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こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>
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変更後 · 1ページこどもへの聴き取りに関する
留意点
<実践編>
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(2ページ)
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変更後 · 2ページ目 次
研修の概要 ......................................................................................................... 1
1.本研修の目標・対象...................................................................................................... 2
(1)研修の目標 ........................................................................................................... 2
(2)研修の対象 ........................................................................................................... 2
(3)研修の構成︓知識編と実践編 ..................................................................................... 2
2.ケーススタディについて ..................................................................................................... 2
<実践編①> CASE A 聴き取りの例 (未就学児の場合) .............................................. 3
1.ケースの想定............................................................................................................... 4
2.こどもへの聴き取りの方法と留意点....................................................................................... 4
(1)こどもから打ち明けられたときの対応 ................................................................................. 4
(2)聴き取り︓オープン質問により、出来事の内容を聴いていく ....................................................... 5
(3)こどもの安全に向けて一緒に考えさせてと説明し、情報共有範囲を伝える ....................................... 7
(4)終結 ................................................................................................................... 8
(5)記録・報告 ............................................................................................................ 8
<実践編②> CASE B 聴き取りの例 (中学生の場合) ................................................. 9
1.ケースの想定.............................................................................................................. 10
2.こどもへの聴き取りの方法と留意点...................................................................................... 10
(1)導入とお願いごと .................................................................................................... 10
(2)ラポール(話しやすい関係性)形成 .............................................................................. 12
(3)オープンに本題に入る ............................................................................................... 14
(4)オープンに、かつ徐々に出来事に近づいていく ..................................................................... 16
(5)こどもの安全に向けて一緒に考えさせてと説明し、情報共有範囲を伝える ......................................16
(6)終結 .................................................................................................................. 18
(7)記録・報告 ........................................................................................................... 19
まとめ(留意点) ................................................................................................ 20
(1)聴き取り場所 ........................................................................................................ 21
(2)導入 .................................................................................................................. 21
(3)ラポール形成 ......................................................................................................... 21
(4)聴き取り .............................................................................................................. 21
(5)こどもの安全に向けて一緒に考えさせてと説明し、情報共有範囲を伝える ......................................21
(6)終結 .................................................................................................................. 21
(7)記録・報告 ........................................................................................................... 22
監修者.......................................................................................................................... 23
参考資料 ....................................................................................................................... 23
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(3ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 3ページⅠ 研修概要
研修の概要
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(4ページ)
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変更後 · 4ページⅠ 研修概要
1.本研修の目標・対象
(1)研修の目標
本研修の目標は、性暴力の疑いが生じた際、こどもへの聴き取りに先立ち、事業者として行うべきこと(警察への通
報・相談、所管行政庁への相談、専門家への相談の検討等)を理解した上で、実際に聴き取りを行うことが必要に
なった場合に求められる知識を習得し、適切に対応できるようになることです。
(2)研修の対象
本研修の対象は、
① 事業者における管理者
② 性暴力の疑いが生じた場合に、事実確認のための聴き取りをする可能性のある方
などです。
なお、こども家庭庁より提供している解説動画の関係箇所の内容を理解している方が、事実確認のためのこどもへの
聴き取りについて、より発展的・実践的な内容を学ぶために活用することを想定しています。
(3)研修の構成︓知識編と実践編
「こどもへの聴き取りの方法と留意点」の研修は知識編と実践編からなり、本研修は実践編の①、②となります。
実践編では、こどもへの聴き取りのケーススタディを通じて、実践での具体的な対応方法を学びます。
知識編と合わせて活用し、こどもへの聴き取りを適切に行うための基礎力を身に付けていきましょう。
2.ケーススタディについて
本研修で紹介するケースは、こどもへの聴き取りのイメージや、その難しさなどを理解していただくために、有識者の協
力のもとに作成した仮想のケースです。
実際に生じる、こどもへの聴き取り時のやり取りは、千差万別であり、同様の被害であったとしても、被害を受けたこど
もや保護者の心情、聴き取りにおける声のトーンや表情、誰が聞くかなどによって、相手の反応等が大きく異なることが
想定されます。
本ケースは、事業者による聴き取りのイメージを参考として示すものであり、必ずしも正解となる対応とは限らないため、
実際の対応に当たっては、個別のケースごとに、対応を検討してください。
なお、こどもへの聴き取りに当たっては、こどもの安心・安全を守るため、性暴力被害の影響等について知っておくこと
が大事です。そのため、こども家庭庁が別途提供する「性暴力の防止に関する基礎」に関する研修や、本研修の知識
編の受講等をした方が対応することを想定しています。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(5ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 5ページ<実践編①>CASE A 聴き取りの例(未就学児の場合)
<実践編①>
CASE A
聴き取りの例
(未就学児の場合)
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(6ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 6ページ<実践編①>CASE A 聴き取りの例(未就学児の場合)
ここでは、被害を受けたこどもが未就学児の場合の想定ケース A を基に、こどもへの聴き取りの具体的なやり取り等に
ついて学んでいきましょう。
1.ケースの想定
本ケースの想定は下記の通りです。
○ 保育園内で、園児の A ちゃんから、突然「先生に変なことをされた」との相談を受けました。
○ 直接相談を受けた保育士のあなたが聴き取り担当をすることになりました。
○ 急な対応のため、立会人はいません。
2.こどもへの聴き取りの方法と留意点
こどもへの聴き取りの方法と留意点について考えていきましょう。
(1)こどもから打ち明けられたときの対応
あなたは、こどもから性暴力被害について打ち明けられることになります。こどもとあなたとの会話が始まります。
(こども)「ねえ先生、お話聴いて。」
(あなた)「A ちゃん、どうしたの︖」
(こども)「変なことしてきた。」
(あなた)「うん、誰が︖」
(こども)「B 先生。 」
(あなた)「そうか。A ちゃんが安心してお話しできるように、
静かなところで聴かせてもらうね。あっちのお部屋
でいいかな︖」
○ 聴き取りは、他の人に話の内容を聞かれず、話が中断されることのない、静かな落ち
着いた場所で行いましょう。その際、「静かなところ」という移動の理由を述べて移動し
ましょう。また、殺風景でこどもが委縮するような場所は避けましょう。
○ 話を聴く側の大人の性別はどちらが話しやすいか、こどもにたずねてみてもよいでしょう。
○ お話を聴くことに集中できるように、きちんと覚えておけるようになどの理由を述べたうえ
で、できるだけ録音・録画することが望ましいです。一方、こどもが話しにくくなるようなら
ば、録音・録画はしないようにします。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(7ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 7ページ<実践編①>CASE A 聴き取りの例(未就学児の場合)
(2)聴き取り︓オープン質問により、出来事の内容を聴いていく
こどもへの聴き取りが始まります。まず、オープン質問により、出来事の内容を聴いていきます。
(あなた)「話しに来てくれてありがとう。」
○ 最初に、こどもが話しに来てくれたことへの感謝を述べましょう。
(あなた)「『変なことしてきた』って、何があった︖」
○ 言い換えたりせずに、こどもが使った言葉をそのまま用いましょう。
○ 聴き取り者があれこれ聴くのではなく、オープン質問で、こどもに主体的に話してもらいま
しょう。4 つのオープン質問が効果的です。
① 誘いかけ︓「何があったか、最初から最後まで、全部話してください」というもので
す。
② 時間の分割︓こどもが、「A があった」、「B があった」と答えてくれれば、「A の前に
あったことを話して」、「A と B の間にあったことを話して」などと語られていない部分
を語ってもらいます。
③ 手がかり質問︓「さっき言っていた A についてもっと教えて」と話しかけます。
④ それから質問︓「何々でした。」とこどもの話に一区切りがついたときには、「それ
で︖」、「それからどうなった︖」とさらに聞いてみます。
○ このように、大人からは、誰が何をしたかについて何も言わないで、こどもから話を聴きだ
すことが大変重要です。
○ 一方、「はい」か「いいえ」、A か B かで答えるようなクローズド質問により、一問一答形
式で聴いてしまうと、暗示や誘導につながりやすくなります。また、こどもが問い詰められ
ているように感じ、精神的負担も大きくなるおそれがありますので、注意しましょう。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(8ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 8ページ<実践編①>CASE A 聴き取りの例(未就学児の場合)
参考︓オープン質問とクローズド質問(詳細は知識編 28 ページ参照)
○ オープン質問︓「はい」か「いいえ」、A か B かでは答えられず、質問された側は自分の言葉で話すことがしやす
い質問形式です。
○ クローズド質問︓「はい」か「いいえ」、A か B かで答える質問形式で、質問された側は与えられた情報から穴埋
めや選択をすることになりやすいです。
(こども)「お昼寝のときに、触ってきたの。」
(あなた)「うん、誰が︖」
(こども)「B 先生。」
○ 「誰がした」かという最小限の主語は確認する方がよいです。
○ 一方、曖昧なところ、矛盾するところがあってもあれこれ聴かず、そのままにして進みまし
ょう。
(あなた)「そうか、それで︖」
(こども)「寝ててね、ぱっと目あけたら先生がいた。」
(あなた)「うん。」
(こども)「パジャマの中に手が入ってた。」
○ 出来事について、本人が「怖かった」と言っているわけではないのに「怖かったね」と言う
など、聴き取り者の言葉で評価しないでください。これはむしろ、こどもの負担になった
り、話を変容させてしまったりすることがあるからです。
(あなた)「それでどうなったのかな。」
(こども)「先生行っちゃった。」
○ 身体への不必要な接触があったとわかれば、これ以上は聴かないこととします。「何があ
ったか」、「誰がしたか」の疑いがわかれば十分です。施設長等に報告しましょう。
○ 「何回」、「強さ」、「時間」、「どんなふうに」などの詳細は追及しないでください。
○ 曖昧なところ、矛盾するところもそのままにしてください。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(9ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 9ページ<実践編①>CASE A 聴き取りの例(未就学児の場合)
(あなた)「そうか。A ちゃん、それからどうした︖」
(こども)「ここに来た。」
(あなた)「わかったよ。話してくれてどうもありがとう。一緒に
考えさせてね。」
○ 「先生行っちゃった」と終わったように聞こえても、被害についての話が終了し、他の安全
な人や出来事につながるまで話してもらいましょう。他の人や安全な出来事につながる
まで話してもらえれば、それ以上の被害がないことがわかります。また、つながった先の人
や出来事から、日時の特定がしやすくなります。
○ 本ケースでは、A ちゃんがあなたに話しに来たことまでが時系列で聴けました。
(3)こどもの安全に向けて一緒に考えさせてと説明し、情報共有範囲を伝える
次に、こどもの安全に向けて一緒に考えさせてと説明し、こどもに情報共有範囲を伝えます。
(こども)「このことは誰にも言わないでね。」
(あなた)「誰かに言うと、どんなことが心配かな︖」
○ 秘密にすることを求められても、立場上できないことは約束しないでください。
○ 秘密にしたい理由を話してもらいましょう。このときに、「どうして︖」と聞くと非難している
ように受け取られることがあるため、「どんなことが心配︖」と尋ねましょう。
(こども)「恥ずかしいの。」
(あなた)「そうか、気持ちを話してくれてどうもありがとう。先
生は、話してくれて、とってもありがたかったよ。A
ちゃんが安心して保育園に来られるように、園長
先生やおうちの人とも一緒に考えさせてね。」
○ こどもの気持ちに寄り添いつつ、園長先生やおうちの人など、情報を共有する人の範
囲について伝えましょう。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(10ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 10ページ<実践編①>CASE A 聴き取りの例(未就学児の場合)
(4)終結
こどもへの聴き取りを終結させます。
(こども)「B 先生、怒らないかな︖」
(あなた)「A ちゃんが怒られることは何もないから安心して。
またお話したくなったら聴かせてね。」
○ 今後も相談しやすい関係を作っておきましょう。
○ 話したあと、こどもが友達や他の先生、保護者のところに戻っていくまで安全を見届けま
しょう。
(5)記録・報告
最後に、聴き取り内容を記録し、施設長等に報告します。
○ あなたはこどもを保育室まで送った後、こどもとのやり取り
をメモに残しました。
○ こどもとのやり取りがあった経緯、日時、場所、やり取り
の内容を一つ一つそのとおりに記録しました。
○ そのメモをもって、園長室に報告に向かいました。
○ 話してもらったら、忘れないようにすぐ、こどもから話を聴いた日付、時間、場所、何をし
ていたらこどもが来たのか、その後どうしたのかを記録します。
○ できれば、その時のこどもの服装、表情、話す様子等も記録しておくとよいでしょう。ただ
し、聴き取り者がどう感じたかという「所感」については、事実とは区別して、それとわかる
ように記録します。
○ その上で、聴き取り者の懸念とこの記録を速やかに管理者に報告しましょう。
○ 管理者は「いつ」、「どこで」、「何回」などと詳細に確認することを求めないでください。管
理者の求めにより、職員が聴きすぎてしまうことがあります。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(11ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 11ページ<実践編②>CASE B 聴き取りの例(中学生の場合)
<実践編②>
CASE B
聴き取りの例
(中学生の場合)
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(12ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 12ページ<実践編②>CASE B 聴き取りの例(中学生の場合)
ここでは、被害を受けたこどもが中学生の場合の想定ケース B を基に、こどもへの聴き取りの具体的なやり取り等につ
いて学んでいきましょう。
1.ケースの想定
本ケースの想定は下記の通りです。
○ 中学3年生の A さんの母親から相談がありました。最近娘の様子がおかしいので聞いたところ、「B 先生のこと
だけど、お母さんには言いたくない。C 先生(あなた)になら話せるかもしれない」とのことでした。
○ 性暴力や身体的な暴力の可能性も視野に入れ、対応経験があるスクールカウンセラーの協力や助言を得て、
学年主任のあなたが聴き取りを担当することになりました。
○ 母親からは A さんには、「C 先生が、あなたの話を聴きたいと言っている」と伝えてもらいました。
○ 立会人はスクールカウンセラーが務めます。
2.こどもへの聴き取りの方法と留意点
こどもへの聴き取りの方法と留意点について考えていきましょう。
(1)導入とお願いごと
聴き取りは、「導入とお願いごと」から始まります。こどもとあなたとの会話が始まります。
(あなた)「きょうは時間をとって来てくれてありがとう。A さん
とお話ができればと思って、来てもらいました。」
○ 最初に、こどもが話しに来てくれたことに感謝を述べましょう。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(13ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 13ページ<実践編②>CASE B 聴き取りの例(中学生の場合)
(あなた)「D さん(スクールカウンセラー)にも、お話を聴く
サポートをしてもらいたいんだけど、いいですか︖」
(こども)「・・・はい。」
(あなた)「何か、話したいことがあるなら話してもらえればう
れしいです。先生に一緒に考えさせてほしいか
ら。」
(あなた)「答えたくないことがあれば答えなくてもいいし、わ
からないことはわからないと言ってくれればいいです
よ。」
(こども)「はい。わかりました。」
○ こどもが話したくないこと、わからないことは、その旨を伝えてもらうようにしましょう。無理
に答えようとすると、こどもに負担がかかったり、信頼性の薄い回答になったりしてしまい
ます。
(あなた)「先生が A さんの言葉を聞き逃したり、間違って
理解しないように、録音したいんだけど、いいです
か。話しにくいなら録音しないし、いつでも止める
こともできます。」
(こども)「・・・わかりました。」
○ 理由を述べたうえで、可能であれば、状況により録音・録画することが望ましいです。
○ 一方、こどもが話しにくくなるようならば、録音・録画はしないようにします。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(14ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 14ページ<実践編②>CASE B 聴き取りの例(中学生の場合)
(2)ラポール(話しやすい関係性)形成
次に、こどもとの間に、ラポール(話しやすい関係性)をつくっていきます。
(あなた)「最近の学校のことを話してもらいたいんだけど、
何か楽しいことはありましたか。」
(こども)「うーん、あんまり。」
(あなた)「この間の合唱コンクールは︖」
○ 性暴力が疑われる出来事について、こどもがすぐに話してくれるとは限りません。話して
もらうためには、ラポール形成が非常に重要です。こどもと話しやすい関係性を築くた
め、まずは B 先生とは関係のない話題をふって、話してもらいましょう。
(こども)「あー。合唱コンクールはよかった。うちらのクラスは
3 位だった。」
(あなた)「そうか。合唱コンクールのこともっと話して。」
(こども)「うちらのクラスは・・・。」
○ こどもが話しやすい状況をつくりだすために、あなたは、「うんうん、そうかあ。そうだったん
だねー」とあいづちを打ちながら笑顔で話します。
(あなた)「どうもありがとう。とってもよくわかりました。がんばっ
た甲斐があったね。こうやって話してくれると、うれ
しいです。」
(こども)「はい。」
○ 話したくない様子であるような場合には、いきなり核心に入るのではなく、話しやすい話
題から話をしてみましょう。
○ ラポール形成は、その後の聴き取りでどれだけ話してもらえるかに影響するため、十分に
時間をかけて行います。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(15ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 15ページ<実践編②>CASE B 聴き取りの例(中学生の場合)
(あなた)「もう少し聞きたいんだけど、今度は、学校のことで
何か嫌だな、困ったなあということがあったらお話し
てください。」
(こども)「別にないです。」
(あなた)「そうか、授業ではない︖」
(こども)「あー。国語が苦手だから、私。作者の考えとか、
いつもわからなくて。」
(あなた)「そうか、そのことをもっと話して。」
こどもは、国語の授業で立ち往生した話を、しばらく話します。
(あなた)「そうか、そうか。よくわかりました。で、何か考えと
かありますか。」
(こども)「国語が嫌いっていうわけじゃないから。ほんとは好
きだから推理小説とかで、練習したらいいのかな
と思って。会話とかだと結構わかるし。」
(あなた)「うんうん、そうなんだね。なかなかいい方法だと思
う。いいこと考えたね。」
(こども)「うん、まあ。」
○ 話せないときには、他の話題でのラポール形成が有効です。まだ話しにくそうであれば、
今日ここに来るまでにあったことなどを話してもらいましょう。
○ どうしてもラポールが作れなければ、その場は面接を閉じ、次のときにまた話す機会を設
けるのでもよいです。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(16ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 16ページ<実践編②>CASE B 聴き取りの例(中学生の場合)
(3)オープンに本題に入る
こどもへの聴き取りが始まります。まず、オープンに本題に入ります。
(あなた)「A さん、楽しかったことも、嫌だったことも話してく
れましたね。どうもありがとう。A さんの最近のこと
がわかって、とってもよかった。他にも何か話せそう
なことがあったら話してください。どんなことでもいい
よ。」
沈黙 1 分ののち、
(こども)「迷ってるんだよね・・・。」
(あなた)「うん、何を︖」
(こども)「話すかどうか。」
(あなた)「そうか。その気持ち、教えてくれてどうもありがと
う。迷ってるって言ったけど、そのことをね、できると
ころだけでいいよ。どんなことでもいいよ。何か話せ
る︖」
(こども)「うーん、話せないと思う。」
(あなた)「そうか。迷ってるんだね。そうやって A さんの気持
ちを話してくれていることとてもうれしいです。
どうもありがとうね。書くのだっていいんですよ。」
○ 聴き取り者は多くを話しすぎず、オープン質問で、こどもに主体的に話してもらいましょ
う。4 つのオープン質問が効果的です。
① 誘いかけ︓「何があったか、最初から最後まで、全部話してください」というもので
す。
② 時間の分割︓こどもが、「A があった」、「B があった」と答えてくれれば、「A の前に
あったことを話して」、「A と B の間にあったことを話して」などと語られていない部分
を語ってもらいます。
③ 手がかり質問︓「さっき言っていた A についてもっと教えて」と話しかけます。
④ それから質問︓「何々でした。」とこどもの話に一区切りがついたときには、「それ
で︖」、「それからどうなった︖」とさらに聞いてみます。
○ このように、大人からは、誰が何をしたかについて何も言わないで、こどもから話を聴きだ
すことが大変重要です。
○ 一方、「はい」か「いいえ」、A か B かで答えるようなクローズド質問により、一問一答形
式で聴いてしまうと、暗示や誘導につながりやすくなります。また、こどもが問い詰められ
ているように感じ、精神的負担も大きくなるおそれがありますので、注意しましょう。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(17ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 17ページ<実践編②>CASE B 聴き取りの例(中学生の場合)
参考︓オープン質問とクローズド質問(詳細は知識編 28 ページ参照)
○ オープン質問︓「はい」か「いいえ」、A か B かでは答えられず、質問された側は自分の言葉で話すことがしやす
い質問形式です。
○ クローズド質問︓「はい」か「いいえ」、A か B かで答える質問形式で、質問された側は与えられた情報から穴埋
めや選択をすることになりやすいです。
(こども)「うーん。少しだけ言うと、なんか、嫌な感じのことが
あります。」
(あなた)「うん。」
黙って待ちます。
(こども)「・・・。部活の、あとに。」
(あなた)「うん」
黙って待ちます。
(こども)「私がヘンで、思いすぎなのかもしれないんだけど。」
(あなた)「うん。」
(こども)「実は・・・」
○ このように、こどものペースに合わせ、こどもが話す以上のことを聴き出そうとしないように
しましょう。
○ こどもが話し出すのを、黙って待つことも重要です。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(18ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 18ページ<実践編②>CASE B 聴き取りの例(中学生の場合)
(4)オープンに、かつ徐々に出来事に近づいていく
さらに、オープンに、かつ徐々に出来事に近づいていくように聴き取ります。
(こども)「なんか、私のこと、特別扱いっていうか、なんか、
特別なレッスンするって言って。」
(あなた)「うん。」
(こども)「B 先生の家でやるんだけど。全部、服を脱がない
とだめだから。それってどうなのかと思って・・・。」
(あなた)「うん、それで。」
(こども)「で、脱ぐんだけど、そのあとのことは言えない。心に
フタしてきたけど、もう無理ということにしたい。」
(あなた)「そうか、そういう思いをしていたんだね。ここまで話
してくれたこと、とってもありがたかったよ。どうもあり
がとう。」
○ 性的な内容がでてきたので、これ以上は聴かないこととします。「何があったか」、「誰が
したか」の疑いがわかれば十分です。管理者に報告しましょう。
○ 「いつ」、「どこで」、「どのように」などの詳細は追及しないでください。
○ 性被害が疑われる場合にも、聴き取り担当者は、ショック、嫌悪感、怒り等の感情を
あらわにせず、淡々と聴くようにしましょう。
○ 「辛かったね、怖かったね」などの安易な同情や、「B 先生はひどい人だね」などの加害が
疑われる者の非難はしないようにします。これらはむしろ、こどもの負担になったり、話を
変容させてしまったりすることがあるからです。
(5)こどもの安全に向けて一緒に考えさせてと説明し、情報共有範囲を伝える
次に、こどもの安全に向けて一緒に考えさせてと説明し、こどもに情報共有範囲を伝えます。
(あなた)「今ね、話してくれたこと、とっても大事なことだか
ら、一緒に考えさせてほしいです。」
(こども)「B 先生には言わないでもらえますか︖」
(あなた)「B 先生に言うと、どんなことが心配かな︖」
○ 「誰にも言わないで」と言われたときには、言わないでほしい理由を話してもらいましょ
う。このときに、「どうして︖」と聞くと非難しているように受け取られることがあるため、「ど
んなことが心配︖」と尋ねましょう。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(19ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 19ページ<実践編②>CASE B 聴き取りの例(中学生の場合)
(こども)「なんか、私も特別扱いされてるって思ってたか
ら・・・。ほんとにうまくなるのかなと思ってたし。」
こどもは涙を流します。
(あなた)「うん。」
(こども)「いやって、言わなかったし。」
(あなた)「うん。」
○ 性被害にあったこどもは「自分も悪い」などの自責の念を持っていることがあります。
○ そのような気持ちを持っていることは受け止めた上で、その理由も含めて丁寧に聴き取
りましょう。
(こども)「それに先生はベテランだし。言わない方がいいと
思う。」
(あなた)「ここで言う、言わないと約束はできないけれど、A
さんのそういう気持ちはよくわかったよ。私は、A さ
んが学校で気持ちよく勉強をしたり部活をしたり
できるといいと思ってる。A さんの気持ちも大事に
しながら、このこと、一緒に考えさせてもらってもい
いかな。」
(こども)「はい・・・。」
○ 問題行為の疑いがあったのであれば対処しなければならないため、加害が疑われる者
に対し「言わないでほしい」との要請には、「ここで約束はできないけれど、A さんの気持
ちを尊重して進めていくから安心して」と伝えましょう。
○ 「安心して暮らしてほしいから、一緒に考えさせて」と説明しましょう。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(20ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 20ページ<実践編②>CASE B 聴き取りの例(中学生の場合)
(6)終結
こどもへの聴き取りを終結させます。
(あなた)「相談しながら考えていこうね。今日、A さんがが
んばって話してくれたこと、本当にどうもありがとう。
お母さんに伝えてもいいですか。」
(こども)「はい。言った方がいいと思ってました。」
(あなた)「どうもありがとう。他に何か言っておきたいことあり
ますか。」
(こども)「ううん。今のところ、ない。」
(あなた)「わかったよ。どうもありがとう。話したいことがあった
ら、またいつでも来てね。今日はこれからどうする
のかな。」
しばらく関係のない話題を話したあと、感謝を伝えて終了しま
した。
○ こどもの気持ちに寄り添いつつ、お母さんや教頭先生等、情報を共有する人の範囲に
ついて伝えましょう。
○ 今後も相談しやすい関係を作っておきましょう。
○ 話したあと、こどもが教室や友だちのところに戻っていくまで安全を見届けましょう。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(21ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 21ページ<実践編②>CASE B 聴き取りの例(中学生の場合)
(7)記録・報告
最後に、聴き取り内容を記録し、施設長等に報告します。
○ あなたは録音を切り、こどもと別れた後、こどもとのやり取
りをメモに残しました。
○ 会話をした経緯、日時、場所を正確に記録し、また、
やり取りの内容を一つ一つそのとおりに(逐語的に)記
録しました。
○ そのメモをもって、校長室に報告に向かいました。
○ 話してもらったら、忘れないようにすぐ、あなたとこどもの発言のやり取りを逐語的に記録
しましょう。
○ できれば、その時のこどもの服装、表情、話す様子等も記録しておくとよいでしょう。ただ
し、聴き取り者がどう感じたかという「所感」については、事実とは区別して、それとわかる
ように記録します。
○ その上で、聴き取り者の懸念とこの記録を速やかに管理者に報告しましょう。
○ 管理者は「いつ」、「どこで」、「何回」などと詳細に確認することを求めないでください。管
理者の求めにより、職員が聴きすぎてしまうことがあります。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(22ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 22ページまとめ(留意点)
まとめ(留意点)
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(23ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 23ページまとめ(留意点)
最後に、こどもへの聴き取りに関する留意点をまとめました。
(1)聴き取り場所
○ 他の人に話の内容を聞かれず、話が中断されることのない、静かな落ち着いた場所で行う(殺風景でこどもが委
縮するような場所は避ける) 。
(2)導入
○ 話しに来てくれたことに感謝を述べる。
○ 可能なら、録音・録画をする。
(3)ラポール形成
○ 話しやすい関係性づくりに十分に時間をかける(難しければ、聴き取りは次の機会にしてもよい)。
(4)聴き取り
○ 聴き取りは最小限にとどめる。
○ こどものペースに合わせ、こどもが話し出すのを待つ。こどもが話す以上のことを聴き出そうとしない。
○ こどもが使った言葉をそのまま用いる(言い換えをしない)。
○ クローズド質問で暗示や誘導をしない。
○ オープン質問(①誘いかけ、②時間の分割、③手がかり質問、④それから質問)で、こどもに主体的に出来事の
全体を話してもらう。
○ 曖昧さや矛盾を追求しない。
○ 性的な内容の話がでてきたら、それ以上は聴かない(「何があったか」、「誰がしたか」の疑いで十分)。
○ 「何回」「強さ」「時間」「どんなふうに」などの詳細は追及しない。
○ こどもに時系列に話してもらい、他の安全な人や出来事につながるまでを話してもらう。
(5)こどもの安全に向けて一緒に考えさせてと説明し、情報共有範囲を伝える
○ こどもに「誰にも言わないで」と言われた場合には、できない約束はしない。
○ 誰にも言わないでほしい理由を話してもらった上で、「あなたに安心して暮らしてほしいから、一緒に考えさせて」と
説明する。
○ こどもの心配を受け止めつつ、情報を共有する範囲について伝える。
(6)終結
○ 話してくれたことを労う。
○ 今後も相談しやすい関係を作っておく。
○ 話したあと、こどもの安全を見届ける。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(24ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 24ページまとめ(留意点)
(7)記録・報告
○ 聴き取り後、速やかに記録と報告を行う。
○ 会話をした経緯、日時、場所を正確に記録する。
○ こどもの話すままの言葉を、聴き取り担当者の言葉とともに、一つ一つそのとおりに(逐語的に)記録する。
○ 速やかに管理者に報告する。
○ 管理者は詳細な確認を求めないようにする。
こどもへの聴き取りに関する留意点<実践編>(25ページ)
変更前新しく確認した内容です。
変更後 · 25ページまとめ(留意点)
監修者
○ 上谷 さくら 桜みらい法律事務所 弁護士
○ 齋藤 梓 上智大学 総合人間科学部心理学科 准教授
○ 仲 真紀子 国立研究開発法人 理化学研究所 理事長特別補佐
(五十音順、敬称略)
参考資料
○ こども性暴力防止法施行ガイドライン
https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/efforts/koseibouhou
○ 教育・保育等を提供する事業者による児童対象性暴力等の防止等の取組を横断的に促進するための指針
(横断指針)
https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/efforts/koseibouhou/odanshishin