重要

社会的養護に関する公表資料の確認

掲載  更新

【解析1】社会的養護に関する公表資料の確認 こども家庭庁の社会的養護に関するPDF資料が新規に提示されました。内容は、児童自立支援施設における生活支援、チームアプローチ、連携、危機対応、性暴力への対応、寮運営の立て直しなどの考え方をまとめたもので、初回取得のため法改正や施行状況は断定しません。未施行かどうかは資料上で明記されていません。 【解析2】公表資料の確認:児童自立支援施設における学校教育・年長児支援・家庭環境調整の記述 公表資料の初回取得です。児童自立支援施設における学校教育との連携、年長児への自立支援、家庭環境の調整に関する記述が追加されています。未施行版かどうかは入力メタデータから確認できません。 【解析3】社会的養護施設運営指針の初回取得(公表資料の確認) こども家庭庁の公表資料を初回取得したものです。資料全体は未施行かどうかを断定できません。内容は児童自立支援施設を中心に、関係機関連携、学校連携、苦情対応、人材育成、運営理念と評価などの実務上の考え方を整理しています。 【解析4】公表資料の確認:児童自立支援施設運営ハンドブック こども家庭庁公表の資料で、児童自立支援施設の運営に関する記述が掲載されています。差分上は、事故防止・安全対策、情報セキュリティ、職員の事故防止、入所対象、教育、アフターケア、地域連携、通所機能、施設の総合センター化などの記述が確認できます。未施行・施行済みの別は資料から断定できません。

これは初回取得時に確認した公式資料の要約です。制度変更のお知らせではありません。

AI要約

【解析1】児童自立支援施設を中心に、職員間の連携、情報共有、ケース会議、スーパービジョン、個別対応、危機介入、保護者・児童相談所・学校との連携の考え方を確認する資料です。現場では、個別支援の記録、引継ぎ、会議体、緊急時の対応手順、連携先との役割分担を公式資料で確認してください。本文には実務上の留意点が多く示されていますが、初回取得のため、既存運用の変更点として機械的に断定しないでください。 【解析2】児童自立支援施設の学校教育、年長児支援、家庭環境調整の考え方や実践例がまとまって追加されています。現場では、施設内学校との連携、年長児の支援プログラム、保護者対応や家庭訪問の手順を、原文全体で確認してください。部分的な抜粋なので、個別の義務や運用の範囲はこの差分だけで断定できません。 【解析3】初回取得の公表資料です。法改正や新たな義務の施行済みとは断定できません。現場では、掲載されている連携先、研修、評価、運営体制の記述を原文全体で確認してください。 【解析4】児童自立支援施設の運営や支援の考え方を確認する資料です。事故対応マニュアル、衛生管理、個人情報の適正取扱い、職員の事故防止、教育、退所後支援、地域連携、通所機能の整理が見られます。原文全体で章立てと適用範囲を確認してください。

資料の取得種別:初回取得

対象となる施設・事業

  • 児童養護施設
  • 児童相談所
  • 里親
  • 自治体
  • 学校
  • ファミリーホーム

公式資料で確認すること

  • 児童自立支援施設に関する記述を確認し、施設内の支援手順と照合する
  • 引継ぎ、記録、ケース会議、スーパービジョンの運用を確認する
  • 児童相談所、学校、保護者との連携方法を確認する
  • 個別対応、危機介入、寮の立て直しに関する記述を公式資料で再確認する
  • 児童自立支援施設の学校教育との連携内容を原文全体で確認する
  • 年長児への自立支援プログラムの記述を確認する
  • 家庭訪問、通信、面会、帰省、帰宅訓練、ショートステイ等の家庭環境調整の記述を確認する
  • 保護者・児童相談所・学校との連携方法を確認する
  • 児童相談所、家庭裁判所、学校、医療機関、警察、保護観察所などとの連携方法を原文全体で確認する。
  • 職員研修、スーパービジョン、事例検討、自己研鑽の位置づけを確認する。
  • 苦情解決、人権擁護、虐待対応、面会・通信対応の記述を確認する。
  • 運営理念、基本方針、中・長期計画、評価・見直しの記述を確認する。
  • 事故対応マニュアルと衛生管理マニュアルの整備状況を確認する。
  • 個人情報の取扱いと情報管理の運用を確認する。
  • 職員の法令違反や汚職の防止策を確認する。
  • 退所後支援、地域連携、通所機能の位置づけを確認する。
  • 入所対象や教育・支援の記述は原文全体で確認する。

要約の根拠

第10章 支援形態 第1節 チームアプローチによる支援 児童自立支援施設運営指針では、職員のチームワークについて、 ・施設における良きチームワークは、職員の心情や養育環境を豊かにするとともに、 子どもが人の協調する姿に気づき、おとなへの信頼を学ぶ機会を生む。 ・抱え込みを避けるためにも、相互補完的な関係のチームワークが必要である。 と定められています。 子どもの自立支援における基本は、特定の職員による個人的なアプローチではなく、 組織によるチームアプローチです。 1.チームアプローチの必要性 児童自立支援施設に入所してくる子どもの多くは、虐待を受けた経験があり適切とは 言えない養育環境の中を必死で生きてきた子どもたちであり、発達課題未達成といった 発達上の問題、非行等の行動上の問題、PTSD等の精神的な問題など様々な問題を重 複的に有している場合が少なくありません。

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したがって、こうした子どものニーズは複 雑かつ多様化しており、子どもへの効果的な支援を展開するためには、施設内における 生活を基盤としたケアワークはもとより、学校教育、心理的ケア、ソーシャルワークな ど、多分野からの総合的なチームアプローチが必要となります。 また、家族の場合も、経済的問題、保護者の養育力不足や精神疾患等の問題、夫婦間 暴力の問題、地域からの孤立など、多領域にわたる様々な問題を抱えている場合が多い です。こうした家族への支援についても、多分野からの専門家それぞれが自分の役割を 認識し、連携協働して、総合的に支援していくというチームアプローチが必要です。 2.チームアプローチにおける留意点 個々のケースへの支援は、職員の個人的アプローチによって支援は行うべきではな く、組織によるチームアプローチをしなければ、適切な支援はできません。

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から情報の共有化を図り、チームに亀裂が生じそうだという段階で、ケースカンファレ ンスの実施やスーパービジョンを受けるといった早期対応を図ることが大切です。 なお、具体的なチームアプローチについては、次節の「夫婦制におけるチームアプロ ーチとしての特徴」及び「交替制におけるチームアプローチとしての特徴」のところで 取り上げられているので参照願います。 第2節 夫婦制におけるチームアプローチとしての特徴 夫婦制における支援の基本は、より家庭に近い支援です。感化院から教護院としての 役割である子どもへの自立支援において、一番大切にしてきたのが家庭の機能です。理 由としてあげられたことが、入所児童は、家庭に恵まれているとは言えず、父性や母性 に接することが十分とはいえない状況にあったため、そのことを補う支援として夫婦制 における家庭的養育が重要であるとしてきました。

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さて、夫婦職員がいて夫婦制を行えば最善の支援かというとそうではありません。夫 婦制ならではの陥りやすいマイナス面も数多く存在します。たとえば寮舎における密閉 性・閉鎖性、支援の不透明性があり、夫婦職員における独善性があります。施設の中で 寮舎が担う役割分担とその限界の共通認識、子どもはもとより寮舎生活の情報の提供と 共有等、施設運営における明確な方向性の提示とリーダーシップおよびスーパーバイザ ーの存在などによる問題解決が必要とされています。 また、子どもの権利擁護の視点に立った自立支援の在り方などの点検が必要です。平 成9年の法改正による対象の拡大後、入所してくる子どもは、非行行為のある子ども、 虐待環境等の被害を受けた子ども、発達障害のある子ども等、さまざまな問題を抱えた 子どもです。 施設では集団生活ですが、支援の基本は個別支援です。

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(3) ケースカンファレンス ケースカンファレンスは、対象の子どもに関わる多くの職員や関係機関の意見を参考 にしながら、子どもの行動や性格特性、仲間関係、保護者の課題、社会資源の有無など について多角的にアセスメントし、支援内容・方法などを検証するとともに、今後の支 援の在り方について関わる職員及び関係機関が共通認識して、効果的な支援を展開して いくためにあります。 夫婦制であれ交替制であれケースカンファレンスは重要ですが、特に夫婦制における ケースカンファレンスでは、夫婦職員が独善的な支援に陥ることなど夫婦制が良好に機 能しない場合に生じてくる弊害を未然に防ぎ、夫婦制の良さを生かした支援が展開でき るよう留意して行うことが肝要です。 ア 夫婦制の弊害防止 夫婦制では、夫婦職員が受け持った子どもの生活全般について関わっていきます。

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スカンファレンス、児童保護記録の保存、自立支援計画票の策定および実務での活用等 です。また、施設内会議の場に限らずいつでも関係機関と情報交換や協議ができる体制 を整えることも必要です。 イ 組織としての支援や対応 近年、集団生活が困難な子どもの増加、性加害児童の低年齢化、権利を主張し職員の 揚げ足を取ってくる子どもの増加、個別対応(クールダウン)の必要な子ども、クレー ムをつける保護者の増加、発達障害を抱えた子どもの増加などの傾向が見られます。 これらの課題に対応するには職員間のチームワークや施設全体による組織的な協 力・協働なしにはできなくなってきています。

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また、個別的支援が必要な子どもへのハ ード・ソフト面の整備やそれに伴う応援職員の配置、スーパービジョン体制の確保によ る寮担当者への助言、心理職による積極的な面接と、支援に関する意見交換、苦情解決 など組織として対応しなければ機能しない状況も生じています。そのことが、従来の夫 婦制にみられた「請負制」から、今日もとめられる「チームケア」への移行をスムーズ にし、「介入の困難性」を取り除いている面もあります。 3.夫婦制における支援上の留意事項 夫婦制による子ども支援では、夫婦職員を軸にして、夫婦職員と子どもが共に暮らす 中で濃密なふれあいをしつつ、生活学習などを展開しているために、夫婦職員の力量や 価値観などが直に寮運営や支援に反映されてしまう場合があります。施設という組織的 運営に基づいた支援にもかかわらず、時に、夫婦職員の考えが「施設の意思」としてま かり通ることがおこりやすいのです。

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第3節 交替制におけるチームアプローチとしての支援の特徴 児童自立支援事業の長い歴史において、夫婦制による支援はある意味で支援の理想と されてきました。夫婦職員による惜しみない愛情と懐深い対応が、育ちの問題を抱える 子どもたちの立ち直りに大きな力を発揮してきたのです。 交替制の運営は夫婦制と同様に、職員の子どもに対する惜しみない愛情と信頼関係の 構築こそが、育ちの問題を抱えて入所してきた子どもの立ち直りに力を発揮することは 言うまでもありません。しかし、交替制による支援は、夫婦制における支援とは異なる 困難さを抱えています。この困難さを軽視すれば、児童自立支援施設の基本的な機能す ら発揮できなくなる事態も起こり得ます。

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(1)個別対応 子どもが行動上の問題を起こしたとき、職員は特別な支援を行う必要があります。な かでも弱い子どもへの暴力、物品設備の破壊行為、職員への暴力などは、児童自立支援 施設の支援基盤を壊す要素を持った行為であり放置できません。また、無断外出は施設 での生活を子どもが受け入れていない傾向などを示す行為であることから、これから施 設で生活していく気持ちを整理し直すことが必要不可欠です。 行動上の問題への対応の基本スタンスは、職員が子どもと個別に関わる時間を十分に かけ、再度関係の取り結びをする中で、作業等で一緒に汗を流し、子どもの心を開いた り、本音を引き出して、子どもが抱える課題を一緒に考え、これから取るべき道を見出 すことにあります。 子どもが自分のした行為にきちんと向き合う態度をとらない場合もあります。

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ともに、残りの子どもの本音を聞き正常な生活へと導いていかなければなりません。集 団全体への対応といっても、本質は子ども一人一人と個別に関わり、その気持ちを職員 がつかみ打開を図る作業です。集団全体への対応は、危機場面では止むを得ないにして も、長期間にわたって続けることは困難ですから、当該寮の職員だけでは乗り切ること は難しい場合があるため、施設全体で応援体制を組んで乗り切っていくことが必要にな ります。 (3)寮崩壊に至るプロセス 交替制のデメリットとして、①職員が交替することにより支援・援助の一貫性や継続 性を欠きやすい、②価値観や人生観の相違から職員間の意見調整がむずかしい、 ③子どもが職員の交替に対して要領よくふるまったり、支援・援助の不一致につけいる ようなことが起こりやすい、④責任の所在が曖昧になりやすい、ことなどがあげられま す。

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③組織として報告 学校(分校)ではすでに子どもの間で情報が飛び交っているので、1か 寮の問題ではない。寮間、学校(分校)との連携を深め、全体で支援すること を検討する。他寮でも調査の必要性が出てくる。 ④児童相談所・保護者との連携 明らかになった問題点については担当児童福祉司にも連絡し、支援内容 について調整をはかる。個別面談を含め児童福祉司にも支援に参加してもらい、 必要な場合は保護者にも連絡し理解を求める。

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子どもは集団に加わることで、自分を守り、子ども集団の勢いは増すばかりです。 職員は手が出せない状況となります。 【対応策】 ①措置変更の再検討と判断に基づいた対応 児童相談所の調整のもと、総合的な検討及び判断により他機関等での支援が 必要とされた場合には、措置変更を実施してもらうなどの対応をとることが必 要である。 ②子どもの暴力や器物破損、職員への暴力等がエスカレートし、職員では止 められないという状態になった場合には、警察にも連絡し協力を求め沈静化を 図ることが必要である。 (5) 寮の立て直し 一旦崩壊してしまった寮を立て直すには、相当程度の時間とエネルギーを要します。 また、寮職員だけではなく、組織的な判断も必要となります。以下どのように立て直し たのかを例示します。 ① 職員の入れ替え 崩壊状態になった寮の職員と子どもの関係をあるべき状態に戻すのは簡単ではあ りません。

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5.『児童自立支援施設運営指針』における学校教育の位置づけ 2012(平成 24)年 3 月に発出された『児童自立支援施設運営指針』において、「学校 教育との連携・協働」については、以下のように論じられています。 まず、「第Ⅰ部 総論」の「支援のあり方の基本」では、「子どもの学力に応じた支援」 「出身学校(原籍校)との関係」「施設と学校教育との連携」に関連して、以下の 3 点が 挙げられています。

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・施設は、学校教育と綿密な連携をもちながら、子どもが認められ活躍できる居場所と なるように、子どもの学力などに応じた支援を行う。 ・施設は、高校進学などで子どもが不利益を被らないよう、施設内学校はもとより、出 身学校(原籍校)や関係機関と連携しながら、対応する。 ・子どもが日々学び知ることで生じる有能感や達成感を大切にしたい。学んだことが実 際の生活で役立つような学校と施設の生活をつなぐ連携が求められる。 『児童自立支援施設運営指針』では、教護院時代の「学校教育導入派」対「学校教育 非導入派」といった二項対立図式を超えて、あくまでも「子どもへの支援」を重視する という立場から、「子どもの学力に応じた支援」「施設内学校・原籍校・関係機関との連 携」「子どもの有能感や達成感への注目」について論じられていることが分かります。

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特に、原籍校との関係については、入所児童の問題や家庭状況が改善して、家庭復帰 が可能となることもあるため、学校教育が導入された後も綿密な連携をとっていくこと が必要となります。 『児童自立支援施設運営指針』の「第Ⅱ部 各論」では「学習支援、進路支援、作業 支援等」について、以下の 5 点が挙げられています。 ①学習環境の整備を行い、個々の学力等に応じた学習支援を行う。 ・学習権を保障し、よりよき自己実現に向けて学習意欲を十分に引き出し、適切な学習 機会を確保する。 ②「最善の利益」にかなった進路の自己決定ができるよう支援する。 ・進路選択に必要な資料を収集し、子どもに判断材料を提供し、十分に話し合う。 ・進路決定後のフォローアップや失敗した場合に対応する。 ③作業支援、職場実習や職場体験等の機会を通して、豊かな人間性や職業観の育成に取 り組む。

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・事業主等と密接に連携するなど、職場実習の効果を高めるよう支援する。 ・子どもが、作物などの育成過程を通して、協働して作業課題を達成する喜びを体験し、 勤労意欲の向上、心身の鍛練を図れるように支援する。 ・仲間との共同作業などを通して、人間的ふれあいや生命の尊厳及び相互理解を深め、 社会性や協調性などを培うように支援する。

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・働く体験を積み重ねることで、根気よく最後まで取組む姿勢など社会人として自立す るために必要な態度や行動を育てる。 ・自然の環境の中での作業体験を通して、情操の育成が図られるように支援する。 ④施設と学校との親密な連携のもとに子どもに対して学校教育を保障する。 ・日々の子どもの状況の変化等に関する情報が、学校・施設間で確実に伝達するシステ ムを確立し、生活支援、学習支援及び進路支援等を相互に協力して実施する。 ・原籍校との連携を図り、子どもが不利益を被らないように、学習・進路等の支援を行 う。 ・学校との協議に基づいて個々の子どもの学習計画を立て、それに応じた支援や計画の 見直しを行う。 ⑤スポーツ活動や文化活動を通して心身の育成を図るとともに、忍耐力、責任感、協調 性、達成感などを養うように支援する。

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・子どもの持っている興味・関心を把握し、子どもの個性を伸ばせるように、スポーツ・ 文化活動を実施して、豊かな人間性の育成に努める。 ・ルールを尊重するとともに、子ども間の協力やチームワークなど、子どもの社会性の 発達を支援する。 ・子どもが自主性や自発性を持った活動を行い、最後までやり通せるように支援する。 上記では「総論」の視点を踏まえて、「学習支援の体制作り」「進路決定の支援」「作 業や職場体験の意義」「施設と学校との連携」「スポーツや文化活動の意義」について論 じられています。 特に「準ずる教育」を進めるための論拠となっていた、「作業や職場体験」や「スポ ーツや文化活動」について、新しい『児童自立支援施設運営指針』としての意義づけが 行われた点が注目されます。

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まず、「作業や職場体験」については、「自立就労」に直結させる前に、「勤労意欲」「社 会性・協調性の向上」「根気よく取り組む姿勢」を子どもに身に付けさせることが重要 であり、優先させるべきは「豊かな人間性や職業観の育成」であることが明示されてい ます。 また、「スポーツや文化活動」については体力面の向上のみならず、「心も育成」し、 豊かな人間性を育てるべきであること、そしてルールやチームワークの尊重から、子ど もの社会性を育むべきことが論じられています。

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後述するように、児童自立支援施設職員と学校教員とのそれぞれの専門性を尊重しあ った上で、子どもの権利と福祉向上を目的として、密接な連携体制を築くことが求めら れています。 第3節 子どものニーズに応じた学校教育 本節では、児童自立支援施設において子どものニーズに応じた学校教育を行っている 事例をいくつか紹介していきます。 1.千葉県生実学校(千葉市立星久喜小学校・中学校分教室)における学校教育へのア ドミッションケア 千葉県生実学校の千葉市立星久喜小学校・中学校分教室では、2010(平成 22)年度か ら学校教育へのアドミッションケア「ファーストステップ」を行っています。 「ファーストステップ」の目的は、「新入生、及び個別に支援が必要な児童に、基礎 学力の向上、学習習慣(自学自習)を定着させて、自己肯定感を高め、心の安定を図り 自己実現へと向かわせる」というものです。

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千葉市立星久喜小学校・中学校分教室主任であった渡部靖久の報告によると、「ファ ーストステップ」の内容は以下の通りです。 入校してきた児童・生徒が寮舎での指導を終え、分教室に登校する際、まず、学校教 育を受けるにあたっての①オリエンテーションを行う(登校前日)。そこで、入校から 離校までの道筋、分教室で行うべきことを理解させる。②自己向上支援検査を実施し、 学習と社会生活の両面を把握して自立をサポートする手がかりを持つ。一定期間私語を 制限し、③陰山メソッドを用い、徹底的に簡単な読み書き計算の反復練習を行い、情緒 の安定と自己肯定感の向上を図る。④心理教育を実施し社会性を高める。内省を深める ために認知行動練習帳を用い、誤った認知を修正する。 約 2 週間(10 回)で準備期間を終了する(修学旅行等、分教室の外出に参加させる場 合、2 週間以前の入校が望まれる。

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分教室の習慣は必要であれば参加させる)。 準備期間終了後は、普通学級担任、寮職員と調整を図り、適応指導教室(筆者注:「フ ァーストステップ」のこと)で学んだことをベースに、普通学級でさらに専門的な学び へと移行する。特別支援を要する児童は、通級指導で継続することができる。

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また、生活意欲の低下などから個別対応が優先された児童について、再度ファースト ステップを経て、認知の変容の支援と前頭前野を鍛え普通学級へと移行させる。(小林 2013:111-113 頁) 2.北海道家庭学校(遠軽町立東小学校望の岡分校・遠軽中学校望の岡分校)の習熟別 クラス編成 1914(大正 3)年に留岡幸助によって創立され、以来 100 年の伝統を持つ北海道家庭 学校では、2009(平成 21)年度から遠軽町立東小学校望の岡分校・遠軽中学校望の岡分 校が併設されました。 教育課程の基本方針としては、入所児童の実態把握に基づき、心身の発達段階や特性 等に十分配慮して、創意工夫を活かした特色ある教育活動を展開すること、また施設の 教育理念との関連づけを十分に図りながら教育課程を適切に編成すること等が挙げら れています。

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遠軽町立東小学校望の岡分校・遠軽中学校望の岡分校教頭であった森田穣の報告か ら、習熟度別クラスにおける指導の実際をみていきましょう。 恵まれない養育環境とそれに伴う不登校、被虐待、非行等の問題を抱え、学年に応じ た学力や学習に向かう基本的な姿勢が身についていない児童生徒が大半である。前籍校 では、学校に行っていなかったり、行っていても様々な理由で授業に参加していなかっ たりした生徒もいる。家庭学校に入校したからといって、おとなしく座って授業に参加 できるかと言えば、そうならないことが多く、学習内容がわからないと反抗したり、「ど うせ俺には無理」とやる気を見せなかったりするケースは珍しくない。 そこで、中学生には入校時に「お迎えテスト」を実施し、学習のスタート地点を見定 めている。

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例として、数学では、小学校の基礎クラス(主に中学年までの内容)、小学 校の高学年の内容のクラス、中学1年、2年、3年の内容のクラス、該当学年に戻すた めの準備段階のクラス、以上 6 クラスの習熟度別クラスを設定し、学習内容の定着と学 習態度の改善が見られた生徒については、順次上のクラスに上げるようにしている。さ らに、チームティーチング体制による指導や生徒の特性に応じて少人数指導も実施して いる。

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平成 22 年度に他県から入校して1年半預かった生徒が、平成 23 年 12 月に戻って受 験したが、退所直前に来校した前籍校の先生が、「よくここまで学力を上げて下さいま した」と感謝して帰って行ったということがあった。その後、志望校に見事合格したと のことである。この生徒は、中学 2 年生の 5 月末転入だったが、数学のスタートクラス は下から 2 番目で小数・分数の四則計算から始め、転学時には中 3 の内容が理解できる までになっていた。 もちろん、このようにうまくいくケースばかりではない。しかし、学校の時間の大半 を占める授業が分からないことで不適応を起こしている場合は少なからずあり、児童生 徒の実態、能力や特性に応じて教育内容の精選や指導体制の見直しをしていくことによ り、学習効果を上げていくという視点は極めて重要である。

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(小林 2013:82-95 頁) 3.宮城県さわらび学園(仙台市立人来田小学校・人来田中学校旗立分教室)の生徒会 活動 1973(昭和 48)年という全国でもかなり早い時期に学校教育を導入したのが、宮城県 さわらび学園の仙台市立人来田小学校・人来田中学校旗立分教室です。本校も国語、数 学、英語に関しては習熟度別の 3 クラス編成で教育を行う等の工夫がなされています。 ここでは、仙台市立人来田小学校・人来田中学校旗立分教室教頭であった今野隆の報 告から、生徒会活動の様子を紹介していきます。 学習と同じように、特別活動もとても大切な教育課程の 1 つである。生徒たちは、原 籍校では、授業だけでなく、学級活動や生徒会活動、学校行事等には、後ろ向きだった 生徒がほとんどである。その生徒たちになんとか、自分たちで自治的な活動を身に付け て欲しいと思っていた。

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自分の考えていることを自分なりの言葉で表現してほしい、自 分たちで決めたことを自分たちで守っていくという姿勢を身に付けてほしいという願 いのもと、研究テーマを「集団生活の適応力を育てるための工夫──生徒会活動の活性 化をとおして」に設定し、1 年間、教職員全員がこのテーマを意識して教育活動を行っ た。これを発案したのは、分教室 2 年目の若手講師であった。この講師にみんなが導か れるようにして、この年の生徒会活動が始まったのである。みんなが住みやすい学校と して必要なことは何か、自分達はどんな行事をやりたいのか、学校行事を成功させるた めに必要なことは何なのか、その都度、話し合いをもち、「自分たちで決めたこと」と いう意識を持たせ、活動させた。意見がなかなかでないときもあったが、少しずつ話し 合い活動にも慣れ、教職員がびっくりするような意見も出ることがあった。

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ある時、いつものように、中 3 の生徒会執行部の生徒が司会を務めている時のことだ った。先生方の学校行事の体験談を生徒全員に話しているときに、中 1 の生徒が集中力

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をなくして、落ち着きがなくなってきたのだ。その時、司会の生徒が中 1 の生徒に詰め 寄り一喝した。「きちんと話を聞け」。後で中 3 の生徒に聞いてみると「人が話している とき、きちんと聞かないのは、失礼なことだ。だから注意したんだ」と話してくれた。 注意する方法は、少々荒っぽかったが、「自分たちで」ということを少しずつ理解して くれたのかと嬉しい気持ちだった。この子たちを信頼して何かを任せよう、何かを決め させよう、とすれば、もちろん教職員の陰からの粘り強い支援は必要ではあるが、彼ら の可能性を広げていくことができるのである。

取得後 · その2(PDF/1.7MB)(68ページ) · 68ページ

(小林 2013:95-108 頁) 4.沖縄県立若夏学院(那覇市立城北中学校若夏分校・那覇市立大名小学校若夏分教室) 特別支援学級の設置 児童自立支援施設に入所する子どもたちは、教護院時代の「非行」児童中心の時代と 比べて、発達障害があったり、あるいは虐待等の影響による愛着障害のある者が増えて います。 以下の報告は、1996(平成 8)年度から派遣教員制度を開始し、その後那覇市立城北 中学校若夏分校、那覇市立大名小学校若夏分教室が設置された、沖縄県立若夏学院にお ける特別支援学級設置までの経緯です。 本報告は寮担当の児童自立支援専門員であった海野高志による、特別支援学級の設置 に至るまでの動きを記した非常に貴重な報告です。

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全国的に見ても特別支援教育を受けるべき児童が児童自立支援施設に入所している ことは多くの施設であることだが、特別支援学級を分校・分教室に設置しているところ は、少ない。本学院でも特別支援学級が設置された平成 18 年度以前にも特別支援教育 を受けるべき児童は複数名入所しており、特別教育支援ヘルパーや情緒障害児学級補助 員が派遣されてきた経緯がある。 平成 17 年 4 月、私は男子寮である富士寮に着任し、当時小 6 のEを担当する。Eは、 小学 4 年の 12 月より入所。児童養護施設での不適応が入所の主訴で、寮内でのトラブ ルメーカーであった。幼稚園から障害児保育を実施し、小学校では情緒障害児学級に所 属していた。前年までは、小学校分教室に複数名の児童が在籍し、Eを馬鹿にしたり、 パニックに陥るようなことをしたりと大混乱していたが、その年度当初は、Eのみの小 学校分教室であった。

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前籍校訪問をする中で、特別支援学級との交流の必要性を感じた私は、早速、分教室 主任・分校教頭と相談し、那覇市教育委員会へ院長とともに特別支援学級の交流行事へ の参加協力の依頼に伺う。その成果として特別支援学級の地区交流会や宿泊学習会に部 分参加することができた。

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夏休み中に、特別支援学級出身の児童 2 名が相次いで入所。それを受け、那覇市教育 委員会に特別支援教育ヘルパーの派遣申請を行い、派遣が決定。実質的には特別支援学 級的な学級として小学校分教室を運営する体制ができた。 一方で、次年度の分校での学級配置についても議論されたが、Eらが複式学級の中 1・ 2 の学級に在籍することは学力的な問題だけでなく、人間関係においても問題が頻発す ることが予測された。また、教員配置の面からも、加配が期待されるため、児童の適正 就学検査を那覇市教育委員会に要請することとなり、特別支援学級相当の結果となっ た。そのことを受け、特別支援学級配置の要請を行い、平成 18 年度に、特別支援学級 が「2 組」として設置された。

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(海野 2009:57-58 頁) 5.子どものニーズに応じた学校教育の事例から読み取れること 本節では、学校教育へのアドミッションケア、習熟別クラス編成、生徒会活動、そし て特別支援学級の設置という各事例を概観してきました。 旧来の教護院的な価値観からは敬遠されがちな部分もあった学校教育の導入ですが、 これらの事例からは、「学校教育のプロパー」による様々な指導上の工夫によって、「生 活場面」とは異なる「学校」という居場所で子ども達が力をつけていく可能性を垣間見 ることができるのではないかと思います。 図 2 は、全国児童自立支援施設協議会編『児童自立支援施設の支援の基本(試作版)』 (2011)の 65 頁に掲載された、児童自立支援施設における 2 つの子どもの居場所の関係 を記したものです。

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図では、家庭の代替である寮舎を「個人的な居場所」とし、その機能を「癒され守ら れる安全基地」であるとしています。また、学校を「社会的な居場所」として、その機 能を「活躍・役立つことができ、認められる場所」としています。 子どもにとって必要なこの 2 つの居場所がそれぞれの機能を発揮しつつ存在し、さら に心理・治療的なサポートとあわせて各セクションが専門的な役割を担うことで、子ど もは成長していくのだということをこの図は示しています。 子どもが地域に戻り、様々な人々の支援を得ながら生きていくためには、まず施設内 において、児童自立支援の専門家と学校教育の専門家のそれぞれの立場からの支援を受 けながら成長していく経験こそが不可欠なものであると言えるでしょう。

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図2 子どもが育つために必要な2つの居場所 第4節 児童自立支援施設における学校教育との連携・協働上の課題と展望 1.児童自立支援施設における入所児童の現状と学校教育との連携・協働の必要性 児童自立支援施設における入所児童は、入所以前から恵まれない養育環境とそれに伴 う不登校や被虐待、非行などの問題を抱え、学年に応じた学力や学習に向かう基本的な 姿勢が身についていない子どもが大半です。その上近年の傾向として、知的障害や情緒 障害、発達障害のある子どもの増加があり、学習支援をより困難にさせています。 また、原籍校では特別支援学級に在籍していた子どもが、施設内学校の普通学級にお いて、通常学級のカリキュラムを基本に学習することもあります。

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この場合、当事者で ある子どもは、施設に入所したことによって個別に与えられていた今までの手厚い学習 場面の保障がなくなると考えられ、「オーダーメイドの支援」を図る上で矛盾が生じる ケースもあります。 このような状況から、施設内学校での学習支援においてはTT(チームティーチング) の体制を組み、施設職員が補助的に入って学習を実施している等の工夫がなされている ことが多くあります。

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社会的な居場所 (学校・職場) 活躍・役立つことが でき、認められる場所 個人的な居場所 (家庭・寮) 癒やされ守られる 安全基地 家庭 学校 心理・治療的なサポート チーム・アプローチ

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また、落ち着いて授業に向うことができなかったり、クラスという寮生活とは違う人 間関係の中で生じてくるトラブルが多発したりといった状況も見られます。施設におけ る寮舎担当職員と学校教員とは、「連携」していくことが必要不可欠なのです。 2.児童自立支援施設における学校教育との連携・協働上の問題および課題点 (1)児童自立支援施設に対する理解度のギャップ 一般校から施設内学校に転勤となった時、初めて「児童自立支援施設」という名前を 聞く学校教員も少なくありません。

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一般的な「分校」のイメージで着任した後、例えば なぜ男女別クラスになっているのか、休み時間にも特別な配慮が必要なのか、施設内学 校であるにも関わらず行動上の問題があって登校しない子どもがあることへの疑問、出 身校の友人等と入所中は連絡を遮断しているシステム、そして金銭や危険なものを持た せない等、当初は理解ができないことが多々あると考えられます。 長期間勤務することの多い施設職員には当然と思える児童自立支援施設の生活が、学 校教員にとっては当然ではないということを認識し、どの職員も教員に対してきちんと 丁寧に説明・対応ができるようにしておくことが重要です。 (2)措置されている子どもに対しての認識のギャップ 「児童自立支援施設」を知っていても、非行をした子どもが措置されているぐらいの 認識しかない教員も少なくないのが現状です。

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しかし、措置されてくる子どもに発達の課題があるケースや被虐待経験を持つ子ども も多く、その対応について認識していなければ教育に混乱をきたすことになります。ま た、子どもの行動上の問題が、それぞれの子どもの背景(生育歴や環境)から生じてい ること等、福祉的な視点を新たに持ってもらうことも必要です。 (3)2つの組織が一緒に支援することに対しての課題 例えば、「県の福祉施設職員と市の教職員」というように、トップや指令系統の違う 別組織が一緒の職場で仕事をするために、どうしても「分業」の感覚に陥りやすい傾向 にあるのではないでしょうか。しかし、教員は学習指導をし、生徒指導は施設職員がす ればよいといった理解では、有効な教育・支援を展開することはできないことは明らか です。 互いに遠慮することなく連携・協働し合いながら教育・支援を展開することが必要で す。

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3.児童自立支援施設における学校教育との連携・協働の実際例 (1)行動についての連携 授業における施設職員のTT、休み時間の指導、施設行事と学校行事における協働体 制、作業支援・クラブ活動での協力体制、施設職員による授業参観、共同による給食指 導、無断外出時の捜索やアフターケアに同行する等。 (2)情報の共有化のための取組 会議(全体会議・連絡会議・ケース会議・職員朝礼等)への出席、その日の情報を口 頭や紙ベースでやりとりをすることや共通サーバーを利用したパソコンでの情報閲覧 システム設置、職員同士が話をしやすいようにするための職員室や職務机の配置等、物 理的環境の配慮。 (3)共通理解のための取組 着任時における施設全般に対する基礎研修の実施、子どもそれぞれのケース検討会や 自立支援計画に関する合同会議への出席、合同研修会の開催、原籍校との連絡会議、進 路に関する合同調整会議の実施等。

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4.児童自立支援施設における学校教育との連携・協働の今後の展望 施設職員も施設内学校の教員も、子どもに対する最終的な目標は子どもの最善の利 益、健全育成など同じ所にあるはずです。その目標に向かって、互いにコミュニケーシ ョンを図る過程で、よりよい組織化が図られていくよう相互に努めていくことが重要で す。 施設職員の側からは着任した教員に対し、まず、施設や措置されている子どもへの理 解を深められる研修をしっかり行うこと。そして、それぞれの子どもに対する共通した アセスメントを実施していくこと、その上で自立支援計画や学習指導計画に対しても互 いに関与していくことが重要でしょう。また、蓄積した生活指導のノウハウを提供して いくことや原籍校に対しての関わりにおいても相互連携・協働すること等、さまざまな 「連携協働の仕組み」を作っていくことが重要です。

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施設内学校の教員は数年で転勤するケースが多く、教員同士でノウハウを蓄積したり 継続させにくいのが現状です。仮にそうであるとすれば、そのことによって、組織力が 低下しないように、施設全体で取り組んでいくことが必要です。 教員による教科教育などは、何よりも「教育の専門性を生かす」ことに意味がありま す。児童自立支援施設では、一般校通りとは異なる学習指導方法等が必要であり、その ためには子どものニーズに適合した学習の提供など、個々の子どものニーズに応じた教 育をどのように保障していくのかを、教員とともにさぐっていく必要があります。

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その施設内学校で行われる指導方法を、例えば「一般校に対して研究授業を公開する」 ことや、「原籍校の教諭に対し授業参観を実施する」等において提供する取り組みがあ ってもよいでしょうし、また、施設職員や子ども自身の声を教育委員会や外部に向けて 発信するために「学校評価アンケートの実施」を取り入れることも学習支援の充実につ ながります。 児童自立支援施設においても子どもの進学に対する要望が多くなり、学習に対する取 り組みの時間も増えています。子どもの義務教育を担ってくれる教員が学校教育導入に よって加配されたことにより、施設職員の学習支援がなくなるのでは決してありませ ん。教育の専門家と福祉の専門家が相互に力を出し合い協力しながら子どもにとっての 真の学習権の保障をしていくことが求められているのです。

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施設内学校における学習支援の方法は、各県や自治体によってそれぞれ違う面もある と思われますが、施設それぞれのノウハウを知る機会でもある全国的な研修会の開催も 今後の重要課題です。 子どもにとって何が一番なのか、児童自立支援施設に学校教育が導入されたことの意 義を問いながら、さらなる相互の連携協働体制を強化充実すべきでしょう。

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第12章 年長児の自立支援 第1節 年長児自立支援の歴史的変遷 第 1 章にて確認しましたが、1998(平成 10)年 4 月の改正児童福祉法施行によって「教 護院」は「児童自立支援施設」へと施設種別名称が変更になりました。 施設種別の変更に合わせて、「教護院」時代には「不良行為をなし、又はなす虞のあ る児童を入院させてこれを教護する」だった施設目的が、「児童自立支援施設」におい ては「個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援すること」と変更 されました。 本施設種別は、主に非行系の中学生への対応が「教護院」時代の中心的な課題でした。 ところが「児童自立支援施設」の時代となり、「自立を支援すること」が施設目的とな ったことによって、義務教育終了時点で「自立支援達成」と評価することが難しい子ど もたちを継続的に支援することが本施設種別の新しい課題となってきました。

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このような、義務教育段階を超えて児童自立支援施設に在所している子どものことを 「年長児」「中卒児」あるいは「実科生」などと呼んでいます。本節では、『新訂版・児 童自立支援施設(旧教護院)運営ハンドブック』にならって、以下「年長児」に統一し て記述していきます。 それではまず、児童自立支援施設において「自立支援」あるいは「義務教育終了以後 の支援」が必要とされるに至る歴史的な流れを確認していきましょう。 1.「自立目標達成」と「自立目標未達成」 「教護院」時代には、子どもの退所を「教護達成」「教護未達成」という二種類のカ テゴリーに分けて統計処理していました。 それぞれには下位カテゴリーが存在し、「教護達成」の下位カテゴリーは「家庭復帰 後就学」「家庭復帰後就職」「自立就職」「措置変更」「その他」とされていました。

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また、 「教護未達成」の下位カテゴリーは「家庭引取」「家裁送致」「国立施設等への措置変更」 「行方不明」「その他」とされていました。 「児童自立支援施設」の時代に入ると、「教護達成」「教護未達成」は、それぞれ「自 立目標達成」「自立目標未達成」へと変更されています。 表1をみると、「自立目標達成」のカテゴリーでは、「自立就職」が一貫して低下傾向 にあることがわかります。また、「家庭復帰後就職」は 1993(平成 5)年までは上昇し ますが、その後は低下しています。代わりに、「家庭復帰後就学」が徐々に伸び、「自立 目標達成」ケースの半分以上を占めるようになってきています。

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一方、「自立目標未達成」のカテゴリーに目を転じると、1983(昭和 58)年の「小計」 が 26.5%、次いで 1998(平成 10)年度が 24.5%と高い数値を示していますが、2011(平 成 24)年度には 13.9%と低い数値となってきていることが分かります。

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表1 児童自立支援施設の退所児童に関する自立目標達成・未達成の割合 家 庭 復 帰 後 就 学 家 庭 復 帰 後 就 職 自 立 就 職 措 置 変 更 そ の 他 小 計 家 庭 引 き 取 り 家 裁 送 致 措 置 変 更 行 方 不 明 そ の 他 小 計 昭和58年度 19.4% 27.2% 19.0% 3.7% 4.2% 73.5% 11.0% 9.8% 1.7% 2.7% 1.3% 26.5% 100.0% 昭和63年度 18.1% 35.2% 17.6% 4.2% 4.7% 79.8% 7.4% 7.4% 1.2% 2.1% 1.0% 20.2% 100.0% 平成 5年度 18.7% 36.8% 10.4% 4.1% 8.0% 78.0% 7.3% 7.3% 2.6% 2.1% 1.0% 22.0% 100.0% 平成10年度 35.8% 21.4% 9.7% 4.8

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% 3.8% 75.5% 7.8% 7.8% 1.4% 2.0% 1.8% 24.5% 100.0% 平成15年度 46.6% 16.5% 6.6% 5.7% 5.0% 80.4% 6.8% 6.8% 1.6% 1.6% 2.1% 19.6% 100.0% 平成20年度 53.1% 11.4% 4.7% 9.8% 4.7% 83.7% 9.1% 3.5% 1.3% 0.5% 1.9% 16.3% 100.0% 平成24年度 57.5% 7.2% 4.0% 13.3% 4.1% 86.1% 5.6% 4.8% 1.8% 0.7% 1.0% 13.9% 100.0% ※自立目標達成の「その他」は里親委託などである。

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また自立目標未達成については、それぞれ、「家庭引き取り」は無断外出等の 後、親が無理矢理引き取った場合など、「家裁送致」は施設内や無断外出中に問題を起こして家裁に送致された場合など、「措置変 更」は国立施設等への措置変更、「その他」はやはり無断外出等の後のおじ、おばへの引き取りなどである。 自立目標達成 自立目標未達成 合 計 ※平成5年度までは全国教護院協議会「全国教護院運営実態調査」により、平成10年度からは全国児童自立支援施設協議会「全 国児童自立支援施設運営実態調査」による。 2.「教護達成」の背後にあった問題 1969(昭和 44)年に出版された全国教護院協議会編『教護院運営指針 ──非行から の回復とその方法論──』において、「第十章 事後指導」の項目は次のような書き出 しで始められています。

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「最近のいろいろな調査によれば、学校を卒えて就職した青少年が、一年後に相当多く が転職し、しかもそれが変わりばえのしない、不安定な職に移り、最後にはバーとかパ チンコ店とかに転落していくものが多いことが報ぜられている。

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こうした傾向は教護院 退所者のみの現象かと思っていたが、いまこの事実を知って、青少年に及ぼす世相の反 映のはげしさを悲しむと共に、いよいよ教護児童の事後指導の重要さを思うのである」 (全国教護院協議会編 1969:154 頁)

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この一文には、たしかに現代的な観点から見ればバーやパチンコ店といった職場に対 する侮蔑的な表現が含まれていることは否定できません。しかしながら、本文からは、 「金の卵」として中卒の子どもたちが安価な労働力として持て囃された時代が徐々に終 わりに近づきつつあったという社会背景の中で、教護院を退所した子どもの予後が必ず しもうまく行っていない現状を正しくまなざそうとした意志を感じることができます。 ところが、ここでその必要性が論じられた退所児童の予後の問題について、社会科学 的な手法に則って行われた調査研究が世に出るまでには、30 年近くの年月が必要でし た。 元・北海道家庭学校の教護であった花島政三郎は、1996(平成 8)年に著書『10 代施 設ケア体験者の自立への試練 ──教護院・20 歳までの軌跡──』を出版しました。

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本 書において花島は、教護院を退所した子どもたちの予後を綿密に調査しました。そして、 これまで中学卒業直後の子どもたちを「教護達成」と評価し、自立準備も不充分なまま で社会へと送り出していた教護院の処遇に対して、統計的裏づけを元に疑問を呈したの でした。 花島は、ある年(x年)に北海道家庭学校に入校した少年 46 名を対象とし、各事例 について「教護院入所に至る問題行動」「教護院での指導経過」「教護院入所から教護院 退所までの記録」「教護院退所から 20 歳までの記録」「教護院退所から 20 歳までのアフ ターケア」というそれぞれのカテゴリーについて記録をまとめました。 46 名中 43 名は「教護達成」、3 名は「教護未達成」という位置づけでした。このデー タによれば、教護達成率は 93.5%という高率となります。

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花島はこれら教護達成の 43 名に、教護未達成のうちの行方不明者 1 名を除く 2 名を加えた 45 名について、施設退 所後 20 歳に至るまでの追跡調査を行いました。 その結果、北海道家庭学校を退校し社会へ送り出された子どもたちのうち 18 名、40% におよぶ子どもたちが 20 歳までの間に少年院に入所するに至っているということを、 花島は突き止めたのでした。 さらに花島は、45 名の初回就職と転職の状況を詳細に分析し、初回就職では、26 名 (57.8%)が建設業関係の職場に就職。それ以外では、調理見習いと運転助手が 4 名(8.9%) ずつであった中で、20 歳までに転職せずに初回就職の仕事を継続することができたの は、わずか 4 名のみであったことを突き止めました。不明者 1 名を除く 40 名は 1 回以 上転職していたのです。

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さらに、注目されるのは、「初回就職で過半数を占めていた建設業関係の職場が、初 回転職で 40.0%へ大きく後退している」ことでした。(花島 1996:246 頁)

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日本経済全体が高度成長に向かっていた時代には、中卒で建設業関係に携わる子ども たちも少なくなく、また職親的な存在の雇用主や先輩たちが、未熟な職人である彼らを 育てようという雰囲気がありました。 しかし、バブル経済崩壊以降の日本において、建設業関係の仕事は限られたパイの奪 い合いの様相を呈しています。仕事にも熟練しておらず、また様々な側面で社会的な振 る舞いが充分でない教護院退所児童は先輩たちからのイジメに遭うことも多く、ひとつ の職場で長く働くことができる者は決して多くありません。 そういった事情を経験的に理解していながらも、高度成長期と同様の感覚において、 子どもたちを建設業関係に送り出していたのが教護院の姿であったことを、花島は示し たのでした。 花島が調査対象とした北海道家庭学校は、日本における教護院の生みの親とも言える 留岡幸助が設立した教護院です。

取得後 · その2(PDF/1.7MB)(77ページ) · 77ページ

その北海道家庭学校を対象としたデータから、このよ うな調査結果が導き出されたということは、既存の教護院のあり方を揺るがす非常に大 きな出来事でした。 本書における花島の分析を児童自立支援施設における実践に活かすとすれば、高度経 済成長期と同じ手法による中卒時点での就職斡旋を見直し、低成長時代にマッチした形 での自立支援を目指して年長児処遇を充実させねばならないといえます。 花島は、これらの分析のまとめとして次のように結論づけています。 「必ずしも復学ケースの予後は順調ではないのであるが、教護院から直接就職させると いうことで社会へ送り出すことが、現在の社会情勢下では決して最善のものとは言い難 いので、家庭と学校教育への信頼と期待に託して復学を一層促進させるべきではないか と考える。

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家庭支援専門相談員は、児童相談所と密接に連携して、子どもの家庭復帰や里親委託 等の相談援助や調整等のソーシャルワークを行います。したがって、ファミリーソーシ ャルワーカーと呼ばれることもあります。 2.業務内容 家庭支援専門相談員には以下のような業務内容があります。

取得後 · その2(PDF/1.7MB)(109ページ) · 109ページ

① 対象児童の早期家庭復帰のための保護者等に対する相談援助業務 a.保護者等への施設内又は保護者宅訪問による相談援助 b.保護者等への家庭復帰後における相談援助 ② 退所後の児童に対する継続的な相談援助 ③ 里親委託の推進のための業務 a.里親希望家庭への相談援助 b.里親への委託後における相談援助 c.里親の新規開拓 ④ 養子縁組の推進のための業務 a.養子縁組を希望する家庭への相談援助等 b.養子縁組の成立後における相談援助等 ⑤ 地域の子育て家庭に対する育児不安の解消のための相談援助 ⑥ 要保護児童の状況の把握や情報交換を行うための協議会への参画 ⑦ 施設職員への指導・助言及びケース会議への出席 ⑧ 児童相談所等関係機関との連絡・調整 ⑨ その他業務の遂行に必要な業務 3.求められる技術 ア.ケアマネジメント力 ケアマネジメントは、施設や関係機関の支援や地域資源と、子どもや保護者等

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この場合にも、家庭裁判所や少年鑑別所は国の機関であり、各自治体の特殊事情を主 張しても通らないこともあり得るため、根拠に基づいた方針の整備が急がれる課題でも あります。 2.子どもの入所中の連携 児童相談所 児童が入所中も、つねに措置を担当した児童相談所との連携を密にとることが大切で す。子どもを預けたままで、面会に来ない児童福祉司が少なくないとの声も聞きますが、 児童福祉司の業務の多忙さの現状からは、施設に入所している状況はリスクも低く、安 心できる水準なのでしょうし、またそうでなければ困るわけです。しかしながら、施設 は個別契約で子どもを受け入れているわけではありませんから、子どもの援助指針に基 づき、援助計画を立案し、おりおりに児童相談所と連携しながら効果的で遺漏のない援 助を実施します。 児童相談所運営指針は、入所中の援助として、以下のようなことを児童相談所に求め ています。

取得後 · その2(PDF/1.7MB)(115ページ) · 115ページ

(1) 児童相談所は、子どもが児童福祉施設等に入所した後も、その施設、保護者等 との接触を保ち、適切な援助を継続的に行う。 (2) 児童相談所は、法第 30 条の2に基づき定期的に児童福祉施設に入所している子 どもの養育に関する報告を施設から徴し、必要に応じ子どもや保護者等に関す る調査、診断、判定、援助を行い、また定期的に施設を訪問したり、施設と合 同で事例検討会議を行う等、相互の連携を十分に図るよう留意する。 なお、施設訪問の際には、極力子どもと面接する時間をとり、子どもの意向を把 握する等、効果的な訪問に心がける。

取得後 · その2(PDF/1.7MB)(115ページ) · 115ページ

なお、都道府県等の行った指導又は助言について、児童福祉施設最低基準(昭 和 23 年厚生省令第 63 号)第 14 条の3第3項により、児童福祉施設は必要な改 善を行わなければならないことが明示されている。 また、社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する法律(平成 12 年法律第 11 号)の施行に伴い、苦情解決の仕組みが整備されたことから、問 題の解決に当たっては、都道府県等の本庁と緊密な連携を図るとともに、施設運 営、法人運営について都道府県知事等が改善の勧告や事業の停止命令等の行政処 分を検討する際には、児童相談所は子どもの権利擁護の観点から適切な対処に心 掛ける。

取得後 · その2(PDF/1.7MB)(117ページ) · 117ページ

たり毅然とした対応をとってもなお子どもの保護に支障をきたすと認められる 場合などには、本保全処分の申立てを検討する。 これらの中には、施設が取り組み、必要に応じて児童相談所や主管課に報告すべきも のもありますが、いずれにしても、相互の役割を明確にしつつ、法令や指針などに根拠 のあるものについては、それを遵守した上での連携を図る必要があります。 学校との連携 児童自立支援施設の援助において、学校との連携は非常に大切となります。 かつては、ごく一部の児童自立支援施設で学校教育が実施され、分校や分教室が設置 されていましたが、多くの施設は寮担当の職員が、本館などといわれる建物にある教室 での学習も指導し、放課後のクラブ活動の指導も、寮の作業などの時間と兼ねる形で指 導していました。

取得後 · その2(PDF/1.7MB)(118ページ) · 118ページ

この苦情の相談や申し立ては、基本的に誰でもできることになっているため、児童 自立支援施設での支援に関しても申し立てられる可能性はあり、その場合には、この 委員会の公的性格などを考慮して、真摯に対応することが必要です。 法務省法務局・人権擁護委員 法務省は、人権擁護相談を受け付けており、各地に開設されている「人権相談所」や 随時の特設人権相談所なども開かれます。これらは法務局や市町村が窓口になります が、特に子どもに関しては、子どもの人権に関する相談を専門に扱う「子どもの人権1 10番」がそれぞれ開設されており、人権擁護委員や法務局職員が電話相談に応じてい ます。国の機関による、公正中立さと、手続きが無料で簡単な相談から始められ、迅速 で柔軟な相談が行えることを特徴としています。 内容は、広く人権に関することなら制限がなく、近年は学校のいじめなどの相談件数 も増加しています。

取得後 · その2(PDF/1.7MB)(120ページ) · 120ページ

要保護児童対策地域協議会 平成16年の児童福祉法の改正により、虐待や非行などに対する市町村の体制強化を固 めるため、関係機関が連携を図り児童虐待等への対応を行う要保護児童対策地域協議会 の設置を進められ、現在ではほとんどの市町村で設置されています。 この協議会のねらいは、要保護児童、要支援児童、特定妊婦など要保護児童対策地 域協議会の支援対象事例の早期発見・早期対応、関係機関の連携、それに担当者の意識 変化にあるとされています。ネットワークを組むためには、支援対象家族などの個人情 報を安心して扱う必要があるため、要保護児童対策地域協議会の構成員には、その職を 辞した後にも厳格な守秘義務が課せられています。

取得後 · その2(PDF/1.7MB)(122ページ) · 122ページ

児童委員は、地域の子どもたちが元気に安心して暮らせるように、子どもたちを見守 り、子育ての不安や妊娠中の心配ごとなどの相談・支援等を行います。 児童委員の職務は、児童福祉法第 17 条第 1 項に、以下の通り定められています。 一 児童及び妊産婦につき、その生活及び取り巻く環境の状況を適切に把握してお くこと。 二 児童及び妊産婦につき、その保護、保健その他福祉に関し、サービスを適切に 利用するために必要な情報の提供その他の援助及び指導を行うこと。 三 児童及び妊産婦に係る社会福祉を目的とする事業を経営する者又は児童の健 やかな育成に関する活動を行う者と密接に連携し、その事業又は活動を支援す ること。 四 児童福祉司又は福祉事務所の社会福祉主事の行う職務に協力すること。 五 児童の健やかな育成に関する気運の醸成に努めること。

取得後 · その2(PDF/1.7MB)(123ページ) · 123ページ

第15章 職員の資質の向上 第1節 職員の専門性 1.はじめに 児童自立支援施設運営指針では、「子どもの支援を担う人」について、 ・職員は、よりよい「支援の質」を追求する姿勢を持ち、「共生共育をするおとな」 として存在しなければならない。 ・子どもの働きかけに対する職員の適時適切な応答・コミュニケーションの積み重ね が、子どもの生きる心の体力を育むのであり、「大切にされている」「理解してく れている」という感じを与える良質な対応が大切である。 ・職員は、どのような場面でどのような言語的・非言語的コミュニケーションが必要 かについての深い理解と良い技術、子どもと楽しみながら生活できるセンスやバラ ンスのある豊かな生活者としての人間性を持つ必要がある。 ・ケアワークの専門性は、現場の生きた実践過程の中で獲得し、たえず評価し見直さ なければならない。

取得後 · その2(PDF/1.7MB)(126ページ) · 126ページ

職員は、常に自らのあり方を問いつづけ、自己変革していくこ とが求められる。 ・そのため、繰り返し研修を重ね、自らの経験や行き詰まりに対して理解や納得を得 ることや、スーパービジョン、ケース・カンファレンス、自立支援の実践と研究の 並列的な推進が必要である。 と定められています。 児童自立支援施設には、児童自立支援専門員、児童生活支援員、家庭支援専門相談員 (ファミリーソーシャルワーカー)、心理療法担当職員、医師、看護師など、様々な職 種の方々が従事しています。 専門性というと、職種別の独自な専門性もありますが、ここでは、個々の専門性につ いて触れることはせず、特にケアワーカーである児童自立支援専門員と児童生活支援員 を中心に据えながらも児童福祉施設で子どもやその家族に直接かかわる専門家が共通 してもつべき専門性について触れることにします。

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ある以上、知りませんでしたでは済まされません。過誤を起こしやすい問題については、 正確に認識しておくことが必要です。 したがって、このような福祉過誤を予防するためにも研修・研究は必要不可欠なので す。 6.専門性向上のための研修 これについては、ここまで職員の専門性について述べてくればあえて言う必要もない でしょう。職員自身があるいは施設として、たえざる専門性向上のための研修を行うこ とがいかに大切か理解できたと思います。 児童自立支援施設運営指針の中でも、職員の資質向上について、 ①組織として職員の教育・研修に関する基本姿勢を明示する。 ・施設が目指す支援を実現するため、基本方針や中・長期計画の中に、施設が職 員に求める基本的姿勢や意識、専門性や専門資格を明示する。 ②職員一人一人について、基本姿勢に沿った教育・研修計画を策定し、計画に基づいた 具体的な取組を行う。

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・職員一人一人について、支援技術の水準、知識の質や量、専門資格の必要性な どを把握する。 ・施設内外の研修を体系的、計画的に実施するなど、職員の自己研鑽に必要な環 境を確保する。 ・職員一人一人が課題を持って主体的に学ぶとともに、他の職員や関係機関など、 様々な人とのかかわりの中で共に学び合う環境を醸成する。 ③定期的に個別の教育・研修計画の評価・見直しを行い、次の研修計画に反映させる。 ・研修を終了した職員は、報告レポートの作成や研修内容の報告会などで発表し、 共有化する。 ・研修成果を評価し、次の研修計画に反映させる。 ④スーパービジョンの体制を確立し、施設全体として職員一人一人の援助技術の向 上を支援する。 ・施設長、基幹的職員、心理療法担当職員、家庭支援専門相談員などのスーパー バイザーに、いつでも相談できる体制を確立する。

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第16章 施設の運営 第1節 運営理念と基本方針の確立と周知 1.理念と基本方針 社会福祉法において、利用者個人の尊重(第 3 条)や地域福祉の推進(第 4 条)、さ らには社会福祉事業の質の向上に向けた取組(第 78 条、第 82 条)等、これからの社会 福祉の方向性が規定されています。 施設においては、社会的養護の内容や児童自立支援施設の特性を踏まえた法人・施設 運営の理念を具体的に示していく必要があります。理念には子どもの権利擁護や家庭的 養護の推進の視点を盛り込み、施設の使命や方向性、考え方を反映させながら作成し、 基本方針においては、理念と整合性があり、職員の行動規範となる具体的な内容を盛り 込んで作成する必要があります。

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作成した運営理念や基本方針を明文化し、事業計画や広報誌・パンフレット等に示し た上で、全職員、子ども、保護者等に周知徹底を図り、理解を促していくことが重要と なります。 2.中・長期的なビジョンと計画の策定 組織理念や基本方針を策定した後は、その実現に向けた具体的な取組が求められま す。将来像(3 年~10 年程度)や目標(ビジョン)を明確にし、施設が進むべき方向性 の実現に向け、組織体制や設備の整備、職員体制、人材育成等に関する具体的な事業計 画を策定していかなければなりません。 実際の事業計画作りにおいては、職員等の参画のもとで策定すること求められます。 計画内容については職員に文書を配布し、わかりやすい説明資料をもとに、会議や研修 などで説明するとともに、理解を促す取組を行っていく必要があります。さらには子ど もや家族への説明も行うべきでしょう。

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また、子どもの無断外出が発生することもありま すが、安易な同情から喫煙や盗みなどを大目に見たり、見逃したりしないことを理解さ せておかなければなりません。 7.評価と改善の取り組み 社会福祉法第 78 条で、施設は「良質かつ適切な福祉サービスを提供するよう努めな ければならない」とされており、養育の質を向上させることは重要な課題です。 そのため施設運営や養育内容について、自己評価、第三者評価等、定期的に評価を行 う体制を整備し、機能させていく必要があります。自己評価は毎年実施し、3 年に 1 回、 認定された評価機関の第三者評価を受診しなければならないこととされていますし、評 価結果については公表することが前提となっています。

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し、施設が取り組むべき課題を明確にしながら、改善計画を立てて実施していかなけれ ばなりません。 第2節 事故防止・安全対策 1.事故対応マニュアル(災害や事故対応等)及び衛生管理マニュアル 災害(地震、火事、台風等)や事故等を想定した「事故対応マニュアル」を整備し、 予め緊急時の職員の役割分担や業務等を定めておきます。また法令に定められた避難訓 練等が実施されていることが必要です。 最近は、感染症(インフルエンザ、ノロウィルス等)対策を想定した「衛生管理マニ ュアル」の整備も必要です。感染予防のための予防法、消毒や清掃方法等が定められて おり、保健所への届出、指導に従って対応していかなければなりません。 2.情報セキュリティーの徹底 「個人情報の保護に関する法律」(2003(平成 15)年成立、2005 年施行)は、個人情報の適正 な取扱いに関し、基本理念及び基本方針等を定めたものです。

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国及び地方公共団体の責務等及び、 個人情報事業者の遵守義務等を定め、個人の権利利益を保護することを目的としたものです。施 設で扱う個人情報は多岐にわたることから、個人情報の慎重かつ適正な取扱いが求められて います。 3.職員の汚職、法令違反等の事故防止 職員の汚職(贈収賄)事故防止、職員の法令違反等の事故防止に努めなければなりま せん。違反した場合は職員の処分規定等が定められています。公立施設であれば、公務 員として、信用失墜行為が禁止されていることは言うまでもありません。 第3節 今後の課題 1.専門的機能及び相談、通所、アフターケア機能の充実等 (1)専門的機能 児童自立支援施設がこれまでの長い歴史の中で築いてきた、小舎夫婦制や小舎交替制 の運営形態をさらに発展させる必要があることは言うまでもありません。

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児童福祉法の一部改正(1997 年)により、教護院から児童自立支援施設へと名称が 変更になるとともに、入所対象が、不良行為をなし、又なすおそれのある子どものみな らず、生活指導等を要する子どもも含むことになりました。

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同時にこの改正により、施

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設入所児童に教育を受けさせる義務が課せられることになり、公教育の導入が進めら れ、2013 年 4 月、58 施設中 47 施設において分校や分教室等が設置されました。 また、中学卒業後児童への対応力が強化され、児童自立支援施設から高校へ通ったり、 就職準備を進めたりする子どもたちが多くなってきました。虐待の影響や不適切な環境 から、要保護性の高い子どもが多くなってきたといえるでしょう。最近は、虐待を受け た経験や発達障害・行為障害等の障害を持つ子ども、性加害・性被害の子どもなど、特 別なケアが必要なケースの入所が増加しています。子どもの抱える問題の複雑さに対応 し、個別支援や心理治療的ケアなど、より高度で専門的なケアを提供できるような機能 強化が求められています。

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このため、心理療法担当職員の複数配置など、手厚い人員配置が求められるとともに、 職員の専門的研修も充実しながら、施設運営と支援の質の一層の向上を図っていく必要 があります。 (2)相談、通所、アフターケア機能の充実等 子どもが安定した社会生活や家庭生活を送ることができるよう通信、訪問、通所など によって、退所後の支援を行うことは施設の重要な業務の一部として位置づけられてい ます。施設が相談窓口として機能していることを退所した子どもに伝え、子どもや家庭 の状況を把握するため、退所後の記録を整備し、自立を支援します。子どもの状況によ っては、家庭から切り離し、施設の自活寮等に戻して生活を考えることも必要となる場 合もあり、特に交替制では職員の人事異動は避けらず、時間の経過とともに知っている 人が誰もいない場合も考えられることから、組織全体の取組として行うことが必要で す。

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退所した子どもの情報をアフターケアの記録としてまとめ、組織として共有する仕 組みを作ることが大切です。なお、退所した子どもを通所させる際においては、「二重 措置は認められる」との厚生労働省所管の判断が示されています。 また、必要に応じて、児童相談所と協議の上、市町村担当課と情報共有し、地域の関 係機関、団体等と積極的な連携を図ることも必要です。要保護児童対策地域協議会や福 祉事務所との連携などを視野に入れ、地域の関係機関と連携して、退所後の生活支援体 制を構築することも方策の一つです。 これらの機能をさらに充実発展させていくことが強く望まれます。 さらに、これからの児童自立支援施設における新たな事業として、地域の福祉ニーズ に基づいて、地域の子育てを支援する事業(ショートステイや育児支援相談事業など) や活動を行うことが必要になってきます。

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これまで、施設が蓄積してきた非行相談等の知見や経験を生かし、通所機能を活用し て地域や他の施設の子どもについての相談援助などを実施することが望まれます。地域 との交流を広げるための地域への働きかけを行いながら、施設が有する機能を地域に開

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放・提供したり、地域の福祉ニーズを把握するアンケートなどを積極的に行い、通所機 能を事業計画等に規定し、組織的な取組が行われることが望まれています。第三者評価 基準では、通所を実施している場合のみが評価の対象となっています。 2.施設の総合センター化 将来的には、児童自立支援施設が少年非行全般への対応が可能なセンター機能を設け ることが必要です。

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<参考文献> 「児童自立支援施設運営指針」H24.3.29.

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編集委員一覧 ◎ 相澤 仁 国立武蔵野学院 (第 2 章 第 6~8 章 第 10 章 1・2 節 第 15 章 1 節) 鈴木 崇之 東洋大学ライフデザイン学部 (第 1 章 第 11 章 第 12 章) 田中 康雄 こころとそだちのクリニックむすびめ (第 4 章 第 9 章) 豊岡 敬 東京都誠明学園 (第 10 章 3 節 第 15 章 2・3 節 第 16 章) 西浪 祥子 岡山県立成徳学校 (第 5 章 第 13 章) 野田 正人 立命館大学産業社会学部 (第 3 章 第 14 章) 吉川 正美 滋賀県立淡海学園 (第 7 章 第 8 章) (オブザーバー) 田中 浩之 厚生労働省雇用均等児童家庭局家庭福祉課 (序章 第 3 章) 〈50 音順〉 ◎ … 委員長 ( )内 … 執筆担当箇所

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児童自立支援施設運営ハンドブック 平成26年3月発行 監修 社会的養護第三者評価等推進研究会 編集 児童自立支援施設運営ハンドブック編集委員会 厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 家庭福祉課 〒100-8916 東京都千代田区霞が関 1-2-2

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資料と取得情報

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