返し行うことが重要です。
その2(PDF/3.6MB)(28ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 28ページ(8)評価と改善の取組
①施設運営や支援の内容について、自己評価、第三者評価等、定期的に評価を行う体制
を整備し、機能させる。
・3年に1回以上第三者評価を受けるとともに、定められた評価基準に基づいて、毎年
自己評価を実施する。
・職員の参画による評価結果の分析・検討する場を設け、実行する。
キーワード
・PDCAサイクル ・自己評価 ・第三者評価
解 説
施設運営や支援の質の向上は、PDCAのサイクルを継続して実施することによって、
恒常的な取組として機能していきます。
これを具体的に示すと、「改善計画策定→計画実施→実施状況の評価→改善計画の見
直し→必要があれば計画変更」となります。
なお、ここでの「支援の見直し」とは、個別の利用者に対するものではなく、組織的
な対応を求められる全体としての改善課題の発見と対応を指しています。
「定期的に評価を行う体制が整備され機能している」とは、自己評価、第三者評価な
どの計画的な実施、評価を行った後の結果の分析、分析内容についての検討までの仕組
みが、組織として定められ実行されていることを指します。
また、第三者評価を受けるあたり、毎回同じ評価機関では評価に偏りが生じるおそれ
があります。別の評価機関での受審も、検討する必要があるでしょう。
その2(PDF/3.6MB)(29ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 29ページ②評価の結果を分析し、施設として取り組むべき課題を明確にし、改善策や改善実施計
画を立て実施する。
・分析・検討した結果やそれに基づく課題を文書化し、職員間で共有し、改善に取り組
む
キーワード
・改善実施計画 ・評価結果の共有と改善
解 説
実施した自己評価、第三者評価などの結果を組織がどのように活用するか、また評価
結果から明確になった課題に対して、改善策や改善実施計画を検討し、決定する必要が
あります。
改善課題の明確化や、評価結果の分析結果、それに基づく課題等を、検討過程を文書
化し職員間で共有・確認することが求められます。
課題の中には、設備の改善や人員配置、予算的な課題等、単年度では解決できないも
のも想定されます。これらについては、必要に応じて目標や中・長期計画の中で、段階
的に解決へ向かって対応していくべきでしょう。
「課題の抽出」「改善策の議論と結果」「改善の方法」「改善実施計画」「改善の実施
状況」、これらの各ステージでの記録が求められています。
【コラム】評価の結果の公表
3年に1度の受審が義務化された、第三者評価はその評価結果の公表も義務です。
公表の場は全国社会福祉協議会のホームページ上に随時、掲載されています。以下の URL
のページから検索することができます。
全国社会福祉協議会政策企画部
http://www.shakyo-hyouka.net/search/index.php
その2(PDF/3.6MB)(30ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 30ページ巻末資料
その2(PDF/3.6MB)(36ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 36ページキーワード索引
アルファベッ
ト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
DV証明 66
DV防止法 13
PDCAサイクル 167 168
QOL 105
あ
行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アセスメント 43 88
安心と癒しの場 27
安定した生活の営み 1
意見集約 150
意見の述べやすい環境 115
意見や提案に対する対応 119
居心地 60
衣食住 49
一時保護委託 64
受け入れ体制の整備 64
運営状況 158
エンパワーメント 29 79
大人との信頼関係 60
大人の役割 56
親子関係調整 76
か
行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
外国語への対応 114
改善実施計画 169
改訂記録 167
外部の専門家 159
かかわり 47
学習への動機づけ 58
加算職員 160
家族関係の強化、再構築および安定 34
課題の早期発見 92
学校生活への支援 58
その2(PDF/3.6MB)(37ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 37ページ環境の醸成 139
関係機関連携 75 77
簡潔 152
管理宿直 130
機械警備 130
危機介入 34
基本姿勢 138
基本方針 105
虐待通告 75
虐待や不適切なかかわりへの対応 52
休日夜間の相談体制 47
共通理解 106
共有と改善 169
記録を活用した振り返り 103
緊急一時保護 64
緊急対応 124
緊急入所 64
苦情受け付け担当者 117
苦情解決責任者 117
苦情に対する対応 119
具体的プラン 160
工夫と配慮 146
暮らしの再生 45
経営理念(方針) 147
計画の評価 140
計画の見直し 140
継続性に配慮 85
傾聴 106
健康管理 49
研修体系 138
広域利用 41
効率化 156
合理的計画的な一貫した支援 21
個人情報保護規程 100
コストバランス 156
子ども(児童)の権利条約 73 108
子どもの権利擁護 123
個別化 166
個別のかかわり 73
個別のニーズや課題 24
コミュニケーション 60
その2(PDF/3.6MB)(38ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 38ページコンサルテーション 141
さ
行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
災害に備えた事前準備、対策 128
災害発生時の体制 128
支援の実現 1
支援の質の向上と支援者の成長 36 155
支援の内容と運営 1
支援の振り返り 96
支援のプロセス 43
支援メニュー 111
事業計画の基本 144
事業主行動計画 162
自己決定 79 111
自己研さん 139
自己肯定感 27
自己肯定感 73
自己肯定感の回復 71
自己評価 168
事故防止 124
事故防止策 129
自信がつく配慮 84
施設行事へ招待 87
施設全体 158
施設内に掲示 145
施設の相談機能 137
思想信教の自由 108
自治会活動 110
実行可能 149
実施手順 88
実習指導 164
児童相談所 75
児童福祉法 10
次年度計画への反映 150
社会資源 131
社会的責務 164
社会的存在 143
周知徹底 107
周知と工夫 151 152
重点事項とは異なる 144
その2(PDF/3.6MB)(39ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 39ページ十分な周知 115
就労を開始する時期 82
主体性の尊重 77 79
主体的に選択 111
守秘義務 100
受容的、支持的かかわり 106
受容的態度 109
障害者への配慮 114
情報の管理 132
情報の共有 101
情報の共有化 131
情報の共有化 132
将来像 147
職員処遇 163
職員に配布 145
職員の参画 150
職員のメンタルヘルス 163
職員一人一人 139
職員への周知 145
職業能力開発 82
自立支援計画 13
自立支援計画 88
自立支援計画にそった支援の記録 98
自律性 110
自立への意欲 84
事例の収集 129
進学(進路)支援 58
人権感覚 105 109
人権擁護 39
人材育成 161
信条 143
信頼関係 106
信頼関係の構築 54
心理療法 71
数値化 149
スーパーバイザー 141
進め方の工夫 133
ストレスの軽減 54
ストレングス視点 29 31
すべての職員 151
生活改善 110
その2(PDF/3.6MB)(40ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 40ページ生活習慣 49
生活のしおり 112
生活の場 19
性教育 62
精神的な安定 84
絶対評価 161
設備面での配慮 107
説明責任 106
選択 80
専門家 36
専門的対人援助スキルの発現 21
送迎支援 52
相互交流 133
相談事業の活発化 136
相談方法や相手が選択できる 115
ソーシャルワークの考え方を基盤とした総合的支援 24
た
行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第三者委員 117
第三者評価 168
対象年齢 19
退所先への訪問 87
退所の時期 19
体罰や権利侵害防止の明記 120
多岐にわたるニーズ 16
他人への配慮 62
楽しみ 80
地域からの理解 134
地域でのネットワークの形成 87
地域に提供 134
地域の子育て支援 137
地域の福祉ニーズ 136
チームアプローチ 153
長期的視野 157
直接処遇職員による宿直 130
統一した対応 101
特別な配慮が必要な子ども 56
とまどいへの配慮 47
努力義務 159
その2(PDF/3.6MB)(41ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 41ページな
行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
内容 80
悩みへの相談 58
ニーズに応じた保育支援 56
日常生活支援 24
妊産婦 19
ネットワーク 132
は
行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
パートナー 29
バーンアウトの予防 141
発達段階に応じた自立支援計画 92
母親と子どもの考えの尊重 76
母親と子の尊厳 21
パンフレット 112
被害からの回復 66
引き継ぎ 85
人とのつながり 54
一人一人の尊厳の尊重 13
評価 96
標準的実施方法 109
貧困率 16
不安の軽減 52
福祉事務所 131
福祉全体の動向 157
不適切なかかわりを行う者への専門的支援 123
不適切なかかわりを行わないための支援技術の習得 120
不適切な行為禁止の周知 122
不適切な行為を行わないための良好な人間関係の構築 122
プログラム 164
文書化 166
保育環境の保障 82
保育支援 52
法的手続き 66
防犯体制 69
暴力の否定 71
法令遵守 154
保護命令 66
母子生活支援施設に期待される役割の変化 39
その2(PDF/3.6MB)(42ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 42ページボランティア受け入れマニュアル 135
ボランティア保険 135
ま・や・ら・わ
行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
見直し 96
明示する 138
明文化 143
目的にそった記録様式 98 103
目的の説明 80
目標(ビジョン) 147
求められる大人像 31
夜間の安全管理体制 69
やすらぎと癒し 45
有給休暇 162
養育支援 56
余暇 80
リーダーシップ 153
リスクアセスメント 92
理念 105
利用対象 16
倫理 154
わかりやすい 146
その2(PDF/3.6MB)(43ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 43ページ編集委員一覧
青戸 和喜 全母協研修広報委員長/岡崎市母子生活支援施設
いちょうの家(愛知県)
大澤 正男 全母協副会長/ふたばホーム(東京都)
◎ 菅田 賢治 全母協副会長/宮城県・仙台市社会事業協会)
芹澤 出 全母協制度施策委員長/野菊荘(京都府)
森脇 晋 全母協特別委員会副委員長/白百合パークハイム
(神奈川県)
山辺 朗子 全母協中央推薦協議員/龍谷大学社会学部教授
湯澤 直美 全母協中央推薦協議員/
立教大学コミュニティ福祉学部教授
〈50 音順〉 ◎ … 委員長
その2(PDF/3.6MB)(44ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 44ページ母子生活支援施設運営ハンドブック
平成26年3月発行
監修 社会的養護第三者評価等推進研究会
編集 母子生活支援施設運営ハンドブック編集委員会
厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 家庭福祉課
〒100-8916 東京都千代田区霞が関 1-2-2