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障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導の公表資料確認

掲載  更新

【解析1】障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導の公表資料確認 公表資料の確認です。障害のある幼児への指導や合理的配慮、アセスメント、園内体制、保護者連携、視覚障害への支援などを解説する資料が掲載されています。未施行・施行済みはこの入力だけでは断定しません。 【解析2】障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導の公表資料の確認 公表資料の確認です。障害のある幼児に関する理解と支援の説明が、新たに収録されています。未施行かどうかは資料上で確認できません。 【解析3】障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導の公表資料を追加確認 こども家庭庁の公表資料として、障害のある幼児への理解と園での指導・体制整備・保護者連携・就学接続を扱う内容が新たに確認されました。isInitialのため法改正や施行済みの制度変更とは断定せず、公表資料の確認として整理します。未施行情報は確認できません。 【解析4】障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導の公表資料の確認 公表資料の確認です。障害のある幼児の理解、園内委員会での観察、外部有識者との連携、個別の指導計画、行事参加、園内研修、療育機関との情報共有などの内容が追加されています。未施行かどうかは資料上で断定しません。 【解析5】障害のある幼児への指導と連携に関する公表資料の確認 公表資料の初回取得です。幼稚園における障害のある幼児への指導、保護者・関係機関との連携、入園前相談、園から小学校への接続、園内の環境整備や安全配慮、そして参考資料として幼稚園教育要領の抜粋が掲載されています。未施行かどうかは入力上の状態がないため断定しません。 【解析6】公表資料の確認: 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導 障害のある幼児と共に育つ生活に関する公表資料の確認です。本文では、幼稚園、幼保連携型認定こども園、保育所について、障害のある幼児・子どもへの指導や保護者支援、関係機関との連携、子育て支援、作成協力者一覧が示されています。初回取得のため、法改正や施行済みの変更とは断定しません。未施行・施行済みの状態も入力からは判断しません。

これは初回取得時に確認した公式資料の要約です。制度変更のお知らせではありません。

AI要約

【解析1】現場では、障害のある幼児への指導の考え方、個別の指導計画、合理的配慮、アセスメント、保護者や関係機関との連携、園内委員会やチーム保育の位置付けを確認してください。資料は公表資料であり、原文全体を見て運用内容を確認する必要があります。部分的な抜粋だけでは義務の新設・削除は断定できません。 【解析2】園での遊びや生活の中で、障害特性に応じた見取り方と支援の工夫を確認する必要があります。聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、言語障害、情緒障害、自閉症など、複数の観点の説明と事例が含まれています。部分的な抜粋ではなく、原文全体を確認して自園の支援方法に当てはめてください。 【解析3】園内委員会、個別の教育支援計画・個別の指導計画、特別支援教育コーディネーター、専門機関との連携、保護者との情報共有、就学先への引継ぎなど、障害のある幼児への支援体制を確認する資料です。実務では、園内の支援体制と記録・共有の方法が資料の内容と合っているか、公表資料全体で確認してください。 【解析4】障害のある幼児の困難さを多面的に観察し、保護者や関係機関と共有しながら支援を組み立てる実務の参考資料です。個別の指導計画、巡回相談、園内研修、行事参加の工夫など、日常の支援方法を確認してください。部分的な差分だけでは義務の新設や削除は断定できないため、原文全体の確認が必要です。 【解析5】現場では、障害のある幼児への個別の教育支援計画や個別の指導計画、関係機関との情報共有、保護者との面談、入園前の受入れ準備、小学校への引継ぎの考え方を確認してください。資料は事例と考え方の整理であり、原文全体を見て、園の運用にどう反映するかを確認する必要があります。 【解析6】現場では、障害のある幼児への指導計画、個別の支援計画、関係機関との連携、保護者への個別支援、食育や健康・安全面での対応の記述を確認してください。初回取得の資料のため、原文全体を見て運用上の位置づけを確認する必要があります。

資料の取得種別:初回取得

対象となる施設・事業

  • 幼稚園
  • 認定こども園
  • 保育所
  • 児童発達支援

公式資料で確認すること

  • 資料全体を確認し、園内の指導方針と個別の指導計画の見直しに反映する。
  • 合理的配慮の考え方とアセスメントの活用方法を整理する。
  • 保護者、専門機関、園内の先生同士の連携手順を確認する。
  • 視覚障害など障害種別ごとの支援の手立てを参考に、環境構成や教材を点検する。
  • 園内で、掲載されている障害ごとの基本的な理解と支援の手立てを確認する。
  • 各クラスで、視覚情報の活用や環境調整など、資料にある支援例を園の実情に合わせて見直す。
  • 保護者や関係機関との連携が必要と読める箇所について、共有方法を確認する。
  • 原文全体を確認し、個別の記述を切り出して義務や運用変更とみなさない。
  • 園内の支援体制を確認する。
  • 個別の教育支援計画と個別の指導計画の扱いを確認する。
  • 特別支援教育コーディネーターの役割分担を確認する。
  • 保護者との連携と情報共有の方法を確認する。
  • 必要に応じて関係機関との連携と就学先への引継ぎ方法を確認する。
  • 園内で幼児の姿を多面的・多角的に観察し、困っている姿と背景を丁寧に整理する。
  • 保護者との面談や情報共有を慎重に行い、信頼関係を基に支援を進める。
  • 必要に応じて外部有識者、聴覚特別支援学校、療育機関などと連携し、助言を園の支援に反映する。
  • 個別の指導計画を作成し、記録を基に見直しながら全職員で共有する。
  • 行事や集団活動は、幼児の実態に応じて参加方法や環境構成を工夫する。
  • 園内研修では、記録や映像を活用して具体的な協議を行い、経験差に配慮しながら実践につなげる。
  • 障害のある幼児の実態、保護者の願い、支援策を関係機関と共有する。
  • 個別の教育支援計画と個別の指導計画の関連を確認する。
  • 入園前相談で施設環境、安全面、介助体制を点検する。
  • 保護者の承諾を得た上で、関係機関との連携や情報共有を行う。
  • 小学校への接続に向けて、園での支援内容や成長の経過を具体的に整理する。
  • 幼稚園、認定こども園、保育所での障害のある幼児への指導内容を確認する。
  • 個別の教育及び保育支援計画や個別の指導計画の作成・活用の記述を確認する。
  • 家庭、地域、医療、福祉、保健、関係機関との連携方法を確認する。
  • 保護者への個別支援や子育て支援の記述を確認する。
  • 食物アレルギーや体調不良への対応に関する記述を確認する。

要約の根拠

ま え が き 幼児教育において、障害のある幼児などへの指導に当たって は、個々の幼児の障害の状態に応じた指導内容や指導方法の工 夫を組織的かつ計画的に行うことが大切です。そのためには、 幼稚園教諭、保育士、保育教諭等の教職員(以下、「先生」とい う)が保護者、関係機関との連携を図り、長期的な視点で障害 のある幼児などへの教育的な支援を行うことが求められていま す。本資料はその際の基本的な考え方や具体的な事例について 解説しています。 各園においては、本資料を手掛かりに日々の実践を工夫され、 障害のある幼児などへの指導力の向上や先生方の研修の充実等 に取り組まれることを期待しております。ぜひ、本資料を積極 的に活用していただき、指導内容・指導方法の一層の向上に役 立ててください。 むすびに、ご協力いただいた作成協力者の各位に、ここに深 く感謝の意を表する次第です。

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本資料の活用にあたって 【本資料の主な対象者】 本資料は、個々の幼児の障害の状態に応じた指導内容や指導方法の工夫などについ て解説したものです。 本資料は主に幼稚園の先生を対象としていますが、幼保連携型認定こども園の保育 教諭等においても、特に満3歳以上の障害のある園児などの教育及び保育を充実させ ていく上で、ご参考にしていただけるものと考えています。また、保育所においても 本資料を適宜ご活用いただきたいと思います。 【本資料の構成】 第1章では、幼児教育の基本、第2章では、園における障害のある幼児などへの指 導、第3章では、障害のある幼児などへの指導における基本的な考え方について述べ ています。 第4章では、障害に関する基本的な理解と障害のある幼児などの困難さに応じた支 援の手立ての考え方について述べています。

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具体的には、障害のある幼児などの困難 さに応じつつ全体的な発達を促す支援の在り方を述べた上で、障害種別に障害の概要 や行動等の特徴、支援の手立て、困難さに応じた支援を活用した園での遊びや生活の 展開について述べています。 第5章では、教育支援の体制整備について述べています。具体的には、体制整備の 必要性、個別の教育支援計画と個別の指導計画、専門機関や保護者との連携、小学校 への円滑な接続などについて述べています。 第6章では、障害のある幼児などへの指導の参考となるよう、具体的な事例を紹介 しています。なお、紹介している事例は、あくまでも一つの実践事例であることを考 慮の上、参考としていただきたいと思います。また、本資料に掲載している事例につ いては、可能な限り原文を尊重して掲載していることから、国の法令等とは異なる表 記や統一が図られていない表記も含まれています。

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第2章 園における障害のある幼児などへの指導 「障害者の権利に関する条約」に掲げられている教育の理念の実現に向けて、各園 では、障害のある幼児のみならず、教育上特別な配慮を必要とする幼児が在籍してい る可能性があることを前提に、全ての先生が特別支援教育1の目的や意義について十分 に理解して教育活動を行う必要があります。ここで重要なのは、前項で述べた幼児教 育をしっかりと行う中で、障害のある幼児などへの指導を行うということです。 特別支援教育の目的や意義への理解は広がりつつありますが、特別支援教育と幼児 教育は別のものとして捉え、園の中で障害のある幼児などだけを対象とした特別な指 導を行う必要があると思い込んでいないでしょうか。一方、幼児期は発達の個人差が 大きく、一人一人に応じて指導を行っていることから、障害のある幼児などに対して 特別なことをする必要はないと考えていないでしょうか。

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ここでは、改めて園におけ る障害のある幼児などへの指導の在り方を考えていきます。 (1) 全ての幼児に生きる力の基礎を培う幼児教育 園は、適切な環境の下で幼児が先生や多くの他の幼児と集団で生活することを通し て、幼児一人一人に応じた指導を行うことにより、生きる力の基礎を培う体験を積み 重ねていく場です。幼児教育は在園する全ての幼児を対象として、一人一人に応じた 指導を行うものであり、もとより障害の有無は関係ありません。各園の教育を考える とき、障害のない幼児のみをイメージしていることはないでしょうか。園において障 害のある幼児などの指導を充実させていくためには、先生の無意識にもっている幼児 像を見直し、広げていく必要があります。 また、幼児教育は、幼児期の特性を生かし、環境を通して行う教育を基本としてい ます。

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みましょう。園は、クラスを編成し、教育課程2に基づき、クラス担任が中心となって 指導を進めます。幼児の主体性を重視する幼児教育においては、幼児の行う活動は、 個人での活動、グループでの活動、クラス全体での活動など多様な形態で展開される ことが必要です。そのため、クラスを基本としながらも、園長のリーダーシップの下、 園の先生全員による協力体制を高め、一人一人の幼児に応じたきめの細かい指導の工 夫を図る、チーム保育が行われています。 園において障害のある幼児などの指導に当たっては、チーム保育を核とし、家庭や 関係機関と連携した体制整備が重要です。園生活全体を通じて、幼児一人一人に応じ た指導の中で、障害の状態や特性及び発達の程度等(以下、障害の状態等)に応じて、 発達を全体的に促し、生きる力の基礎を培っていきます。

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(2) 教育課程と一人一人の発達に応じた指導 各園では教育目標の達成に向けて、育みたい資質・能力の育成や「幼児期の終わり までに育ってほしい姿」を踏まえ、入園から修了までを見通した教育の道筋である教 育課程を編成します。さらに、教育課程に基づいて指導計画を作成します。障害の有 無にかかわらず全ての幼児に対して、共通の教育課程の下で、遊びを中心とした幼児 期にふさわしい生活を通して、一人一人の特性に応じた指導が行われます。 園においては、障害のある幼児などに対して特別の教育課程は編成しません。だか らこそ、個別の指導計画が重要になります。障害のある幼児などは障害の状態等に細 やかに対応した個別の指導計画の下、その幼児の興味や関心を生かしながら遊びが充 実していくこと、その中で得意なことをさらに伸ばしたり、苦手なことに挑戦したり する体験が積み重なっていくことが重要です。

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第3章 障害のある幼児などへの指導における 基本的な考え方 1.障害のある幼児などの遊びや生活を支える合理的配慮 障害の有無にかかわらず、幼稚園教育要領等の第2章に示すねらい及び内容に基づ く活動全体を通して、育みたい資質・能力を育成していきます。こうした活動は、幼 児自身が、安心して取り組めることや十分に楽しめることが大切です。障害のある幼 児などは、障害の状態等に応じた配慮をすることで、その子なりのペースで資質・能 力が育まれていきます。合理的配慮とは、障害のある幼児などが他の幼児と共に学ぶ ために安心して遊びや生活を送ることができるよう理にかなった変更や調整をするこ とといえるでしょう。

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(1) 障害のある幼児などの実態に応じた合理的配慮 「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育 の推進(報告)(平成 24 年 7 月 23 日中央教育審議会初等中等教育分科会)」の中で、 障害のあるこどもが十分に教育を受けられるための合理的配慮の提供と、その基礎と なる環境整備の充実の重要性について提言されています。合理的配慮とは、障害のあ るこどもが、他のこどもと平等に教育を受けられるように、園が必要かつ適当な変更・ 調整を行うことであり、均衡を失した又は過度の負担は課さないものとされています。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(25ページ) · 25ページ

こどもは一人で施設内を移動することが可能であり、トイレの援助などの必要な合理 的配慮を行います。一方、施設内に段差がある場合には、車椅子で段差を越えるため の援助を行うなども合理的配慮として必要になります。基礎的環境整備の観点として、 ネットワークの形成・連続性のある多様な学びの場の活用、専門性のある指導体制の 確保(例:外部の専門家の活用)、個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成等によ る指導、教材の確保(例:拡大絵本)、施設・設備の整備(例:バリアフリー化)、専 門性のある先生、支援員等の人的配置、交流及び共同学習の推進があります。障害の ある幼児などの指導に当たっては、園における基礎的環境整備の状況に応じて、一人 一人の障害の状態等や教育的ニーズに応じて合理的配慮を行います。「合理的配慮」を 行う前提として、求められるものは以下のとおりです。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(26ページ) · 26ページ

(ア)障害のある幼児などと障害のない幼児が共に学び育つ理念を共有する教育 (イ)一人一人の状態を把握し、一人一人の能力の最大限の伸長を図る教育 (ウ)健康状態の維持・改善を図り、生涯にわたる健康の基盤をつくる教育 (エ)コミュニケーション及び人との関わりを広げる教育 (オ)自己理解を深め自立し社会参加することを目指した教育 (カ)自己肯定感を高めていく教育 この合理的配慮について、保育において具体的にはどのように考えればよいのでし ょうか。障害の有無にかかわらず、幼児は環境を通して学びます。ただし、障害のあ る幼児などの場合、発達の状態や各々の障害特性の影響により、先生や園が整える環 境との間で学びにくさが起こることが、障害のない幼児より起こりやすくなります。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(26ページ) · 26ページ

①個別の指導計画等の作成、遊具や用具等の教育内容・方法に関する配慮 例えば、声や音が聞こえにくいため、そのままでは絵本の読み聞かせ等を楽しめな い幼児に対して、事前に絵本の内容を保護者に伝え家庭で読み聞かせをしてもらった 上で、読み聞かせのときには先生の声が聞こえやすい位置に座れるようにし、他の幼 児と楽しい時間を共有できるようにする。また、手にまひがあり細かな指の動きが難 しい幼児に対して、握るだけで切ることのできる特別なはさみを用意する。など ②先生、支援員等の確保による支援体制の整備 例えば、がやがやした環境が苦手なため、クラスの隅や外から集まりに参加するの で精いっぱいな幼児に対して、それを個別に支援する先生等を園に配置し、必要な場 面で担任の説明を仲介したり、幼児の気持ちを代弁して他の幼児に伝えたりする。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(27ページ) · 27ページ

など ③施設・設備の整備 例えば、日中、医療的なケア(導尿、痰 たん の吸引、投薬、適宜の休憩など)が必要な 幼児について、それを実施できる空き教室や空きスペースを確保し、安心・安全な園 生活や安定したリズムで園生活を送ることを支える。また、車椅子を活用している幼 児について、段差のある箇所を確認・補修し、園内で自らの意思で移動、選択・決定 する機会を保障できるようにする。など 先生は、幼児の興味や関心を踏まえて、明日の保育を予想します。そうした予想の 中で必要な支援についても検討します。しかし、日々の保育は、幼児が周囲の人やも のと関わる中で先生の予想を超えた展開もあります。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(27ページ) · 27ページ

(3) 園における合理的配慮の提供 ① 幼児の障害の状態等に応じた遊びや生活 合理的配慮は、一人一人の障害の状態等や教育的ニーズに応じて決定されるもので あり、障害のある幼児などの興味や関心、遊びや生活の上での困難、健康状態等の実 態把握を丁寧に行い、個別に決定・提供することが求められます。この点で、〇〇障 害には〇〇がよいといった、一律の合理的配慮を安易に検討・提供することは避ける べきです。しかし、障害特性に応じて抱えることが多いと考えられる遊びや生活の上 での困難さを知ることは、支援の内容を検討するときに参考となります。類似した困 難さに対しては、類似した支援の内容が有効な可能性があります。下記のような事態 を事前に想定しておきましょう(詳しくは、第4章 障害に関する基本的な理解と障 害のある幼児などの困難さに応じた支援の手立ての考え方 35 頁参照)。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(28ページ) · 28ページ

2.合理的配慮を含む必要な支援を考えるために必要な アセスメント 障害のある幼児などの支援に当たっては、その幼児の実態を捉えることが大切です。 その幼児の実態とは、「第2章 園における障害のある幼児などへの指導」において述 べたとおり、まずは、幼児理解を基盤としつつ、障害に関する専門的な視点からの助 言を踏まえて、先生の無意識にもっている幼児像を見直し、広げていくことが大切で す。その上で、アセスメントを活用してその幼児の実態を捉え、合理的配慮を含む必 要な支援の内容を検討し、組織的、計画的な支援を行います。 (1) 障害のある幼児などの実態を把握するためのアセスメント 幼児理解もここで言うアセスメントも、幼児の実態を捉えることに変わりはありま せん。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(30ページ) · 30ページ

しかし、アセスメントでは、障害の状態等に応じた幼児の困難さや得意なこと について、専門的な助言も受けながら、その幼児の実態を捉えていく必要があります。 アセスメントでは、意欲・態度、興味や関心に関わる情報に加え、医療や心理学等の 知見を活用して、より客観性が重視される形で、その幼児の実態に細かく迫ることを 求めます。アセスメントとは、障害のある幼児などを適切に理解し、個々のニーズに 応じた支援を行い、またそれに関わる園内外での意思決定を柔軟に行うために、その 幼児に関わる多様な情報を集めること、並びにそのプロセスであり、行動観察や聞き 取り、検査などを通して、先生、保護者、障害に関わる専門家など障害のある幼児な どに関わる多くの者によって行われるといえるでしょう。 (2) 幼児教育におけるアセスメントの意義・必要性 障害のある幼児などの支援において、なぜアセスメントが必要なのでしょうか。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(30ページ) · 30ページ

アセスメントにより、障害のある幼児などを適切に理解し、個々のニーズに応じた必 要な支援を行うことにより、安心して園での生活を送れるようになっていきます。先 生も、見通しをもって障害のある幼児などの指導に当たることができます。 (3) 幼児教育におけるアセスメントの内容や方法 アセスメントは様々です。幼児は、家庭を含めた環境の影響を受けやすく、幼児自 身に関わるものから、周囲の環境に関わるものまで、多様な情報を集め、アセスメン トを行う必要があります。以下では、その性質から、アセスメントを「フォーマル・ アセスメント」と「インフォーマル・アセスメント」という二つに分けて説明します。 【フォーマル・アセスメント】 フォーマル・アセスメントでは、障害のある幼児などの現在の知能や発達の状態、 あるいは細かい発達領域ごとの能力を、発達検査や知能検査などを通して明らかにし、 その幼児の実態に迫ります。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(32ページ) · 32ページ

特徴があります。今、私たちが関わろうとしているのは園で生活している障害のある 幼児などであり、その幼児は、嬉しい・楽しい・悲しい・困ったなど、多様な感情を 伴いながら、様々な体験をしています。園での教育において当たり前に向けてきたま なざしと幼児の理解の仕方を、障害のある幼児などにも適用することは、支援の内容 と方向性を探っていくために欠かせません。 具体的には、日常生活の観察や聞き取りを行います。障害のある幼児などは、気に なる行動を示すことも多く、そういった行動にばかりに注意を向けがちです。ただし、 障害のある幼児などを注意深く見ていると、気になる行動が常に現れているわけでは なく、環境に馴染んで落ち着いている場面や遊びを楽しんでいる場面などもあります。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(33ページ) · 33ページ

インフォーマル・アセスメントを活用して先生同士で障害のある幼児などの実態を 把握し、必要な支援のアイデアを具体的に考えていくことが望まれます。 (4) アセスメントを行うに当たっての配慮 園で実施が想定されるインフォーマル・アセスメントでの配慮としては以下が考え られます。取組の実施に当たっては、園長のリーダーシップの下、チーム園という意 識をもって先生同士が連携協力することが大切です。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(33ページ) · 33ページ

3.先生の基本的な姿勢 幼児は、園で様々な人やもの、出来事と出会い、多様な体験をします。こうした体 験は幼児の主体的な活動を通して得られることは言うまでもありませんが、先生が、 幼児一人一人の行動の理解と予想に基づき、計画的に構成した環境が大切であること も忘れてはなりません。ここでは、障害のある幼児などと関わり、その幼児が安心し て遊びに没頭できる環境を考えていく上での先生の姿勢について述べます。 (1) 先生だけではなく、障害のある幼児なども困っている コミュニケーションが難しくて、他の幼児とトラブルになってしまったり、行動の 切り替えが難しくて混乱してしまい、パニックになってしまったり、手指を巧みに使 うことができず絵画や製作、食事などに時間がかかってしまったりする幼児は、どの クラスにもいることでしょう。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(35ページ) · 35ページ

5.保護者との信頼関係を基盤とした子育ての支援 これまで、幼児一人一人に応じた幼児理解や指導は、障害の有無にかかわらず全て の幼児にとって大切であることを述べてきました。一人一人に応じることは、保護者 についても言えます。しかし、障害のある幼児などの保護者は、他の幼児と比べて「こ んなこともできない。自分の育て方が悪いのか」と考えてしまったり、「誰にも相談 できない」、「自分の気持ちは園の先生には分からない」と感じていたりなど、子育 てに関する不安を抱え込んでいることがあります。 幼児期は、信頼する大人、特に保護者の影響を強く受ける時期であり、保護者が安 定した気持ちで幼児を育てていくことはとても重要です。保護者の気持ちが安定して いくためには、保護者と先生との信頼関係を構築し、子育ての喜びを共有できること が大切です。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(42ページ) · 42ページ

③保護者の気持ちに配慮した関係機関との連携 障害のある幼児などの中には、入園前から療育施設などに通っていることがありま す。しかし、そのことを園や周囲にあまり話したがらない保護者もいます。当該幼児 の発達の状況に不安を感じつつも、療育などの機関を利用することに不安や抵抗感を 示す保護者がいることもあります。一方で、園での幼児の生活の様子を見た保護者が、 ことばの教室などに通わせたいと園に相談にくるケースもあります。保護者の気持ち を推測しながら、保護者の気持ちに寄り添って、関係機関との連携を進めましょう。 障害のある幼児などが、早期から関係機関の支援を受けることは、幼児の困難さに応 じた支援や幼児の発達の上でとても重要な意味があります。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(45ページ) · 45ページ

第4章 障害に関する基本的な理解と障害のある 幼児などの困難さに応じた支援の手立て の考え方 1.障害のある幼児などの困難さに応じつつ全体的な発達を 促す支援の在り方 これまで、園では「気になる幼児」という表現で、例えば「落ち着いて話が聞きに くい」、「待つことが難しい」、「じっと座っていることが難しい」、「言葉でのやり取り に課題がある」、「行動が遅れがち」、「他の幼児に関心をもちにくい」、「集団参加が難 しい」等の姿に注目してきました。気になる姿が、何かしらの障害によるものなのか、 発達途上の様子なのか、はたまた環境が影響しているのか、幼児の発達を考える上で 先生は悩むこともあるでしょう。 この章においては、「生きづらさ」を感じ「困っている」幼児の状況を丁寧に見つめ 把握するための視点を提供し、日々の保育において必要な支援を行うヒントが得られ ることを目指します。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(46ページ) · 46ページ

(3) 幼児期からの早期支援の意義 幼児期はこれから発達していく時期であり、発達の遅れなのか障害に起因するのか 判断し難いことが多くあります。しかし、幼児に障害があるか否かは重要ではありま せん。今、当該幼児が困難さを感じているということが重要です。例えば、幼児期で は、発話しようとする内容を幼児自らが考え、それを文にし、構音器官を使って発話 するという一連の作業が複雑になることから一時的に発話が非流暢(吃 きつ 音)になるこ ともあります。このような場合には、治療や支援なしに非流暢な発話が消失(自然治 癒)することがあります。幼児の発音が吃 きつ 音のような状態になったときには、それが 障害によるものか否か、将来にわたって継続するのか否かを判断することは困難です。 だからこそ、吃 きつ 音が生じた幼児に対する配慮が大切です。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(51ページ) · 51ページ

また、聴覚に障害 のある幼児は、聞こえにくいことで、言語を獲得しにくかったり、他の幼児と伝え合 う体験が不足したり、他の幼児の発言に刺激を受けたり共感したりする体験が不足し たりするかもしれません。先生は、当該幼児が発達に必要な体験をすることができる ように、障害のある幼児などに声を掛けたり、障害のある幼児なども取り入れやすい 遊びや生活の工夫をしたり、他の幼児に対して障害のある幼児などとの関わり方のモ デルとなったりすることが大切です。 さらに、園では集団を通した教育を行っており、他の幼児等との関わりの中で、幼 児は様々なことを学びます。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(51ページ) · 51ページ

(5) 障害のある幼児などが自身の特性への理解を深めながら自尊 感情を育むこと 人は、成長とともに自らの特性を理解し、園や学校、社会で生活しやすくなる環境 の工夫、周囲の理解、自己の気持ちのコントロールの仕方などを学んでいく必要があ ります。幼児は、経験が乏しいことから、自分ができることとできないこと、環境や 人との関わり方を工夫すればできるようになることが理解できていないことが考えら れます。肢体不自由のある幼児が、他の幼児と同じように平均台で遊ぶことは危険を 伴うかもしれません。病弱・身体虚弱のある幼児などが他の幼児と同じように鬼ごっ こをして遊ぶことは翌日の体調不良につながるかもしれません。安全に園で過ごし、 遊びや生活を通して発達に必要な体験を得ていくためには、障害のある幼児など自身 が自らの特性を理解していくことも必要です。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(53ページ) · 53ページ

2.視覚障害に関する基本的な理解と支援の手立て (1) 視覚障害の概要 視覚障害のある幼児は、視力の低下、全体的に見える範囲が狭い、部分的に見えな い、特定の色の識別ができない、明るい(又は暗い)所で見えにくいといったことの いずれか又は複数の困難さを抱えています。視覚情報の不足に伴い、例えば、絵をか くことや製作等における手先の不器用さ、動作の模倣や事物の確認の困難さ等を感じ ることがあります。また、つまずきやすかったりよくぶつかったりするなど、特に慣 れない場所での移動の困難さ、相手の表情が分からないことからのコミュニケーショ ンの困難さ等も感じることがあります。 (2) 視覚障害のある幼児などに見られる行動等の特徴 視覚に障害があっても普通に動いたり、おしゃべりしたりできる幼児も多いため、 視覚障害があることを忘れてしまうことが、ときとしてあります。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(54ページ) · 54ページ

②困難さに応じた支援の手立て ・全体像をイメージできるように配慮する 言葉での説明は幼児には伝わりにくいことから、具体的な体験を通して幼児自身 が理解できるようにすることが大切です。最初は、動作や活動に時間がかかります が、ここで時間をかけて自分なりにやってみることで、当該幼児はイメージがもて るようになります。イメージがもてれば、動作や活動の時間は短くなっていきます。 ・見やすい環境を工夫し、当該幼児が有する視機能を活用させる 近くで見せる、見せたい物と背景のコントラスト(材質のコントラスト含む)を 考えた提示、対象物の大きさや色の濃さ、太さ等への配慮等、当該幼児の見えにく さの原因を踏まえた配慮が大切です。例えば、イラストや文字は単純に大きくかけ ばよいのではありません。視野の狭い幼児にとっては、大きく描かれたイラストは 逆に全体像が把握しにくい場合もあります。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(57ページ) · 57ページ

ことは避ける必要があります。視覚障害のある幼児などが、クラスの一員として他の 幼児と共に遊びや生活を楽しめるようにすることが大切です。 コラム すごろく遊びを通して(5歳児) ~見やすい教材の工夫や聴覚情報等を活用して遊びを楽しむ~ 支援のポイント 視覚情報が得にくい幼児が他の幼児と情報を共有し遊びを楽しむためには、聴覚 や触覚情報を上手く活用し、物の名前を伝えるときにはその物を触ったり特徴を言 葉で伝えるなどしてイメージをもちやすくしたりする必要があります。 他の幼児との関わりにおける先生の思い 他の幼児と視覚情報を共有することが困難なため、遊びの中に聴覚情報等を取り 入れ、幼児同士が主体的に遊んでほしい。これまでに、先生がA児に関わる様子を 見たり、先生が仲立ちをして聴覚情報等を取り入れて遊んできた経験を生かして、 幼児同士で解決できるように、見守ったり助言をしたりしていこう。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(59ページ) · 59ページ

他の幼児と共に遊びや生活を楽しむことができるような支援を考える 視覚障害のある幼児などへは、聴覚、触覚、臭覚等の視覚以外の感覚を活用し、 保有している視覚を十分に活用できるようにする支援を考えていきます。 A児のように弱視の場合は、保有している視覚を活用できるように、線を太くし たり、伝えたい情報をシンプルで分かりやすい絵や文字にしたりするなど、見やす くなるように工夫することが大切です。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(60ページ) · 60ページ

うな言葉遣いなども日頃から意識することが大切です。単に「見えないのだから説 明してあげてね」では、言葉によるやり取りが未熟な幼児にとっては伝わりにくい ものです。 言葉と併せて、聴覚を活用するため、空間や場所が分かるように集まる場所に音 が出る物を用意したり、触覚を活用するため、触れると心地よい物にたくさん触れ たりするなど、その幼児なりに実感を伴って言葉と結び付けて理解できるような援 助により、継続的に楽しめるようにすることが考えられます。 視覚障害のある幼児などが「遊びたい」「やりたい」といった気持ちがもてるよ うな体験を積み重ねることが重要です。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(61ページ) · 61ページ

3.聴覚障害に関する基本的な理解と支援の手立て (1) 聴覚障害の概要 聴覚障害のある幼児などは、音や声が聞こえない、あるいは聞こえにくいという困 難さを抱えています。聞くことが難しいという意味で、難聴ともいいます。聞こえに くいため、他の幼児とのコミュニケーションが上手くとれなかったり、先生の指示が 分からなかったりします。また、幼児は、保護者や先生、他の幼児とのやり取りなど を通じて言語を獲得していきますが、難聴により聞こえにくいと、言語が獲得しにく いといった課題もあります。 (2) 聴覚障害のある幼児などに見られる行動等の特徴 障害の状況により、補聴器で音を大きくすることで聞こえやすくなる場合と、音が ゆがんで聞こえるためにそれが何の音なのかをはっきりと聞き分けることが難しい場 合があります。 また、両方の耳に難聴がある場合と、片方が正常で片方の耳に難聴がある場合があ ります。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(62ページ) · 62ページ

・言語の力が伸びにくかったり、先生の指示が聞こえなかったり、他 の幼児といざこざが生じる場合がある 中等度難聴 ・静かな環境であれば、通常の話し声を聞き取ることができるので、 家庭内での生活上の支障は見逃されやすい ・言語の発達の遅れや、「らくだ」が「らくら」になるなど、発音の 未熟さやひずみなどが見られる ・コミュニケーションへの影響が大きくなり、他の幼児との関わりに 支障が生じる場合がある 高度難聴 ・適切な調整を行った補聴器を装用すれば、音声(話し言葉)で、会 話を聞き取ることができる場合もある ・言語の発達の遅れ、発音の不明瞭さなどが見られる ・周囲から疎外感を感じたり、自尊心が傷ついたりする場面が出てく る 重度難聴 ・適切な調整を行った補聴器を使用すれば、言葉のアクセント、抑揚、 リズム等や母音は聞き取ることができる場合もある ・コミュニケーションを行うための重要な手段として、

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(63ページ) · 63ページ

て自分の思いや意思を積極的に言語などで表現しようとします。 しかし、聴覚に障害のある幼児などは前述のような経験が不足したり、他の幼児と のコミュニケーションが上手くとれなかったり、情報(音声言語)が入りにくいため に他の幼児と感動や達成感を共有しにくかったり、自らの興味や関心、感動を思わず 言語で表現することができなかったりすることがあります。 聴覚障害のある幼児などが、遊びや生活の中でどのような困難さを感じ、そういっ た困難さに応じてどのような支援の手立てがあるのかを考え、当該幼児の実態に応じ た支援をしていくことが大切です。聴覚障害のある幼児などの困難さや困難さに応じ た支援の手立てとして以下が考えられます。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(64ページ) · 64ページ

4.知的障害に関する基本的な理解と支援の手立て (1) 知的障害の概要 知的障害とは、知的機能の発達に明らかな遅れと、適応行動の困難性を伴う状態 が、発達期に起こるものをいいます。ここで示されている適応行動の困難性とは、他 人との意思の交換、日常生活や社会生活、安全などについて、その年齢段階に標準的 に要求されるまでには至っていないことを表しています。例えば、言語面では、発音 が明瞭でなかったり、言葉と言葉をつないで話すことが難しかったりすること、運動 動作面では、走り方がぎこちなく、安定した姿勢が維持できないことや衣服のボタン かけやはさみなどの道具の使用が難しいこと、情緒面では、失敗経験が積み重なり、 自信がもてず絶えず不安が多いことなどです。 (2) 知的障害のある幼児などに見られる行動等の特徴 障害の状況により、遊びや生活の中で以下のような姿が見受けられます。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(70ページ) · 70ページ

5.肢体不自由に関する基本的な理解と支援の手立て (1) 肢体不自由の概要 身体の動きに関する器官が、病気やけがで損なわれ、歩行等の運動、生活習慣の確 立、絵をかくことや製作等の表現活動等の日常動作が困難な状態となります。 (2) 肢体不自由のある幼児などに見られる行動等の特徴 障害の状況により、遊びや生活の中で以下のような姿が見受けられます。 ・走ったり歩いたりなどの大きな運動、つまむ、ねじるなどの手指の動きや眼球の動 き、表情などの細かな運動に遅れが見られる。その他、手足や胴体の動きのバラン スがとれずにぎくしゃくした動きになったり、つっぱったりすることなどもある。 また、座った状態を維持するなどの姿勢保持ができないこともある。 ・脳性まひの主な症状では、筋緊張の異常や意思とは無関係な身体の運動が様々に見 られる。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(79ページ) · 79ページ

6.病弱・身体虚弱に関する基本的な理解と支援の手立て (1) 病弱・身体虚弱の概要 病弱とは、心身の病気のために継続的又は繰り返し、医療又は生活規制※が必要な 状態です。身体虚弱とは、病気ではないが心身の不調が続き、病気にかかりやすいな ど、継続して生活規制が必要な状態です。なお、原因は、はっきりしないが、病気に かかりやすい幼児、頭痛や腹痛などいろいろな不定の症状を訴える幼児、医師から生 活規制が継続して必要と診断された幼児、短期間で退院したが原因不明の不調状態が 続いたり、体力的に通常の時間帯での園活動に参加したりすることが困難な幼児など も含まれます。ただし、極めて短い期間だけ医療等が必要となる程度の風邪のような 一過性のものは該当しません。 ※「生活規制」とは、園生活上又は日常生活上で留意すべきことなどです。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(87ページ) · 87ページ

7.言語障害に関する基本的な理解と支援の手立て (1) 言語障害の概要 発音が不明瞭であったり、 話し言葉のリズムがスムーズでなかったり、言葉を話 す・聞いて理解する等の言語機能の発達に遅れがあったりするため、 話し言葉による コミュニケーションが円滑に進まない状況となります。 (2) 言語障害のある幼児などに見られる行動等の特徴 次のような特徴があげられます。 〇正しい発音の困難や発話の不明瞭さ(構音障害) ア 置換 ある子音が別の子音に置き換わっている状態。例えば、「さかな」の/s/の部分が /t/に置き換わって「たかな」となっている。 イ 省略 ある音の子音部が脱落している状態。例では、「はなび」の/h/の部分が脱落し、 「あなび」と母音部のみが残っている状態となっている。 ウ 歪み ある音が日本語にはない独特の音に変化している状態。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(95ページ) · 95ページ

8.情緒障害に関する基本的な理解と支援の手立て (1) 情緒障害の概要 心理面で感情や気分の変化は、一般に誰にも起きますが、多くは一過性であり、す ぐに消滅します。しかし、それが何度も繰り返されたり、激しく現れたりするなどし て、社会的な不適応状態をきたす場合があります。 情緒障害の現れ方としては、幼児の場合、選択性かん黙※のように、特定の場面や状 況で話すことができなくなることや、多動、常同行動、チック、母子分離の困難など として現れることがあります。学齢期以降は、何が原因か、何にこだわっているのか にも気付かず、外出しない状態が長期化することで、家に閉じこもる傾向が強くなっ たり、適切な対人関係が形成できなかったりする一方で、他人を攻撃したり、破壊的 であったりするような行動も見られることがあります。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(104ページ) · 104ページ

9.自閉症などに関する基本的な理解と支援の手立て (1) 自閉症などの概要 自閉症は、他者との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味や関心が 狭く特定の物にこだわることを特徴とする発達の障害です。その特徴は3歳くらいま でに現れることが多いが、成人期に症状が顕在化することもあります。 また、これまで自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群などのいろいろな名 称で呼ばれていましたが、近年では自閉スペクトラム症と表現することも増えていま す。スペクトラムとは連続していることを意味し、自閉スペクトラム症が主に社会性 やコミュニケーションの質的な不具合により生じる障害であり、同じ自閉スペクトラ ム症でも周囲の理解や対応によって一人一人の困難の状況が変わってきます。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(110ページ) · 110ページ

10.学習障害に関する基本的な理解と支援の手立て (1) 学習障害の概要 基本的には、全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算す る又は推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難さを示す様々な状 態を指します。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの要因による機能 不全があると推定されますが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害 や、環境的な要因が直接的な原因となるものではありません。 なお、学習障害は、教育分野と医学分野でその定義が異なっていることや、限局性 学習症と言われることもあることに留意が必要です。 (2) 学習障害のある幼児などに見られる行動等の特徴 学習障害により困難さを示す領域は「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推 論する」であり、このうちの一つ又は複数について著しい困難さを示す状態をいいま す。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(121ページ) · 121ページ

第5章 教育支援の体制整備 1.体制整備の必要性 園生活において、一人一人の幼児が発達に必要な体験を得られることが大切です。 そのためには、幼児の発達の実情や生活の流れなどに即して、先生が幼児の活動にと って適切な環境を構成し、幼児同士のコミュニケーションを図るなど、必要な支援を していくことが大切です。このことは、障害の有無にかかわらないこと、障害のある 幼児などの発達の実情や生活の流れに即した支援を行うためには、関係機関との連携 やアセスメントなども重要であることなどについて、「第2章 園における障害のあ る幼児などへの指導」(7頁参照)などで述べてきました。 ここでは、障害のある幼児などの指導を支える体制整備について述べます。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(139ページ) · 139ページ

体制整 備に当たっては、個々の先生が個別に教育活動に取り組むのではなく、園長のリーダ ーシップの下、園のマネジメントを強化し、組織として取り組む体制をつくることが 重要です。その際に、園や先生が、心理や福祉等の専門家や専門機関と連携・分担す る体制を整備することが求められます。 具体的には、障害の種類や程度を的確に把握した上で、障害のある幼児などの困難 さに対する指導上の工夫の意図を理解し、個に応じた様々な手立てを検討し、組織的 かつ計画的に指導に当たっていく必要があります。そのためには、園内に委員会を設 置して、園長が特別支援教育コーディネーター(131頁参照)を指名して園内の体制 を整備し、関係機関と連携した個別の教育支援計画、教育課程を踏まえた個別の指導 計画を作成することなどが求められます。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(139ページ) · 139ページ

(1) 園内委員会 園長のリーダーシップの下、園全体での教育支援体制を確立し、障害のある幼児な どの障害の状態等の把握や支援内容の検討を行うため、園内に委員会(以下、「園内 委員会」という)を設置します。 ① 園内委員会の役割 園長は、障害のある幼児などの指導に当たって、園内委員会を設置します。園内 委員会の設置に当たっては、新規に設置したり、主任会などの既存の園内の組織に園 内委員会の機能をもたせたりするなどの方法があります。また、構成員としては、管 理職、特別支援教育コーディネーター、学年主任、担任、支援員等が考えられます。 園内委員会では、障害のある幼児などの指導内容や指導方法について振り返りな がら、その後の教育の方向性について検討します。具体的には、次のような役割が期 待されます。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(140ページ) · 140ページ

(2) 関係者や関係機関、保護者との関係づくりをするコーディネーター 園内の関係者や教育、医療、保健、福祉、労働等の関係機関との連絡調整、保護者 との関係づくりを推進するため、園内でコーディネーターの役割を担う者が必要です (以下、「特別支援教育コーディネーター」という)。 ①特別支援教育コーディネーターの指名と園務分掌への位置付け 個々の幼児の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的 に行うためには、園内の先生同士の連携はもちろんのこと、家庭、地域及び医療や福 祉、保健等の業務を行う関係機関と連携を図ることが求められます。また、就学の際 に、障害のある幼児などの学びや育ちをつなぐために小学校や特別支援学校との連携 も必要です。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(142ページ) · 142ページ

2.個別の教育支援計画と個別の指導計画 個別の教育支援計画及び個別の指導計画は、幼児教育の機能を生かして、障害のあ る幼児など一人一人に対する適切な指導や必要な支援を組織的・継続的かつ計画的に 行うために重要です。様式や作成手順については、自治体や園によって様々ですが、 各園では、それぞれの計画の意義や役割を理解しながら、作成や活用をすることが大 切です。 教育、医療、保健福祉、労働等の関係機関が連携・協力を図り、障害のある幼児な どの生涯にわたる継続的な支援体制を整え、それぞれの年代におけるこどもの望まし い成長を促すため、個別の支援計画を作成することが大切です。この個別の支援計画 は、療育施設などの福祉機関でも作成されていますが、教育機関が中心となって作成 するものを個別の教育支援計画といいます。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(145ページ) · 145ページ

一方、個別の指導計画とは、個々の障害のある幼児などの実態に応じて適切な指導 を行うために園で作成するものです。教育課程を具体化し、障害のある幼児など一人 一人のねらい、指導内容及び指導方法を明確にして、きめ細やかに指導するために作 成するものです。 各園においては、このような違いがあることに留意し、二つの計画の位置付けや役 割、作成の方法や記述内容などについて、園全体で共通理解を図っていくことが必要 です。 (1) 個別の教育支援計画 ①個別の教育支援計画の意義と役割 障害のある幼児などの支援については、園生活だけでなく、家庭生活や地域での生 活を含め、当該幼児が関わる各関係機関の様々な取組や、そこでの幼児の状態等につ いて共有し、その情報を基に、それぞれの関係機関でどのような支援をすることが望 ましいのか、その内容を整理したり、検討したりすることが必要です。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(145ページ) · 145ページ

(2) 個別の指導計画 ①個別の指導計画の意義と役割 幼児は、自ら意欲をもって環境と関わり、自発的な活動としての遊びを通して発達 していきます。各園では、このことを踏まえ、幼児期にふさわしい生活が展開され、 適切な指導が行われるよう、教育課程に基づき、調和のとれた組織的、発展的な指導 計画を作成し、幼児の活動に沿った柔軟な指導を行います。そのために先生は、幼児 の発達に必要な体験を見通し、各時期の発達の特性を踏まえつつ、教育課程に沿った 指導計画を立てて継続的な指導が行うことが大切です。 これは、障害のある幼児などへの指導においても同じです。ただし、障害のある幼 児などへの指導は、一人一人の障害の状態等により、生活上などの困難が異なること に十分留意し、個々の幼児の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法を工夫しま す。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(148ページ) · 148ページ

②個別の指導計画の作成 障害の診断の有無にかかわらず、園での遊びや生活において困難さを抱えていると 考えられる場合には、積極的に個別の指導計画を作成することが望まれます。作成に 当たっては、一人一人の障害のある幼児などの育ち、クラス経営、保護者からの要 望、関係機関からの情報等、様々な側面から、見通しをもって指導を考えることが大 切です。具体的には、次のような手順で整理しながら作成していくとよいでしょう。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(148ページ) · 148ページ

こうしたことから、園内研修の推進と先生の役割に応じた園外での研修の参加推進 が求められます。園長は、特別支援教育コーディネーターを中心として園内研修を組 織的に計画し、先生の障害への理解をはじめとする意識改革や、障害のある幼児など が在籍するクラス集団への指導に当たっての専門性を高めていくことが求められま す。なお、園内の研修会の内容によっては、先生以外の専門スタッフや保護者等にも 参画を促し、より広く理解の推進を図る機会とすることもできます。 また、園長は、障害の理解を深めるための研修や具体的に支援を行う能力の向上を 図るための研修に、先生を積極的に参加させることが大切です。参加に当たっては、 クラスの担任等に対する基本的な研修、特別支援教育コーディネーター等に対する専 門的な研修等、園内の教育支援体制における各先生の役割に応じて、必要な研修を受 講できるようにすることが重要です。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(151ページ) · 151ページ

・食事を支援する。食べることや食具の使い方を支援し、必要に応じて準備や片付 けを一緒に行う ・排泄 せつ を支援する。決まった時間にトイレに行くことを促したり付き添ったりし て、トイレで排泄 せつ する習慣を付けていく。失敗した場合には、着替えをさせる 〇遊びや活動への支援 ・保育室を出てしまう障害のある幼児などには付き添い、安全を確保する ・クラスでの活動では、具体的にやるべきことを知らせたり、できる部分で参加す るように調整する ②特別支援教育支援員を活用した園内体制の整備 園内委員会等において、担任や特別支援教育コーディネーター等と特別支援教育 支援員の連携協力の内容を事前に決めておくことが必要です。次に、支援の対象と なる幼児が困っていることやその原因、長期的な目標や短期的な目標、指導内容と 支援の進め方などについて十分理解してもらうことが重要です。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(153ページ) · 153ページ

なお、園での活動を支援する者として、巡回相談や特別支援教育相談に加え、介助 員やボランティアの方々なども考えられます。専門的な支援では、看護師、理学療法 士、作業療法士、言語聴覚士なども考えられます。さらに、保育所等訪問支援事業も あります。これは、園に通う障害のある幼児などが、園における集団生活の適応のた めの専門的な支援を必要とする場合に、例えば児童発達支援センターが行っている保 育所等訪問支援事業の職員等が園を訪問支援することにより、園の安定した利用を促 進するものです。 いずれにしても、障害のある幼児などの安全面、心理面に十分に配慮し、保護者に も安心・安全への理解が得られるよう、園長の管理下において、担任、特別支援教育 コーディネーター、専門家などの関係者が連携し、支援体制を構築していくことが重 要です。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(154ページ) · 154ページ

家庭・園・専門機関が連携する中で、園が、専門家や専門機関との連携を推進して いくことは、次のようなよさや役割があります。 ・障害のある幼児などの理解につながる ・障害のある幼児などの指導や支援の方法や対応の仕方を学べる ・障害のある幼児などとクラスの他の幼児との関わりの手立てを学べる ・専門家としての見解が、保護者に現状を伝える際の根拠となる なお、必要な状況で速やかに連携をとるためには、日頃からの情報収集及び関係機 関との情報共有や顔の見える関係づくりをしておくことが大切です。 (2) 地域の専門機関 地域にある専門機関の例を紹介します。各機関の取組内容は地域により異なること があります。また、ここでの紹介例以外でも、各地域が実態に応じて取り組んだり、 民間等において取り組んだりしていることもあります。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(156ページ) · 156ページ

主な 事業内容は、①発達障害の早期発見、早期の発達支援等に資するよう、発達障害者及 び家族に対し、専門的にその相談に応じ、または助言を行うこと、②発達障害者に対 し、専門的な発達支援及び就労の支援を行うこと、③医療、保健、福祉、教育等に関 する業務を行う関係機関及び民間団体並びにこれに従事する者に対し発達障害につい ての情報提供及び研修を行うこと、④発達障害に関して、医療等の業務を行う関係機 関及び民間団体との連絡調整を行うこと等です。 〇児童発達支援センター 心身に障害のある幼児や発達に心配がある(集団活動に参加するのが苦手、環境変 化への適応が苦手、気持ちの切り替えが難しい等)幼児は、児童発達支援センターに 通所して支援サービスを受けることがあります。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(157ページ) · 157ページ

相談所の構成員は、ソーシャルワーカー(児童 福祉司・相談員)、児童心理司、医師(精神科医、小児科医)、その他専門職員がお り、様々な相談に応じ、専門的な角度から調査、診断、判定を行い、それに基づいて こどもや保護者に対して、必要な指導や児童福祉施設入所等の措置を行います。 ③教育分野 〇特別支援学校 特別支援学校は地域における特別支援教育のセンターとして、教育相談などの様々 な支援を行っています。この地域支援は、園等や障害のある幼児などのニーズによっ ては、特別支援学校に関わる臨床心理士、理学療法士(PT)等の専門家が連携して 行う場合もあります。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(158ページ) · 158ページ

6.保護者との連携 こどもは信頼する大人の影響を受ける存在であり、幼児期には、特に保護者の影響 を強く受けます。したがって、保護者が安定した気持ちで幼児を育てていくことは、 幼児の健やかな成長にとってとても重要です。そのため、先生は、保護者の子育てに 対する不安やストレスを解消し、その喜びや生きがいを取り戻して、幼児のよりよい 育ちにつながるよう子育ての支援を行うことが大切です。このことは、幼児の障害の 有無によって変わるものではありません。しかし、我が子に障害の可能性を感じてい る保護者は、子育てに対する不安を強く感じたり、誰に相談したらよいか分からず孤 独感を感じたりすることがあります。保護者を取り巻く家庭環境なども踏まえなが ら、保護者の気持ちに寄り添い、保護者との信頼関係を構築し、保護者が園は子育て の仲間という意識がもてるようにすることが大切です。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(159ページ) · 159ページ

7.小学校への円滑な接続 小学校等への就学は、全ての幼児と保護者にとって期待と不安の入り混じる出来事 です。特に障害のある幼児などとその保護者にとってはなおさらで、環境の変化を前 に大きな心配や不安を抱えている場合が多くあります。そのため、障害のある幼児な どや保護者の不安な気持ちに寄り添ったきめ細かな対応や支援が望まれます。 障害のある幼児などの就学先の決定は、保護者の要望等を踏まえながら教育委員会 が行います。だからと言って、園が何もしなくてよいわけではありません。障害のあ る幼児などや保護者の思いを受け止めながら、就学に向けた準備に関する助言を行っ たり、保護者の承諾を得た上で、就学先や教育委員会からの問い合わせや相談に応じ たりします。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(166ページ) · 166ページ

(3) 小学校への引継ぎ 園での障害のある幼児などの実態や支援内容等を小学校に引き継ぐことにより、当 該幼児が一貫した支援を受けられることが大切です。そのためには、園の先生は、小 学校等でどのような教育が行われているのかを知り、小学校等での生活や学習も想像 して、小学校に伝える情報を考えるようにしましょう。 小学校等では、児童の状態や教育的ニーズに応じ、児童の可能性を最大限に伸ばす 場所で学ぶことができるよう、通常の学級、通級による指導、特別支援学級があり、 さらには特別支援学校もあります。このように、連続性のある「多様な学びの場」の 整備が行われています。 小学校では、通常の学級においても、特別支援教育の視点を生かした授業を創意工 夫することで、全員が「分かる」「できる」授業づくりに取り組んでいます。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(167ページ) · 167ページ

第6章 園における障害のある幼児などの支援の 実際(実践事例) 第1章から第3章では、園において、障害のある幼児などを受け入れるに当たって の基本的な考え方や配慮について述べました。第4章では、障害種別に基本的な理解 や日々の保育における障害のある幼児などの困難さに応じた支援について述べまし た。第5章では、障害のある幼児などの指導や支援を行うための体制整備について述 べました。第1章から第5章までで共通して述べているのは、障害があるからできな い、この障害種にはこの支援といったように決め付けたりせずに、目の前の障害のあ る幼児などを肯定的に受け止め、その子のよさや好きなことを生かしながら、その子 の困難さに応じた支援を行うことの重要性です。そして、障害の有無にかかわらず、 幼児同士が育ち合える関係づくりや、障害のある幼児などの保護者の気持ちに寄り添 った支援の大切さです。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(170ページ) · 170ページ

事例1 日々の先生同士の会話の中で障害のある幼児などが抱える困難さに気付く 園に入園後、何となく指示が伝わりにくい、周りの状況が分かっていないのでは ないかなど、気になることが見えてくる幼児がいます。しかし、先生によっては、 そのような場面にさえ、気が付かないことも多くあります。様々な先生が関わる ことで、幼児一人一人の実態を把握し、障害のある幼児などの困難さに応じた必 要な支援を行っていくことができます。日々の先生同士のコミュニケーションを 気付きや早期支援につなげていくことが大切です。 【ポイント】 ●何気ないことを伝え合える先生間の関係性をつくりましょう。 ●日々の些細な出来事を記録しておきましょう。 ●気になる出来事を身近な先生に相談しましょう。 ●他の先生や園長などから様々な意見をもらい、園全体で関わることで、障害の ある幼児などの困難さに応じた早期支援につなげましょう。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(172ページ) · 172ページ

事例2 日々の様子を共有していくことで障害のある幼児などの実態把握につなげ ていく 入園後、園生活の中でうまくいかない場面が多いことがあります。先生が困って いるということは、障害のある幼児なども困っている可能性があることを踏まえ、 園全体で当該幼児の特性、好きなことや得意なこと、苦手なことなど、当該幼児の 実態を把握し、必要な支援につなげていくことが大切です。 【ポイント】 ●日々の出来事から行動の特性を把握していくことが大切です。 ●その時々で考えられる支援を試していくことで実態把握を更に深めます。 ●実態把握で気付いた当該幼児の特性に応じた指導や対応の仕方を共有します。 ●実態把握の積み重ねで見えてきた好きなことや得意なことを中心に、他の幼児へ の理解を促す場面を見付けていきます。 ●家庭と情報共有し、入園前のこと、園外での様子を把握し、当該幼児の理解を深 めます。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(177ページ) · 177ページ

事例3 障害のある幼児などの困難さから支援を考えるために園内委員会を活用 する 障害のある幼児などの困っている姿に出会うと、担任も戸惑い悩みます。その 悩みを一人で抱え込むのではなく、先生全員で思いを共有し知恵を出し合い、当 該幼児の健やかな成長につなげていくことが大切です。当該幼児の困難さについ て先生間で共通理解を深め、当該幼児の実態に応じた支援を考えるためには、園 内委員会をどのように活用したらよいでしょうか。 【ポイント】 ●園内委員会は当該幼児や先生からのSOSに応じ、適時、開催しましょう。 ●次の視点を大切にして、先生間の協議を行いましょう。

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害に起因するものなのか、それともその他の要因によるものなのか、多角的な視点で 協議しています。その姿は一過性のものか、頻繁に見られるものか、環境や場面によ って変わるのか、関わり方によって変わるのか、検討することが大切です。 〇指導内容や指導方法の共有と実践 事例では、園内委員会で確認された情報を全ての先生が共有し、それに基づく指導 内容や指導方法を全ての先生が理解し実践しようとしています。支援の具体的手立て を共通にすることにより、障害のある幼児などは日々の生活に安心感を得ることがで きます。そのためにも個別の指導計画の作成が有効です。 〇障害のある幼児などの姿とその背景を読み解く視点 障害のある幼児などの困っている姿の背景として、家庭環境や生育歴が関係してい る場合もあります。また、身体の動きの困難や感覚の障害が潜んでいる場合もありま す。

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いずれにしても、園での姿を観察するだけでは情報を得ることができません。保 護者や関係機関との連携が必要になります。 〇保護者との連携における留意点 入園時に障害が明らかになっていない場合には、保護者も当該幼児の様子を十分把 握できていない場合が多いと考えられます。保護者との意見交換や情報共有について は慎重かつ謙虚に取り組まなければなりません。十分な信頼関係を築き、当該幼児の 困っている姿を共有できたときに連携がスタートします。C児の事例では、保護者と の面談を重ねながら専門機関へつなげる方針を立てています。 〇関係機関との連携と「個別の教育支援計画」 D児の事例では、保護者の承諾を得た上で、聴覚特別支援学校と連携してD児への 支援を検討しています。

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医療機関の受診と併せて、D児に関わる関係機関が協働して 「個別の教育支援計画」を作成し、長期的な一貫した支援を見据えた体制を築くこと が大切です。 (第5章1.体制整備の必要性 128 頁参照)

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事例4 外部有識者の助言を生かして支援の手立てを考える 障害のある幼児などの支援を考える際には、障害に関する専門的な知識等が必要で す。外部有識者の助言を活用することも重要な方策の一つです。当該幼児の状況や感 じている困難さを専門的な視点から把握し、障害の状態等に応じた具体的な支援方法 などについて相談することができます。一方で、来園する外部有識者が園の訪問に慣 れていないということもあります。保育について、また自園の特色や体制などを伝え 理解を図ることは、当該幼児が集団の中で力を伸ばしていくための支援を考える上で 重要なことです。 外部有識者による巡回相談などを活用して、当該幼児の障害の状態等に応じた支援 を考えるには、どのようなことを大切にするとよいでしょうか。 【ポイント】 ●双方の専門性を発揮して、障害のある幼児などの支援を考えましょう。

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●事前の準備や事後の取組を行い、確実に実践につなげましょう。 ●保育に関する理解を図りましょう。 ●外部有識者の助言と幼児教育を考え合わせて、支援を検討しましょう。 ここでは、2年保育4歳児E児について、巡回相談を経て園での支援を考えていっ たプロセスを紹介します。 ① 入園当初のE児の様子と保護者との関わり 2年保育4歳児 4月 入園式の日。保護者と共に登園したE児は少し緊張した面持ちでしたが、保護者と 一緒に保育室に入り、自分のロッカーを見るなどしました。けれども、式場である遊 戯室に入ると大声で泣き出し、入園式は途中で保護者と退出しました。式後の保育室 での活動には保護者に抱かれながら泣かずに参加し、先生の読む絵本を見ていました。 帰りの挨拶をする際に、先生は保護者に、E児のペースでゆっくり慣れていきましょ うと伝えました。

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保護者は、家庭でのエピソ ードや保護者が感じる育てにくさについて少しずつ話すようになっていきました。先 生は、保護者が困っている状況やこれまで丁寧に配慮しながら子育てをしてきている ことなどを受け止め、園は保護者と一緒に子育てをしていく場であることを伝えまし た。その上で、巡回相談の仕組みを説明し、E児について相談することを提案し、了 承を得ました。 ② 巡回相談の実際(準備、当日、事後) 事前準備 巡回相談で来園する外部有識者が、園の訪問は初めてであるとの情報を得て、保 育や自園の方針などを丁寧に伝える必要があると考えました。そこで、2種類の資 料を事前に準備することとしました。

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ア 保育や自園の方針や体制などを伝えるために(管理職や特別支援教育コーディ ネーターが準備) ・既存の保護者向けの説明資料など(秋の入園希望者対象の園説明会資料や年度 当初の保護者会資料)を活用して作成したもの ・園要覧、園便り等 イ E児の様子を伝えるために(担任が準備) ・これまでの支援の経過や最近の様子を、学年会などこれまでに話し合った記録 や、日常の保育記録を基にポイントをまとめておく。視点は、日常の記録の視 点(遊び、人間関係、生活)とする。

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●長期的な見通しを共有することも大切である。E児は、今は行動のコントロール ができにくい状況である。まずは先生の言葉や行動などがE児にとって外からの ブレーキになる。2年間を通して少しずつ、E児が外にあったコントローラーを 自分の中にもっていけるようなイメージで進めてはどうだろうか。 <集会への参加が難しいことについて> 〇今は無理をさせないことが重要であることは理解した。ただ、避難訓練だけは命 に関わることでもあり、参加させたい。 ●集団生活の上で、また教育的な側面からも避難訓練が重要であることはよく分か る。参加する活動について軽重をつけてはどうか。 協議会終了後、週末の学年会でE児の指導を具体的に考えることを確認して、解散 しました。 事後の話し合い 学年会で、翌週の打ち合わせの後、外部有識者との協議を踏まえてE児の指導につ いて話し合いました。

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事例から読み取れること 外部有識者との連携を進める上で大切にしたいことをまとめます。 1 双方の専門性を発揮して、障害のある幼児などの指導を考えます。 外部有識者には様々な職種があり、連携の方法も多様です。どのような場合でも、 当該幼児の実態を基に双方の専門性を発揮して、当該幼児のよりよい成長を一緒に考 えていくことが重要です。 ①保育に関する理解を図ります。 外部有識者に保育を理解してもらうことにより、園生活を生かして、障害のある幼 児などが力を伸ばしていくための支援を共に考えることができます。事例にあるよう に、既存の資料を生かした資料作り、実際の保育場面を見ながらの説明などを通して 伝えていくことが考えられます。 ②外部有識者の見立てやアセスメントから学びます。 事例では、E児の様子を専門的な視点から観察し、園の先生と協議をする様子が示 されています。

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2 連携の機会を有効に活用するために、事前の準備や事後の取組を確実に行いま しょう。 巡回相談等、外部有識者との連携の機会は限られていることが多いものです。貴重 な機会を有効に活用するためには、事前の準備や具体的な指導につなげるための事後 の取組が重要です。 ①相談する障害のある幼児などの状況を的確に伝えましょう。 相談する障害のある幼児などの状況を端的に説明できるよう、外部有識者に伝えた いポイントを明確にし、当該幼児の実態を整理しておきます。資料作成に負担がかか りすぎないよう、新たな資料ばかりでなく、日常の記録や園内委員会で作成したもの など、既存の資料を活用してもよいでしょう。資料作成や共有に当たっては、個人情 報保護の観点から、口頭での報告や配布資料の回収など、資料の扱いを決めておくこ とが必要です。 事例では、初めて相談したときの様子が示されています。

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事例5 個別の指導計画の作成を通して、障害のある幼児などの発達に必要な体験を 考える 個々の障害のある幼児などの実態に応じて適切な指導を行うためには、個別の 指導計画を作成するとよいでしょう。個別の指導計画は、教育課程を具体化し、障 害のある幼児など一人一人のねらい、指導内容及び指導方法を明確にして、きめ 細やかに指導するために作成するものです。個別の指導計画は、作成して終わり ではなく、PDCAサイクルによる見直しを行うことが大切です。 【ポイント】 ●個別の指導計画作成の流れ ①障害のある幼児などの姿から実態を把握しましょう。 ②ねらいを考えましょう。 ③環境の構成を考えましょう。 ●個別の指導計画作成に当たっての留意点 ・障害のある幼児などの現状、強み、思いを把握しましょう。 ・多面的・多角的な視点で検討しましょう。

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事例6 障害のある幼児などの実態に応じた行事参加について考える 園で行われる様々な行事においては、障害のある幼児などに応じた指導を考えて いく必要があります。その行事が当該幼児にとって、どのような意味をもつのかを 考えながら、これまでの経験を踏まえて、当該幼児にとって今、発達に必要な体験 が得られるように、行事が終わった後の園生活も見通した上で考えていく必要があ ります。 そして、障害のある幼児などが行事に期待感をもち、主体的に取り組むことがで きるように、先生は当該幼児の困難さに応じてどのように取り組むのか支援を考え ていきます。 また、行事の多くは、保護者が日頃の障害のある幼児などの育ちの様子を参観し たり、保護者自身も一緒に参加したりする機会となるため、当該幼児の保護者への 配慮も同様に考えていく必要があります。 【ポイント】 ●園全体で組織的、計画的に取り組みましょう。

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1 障害のある幼児などの状況に応じた指導内容や指導方法を園全体で検討し、組織 的、計画的に取り組みます。 先生は、行事から得られる体験的な学びを期待して、クラスの一つのまとまりを意 識するあまり、つい統一感や参加を促してしまうことがあります。 行事は、そもそも幼児の生活に変化や潤いを与えるものであり、幼児が主体的に楽 しく活動できるようにすることが大切です。そのため、障害のある幼児などに無理を させることがないように、園としての方針やその行事を通して何を体験してほしいの かについて、ねらいや内容を十分に検討する必要があります。 事例のように、運動会や発表会などでは、いつものやり方にとらわれず、プログラ ムの構成や内容を当該幼児にとって参加しやすいものに工夫するなど、園全体で考え ていくことが大切です。

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事例7 多様な幼児が共に遊びや生活を楽しむことのできる関係をつくる 幼児は、園で多数の同年代の幼児と関わり、気持ちを伝え合い、協力して活動に 取り組むなどの多様な体験をし、その過程で、支え合って生活する楽しさを味わい、 主体性や社会的態度を身に付けていきます。 障害のある幼児などには、他の幼児と同じ環境の中では、その体験や態度を身に 付けていくことが難しく、障害のある幼児などの困難さに応じた支援が必要となり ます。また、障害に応じた合理的配慮やクラスの幼児たちと共に育つための配慮が 必要となります。しかし、このことによって、障害のある幼児などが集団に入れな いと思うことは適切ではありません。障害のある幼児などだけではなく、他の幼児 にとっても、豊かな体験の機会を逃すことになりかねません。

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事例8 先生の実践経験を考慮し、活発な協議ができる園内研修を考える 障害のある幼児などが、園での遊びや生活を通して成長していけることが大切で あり、先生には、特別支援教育に関して学び、障害のある幼児などへの理解を深め、 実践に生かしていく力が求められます。そのためには、園内研修等を通じて、障害 のある幼児などの困難さに応じた支援について具体的に学び、自らの保育を振り返 り、明日の保育に生かしていけるようになることが大切です。 【ポイント】 ●園の実態や課題を捉え、先生が必要な学びを得られる研修を計画しましょう。 ・園の実態や課題から研修内容を考えましょう。 ・年間の研修の計画を考えましょう。 ●記録を活用し、当該幼児の困難さや支援について具体的に協議しましょう。 ・具体的に協議する方法を考えましょう。 ・協議を深められる題材を考えましょう。

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事例9 園が療育機関での助言を生かしながら障害のある幼児などの育ちを考える 幼児は生活する場所によって異なる姿を示すことも少なくありません。園と療 育機関で見立てが違ってくる場合もあります。情報ばかり集めすぎて混乱したり、 専門機関からの意見ばかりを参考に障害のある幼児などに関わったりなど、園で 過ごす障害のある幼児などの姿を抜きにした関わり方をしてしまうことはないで しょうか。個人的な関わりや少人数での関わりの多い療育機関での姿と大勢の同 年齢のこどもたちの中での姿に違いがあって当然です。互いに見学し合ったり、意 見交換し合ったりして情報共有をしながら総合的に障害のある幼児などの理解に つなげていきます。 【ポイント】 ●障害のある幼児などの実態と園での生活の様子、療育機関での様子や支援策に ついて具体的に話し合いましょう。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(240ページ) · 240ページ

護者の同意を得た上で、療育訓練や園の様子を相互に見学し、保育をする中で悩んだ ときには電話で相談し、年間を通してこまめに療育機関と連携を取り園での成長を考 えていきました。 <園での関わり> <療育機関での関わり> <園での姿> 4 月 進級当初、新しい保育室にいら れず、職員室で過ごすことが多く なった。職員室なら安心して過ご せるようなので、しばらく見守る ことにした。 アドバイスをもとに園での対応を 考える <園での姿> 5 月 J児の不安な気持ちを理解し、 J児が今どこにいるのかなど居場 所を互いに知らせ合うようにし、 「お部屋に戻ろう」、「今は何をす る時間かな」などの問い掛けはせ ず、J児がいたい場所でやりたい ことができるようにした。6 月にな るとクラスにいられる時間が長く なってきた。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(241ページ) · 241ページ

J児にもクラスでの役割をもたせることで クラスで連絡ノートなど配る際に、友達に配る役割をJ児にお願いした。友達の マークや名前を覚えたり、クラスの一員として役に立つ喜びや、友達から求められ る嬉しさを感じたりできた。クラスの幼児たちがJ児と関わる姿も多くなった。劇 ごっこに参加し、友達と一緒にセリフを言ったり、出番まで友達が準備した椅子に 座って待ったりできた。友達への関心が深まり、2月頃にはごっこ遊びや少人数で のやり取りを楽しめるようになった。 事例から読み取れること 〇療育機関の助言から幼児理解を深めます。 療育機関とこまめに情報交換をしてきたことで、園で困ったと感じる行動に対して の理解が深まります。園で先生が困ったと考えてしまう行動でも、その背景にはJ児 なりの行動の特性や本人の困難さがあり、それらを理解し関わり方を変えてみること で、J児への理解が深まります。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(245ページ) · 245ページ

事例 10 家庭、園、関係機関が連携して障害のある幼児などの支援を考える 障害のある幼児などへの支援を行っているのは、園だけではありません。家庭 では保護者が、児童発達支援センター等では指導員等が、医療機関では医師や看 護師が関わっています。保護者や関係機関と連携して一貫した支援を行うことが 大切です。 【ポイント】 ●障害のある幼児などが関わる関係機関や家庭での幼児の実態、保護者の願い、 支援策等を共有しましょう。 ●支援の方針を共有した上で、それぞれの生活の場で示す障害のある幼児などの 実態に応じた具体的な支援策を共有しましょう。 ●個別の指導計画との関連を図り、先生自身の保育に生かせるようにしましょう。 幼児の生活は、家庭と園で連続しています。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(250ページ) · 250ページ

明する機会を設けたりすることなどが考えられます。家庭でも、他の幼児が今熱中し ている遊びを取り入れてK児がその遊びに興味や関心がもてるようにしたり、一定時 間同じ遊びが続けられるように保護者が一緒に遊んだりなどが考えられます。このよ うに、それぞれの場での障害のある幼児などの生活する姿に応じるとともに、支援策 について具体的に共有していくことが大切です。 ○個別の教育支援計画を作成する K児に対してきめ細やかな指導や支援を行うために、このように対面で話し合う機 会を設けることは、有効な手段の一つです。しかし、なかなか頻繁には行うことがで きません。そこで、保護者の承諾を得て、今回の話し合いを基に、共有した支援の目 標、各々でどのような支援を行うのかなどを整理し、個別の教育支援計画として、ま とめることにしました。個別の教育支援計画には以下のことなどを記載しました。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(256ページ) · 256ページ

〇障害のある幼児などが関わる関係機関や家庭での幼児の実態、保護者の願い、支援 策等を共有します。 障害のある幼児などへの支援については、園生活だけでなく、家庭や地域での生活 を含め、当該幼児が過ごす家庭や施設がその幼児の実態に応じた支援を共有すること が大切です。教育、医療、福祉等の当該幼児に関係する人々が、それぞれの領域の専 門性を生かしつつ意見を出し合うことで、当該幼児が抱えている困難さに関しての理 解が深まり、支援ニーズが明らかとなります。 関係機関との連携に当たっては、まず、保護者と信頼関係を構築し、保護者に関係 機関と情報を共有することについて承諾を得る必要があります。保護者は、障害のあ る幼児などにとって最も身近な支援者と言えます。保護者の願いなども聞き取り、一 人一人の実態やニーズに応じた支援目標を、家庭、園、関係機関で話し合い、共通理 解を得るようにします。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(257ページ) · 257ページ

事例 11 入園前の相談を活用して受入れ体制や支援を考える 入園するということは、初めての場所や人との出会いがあり、障害のある幼児な どや保護者には期待とともに不安もあります。障害のある幼児などと保護者が安心 して入園するために、園はどのような準備をして受入れ体制を整えていけばよいの でしょうか。 【ポイント】 ●保護者から障害のある幼児などの状態を聞き取り必要な支援につなげていきま しょう。 ・保護者の思いを受け入れる温かい雰囲気で話を聞くことを心掛けましょう。 ・当該幼児の状態を聞き取りましょう(具体的な障害の状態等、遊びや行動の特 徴、家庭で配慮していること、園に希望すること、通院の状況、緊急時の対応 など)。 ●園での施設環境や体制を整えましょう。 ・障害の状態等により必要な施設の安全性を確認しましょう(保育室、廊下等の 段差や物の配置、使用する椅子等の備品など)。

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事例 12 園と小学校が連携して切れ目ない支援を考える 園は小学校教育を見通した教育を行っており、小学校では、特に入学当初では、 幼児期に近い活動と児童期の学び方を織り交ぜた教育に配慮しています。例えば、 入学当初は、園での掲示方法を取り入れて教室の掲示をしたり、弾力的な時間割を 設定したり、幼児期に親しんできた遊びを取り入れたりなどして、児童が安心して 小学校生活を送れるような基盤が大切です。その上で、障害のある幼児などが小学 校に安心して通うことができるようにするためには、どのようなことに配慮したら よいでしょうか。 【ポイント】 ●小学校における支援の検討の参考になるよう、保護者の承諾を得た上で、困難さ や困難さに応じた園での支援について具体的に伝えましょう。 ・幼児の障害の程度や状況、支援策、園での生活の様子や他の幼児との関わりなど について具体例も交えながら話しましょう。

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事例 13 保護者の気持ちに寄り添うことで先生と保護者の協働を深めていく 我が子には特に支援の必要性を感じていない、あるいは、支援の必要性は感じて いてもそのことを受け入れることができずにいる保護者に、特別な支援の必要性だ けを説明することは、保護者が園に対して反感や不信感をもつことにつながる恐れ があります。先生が障害のある幼児などの保護者と関わる際には、どのようなこと に留意したらよいでしょうか。 【ポイント】 ●信頼関係を築くことが大切です。 ・日頃から会話を多くもつように心掛けましょう。 ・まずは、当該幼児のよいところを伝えましょう。 ・保護者の状態や心の機微を敏感に受け止めて、対応しましょう。 ・当該幼児の成長を一緒に喜びましょう。 ●様々な機会を活用し、情報を提供することが大切です。 ・当該幼児の行動特性(障害特性)について、伝えましょう。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(271ページ) · 271ページ

事例 14 障害のある幼児などの保護者が一人で抱え込んだり孤立したりしないよう な配慮について考える 我が子が入園すると、園での催しやPTAの会等を通じて、他の幼児の保護者と の関わりも生じます。我が子に障害があるかもしれないと不安を感じている保護者 は、他の幼児の保護者と関わることに不安を感じていることもあります。保護者が 孤立しないような配慮について考えることは、障害のある幼児などと保護者が園で 安心して過ごすためには大切なことです。 【ポイント】 ●安心して保護者会等に参加できるような配慮をします。 ・最初は、他の保護者等と関わるときには、日常的に接している先生が近くに控 え、当該保護者が困ったり居心地が悪そうにしていたりしたら話題を変えるな どの配慮をしましょう。 ・保護者会では、園からの連絡事項に加え、保護者同士の会話の機会を設定しま す。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(278ページ) · 278ページ

参考資料 1 幼稚園教育要領 2 幼保連携型認定こども園教育・保育要領、保育所保育指針に関係する内容 (抜粋)

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(288ページ) · 288ページ

1 幼稚園教育要領 ○文部科学省告示第六十二号 学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第三十八条の規定に基づき、幼稚園教 育要領(平成二十年文部科学省告示第二十六号)の全部を次のように改正し、平成三十年四月一 日から施行する。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(289ページ) · 289ページ

第5 特別な配慮を必要とする幼児への指導 1 障害のある幼児などへの指導 障害のある幼児などへの指導に当たっては、集団の中で生活することを通して全体的な発 達を促していくことに配慮し、特別支援学校などの助言又は援助を活用しつつ、個々の幼児 の障害の状態などに応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(296ページ) · 296ページ

また、家庭、地域及び医療や福祉、保健等の業務を行う関係機関との連携を図り、長期的な 視点で幼児への教育的支援を行うために、個別の教育支援計画を作成し活用することに努め るとともに、個々の幼児の実態を的確に把握し、個別の指導計画を作成し活用することに努 めるものとする。 2 海外から帰国した幼児や生活に必要な日本語の習得に困難のある幼児の幼稚園生活への適 応 海外から帰国した幼児や生活に必要な日本語の習得に困難のある幼児については、安心し て自己を発揮できるよう配慮するなど個々の幼児の実態に応じ、指導内容や指導方法の工夫 を組織的かつ計画的に行うものとする。 第6 幼稚園運営上の留意事項 1 各幼稚園においては、園長の方針の下に、園務分掌に基づき教職員が適切に役割を分担し つつ、相互に連携しながら、教育課程や指導の改善を図るものとする。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(297ページ) · 297ページ

幼保連携型認定こども園教育・保育要領、保育所保育指針に関係する内容(抜粋) ●幼保連携型認定こども園教育・保育要領の抜粋 第1章 総則 第2 教育及び保育の内容並びに子育ての支援等に関する全体的な計画等 2 指導計画の作成と園児の理解に基づいた評価 (3)指導計画の作成上の留意事項 サ 地域や幼保連携型認定こども園の実態等により、幼保連携型認定こども園間に加え、幼稚 園、保育所等の保育施設、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校などとの間の連携や交 流を図るものとする。特に、小学校教育との円滑な接続のため、幼保連携型認定こども園の園 児と小学校の児童との交流の機会を積極的に設けるようにするものとする。また、障害のある 園児児童生徒との交流及び共同学習の機会を設け、共に尊重し合いながら協働して生活してい く態度を育むよう努めるものとする。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(306ページ) · 306ページ

3 特別な配慮を必要とする園児への指導 (1)障害のある園児などへの指導 障害のある園児などへの指導に当たっては、集団の中で生活することを通して全体的な発達を 促していくことに配慮し、適切な環境の下で、障害のある園児が他の園児との生活を通して共に 成長できるよう、特別支援学校などの助言又は援助を活用しつつ、個々の園児の障害の状態など に応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする。また、家庭、地域及 び医療や福祉、保健等の業務を行う関係機関との連携を図り、長期的な視点で園児への教育及び 保育的支援を行うために、個別の教育及び保育支援計画を作成し活用することに努めるととも に、個々の園児の実態を的確に把握し、個別の指導計画を作成し活用することに努めるものとす る。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(306ページ) · 306ページ

第3章 健康及び安全 第2 食育の推進 6 体調不良、食物アレルギー、障害のある園児など、園児一人一人の心身の状態等に応じ、学 校医、かかりつけ医等の指示や協力の下に適切に対応すること。 第4章 子育ての支援 第2 幼保連携型認定こども園の園児の保護者に対する子育ての支援 6 園児に障害や発達上の課題が見られる場合には、市町村や関係機関と連携及び協力を図りつ つ、保護者に対する個別の支援を行うよう努めること。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(306ページ) · 306ページ

●保育所保育指針の抜粋 第1章 総則 3 保育の計画及び評価 (2)指導計画の作成 キ 障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、 適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指 導計画の中に位置付けること。また、子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、家庭や 関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成するなど適切な対応を図ること。 第3章 健康及び安全 2 食育の推進 (2)食育の環境の整備等 ウ 体調不良、食物アレルギー、障害のある子どもなど、一人一人の子どもの心身の状態等に応 じ、嘱託医、かかりつけ医等の指示や協力の下に適切に対応すること。栄養士が配置されてい る場合は、専門性を生かした対応を図ること。

取得後 · 障害のある幼児と共に育つ生活の理解と指導(PDF/4,300KB)(307ページ) · 307ページ

第4章 子育て支援 2 保育所を利用している保護者に対する子育て支援 (2)保護者の状況に配慮した個別の支援 イ 子どもに障害や発達上の課題が見られる場合には、市町村や関係機関と連携及び協力を図り つつ、保護者に対する個別の支援を行うよう努めること。

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